2016.11.11SEO記事一覧

SEOトレンドと日本のSEO会社の変遷

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みなさんがSEOに取り組みだしたのはいつ頃からでしょうか?

私がSEOに出会ったのは2006年頃にインターネット広告事業の立ち上げをさせていただいた時期です。
形は変われど、2016年の現在まで約10年間SEO事業に関わらせていただくことができました。

今回のコラムでは、私がSEOに出会った2006年からSEO業界のトレンドと当社のSEO施策をお伝えしたいと思います。

SEOとの出会い

2006年にインターネット広告事業をスタートした当社がまず取り組んだのは、何をするのか考えるところからでした。

2006年当時の電通さん発表の「2006年(平成18年)日本の広告費」によるとインターネット広告費は3,630億円規模で前年比129.3%の伸びだったそうです。

最新の「2015年(平成27年)日本の広告費」によると1兆1,594億円とのことなので9年間で3.2倍に成長したことになります。

2006年当時、特に成長していた分野がSEM(サーチエンジンマーケティング)になります。
2006年のSEMの市場規模が930億円(前年比135.4%)とのことで全体の25%程度を占めていました。

2015年で運用型広告は6,226億円まで成長しましたので、こちらは約6.7倍とインターネット広告全体の成長率の2倍以上の成長を遂げたことになります。大きな要因としてはそれまでキーワード広告だけだった運用型広告が2015年までの間にDSPやディスプレイ広告、スマホ広告、動画広告など様々な広告が生まれたことが大きな要因と言えるでしょう。

では、話をSEMに戻しましょう。
その成長性に魅力を感じ、リスティング広告、SEOをターゲットにして事業準備をはじめたところ、リスティング広告は利益率が低く、SEOに比べて市場の成熟度が高い印象を持ちました。

一方、SEOはまだまだ市場成熟度が高くなく、圧倒的な勝ち組企業も1~2社という状況でした。
何よりも当時は外部リンクSEOが全盛で、外部リンクの品質よりも「リンクの本数がいかに多いか」ということが重要でしたので、コストも安く済むため、利益率が非常に高いことが魅力でした。

会社は創業2年目、新規事業は必ず成功させなくてはいけないタイミングですから、利益を出すことが最も優先順位が高く、その危険な果実に手を出すことに躊躇はありませんでした。むしろ金脈を見つけたというのが、当時の思い出です。

次章からは2006年~現在までのSEOトレンドと当社のSEO施策の変遷について時系列にお伝えします。

2006年当時のSEO施策

2006年から2013年頃まではSEO施策と言えば外部リンク施策と言ってよいほどでした。

そして、2006年頃の外部リンクは品質を重視するもではなく、数を重視するものといっても過言ではありませんでした。その結果、大量のリンクを設置する方法がトレンドになっていました。代表的なものをご紹介します。

相互リンクネットワーク

こちらは2006年より前から行われていた相互リンクをより簡易に自動化する手法です。
元々、相互リンクは同じような属性のWEBサイトがお互いのサイトを紹介し合うというやり取りから生まれた手法です。

ただ、被リンクの効果が徐々に認識されると共に、紹介し合うという目的から、リンクを獲得する手法へと変化していきました。しかし、様々なWEBサイトの問合せフォームに相互リンクの依頼をして、設置をしていくのは非常に手間の掛かる作業でした。

そこで、その外部リンクの設置を自動化する仕組みが開発されました。
有名なものではYomi-searchがあります。(現在はサイトが閉鎖されているようです。)

Yomi-search自体は相互リンクネットワークではなく、相互リンクを簡単におこなうためのCGIで、無料配布されていました。相互リンクネットワークはYomi-searchを持つ運営者がそのネットワークに参加することにより、大量のリンクを貼る代わりに一括で大量のリンクを獲得できるというものでした。

これにより大量のリンクを獲得することはできるのですが、大量のリンクリソースを吐き出すことになり、まもなく効果が無くなった手法です。

当社では2006年~2007年に掛けて、Yomi-searchを利用した外部リンク媒体を制作していました。
当時、エンジニアが不在だった当社にとってCGIで簡易に外部リンクサイトが制作できるYomi-searchは非常に魅力的でした。

最初に200サイトの外部リンクサイトを制作しましたが、2台のサーバーを使って100サイトずつ稼働させていました。制作当時はIP分散という観点はSEO業界でもあまりなく、その後のアルゴリズムの更新で程なくして全てインデックスを削除されてしまいました。

この時代は、「とにかく大量にリンクを貼れば良い」という時代でした。

ワードサラダサイトの大量生産

こちらも一斉を風靡した手法です。ワードサラダとは、自動的に単語を組み合わせ、文法は何となくあっているが、文章に意味がないような文章を大量生産し、外部リンクを設置する手法です。

中には、この手法で数十万単位のスパムサイトを使って、大量の外部リンクを提供しているSEO会社もありました。さすがにワードサラダで作成したサイトをお客様に公開するに抵抗があり、当社ではこの手法を使った外部リンクサイトは使用しませんでした。

隠しリンクスパム

こちらは少々難易度が高い施策でした。
自社で制作した無料アクセス解析ツールやアクセスカウンターツールのタグに、クライアントの依頼を受けたキーワードリンクを仕込む手法です。

こうして、テキストで書くと非常に恐ろしい手法ですが、当時はまかり通っていました。難易度が高い点は、アクセス解析ツールやアクセスカウンターツールを開発して、それをサイト運営者に利用してもらわなくてはいけない点です。

当時はまだGoogleAnalyticsが無料で配布されておらず、無料でアクセス解析やアクセス解析ツールを配布しているSEO会社が非常に強い力を持っていました。ちなみに、リンクテキストはNoscriptで記述しているケースがほとんどでした。

NoscriptとはJavascriptが動作しないブラウザのために代替えとして表示するための内容を記述するタグになります。Javascriptが動作しないブラウザは殆どありませんから、代替えテキストとしてNoscriptの内容が表示されることも殆どありません。つまり大量のリンクを仕込んでも気づかれにくいという点で大きく広がりました。

テキスト広告の買い付け

テキスト広告の買い付けは、これまで紹介したリンクスパムとは少々趣が異なります。
大量リンク時代からリンクの品質に注目が移行してきたのも、2008年前後だったと記憶しています。

品質と言っても、現在のように有用なコンテンツであったり、リンク先サイトとの関連性を持たせるといった内容ではありません。「Googleページランクが高いサイトからの被リンク」が非常に有効でした。

今はGoogleページランクが更新されなくなったため、その有用性は分からなくなってしまいましたが、オーソリティサイトの判定で広く利用されていました。高ページランクを持つサイトのテキスト広告枠の買い付けが広く浸透し、SEO会社による枠の買い占めが起こりました。

後に検索エンジン側も金銭授受により、外部リンクを販売する行為(ペイドリンク)を被リンクとして評価しないという判断を下し、徐々に被リンクを目的としたテキスト広告の買い付けは収束していきました。

正に大量のリンクをどれだけ効率的に集めるのかが問われた時代です。今ではこれらの手法は見る影も無くなってしまいましたが。

外部リンクはクオリティ重視の時代へ

2010年7月までYahoo!JAPANとGoogleはそれぞれ検索順位の評価を別システムにより行っていました。
しかし、2010年7月27日にYahoo!JAPANがGoogleの検索エンジンアルゴリズムを採用するとプレスリリースが出たことにより、SEO業界は変革期を迎えました。

なぜなら、当時はYahoo!用の対策、Google用の対策が存在していたため、外部リンクの内容により、それぞれに強みを持つSEO会社が存在していました。

また、基本的には特定のキーワードをYahoo!、Googleそれぞれで10位以内に表示させることにより、それぞれの順位結果に応じて成功報酬をいただくサービスが業界内でも一般的であったため、Yahoo!、Googleどちらかだけでも表示すれば、成功報酬をいただける課金条件から、Yahoo!、Google共に上位表示するか、どちらも上位表示できないかの2択となったのです。

この出来事がターニングポイントとなり、より自然に見える外部リンク媒体の構築に移行したと考えています。

コンテンツライティング

これまでは自動生成によるワードサラダや、人がライティングしても関連性を軽視(不動産外部リンクサイトから美容系キーワードのリンクを共有等)していたコンテンツライティングから、文章そのもののクオリティは高くありませんが、人が読んで意味が通じるもの、関連性がそれなりに担保されている文章を400文字程度で作成し、それを組み合わせてWEBサイトにする手法に移行しました。

IPアドレス分散

IPアドレスの分散を目的とした、サーバーの分散は取り組まれていました。
しかし、更にその分散精度を上げるため、クラスCレベルでのIPアドレス分散サーバーがリリースされたことにより、SEO会社を初めとして多くの外部リンク媒体を所有するSEO会社はクラスCレベルのIP分散に取り組むようになりました。

オールドドメインの購入

この手法は過去にWEBサイトを運営したが何らかの理由により、ドメインの更新処理がされず、購入可能となったドメインを購入する手法です。過去に運営していた際の外部リンク資産を引き継いで運用を開始できることから、多くのSEO会社、WEBサイト運営者が購入しました。

しかしながら、現在ではこちらもGoogleの対策により、外部リンク資産の引き継ぎは徐々に見直され、効果が薄くなっています。

アンカーテキスト分散

これまでは上位表示したいキーワードと完全一致するキーワードだけでアンカーテキストリンクを設置するのが一般的でした。例えば、当社のサービスサイトを「SEO」で上位表示させたい場合、全ての外部リンクアンカーテキストを「SEO」で設置するという方法です。

当然ですが、全ての外部リンクが同じアンカーテキストになっている状態は不自然であり、Googleにも看破されやすいと言えます。そこで、「SEOならDMS」「SEOコンサルティング」「SEOの問合せなら」といった形でアンカーテキストを分散する手法が一般化しました。

テンプレート分散

元々、生産性を向上させるため、SEO各社の外部リンク媒体のテンプレートは1種類~5種類程度でした。
しかしながら、より自然なWEBサイトからのリンクを設置するため、サイトのテンプレートを多く持つSEO会社が増えました。

自然に見える外部リンク=ユニーク性の実現と考えていた時代です。現在でも外部リンクを提供するSEO会社は概ね変わらず、これらの施策をベースにしてそれぞれの独自性を出していると思います。とは言え、Googleのガイドラインを違反しているという事実は変わりませんが…。

外部リンク施策が終焉に

外部リンクをより自然に見せる時代でも、各SEO会社は高い収益性を維持することができていました。
それは、同じ広告費用として考えたときに、SEOで上位表示できた際の費用の方が、リスティング広告に比べ安価にサービスを提供できていたからです。

しかし、2012年にペンギンアップデートが実装されたのを皮切りに、Googleが外部リンクに対して大規模なペナルティを課しはじめました。

当社もペンギンアップデートの流れに飲まれ、2013年に大規模なペナルティを受けることになります。この出来事を境に、外部リンクから撤退するSEO会社、まだ諦めず、更にペナルティを受けにくい外部リンクを追求するSEO会社、SEO業界から撤退するSEO会社に分かれていきました。

当社は外部リンクペナルティからお客様のWEBサイトを回復させるプロジェクトに全メンバーを投入し、約6ヶ月間ほとんどの業務をこれに費やしました。

その後は特命チームによる対応に切り替えましたが、次の事業軸を外部リンクを使用しないホワイトハットSEO、コンテンツマーケティング、広告運用を始めとしたWebマーケティング全般を支援する事業に転換しました。

中でもコンテンツマーケティング事業は、当時の外部リンク生産チームを解体し、そのメンバーで立ち上げた事業です。現在ではSEOの成果出すために必要不可欠なコンテンツの制作部門として、事業部にとって重要な部署になりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
SEOのトレンドの変化とともにSEO会社の変遷もご紹介させていただきました。

第4章の外部リンク施策の終焉に記載した「外部リンクから撤退するSEO会社」、「まだ諦めず、更にペナルティを受けにくい外部リンクを追求するSEO会社」「SEO業界から撤退するSEO会社」の3つのパターンの内、あなたがご存知のSEO会社はどれを選択したのか、考えてみてください。その企業の考え方が垣間見れるかもしれません。
 

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小林 剛司

小林 剛司

ディーエムソリューションズ株式会社 デジタルマーケティング事業部 部長。某総合電機メーカー系システムインテグレーター企業にて8年間システムコンサルティング営業として従事。導入システムは販売、会計、財務、生産などの基幹業務システムを始め、大規模ネットワーク構築からハードウェア選定まで多岐に渡る。2006年よりディーエムソリューションズ株式会社にてインターネット事業の立ち上げ、現在まで累計1,000社以上のSEOコンサルティングを行う。システムコンサルティング経験からB to Bのコンサルティングを得意とする。