Webサイトの運営を担当している人にとって、「検索順位を上げること」は重要な役割の1つです。いくら魅力的なコンテンツを作っても、商品を宣伝したくても、検索順位が上がらなければユーザーに見つけてもらえないからです。
検索順位を上げるための対策を「SEO対策」と言い、さまざまな手法が存在します。しかし、検索の仕組みも日々変動しているため、少し前までは有効だった施策も、今は効果が薄い…というケースが少なくありません。
今回は、現在の検索エンジンの仕組みに従って、検索順位向上を狙うためのSEO対策の方法について分かりやすくご紹介します。
目次
SEO対策について説明する前に、そもそもの前提知識として「検索順位とはなにか」について触れておきましょう。
「検索順位」と呼ばれるものは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワードを検索した際に、検索結果に表示されるサイトの表示順のことを指します。上位10位内を”上位表示サイト”と定義するSEO業者もいますが、1位に表示されるサイトと、5位に表示されるサイトではクリック率に大きな違いがあります。
有料広告によって表示される検索結果と自然な検索結果画面に表示されるものは分けて考える必要があります。どちらにも検索順位が存在しますが、今回説明する検索順位は「自然検索」の検索順位についてです。
2017年にアメリカのInternet Marketing Ninjas社が調査したテータによると、検索結果1位表示されたサイトのクリック率は21.2%ですが、2位になるとクリック率は10.65%と半減します。5位になると、検索率は3.42%しかありません。
もちろん、検索順位が高い = 売上につながるという訳ではありませんが、検索結果に表示されてもクリックされないのであればそれは機会損失です。少しでも多くのユーザーに訪問してもらうために、SEO対策を通じて少しでも検索順位を上げる必要があります。
では、検索順位はどう決められているのでしょうか。
検索順位は、Googleなどの検索エンジンのアルゴリズムによってほぼ自動的に決まります。また、Googleアルゴリズムによる順位決定要素は200以上あるとされています。順位を決める200以上の要素をGoogleが公開していませんが、独自に順位決定要因を掲げている下記のサイトは参考になります。
これらの200以上の順に決定要因を持つアルゴリズムを大別した上で施策を分けると、「内部施策」と「外部施策」に分かれます。
内部施策に限って言えば、適切なマークアップなどの要件を満たしたテクニカルな内部施策とコンテンツに対する内部施策があります。
外部施策は、他サイトに引用される機会を増やすことを意味しています。
内部施策と外部施策それぞれにガイドラインは存在するので、独学で対策を行う場合はGoogleが公表しているガイドラインを参考にするべきです。
SEO対策を独学でする覚悟がある方は、以下のGoogleガイドラインを一読して、理解する必要があるでしょう。
Googleが検索結果を表示するまでの流れは以下のようになっています。
まずは、Googleのクローラーと呼ばれるロボットが、世界中のサイトの情報を収集します。クローラーにより検索エンジンに登録されることを「インデックス」と呼び、インデックスされたサイトについてさまざまな要素を踏まえてランキングされています。新しく作ったサイトがすぐに検索結果に反映されないのは、この「インデックス」をされていないからです。
検索順位を決めるアルゴリズムについては公表されていませんが、タイトルタグ、ページのボリューム、コンテンツの内容、被リンクの数、アンカーテキスト、表示速度、モバイル対応などさまざまな要素が加味されていると言われています。
SEO対策を行う際は、最新のアルゴリズム傾向を把握し、それを踏まえた上で施策を展開していかなくてはなりません。そして、アルゴリズムは常に変動をし続けているため、一度SEO対策を終えて満足するのではなく、定期的な状況把握と、SEO対策のブラッシュアップを続けていく必要があります。
その中でも順位を上げる上で特に重要なのは、「コンテンツの質」です。少し前までは、文字数が多ければ多いほど順位が上がりやすい傾向にあり、順位と文字数に強い相関がありました。ところが、アルゴリズムが改良されていくにつれ、文字数と順位にほとんど相関は見られなくなりました。
代わりに順位を上げる上で重要になった質が高いコンテンツとは、どのようなものでしょうか。
質が高いコンテンツとは、一言で言えば「検索意図を満たしたユーザーの役立つ情報」です。
本当にユーザーの役に立つ情報を提供していれば自ずと検索順位は上がります。
検索順位を上げるためには、まずユーザーが検索したキーワードの検索意図を考え、ユーザーの悩みを解決してあげるコンテンツを提供しましょう。
さらに質が高く、ユーザーに役立つコンテンツを目指すために、Googleが提唱するE-A-T(権威性、専門性、信頼性)の考え方を知っておくこともかなり重要です。こうしたユーザーに役立つコンテンツの指標や考え方は、Googleが公表している品質評価ガイドラインに目を通すことで理解が深まります。Googleの品質評価ガイドラインは、かなりの長文で苦労しますが、苦労する分だけ価値があります。
現在の検索アルゴリズムを前提にして、SEO対策としてまずやるべきことを6つご紹介します。それぞれの項目に沿って、Webサイトの内容を最適化していきましょう。
まずやるべきなのが、「ターゲットキーワードの選定」です。どのキーワードで上位表示するのかを決めていないというのは、ゴールの見当たらないままマラソンを走っているようなものです。
キーワード選びも「何を選んでもいい」という訳ではなく、ビジネスに合った的確なキーワードを選ぶ必要があります。そうすることで、よりコンバージョンにつながりやすいキーワードで上位表示を狙え、競合よりも優位にマーケティングを進めることも可能です。キーワードプランナー等のツールを使ったり、実際の検索結果を比較したりして、あらかじめどのキーワードでSEO対策を行うのか計画していきます。
キーワードは、検索数やコンバージョン率から大きく3つのカテゴリに分けることができます。
検索数が多く、競合も多い単語1つのキーワードです。「クレジットカード」「脱毛サロン」などが例としてあげられます。さまざまな目的で検索しているユーザーが多いので、このキーワードからのコンバージョン率は比較的低めです。
2~3語のフレーズで検索される、検索ボリュームが絞られたキーワードです。「クレジットカード 比較」「脱毛サロン おすすめ」などです。ある程度検索意図が具体的になるのでコンバージョンも期待できますが、それでも競合が多いのが特徴です。
ミドルキーワードよりも具体的な検索ワードです。「クレジットカード 限度額 比較」「脱毛サロン 新宿 おすすめ」などです。検索ボリュームが一気に少なくなりますが、コンバージョンに近いユーザーが検索するワードなので、より高いコンバージョンが見込めます。
各キーワードを例を交えると下記のようになります。
カテゴリー
|
キーワード
|
検索ボリューム
|
---|---|---|
ビッグキーワード | クレジットカード | 246,000 |
脱毛サロン | 18,100 | |
ミドルキーワード | クレジットカード 比較 | 14,800 |
脱毛サロン おすすめ | 3,600 | |
スモールキーワード | クレジットカード 限度額 比較 | 20 |
脱毛サロン 新宿 おすすめ | 10 |
ビッグキーワードで上位表示を狙うのは難しいので、ミドルキーワードとスモールキーワードを上手に組み合わせるのが有効な考え方です。
ユーザーがコンテンツを探すときに検索しそうなキーワードという観点でも洗い出しましょう。Search Consoleヘルプでは以下の例示が示されています。
そのトピックについてよく知っているユーザーは、よく知らないユーザーとは異なるキーワードを検索クエリで使用するかもしれません。たとえば、長年のサッカーファンは「国際サッカー連盟」の略語である「fifa」というキーワードで検索し、新しいファンは「サッカー プレーオフ」のようなより一般的なクエリを使用するかもしれません。
こういった検索行動の違いを意識してキーワードを決めると、より多くの流入が期待できるでしょう。
ターゲットキーワードを設定できたら、そのキーワードを盛り込んだ質の高いコンテンツを作成します。現在のSEO対策では、この「質の高いコンテンツ」というのが非常に重要です。先述したSearch Consoleヘルプでも、『人を引きつける有益なコンテンツを作成すれば、このガイドで取り上げている他のどの要因よりもウェブサイトに影響を与える可能性があります。』と述べられているほどです。
ただ、質が高い = 網羅性が高く、ボリュームの大きいコンテンツというだけではありません。「ユーザーにとって役に立つ情報が掲載されているか」という点が求められます。役に立つ情報は、多くのユーザーに閲覧されて被リンクが集まり、Googleの評価も高めるという仕組みです。
コンテンツの質を高めるために、以下のポイントを意識して内容を構成してみましょう。
コンテンツの内容を構造化し、見出しや箇条書きを使ってわかりやすく整理します。文法の間違いのない、読みやすいテキストを心がけます。また、コンテンツの量も、テーマの内容を説明するのに過不足のない適切さを目指しましょう。長すぎてもコンテンツのテーマがぶれて分かりにくくなりますし、コンテンツ量が少なすぎればページの目的を達成できません。
既存コンテンツのコピーではない、自サイト独自のコンテンツを制作します。
できれば、そのコンテンツの執筆者情報を明確にし、記事の専門性と権威性を表しましょう。ユーザーの信頼度を高めることができます。
コンテンツの内容を作成したら、htmlを検索エンジンに向けて最適化する内部施策を行います。具体的には、以下の対応を行いましょう。
サイト全体に共通する項目として、以下のうち対応できていないものがあれば設定を見直しましょう。いずれもユーザービリティ向上にも繋がる施策ばかりです。
統一するURL表記を決め、301リダイレクトを設定する
広告を表示しない、検索ボックスを入れるなどユーザービリティを意識する
クローラーの巡回を促すために必要
アンカーテキストリンクで設置、構造化マークを行う
サイドメニュー・フッター部分に関連ページへのリンクを設置する
googleのツールに従い最適化
スマホページの作成
キーワードを盛り込み、クリック率を意識する
キーワードを適切に盛り込み、コンテンツを階層化する
コンテンツの内容を要約し、キーワードを適切に盛り込む
画像の内容を適切に置き換える単語を設定する(キーワードの盛り込みはNG)
それぞれの項目について、より詳しくは以下の記事をご覧ください。
他サイトからの被リンクをGoogleは評価します。そして、評価した被リンクをGoogleは順位決定要素に使いますので、他サイトからの被リンクは基本的に順位を上げるために良い影響を及ぼします。
ただし順位に影響を及ぼす被リンクには注意が必要です。
以前のSEOでは、外部からの被リンクの多さがサイト順位に大きな影響を与えていましたが、現在で順位操作を目的とした購入した被リンクはスパム認定され、サイト順位下落の要因となります。
しかし、自然に発生した被リンクはナチュラルリンクと呼ばれ、それが多いほど質の良いコンテンツとみなされるので順位を上げる効果が期待できます。いわゆる「口コミ」のような役割を果たすのです。
被リンクを獲得するためには、他の人に共有したくなるほどの良いコンテンツを作る必要があります。卵が先か鶏が先かという話になりますが、良いコンテンツを作れば自ずと被リンクが獲得できるとも言えます。被リンクについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
被リンクを獲得するために重要な意味を持つのが、SNSです。多くの人に「拡散」できるのは、SNSの強みです。各コンテンツにSNSへのシェアボタンを埋め込むなど、良いと思ったコンテンツを気軽に拡散してもらえる体制を準備しておきましょう。GoogleはSNSの評判を1つのシグナルとして見ています。SNSで被リンクが無くても言及されていることを「サイテーション」と言います。
SNS上でたくさん良いサイテーションがあると、順位を上げる助けになると考えられます。SNSで拡散されたサイテーションについて詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください。
特に対策を始めたばかりのビギナーが盲点になりやすいのが、ページの表示速度です。Googleはページの表示速度をランキング要素に組み込んでいることを2010年4月に公表していますので、ページの表示速度を速くすることが、順位を上げるための1つの要素となります。特にモバイルは表示速度が重要とされており、取り組みは順位を上げるだけでなくUXの観点からも推奨されます。
また、Googleは表示速度が遅すぎるサイトをクロールしない可能性があります。表示速度が遅いサイトをクロールしないのは、サーバー負荷がかかってしまい、クライアントのサーバーがダウンされてしまう可能性があるからです。
クロールされないサイトはインデックスされず、順位が上がることはありませんので、ページの表示速度は注意する必要があるのです。
ページの表示速度を上げる施策はエンジニアの協力が必要になることと思いますが、どんな施策がページの表示速度を知っておくことも重要です。ページの表示速度を速くする施策は下記記事を参考にしてください。
検索順位アップを目指す上で、絶対にやってはならないことがあります。それは、「外部リンクの購入」と「低品質コンテンツの量産」です。いずれもGoogleのペナルティ対象とされ、発覚すると検索順位を大幅に下げられたり、検索結果に表示されなくなるリスクがあります。
また、たとえ検索順位が上がったとしても、この2点に該当するコンテンツはユーザービリティが著しく低いため、コンバージョンにつながらない可能性が高いです。
先述の通り、以前は外部リンクの多さが検索順位に影響を与えていたため、サテライトサイトを量産して相互リンクを貼って上位表示を目指す施策や、外部リンクを手供する業者からの「リンク購入」を行ってSEO対策を行うのが実態でした。
しかし、Googleはこれらの不自然な外部リンクについて強硬な姿勢を取るようになり、警告やペナルティを課すようになっています。リンク購入をした結果、大幅な順位下落などのべナルティに合う事例が報告されているのです。外部リンクは決して業者から買わないこと。SEO施策の基本として頭に入れておきましょう。
PageRank または Google 検索結果でのサイトのランキングを操作することを目的としたリンクは、リンク プログラムの一部とみなされることがあり、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)への違反となる場合があります。
引用:Search Console ヘルプ「リンク プログラム」より
Googleは被リンクについて、違反となるガイドラインを明示しています。多くのホワイトハットな手法を行う人には無縁ですが、1度読むことをオススメします。以下記事を参考にしてください。
コンテンツ量が検索順位に良い影響を与えると勘違いしている場合に多いのが、「低品質なコンテンツでも、大量にアップすればサイト全体の評価が上がり、ターゲットキーワードの上位表示が可能になる」という考え方です。しかし、これも近年のアルゴリズム変動により、ユーザーに有益でないコンテンツは検索順位が下がることが分かっています。
キーワードを無理やり羅列したような意味のないコンテンツはもちろん、自動生成されたコンテンツ、他のソースを複製したコンテンツなどはすべてNGです。ペナルティを受ける可能性もあります。現在のSEOで重視されるのは「コンテンツの質」ということを念頭におきましょう。
検索順位が上がれば上がるほど、流入数が増える相関関係にあることに間違いはないですが、検索順位だけを追うのは少し時代遅れかもしれません。
検索結果の画面は日々改良されており、必ずしも検索順位1位だけを目指すのが正解とは言えません。
すなわち、検索結果画面が変わる動向は常にウォッチしておく必要があります。
例えば、「渋谷×カフェ」と言うキーワードで検索した場合、下記のような検索結果画面になります。
上記画像のように検索結果画面に表示される要素のことを「ローカルパック」と言い、通常のSEO検索順位よりも目立つ位置に最近では表示されます。このローカルパックが表示されると、順位が1位でも表示箇所は下になってしまうので、ローカルパックが表示されない検索結果に比べてクリック率が下がります。
こうした検索結果画面のローカルパックが表示されるなどの動向は、順位だけを追っても気づかない点なので、順位というミクロな視点ではなく、検索結果画面全体を意識したマクロな視点で考える必要があります。
検索結果画面のことをわれわれの業界ではSERPと言います。順位だけではなく、SERPも意識した対策が本質的です。
検索アルゴリズムは日々変動・複雑化しており、「こうすれば必ず検索順位が上がる」という法則がないのが実際のところです。その中でも、現在のアルゴリズムが重視するポイントを押さえ、ユーザーの求めるコンテンツを丁寧に提供することで、検索順位アップは十分に見込めます。あくまでも「ユーザーファースト」であることを忘れずに、多くの人の役に立つコンテンツ設計を通して高い検索順位を目指しましょう。
この記事をご覧いただいている皆様へ。 このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開さ…
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