ディーエムソリューションズのSEOコンサルタント、犬塚と申します。
過去には、「SEOコンサルタントがこっそり教えるSEO施策のコツ」など、SEOに成功するためのノウハウを記事として公開しておりました。
コンサルタントとして、様々なクライアント様と一緒に自然検索(SEO)経由の問い合わせ数を増加させるお手伝いをしていく中で、残念ながらSEOに失敗するクライアント様も少なからずいらっしゃいます。今回は、そのようなSEOに失敗するクライアント様に共通して見られる原因をご紹介させていただきます。
昨今の”SEO”に求められるもの
一昔前、”SEO”と言えば「特定キーワードの順位を上位表示する」ということが最大のミッションでした。しかし、特定のキーワードで上位表示しても、必ず収益や問い合わせが増える訳ではありません。
クライアント様に本当の意味で価値を提供するには、問い合わせ数、ひいてはWebからの収益を増加させることが必要です。そのため、昨今の”SEO”に求められているミッションは変化し、「特定キーワードの順位を上位表示する」だけではなく、「自然検索(SEO)経由の問い合わせ数を増加させる」ことが求められています。
それでは、ここから「自然検索(SEO)経由の問い合わせ数を増加させる」ことに失敗しているクライアント様に共通する原因について紹介していきます。
Webサイト自体がSEOに不向きな構造になっている
SEOに失敗するクライアント様で一番多いのが、Webサイト自体がSEOに不向きな構造になっているケースです。
サイト内のディレクトリ構成が最適化されていなかったり、画像を多用しすぎたサイトの場合、検索エンジンが「ページの内容を十分に把握できない」、「検索ユーザーにとって必要な情報量が少ない」といった認識をすることから、低い評価をされるケースが多く存在します。
Webサイトの管理者は、Googleが推奨する施策や、ペナルティを受ける恐れのある施策をきちんと理解する必要があります。
Googleは、Webサイトの管理者向けに、Googleの評価基準などを解説した「ウェブマスター向けガイドライン」を公開しておりますので、Webサイト管理者の方はぜひ一度読んでみることをおすすめします。
引用元:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
また、SEO施策を行う最適なタイミングは、Webサイト制作時やリニューアル時です。
サイトが出来上がってから施策を行う場合、サイトの仕様や構造によって行うことが出来ないSEO施策もあります。今現在、検索エンジン(Google)が推奨する施策を漏れなく実装するためには、サイト設計段階などの上流工程でSEO施策を取り入れるのが最も効果的です。
自社サイトに集客すべきユーザー属性を把握していない
「施策対象サイト自体がSEOに不向きな構造になっている」と少し内容が重複するのですが、そもそも自社サイトを訪れるユーザーの性別や年齢など、いわゆるユーザー属性を把握していない場合、SEO施策を実施しても効果が半減するような場合があります。
逆に、ユーザー属性が判れば、SEO施策によってより大きな効果が見込めます。例えば、訪問数や問い合わせ数の多いユーザーの性別や年齢がわかれば、ユーザー属性に合わせたサイトへとデザインを変更したり、対策キーワードに属性を含めたりすることでターゲットユーザーに対しての訴求力・集客力が増加します。
このような施策を行った結果、施策前に比べて大きく問い合わせ(購入)数を増やしたクライアント様は多くいらっしゃいます。SEO施策を行う前に、現状のサイトに集客すべきユーザー属性をしっかりと確認しましょう。
キーワードのプランニングが出来ていない
キーワードプランニングは、SEOにとって最重要項目といっても過言ではありません。
キーワードプランニングのコツは、「順位」ではなく「問い合わせ(購入)数の増加」を意識することです。
例えば、ダイエット食品のECサイトにおいて、「ダイエット」と「ダイエット 通販」、どちらのキーワードがより問い合わせ(購入)に貢献するキーワードだと思いますか?
もちろん、キーワード「ダイエット」の方が月間検索回数は多いため、様々なユーザーを集客することが可能です。
ただし、「ダイエット」で検索を行うユーザーは、全てが問い合わせや購入に繋がるユーザーとは限りません。「ダイエットに興味がある」などダイエット情報を収集するユーザーも多いことが考えられます。
それに比べて、キーワード「ダイエット 通販」を検索キーワードとして入力するユーザーはどうでしょうか。「ダイエットをするために通信販売でダイエット商材の購入を考えている」ユーザーであることが予想出来ます。前者と比べて、後者の方が問い合わせ(購入)に近いユーザーを集客出来ることがわかるかと思います。
前述の「自社サイトに集客すべきユーザー属性を把握していない」でご説明した、「どのようなユーザーに対して」とあわせて、「どのようなキーワードで集客を行うのか」をプランニングすると、より戦略が具体的になるだけでなく、施策の効果が最適化されるので、時間を掛けてでも考えていただくと後々の施策効果に差がつきます。
外部リンクについて
SEO施策と聞くと「外部リンク」による施策と考える方も多いと思います。
検索結果における順位を上昇させる方法は大きく分けて2通りあります。サイトの内容を検索エンジンにきちんと伝えることによってサイトの評価を高める「内部施策」と、様々なサイトからリンクを受けているサイトは他サイトから評価されているとみなし、順位を上昇させるという検索エンジンの仕様を生かした「外部施策」です。
「外部施策」は非常にリスクが高い施策となっており、最悪サイトが検索結果に表示されなくなるなど、Googleも厳しい姿勢を見せています。
引用元:リンクプログラムのネットワークに対策を行いました
外部リンクは何故リスクが高いのか、外部リンクを使用した施策によってGoogleからどんなペナルティを受けるのかということについては、他の記事でも詳しく説明していますので割愛させていただき、ここでは外部リンクの施策について私が思うことをお伝えします。
結論からお伝えしますと、「中・長期で集客を行いたい」と考えている方に外部リンクによる施策はお勧めしません。外部リンクによる施策を行って順位が上昇しても、それは「ドーピングによる一時的な効果」であり本来のサイトが持つ力ではないからです。外部リンクによる施策をやめると、今まで設置したリンクも全て削除されるため、一時的な順位上昇を実現していたとしても、急激な順位低下が発生します。
一度でも外部リンクによる順位上昇を経験してしまうと、まるで中毒性があるかのように外部リンクによる施策を止めることが出来なくなってしまうのです。サイトのことを想うなら、外部リンクに頼らず、中・長期といった余裕をもった期間で対策を行うことが重要です。
Webからの集客の重要性を会社全体が意識していない
私の経験上、Webサイトの管理者だけでなく、会社全体でSEOを意識されているクライアント様はSEOに成功しています。
例えば、通販サイトの場合、商品写真や詳しい説明文が必要不可欠です。せっかくSEO施策で訪問者数を増加させたとしても、肝心の問い合わせ(購入)を促す内容になっていなければ、いつまでも問い合わせ(購入)数が伸びません。SEO施策を成功させるためには、会社全体で取り組む必要があることを最後にお伝えさせていただきます。
おわりに
いかがでしたか。「SEOに失敗する会社がやっていること」という少しびっくりするようなタイトルでしたが、この記事を読んでいただき、SEOに失敗する会社が少しでも減ればと思っております。SEOに限った話ではありませんが、施策を行う前の事前準備と、成果を焦らずじっくり戦略を練るということが、SEO成功の鍵なのではないでしょうか。
The following two tabs change content below.
ディーエムソリューションズ株式会社 コンテンツマーケティンググループ 課長。ITベンダーにてプログラマ経験を積んだのち、ある案件で担当したWebサイト制作を通してSEOに興味を持ったのをきっかけに、SEOコンサルタントとしての道を目指し、ディーエムソリューションズへ転職。検索エンジンにおける表示順位を上げ、サイトへの流入数を増やすだけでなく、コンバージョンの増加やブランド認知の向上、コンテンツ資産を高めていくといったWebサイトトータルの成功を日々追及している。