こんにちは、デジ研編集部です。今回はGoogleで2022年に登場した検索アルゴリズムの評価システムである「ヘルプフルコンテンツアップデート」についてご紹介します。
このアップデートでは自動生成された低品質なコンテンツをAIを用いて判別し、より「人間が人間のために作成した独自性のある有用なコンテンツ」を評価できるようになったとされています。
詳しい情報や対策についてご紹介していきますのでぜひご覧ください!
目次
「ヘルプフルコンテンツアップデート(Helpful Content Update)」とは、Googleが検索アルゴリズムに導入したアップデートの1つであり、2022年8月25日にリリースされました。
内容としては、検索結果において『ユーザーにとって有益な情報コンテンツ』を提供しているサイトを優先的に上位表示し、逆に検索エンジン向けのSEO施策ばかりおこなっているサイトの評価を下げるランキングシグナルのアップデートになります。AIがコンテンツの評価を行い、ユーザーにとって価値があるかどうかを自動で識別します。
Googleの過去のアップデートは、ページ単位で評価を受けるものでしたが、ヘルプフルコンテンツアップデートはサイト全体で評価を受けるのが特徴です。
なお、ヘルプフルコンテンツアップデートは、2024年3月のアップデートよりコアランキングシステムに統合されました。そのため、今後はコアアップデートと同時にアルゴリズムの変更が実施されます。
大きな背景にあるのは「ユーザーのGoogle検索離れへの懸念」です。昨今の検索エンジンではSEO施策の情報が飛び交い、日夜サイトの対策が行われています。
ただそこのテクニカルな部分を意識するあまり、ユーザーが満足しづらいコンテンツ(情報の正確性に欠ける、読みづらい等)が目に留まる機会が増えているのも事実です。
Google側としては、検索ユーザーにとって有益かつ満足できる検索体験をしてもらうことで、自社のプラットフォームの利用者を増やしたい想いがあります。そこで、ヘルプフルコンテンツアップデートを実装し、検索意図と提供情報のミスマッチをなるべく防ごうとしているといえるでしょう。
以前にアナウンスされた「プロダクトレビューアップデート」で検出できなかった部分への対応がおこなわれたのが、これまでのアップデートと違う点になります。
プロダクトレビューアップデートとは、主に商品レビューを掲載しているサイトが対象となり、他多数サイトのレビューをまとめたコンテンツよりも、独自の調査などで収集した一次情報を元にレビューしているサイトの評価をより高めるといった内容のGoogleコアアップデートになります。
また「クラシファイア」という最新のAIが導入されているのも大きな変更点で、このAIシステムはサイトコンテンツを“ユーザーの役に立つ度”として数値化したグラデーション判定する最新システムになります。
注意点としては、低品質なコンテンツがあると、ページ単位ではなくサイト全体として評価が下がってしまうことです。
ヘルプフルコンテンツアップデートは2022年の登場以来、同年の8月と12月、2023年9月の計3回実施されました。日本を含むグローバルでは、2022年12月5日より適用がスタートしました。
そんなヘルプフルコンテンツアップデートですが、先に説明したとおり、2024年3月のアップデートよりコアランキングシステムへ統合されています。そのため、以降はコアアップデートとともにヘルプフルコンテンツアップデートも実施されることになります。
また、以前はヘルプフルコンテンツアップデートの実施時にGoogle公式からの告知がありましたが、今後はコアアップデートのみの告知となります。
弊社が携わっている各サイトでは、ヘルプフルコンテンツアップデートに起因する大きな順位変動は確認できておりません。
ただ、Googleは常々「ユーザーファーストのサイト作り」をアナウンスしていますので、今後もこの評価軸は重要視される可能性が高く、サイト運営において注視していく必要があります。また、コアアップデートと同時に実施する形に変更されたことで、今後は順位変動が大きくなる可能性も考えられます。
具体例としては、共起語や関連語句を意識し過ぎるあまり、不自然な文章構成になっているサイトなどがあげられるでしょう。
その他にもソースが不明確な、信用性や信頼性が低い情報を集めたコンテンツの作成、必要以上の内部・外部リンクの設置などもヘルプフルコンテンツアップデートで順位を下げる可能性があるため注意が必要です。
加えて、Googleが公開している「Helpful Content Update」に関する資料では、自社サイトのコンテンツを評価するためのチェックリストが出されています。
「Yes」か「No」で答える簡単な内容で、質問に対して「Yes」がある箇所に関しては、ページを見直す必要があります。
- コンテンツは、人間のために作成されたというより、主に検索エンジンからユーザーを引き付けるためのものですか。
- どれかが検索結果に表示されることを期待して、さまざまなトピックで多くのコンテンツを制作していますか。
- 多くのトピックについてコンテンツを作成する際、かなりの部分に自動化を使用していますか。
- 価値を付加することなく、主に他の人の意見を要約していますか。
- 既存のユーザー層のためではなく、ただ話題になっているという理由で記事を書いていますか。
- ユーザーがコンテンツを読み終わっても、他のソースからより良い情報を得るために再び検索する必要があると感じさせてしまいますか。
- Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか。(そのような設定は存在しません)。
- 検索トラフィックを獲得できると考えて、実際の経験がないにもかかわらず、ニッチなトピックを扱うことにしましたか。
- 実際には答えがない質問にコンテンツ内で答えることを約束していますか(たとえば、未定のはずの商品の発売日や、映画の公開日、テレビ番組の放送日)。
こちらも参考にしながら、ご自身のサイトがマイナス評価の対象になっていないか、確認してみてください。
ヘルプフルコンテンツアップデートがコアアップデートに組み込まれたことで、対策の基本もコアアップデートと同様になります。ただし、よりユーザーの役に立つコンテンツやWebサイトを目指すには、次のような点を意識すると良いでしょう。
ユーザーファーストとは、ユーザーの満足度を最優先するという考え方です。コンテンツ作りにおいて最も重要な要素であり、ヘルプフルコンテンツアップデートの根本的な目的ともいえます。
Googleは、ユーザーファーストなコンテンツを「主にユーザーのために作成されたコンテンツ」と定義し、公式ドキュメントでも明示しています。反対に、検索エンジンのランキング操作を目的としたコンテンツは、検索エンジンファーストなコンテンツと呼ばれます。
Googleは前者を評価することを明確にしているため、コンテンツ作りでは必ず意識しましょう。
また、公式ではユーザーを第一にしているかの評価基準として以下を記載しています。
- 特定のユーザー層がすでに存在しているか、想定されており、その人たちがビジネスまたはサイトを直接訪問した際に、コンテンツを有用だと感じてくれると思いますか。
- コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。
- サイトには主要な目的またはテーマがありますか。
- コンテンツを読み終わったユーザーは、あるトピックについて、目的を果たすのに十分な情報を得たと感じることができますか。
- コンテンツを読んだユーザーは、有益な時間を過ごせたと感じられますか。
コンテンツを提供する側は、上記のとおり自身が有益な情報を持っていて正しく提供できているかを見つめなおすとともに、多岐にわたる検索ユーザーの検索意図に合わせて、その情報を求めている理由や状況をイメージするプロセスを明確に意識しながらコンテンツ作りを行うことが重要になってきます。
ヘルプフルコンテンツアップデート対策では、サイトの専門性を高めることも重要です。専門性の高いWebサイトは、ユーザーから信頼されやすくなり、Googleからの評価も高まります。
サイト運営者やコンテンツの著者情報を明記したり、Webサイトを特定のカテゴリ・ジャンルに特化させたりすることで、ユーザーに専門的な価値を提供しましょう。
近年Googleが重要視しているとされる、EEATの考え方からも効果的な対策です。
ヘルプフルコンテンツアップデートで評価されやすいWebサイトを作るには、定期的に低品質なコンテンツを見直すことも必要です。ユーザーファーストではないコンテンツを見つけた場合は、リニューアルを行いましょう。ユーザーにとって有用なコンテンツの割合が増えれば、サイトの評価は高まりやすくなります。
ユーザーファーストなコンテンツ作りのために具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。重要な要素として6つご紹介します。
ペルソナとは、簡単に言うとサイトを経由して成約に至るまでの“ユーザー像”です。
細かく人物像を設定し対象顧客理解を測ることで、よりユーザー目線のコンテンツ作りができるようになるので、ユーザー目線のコンテンツを作成するにあたって、非常に重要な考えになります。
ペルソナ設定について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
単色文字だけの羅列記事は読む人にとって疲れてしまうものです。
フォントの統一や文字数、文字の大きさに注意するのは勿論、テキストだけの羅列をするのではなく、画像やイラスト,表などを適切に挿入して、読者に伝わりやすいページを心掛けなければなりません。
このようにユーザーのWebサイト閲覧における体験は一般的に「UX、UI、ユーザビリティ」などと呼ばれCV(コンバージョン)改善にも役立ちます。
UX、UI、ユーザビリティについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ページのリンクをクリックしたのになかなか表示されなくてイライラした経験はありませんか?
サイトの表示速度もユーザーの利便性に大きく影響することから、Googleも常々重要性を公言しています。Page Speed Insights(アンカーテキストリンク)というGoogle公式提供の無料分析ツールで簡単にサイトのスピードパフォーマンスを調べることができますので、是非試してみてください。
ページスピードについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
サイトが提供している情報の『信頼性』もユーザー目線のコンテンツ作りとしてかかせません。
例えばSEOについて当社のようなSEO施策を商材の中心としたWebマーケティング会社が発信しているのと、SEO情報をネットで調べただけの何の経歴・功績もない人物が発信するのはどちらの方に信ぴょう性があるでしょうか。
記事の執筆者や監修者の情報や、提供情報の参考文献などをしっかりと明示することで、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trust(信頼性)がきちんとあるサイトとしてユーザーに提示することができます。
EEATについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
Googleは検索結果の多様性を重要視しています。
検索ニーズに沿った情報提供は勿論大事ですが、ユーザー目線で検索した時に似たり寄ったりなサイトコンテンツばかり並んでいたら、様々な情報を目にしたい・様々な情報から自身のニーズに合ったコンテンツを選びたいユーザーにとってはかなり不満を持つことになるでしょう。
ご自身で体験した一次情報を積極的に記載し、他のページには存在しないオリジナルコンテンツを作成していくことでユーザーは様々な情報から自身の見たい情報を選択し、有益な体験を得られるのです。
独自性のあるコンテンツとして先ほどのEEATもそうですが、専門家でなくても一般ユーザーが商品のレビューをするコンテンツも昨今注目されています。
こういったコンテンツはUGCと言われており、自分が体験した出来事は唯一無二であるため非常に独自性のあるコンテンツです。
UGCについて詳しくはこちらをご覧ください。
ユーザーファーストなコンテンツを作るには、読了後の満足感も意識しましょう。自社のコンテンツを読むだけでユーザーが疑問点を解消でき、再検索したいと思わせないことが重要になります。ユーザーの検索意図が多岐にわたる場合は、内部リンクなどを活用して満足度を高める工夫を行うと良いでしょう。
2023年1月に日本を含む全世界にロールアウト完了しています。その後、2024年3月からコアランキングシステムに統合されました。
サイトの掲載順位の回復には数ヶ月かかる可能性もあるとGoogleは公式アナウンスしています。
サイトのランキング評価が下がる理由は大きく分けると「Googleガイドラインにそぐわない」か「ユーザーの利便性低下」の2つになります。
ただ細かく見るとランキングシグナルは200以上指標がありますので、原因を追究するには複合的にサイトを調査しなければなりません。
公式ドキュメントには、有用ではないコンテンツを削除することでサイトの評価が高まる可能性がある旨が説明されています。そのため、ヘルプフルコンテンツアップデートに対応するには、ブラッシュアップが難しい低品質なコンテンツを削除することも選択肢の一つです。
ただし、コンテンツが役に立つかどうかを判断するのは簡単ではありません。アクセス数や訪問者数といった特定の指標のみでコンテンツの有用性を判断し、削除することは控えるべきといえるでしょう。
本記事では、ヘルプフルコンテンツアップデートについてご紹介しました。
ヘルプフルコンテンツアップデートの実装で施策方法がガラッと変更になった訳ではないですが、常々アナウンスされてきた「サイトを見にくるユーザーが充分満足できるか?」ということを、今後はより意識してサイト運営をしていかなければなりません。
また当社では、SEO対策を主軸としたWeb集客のご支援を長くおこなっておりますので、自社で運用しているサイトが現状どれぐらいGoogleから評価されているのか知りたい方は、お気軽にご相談を頂ければと思います。
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