Googleは、自分たちの使命を「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」とし、ユーザーが求めている情報を検索結果からアクセスできるよう、常に検索エンジンのアルゴリズムやシステムを改良し、日々検索結果に表示される順位や内容は変わっています。
今回は Googleの検索エンジンの順位付けに置いて欠かせない、「Googleアルゴリズム」の歴史についてご紹介します。
「アルゴリズム」とは、プログラミングにおいて使われる言葉で、コンピューターで計算を行う際の「計算方法」のことを言います。
Wikipediaでは「問題を解くための手順を定式化した形で表現したもの」「算法」と書かれています。
もう少し噛み砕いた言い方をすれば、何か問題を解いたり、何か作業をする上での手順やルールのことです。
アルゴリズムをイメージしやすくするための例として、お釣りを渡す時にお札と小銭の数を最小で返すための手順、というものがあります。
最小で返すには、まず大きい紙幣から返して行き、次に大きい貨幣から返していくという手順を踏むことで実行できます。例えば1,823円のお釣りを返す際は、まず1,000円札を1枚返し、その次に500円玉を1枚、100円玉を3枚、10円玉を2枚、1円玉を3枚、という手順を踏むと、最小限のお札を小銭の数で返すことができます。
人の手でも、この手順・ルールでなくてももちろん最小の枚数でお釣りを返すことはできますが、いろんな金額のものを大量に対応するにはとても時間がかかリますし、間違えもする可能性もあります。
しかしこの手順・ルールをコンピュータに組み込めば、いくらもらって、いくら返すパターンでも一瞬で大量に、正確に処理が可能になります。アルゴリズムにはそういった意味で、プログラミングに必要不可欠なものなのです。
Googleも、検索されたキーワードに対して最適な情報を提供するために、検索順位を決めるための手順・ルールを作り、検索結果を表示させる仕組みが出来上がっています。この検索順位を決めるためのルールが「Googleアルゴリズム」です。
Web上にある何万、何十万とコンテンツを、検索キーワードによってランキング付けするわけですから、先ほどの例の、お釣りを返すような簡単な手順では済みません。とてもたくさんの要素を入れ込んだ、とても複雑なアルゴリズムによってキーワードの順位は決まっています。過去には、検索結果の順位を決めるための要素は200個以上ある、と言うような情報も出回りました。
また、検索キーワードに対してユーザーが求める情報は、社会や文化の変化によって日々変わっていきます。そのため、Googleは検索順位を決めるルールを日々更新していっています。要素を増やしたり、減らしたり、要素の優先度を変えたり…これが「アルゴリズムアップデート」「アルゴリズムの更新」と呼ばれるものです。
Googleは一日に複数回もアルゴリズムアップデートをして改良していっているため、同じキーワードでも毎日検索結果の順位が変動しているわけです。
Googleはアルゴリズムの内容を公開していないため、具体的な順位決定のルールはわかりません。しかし、GoogleはWebマスター向けに、検索結果で上位に表示するためのアドバイスや情報を定期的に提供しています。
その中の一つとして、検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドがあります。
アルゴリズムについて書いている訳ではありませんが、Googleがコンテンツの内容を理解するために必要な要素として以下のようなものを記載しています。(但し、これらはあくまで一部となります。)
また、Googleの過去の発言で明確になったアルゴリズムの要素(ランキング要素、ランキングシグナルとも呼ばれます)の一部を、
アメリカのSEOニュースサイト「Search Engine Journal」の記事を元にご紹介します。
参考サイト:Search Engine Journal
Googleが公式ブログにてランキングにしていると発表したのがHTTPS。
インターネット上のセキュリティ問題が大きくなる中、ユーザーがGoogleから安全なサイトにアクセスできることを求め、2014年8月に発表したランキング要素です。
参考サイト:Google ウェブマスター向け公式ブログ
ページの読み込み速度は、ユーザーがWebサイトを利用する上で、使いやすさを感じるポイントとして、2010年から、 Googleはページの読み込み速度、ページスピードをアルゴリズム要素に使用していると発表しました。
参考サイト:Google ウェブマスター向け公式ブログ
また、更に2018年1月には、モバイルはより速さを求めているとして、モバイル検索のアルゴリズム要素にも、ページ読み込み速度を使用していると発表しています。
参考サイト:Google ウェブマスター向け公式ブログ
検索エンジンスターターガイドでも言及している、ページの内容を説明するtitleタグ。
2016年1月にGoogleのジョンミューラーが過去に公式のフォーラムで、titleタグをアルゴリズムの中に組み込んでいると発言しました。
引用元:Google 公式フォーラム 2016年1月
こちらも検索エンジンスターターガイドで言及している要素。
パソコンよりも、モバイルで検索し、Webサイトを閲覧するユーザーが増えてきたことを受け、2015年4月にはGoogleはモバイルフレンドリーをアルゴリズム要素に組み込んだことを発表しています。
参考サイト:Google ウェブマスター向け公式ブログ
過去、 Googleはページ毎に「PageRank」と呼ばれる指標を公表していました。
主に価値の高いリンクを集めているページを評価するためのもので、今はこの数値を見ることはできませんが、今もPageRankはGoogleの内部で使われていると言われています。
PageRankで取り上げた通り、リンクはランキングを決める上での要素の一つです。
リンクについては、2014年にはGoogle社のマットカッツが、ランキング要素としてのリンクの重要性を動画上で説明しており、現在でも最重要要素と言われています。
引用元:Google 公式フォーラム 2014年5月
2018年のQ&Aセッションでは、Google社員ジョンミューラーがGoogleはドメインレベルの指標を持っているとコメントしました。
基本的にページ単位でのランキング決定ですが、新しいページができた時は、そのページがあるサイト・ドメインの指標を受け継ぐと言います。
これまでにGoogleが実施してきたアルゴリズムアップデートの種類と歴史を振り返りましょう。
2011年に実施されたパンダアップデートは、質の低いコンテンツの検索順位を下げる、コンテンツ内容に重きを置いたアルゴリズムのアップデートです。
このアップデートが実施される前は、ページのコンテンツの中身よりも、ドメインやサイトのコンテンツ量などが評価の重きを置いており、他サイトからコピーしただけのコンテンツや、中身の薄いコンテンツなど、低品質なページを上位表示してしまっていました。
ユーザーにとって有益でないコンテンツが上位表示され、ユーザの満足度が下がってしまう状況を改善するために、質の低いコンテンツを上位表示させないアルゴリズムの更新を行なったのです。
当初は手動で更新されていたアルゴリズムアップデートで、アップデートの際は順位が大きく動きましたが、現在は自動のアップデート更新に組み込まれており、影響度が分かりづらい状態になっています。
パンダアップデートについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
2012年に初めて実施されたペンギンアップデートは、パンダアップデートがコンテンツの中身の評価基準の変更だったのに対して、被リンクの評価基準を変更するアップデートです。
2012年以前は、被リンクの数が多ければ多いほど、上位表示しやすいアルゴリズムになっていました。そのアルゴリズムの隙をついて、悪質なSEO対策として自作自演でリンクを大量に貼るような行為が多く見受けられていたのです。
そういったスパム行為を受け、Googleは質の低いリンクが付いているサイトやページの順位を大きく下げるアップデートを行いました。それがペンギンアップデートです。
このアップデートは2012〜2014年にかけて数回に渡り行われ、自作自演で質の低いリンクを大量に貼っているとGoogleに判断された場合は、「手動による対策」と呼ばれる対応をされ、サイト全体が検索エンジンからはじき出されてしまうケースもあります。この「手動による対策」を受けた場合は、貼っていたリンクをクリーンにするまでは順位が回復せず、非常に重いペナルティが課せられます。
ペンギンアップデートについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
また、「手動による対策」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
ハミングバードアップデートは、検索キーワードの意図や検索する背景、文脈を理解し、より関連のある検索結果を表示するためのアルゴリズムのアップデートです。
このアップデートより以前は、Googleは検索キーワードを単語の羅列として見ていました。
そのため、例えば「新宿駅の近くの飲食店」と検索した場合、「新宿駅」「近く」「飲食店」という単語が含まれているページを表示しようとしていました。
しかし、このハミングバードアップデートにより、単語の羅列ではなく、意味のある文章として検索キーワードを理解するようになったため、「新宿駅付近にある飲食店を探している」という検索意図にあった上記のようなページを表示できるようになったのです。
このアップデートは上記のような会話型のニッチな検索キーワードに影響があったもので、SEO全体の順位変動の影響度は少ないようでした。しかし、よりユーザーの検索意図を汲み取った回答が出せるページが重要になってきたことを示す、とても重要なアルゴリズムアップデートだったと言えるでしょう。
ベニスアップデートは、検索したユーザーの現在位置に合わせた検索結果を表示させるためのアルゴリズムアップデートです。
このアップデートにより、「賃貸」「病院」「レストラン」といった、場所と密接な関係がある検索キーワードの検索結果は、ユーザーの位置情報に合わせて変わるようになりました。
例えば、武蔵野市で「賃貸」と検索した場合は、以下のように武蔵野市の賃貸情報のページが上位表示されますが、新宿区で検索すれば新宿区にこの検索結果が変わります。
クオリティアップデートは、質の高いコンテンツをより評価するアルゴリズムアップデートです。
コンテンツの質について言及している点ではパンタアップデートと同じですが、パンダアップデートは質の低いコンテンツを取り扱っているページだけを対象にしていたことに対し、クオリティアップデートでは、特定のページではなく全てを対象にしており、アルゴリズム全体・核のアップデートと言えます。
なお、「クオリティアップデート」という名称は、海外のSEOニュースサイト「Search Engine Land」が名付けたもので、 Googleの正式名称ではありませんので、ご注意ください。
2015年に導入されたのが検索キーワードとコンテンツの関連性を判断する人工知能(AI)の検索アルゴリズムがRank Brainです。
このRank Brainのアップデート検索キーワードの意味をより理解した検索結果出せるようになりました。例えば「アメリカの首都」と検索した場合の検索結果を見てみましょう。
検索結果に表示される「ワシントンD.C.」という単語には、「アメリカ」という単語も「首都」という言葉も含まれていません。しかし、「アメリカの首都がどこか」ということを学習し、理解しているため、このような検索結果が表示できるのです。
モバイルフレンドリーアップデートは、携帯・スマホの普及によってモバイルの検索ユーザーが増えてきたことを受け、モバイルに最適化しているページをモバイルにおいて上位表示させるようにしたアップデートです。このアップデートにより、モバイルで検索しているユーザーがモバイルで見やすいサイトにアクセスできるようになりました。
このモバイルフレンドリーアップデートの特徴としては、モバイルに限定したアルゴリズムアップデートということです。モバイルに最適化できていない場合、順位が下がるのはモバイルの検索結果だけで、パソコンの検索結果順位には影響がありません。なぜなら、パソコンではパソコンで問題なく見れるページがあれば、表示させるべきだからです。
インタースティシャルアップデートは、アクセスした際に画面を覆い尽くすように広告、インタースティシャル広告が表示されるページに対して、検索順位を下げるためのアルゴリズムアップデートです。
インタースティシャル広告は、本来のページにあるコンテンツが隠れてしまい、ユーザーにとっては不便に感じるものです。そのため、ユーザーがフラストレーションを感じるようなページが上位表示されないように、このアップデートが実施されました。
アウルアップデートは、フェイクニュース(偽ニュース)の上位表示されないために行われたアルゴリズムアップデートです。
このアップデートを行う以前、Googleの検索結果には事実と異なる虚偽の情報が上位表示し、背ユーザーは嘘の情報を見てしまうことがありました。特に大きく問題視されたのは、2016年「ホロコースト」と検索すると、ホロコーストが存在しなかったと主張する嘘の記事が上位表示されたケースです。
Googleはこの問題に対応するため、信用性の薄いコンテンツを上位表示させないようにアルゴリズムの改善を行ったのが、このアウルアップデートです。
2018年の行われたモバイルファーストインデックスは、2015年のモバイルフレンドリーアップデートから、更にモバイルのユーザーが検索ユーザーの大半を占めてきたことを受け実施されたアルゴリズムのアップデートです。
それまで、検索順位はPCのページの内容を基準に、PCの検索結果も、モバイルの検索結果も順位が決定されており、モバイルフレンドリーはそこにモバイルの最適化によって追加で評価をする、あくまでおまけのようなものでした。
しかし、このモバイルファーストインデックスの実装により、PCとモバイルの立場が逆転。今はモバイルのページの内容を基準に、PCもモバイルも検索順位が決定されるようになりました。
いまだに全てのサイトがモバイルページに最適化したサイトにはなっておらず、そういったまだモバイルに適応したページではないサイトについては、モバイルファーストインデックスがまだ適応されていない、というケースもあります。ただし、2019年7月以降に公開されたサイトには、例外なくモバイルファーストインデックスが適応されると Googleが公式に発言しています。
これまでご紹介したアップデートや日々行われている小さなアップデート以外に、Googleは定期的にアルゴリズムの大幅なアップデートを実施しています。それがコアアルゴリズムアップデートです。
年に数回行われており、事前の告知はなく、内容は基本的に発表されません。このコアアルゴリズムアップデートが行われると順位が大きく動くと言われていますが、どのようなアルゴリズムの更新かはわからないため、対策が難しいアップデートです。
Googleのアルゴリズムアップデートに対応するために必要なことは何でしょうか。
今回も簡単に触れていますが、まずはGoogleの目的や、アルゴリズム も含め、検索エンジンがどのような仕組みで作られているか、基本的な部分を理解することが重要です。
基礎を理解していないと、アルゴリズムの更新の意味を間違って解釈してしまい、全く意味のないむしろ逆効果な対策をとってしまう可能性もあります。
なぜ Googleがアルゴリズムアップデートを行なったのか、 GoogleがWebサイト、Webマスターに何を求めているのかを理解できるように、基礎知識はしっかり身につけましょう。
基礎知識を理解した上で、この記事でご紹介したようなサイトを構成する要素をブラッシュアップしてきましょう。
デジ研では、各要素についてのアドバイスをたくさんお伝えしています。それぞれの要素で参考になる記事を記載しますので、ぜひ参考にしてください。
今アルゴリズムの要素とされているものも、日々変わっていきます。もっとも重要なのは、今どのようなアルゴリズムであるのか、最新の情報をキャッチアップしていくことです。
Google公式のウェブマスター向け公式ブログを定期的にチェックしたり、Googleが定期的に行なっているオフィスアワーを見るなど、公式の情報を常に入手できる環境を整えましょう。
また、SEOの知見が深い著名人のブログやツイッター、SEO会社の情報発信ブログなどを見るのも有効です。
ただ、公式ではない情報は、推測も含まれているため必ず正しい、という訳ではありません。公式の情報であることを明言していない限りは、第三者の情報は、あくまで過去の経験に基づく推測であることを前提に、参考にするようにしましょう。
Googleのアルゴリズムは、ご紹介した過去のアップデートでわかるように、その時その時の最新のユーザーニーズに応えるために日々改良がされています。
アルゴリズムアップデートに振り回されるのではなく、私たちWebマスターも、 Googleの理念に共感し、常にユーザーが求める情報は何か、自分が提供できる価値は何かを考えてWebサイトを運営していくことが大事であることを忘れないようにしましょう。
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