アンカーテキストとは、HTMLファイルに記述するアンカータグ(<a>~</a>)で囲まれたテキストのことで、リンクテキストと呼ばれたりします。
アンカーテキストを利用したリンク設置はSEOの中で避けては通れない道です。ただし、外部施策といったリンクを使用した施策に対する規制が厳しくなっている現在において、正しい使用方法を理解していないという方も多いのではないでしょうか。
アンカーテキストを正しく設置することはユーザビリティを高めることだけではなく、検索エンジンからの評価を高めることにも繋がります。
そこで今回はアンカーテキストの概要とその正しい使用方法について紹介します。
目次
アンカーテキストとは、HTMLに記述するアンカータグ(<a>~</a>)で囲まれたテキストのことです。ブラウザを見るユーザーからは、<a>(アンカー)タグで囲まれたテキストにリンクが設定されており、テキストをクリックするとhref属性で指定したリンク先にジャンプすることができます。
ソースコードの記述例
<p>最新の<a href="https://digital-marketing.jp/seo/">SEO対策とは</a>、どのような施策なのでしょうか。</p>
ソースコードでは、<a>タグでテキストを囲っております。このソースコードをブラウザで見ると以下のようにユーザーには表示されます。
ブラウザ上での表示例
最新のSEO対策とは、どのような施策なのでしょうか。
<a>タグで囲まれた「SEO対策とは」がクリッカブルになっており、クリックするとソースコードのhref属性に指定されたURLに遷移することができます。
アンカーテキストを作るには、<a>~</a>タグで囲い、<a>の中にhref属性を記述します。そしてhref属性の中には遷移先のURLを記述して、<a>と</a>に囲まれた中に、遷移先のタイトルや遷移先と齟齬がない適切な文言を記載します。
<a>タグは、ほとんどのケースで通常テキストと色が違ったり、下線が引かれているので目視で確認もできるでしょう。それでは見落としてしまうようであれば、ページのソースコード全てを開くとよいでしょう。WindowsのChrome,Firefox,IEは「ctrl+u」でソースコードを表示することが可能です。
ソースコードが表示されたら、<a>タグを探すことで見つけることができます。
では、アンカーテキストはユーザーと検索エンジンに対してどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
まずユーザーに対するメリットについて紹介します。
ユーザーが自分の求めるコンテンツをサイト内で探す際にリンク自体が見つけづらいと離脱してしまうケースがあります。そういった機会損失を無くすためにアンカーテキストを利用し、サイト内の動線改善を行う必要があります。
例えば、デジ研でも以下画像のように、一つのコンテンツ内でも他に関連性の高いページが存在している場合は、アンカーテキストで内部リンクを設置しています。
関連記事のコンテンツエリアにはアンカーテキストを設置しております。
このように関連性の高いページへのリンクを正しく設置することで、ユーザーの直帰率を下げ、サイト内の回遊率を高めることにも繋がります。
また、上記で紹介したのは1ページ内でリンクを設置する手法でするが、その他にグローバルナビゲーションなどでTOPページや各カテゴリページへのアンカーテキストを設定することも重要です。
なお、デジ研でも以下のように、グローバルナビゲーションは各カテゴリページへのアンカーテキストを設置しています。
このようなメニューを設置することで、ユーザーが各カテゴリページを見つけやすくなりますし、何よりサイトにどのようなコンテンツがあるのかを伝えることができます。
デジ研であれば、SEOやコンテンツマーケティングだけでなく、アドテクノロジーやWEB制作に関しての情報があることが伝わるかと思います。
このようにアンカーテキストを利用することで、ユーザーの回遊率を高めることに繋がります。
続いては検索エンジンに対するメリット、SEOにおける役割について紹介します。
アンカーテキストがあることで、リンク先のページ内容やコンテンツとリンク先ページの関連性を検索エンジンに伝える役割を持ちます。アンカーテキストがあることで、リンク元ページとリンク先ページに対してそれぞれの評価・理解を促すことが可能です。
検索エンジンはソースコードを辿ります。その過程の中で、検索エンジンはクローラーと呼ばれるロボットがアンカータグ(<a>~</a>)で設定されたリンクを介して、Webサイトを巡回しています。
その際、クローラーは設定されたアンカーテキストを参考に、リンク先がどのような内容なのかを認識しています。そして、リンク先ページの内容をデータベースに登録(インデックス)し、様々な要素を総合的に分析して、サイトやページを評価します。
つまり、アンカーテキストは、検索結果にも良い影響をあたえる余地があるのでSEO施策に有効です。
こちらもユーザーに対するメリットと同様にサイトの回遊率が高まることは検索エンジンに対しても有効です。
先に紹介したように、リンク先のページの内容がアンカーテキストでわかりやすく設定されていれば、検索エンジンが正しくインデックスする手助けになります。リンクを正しく設定することでクローラーもサイト全体を回遊できるようになり、ページをインデックスしてくれることに繋がります。
これまで紹介したように、アンカーテキストを使用することはユーザーに対しても、検索エンジンに対しても様々なメリットがあります。
では、アンカーテキストはどのように設定するのが正しいのか紹介します。
アンカーテキストは、リンク先のページの内容がユーザーや検索エンジンに対してわかりやすいように設定することが重要となります。
「詳細はこちら」「もっと詳しく」「リンク先はこちら」など、ページの内容が抽象的なものではなく「最新のSEO対策とは 、どのような施策なのでしょうか。」など、リンク先のコンテンツがイメージしやすいようなテキストで設定しましょう。
アンカーテキストを設定する際には、検索結果で上位表示したいキーワードを含めると有効的です。先に例として紹介したようにリンク先のページがSEO対策についてまとめったコンテンツであれば、「SEO対策とは」といったテキストで「SEO」「SEO対策」などのキーワードを含めるようにしましょう。
先に紹介したように対策したいキーワードを含めることが重要ですが、あまりテキストが長くなるとユーザーも検索エンジンも理解することに時間がかかる、混乱してしまう可能性があるため、なるべく簡略化して設定しましょう。
【悪い例】 <a href="https://digital-marketing.jp/seo/what-is-anchor-text/">アンカーテキストを正しく設置することは様々なメリットに繋がるため、アンカーテキストの正しい使用方法について紹介しているページはこちら</a> 【良い例】 <a href="https://digital-marketing.jp/seo/what-is-anchor-text/">アンカーテキストのメリットと正しい使用方法はこちら</a>
上記のように簡潔にまとめることで、ユーザーも検索エンジンも理解しやすく回遊率も高まりやすくなります。
特にユーザビリティを高めるために、テキストではなくバナーなどの画像でリンクを設定するケースがあります。この場合は、alt属性で正しくリンク先のページの内容を記載し、検索エンジンに対してもわかりやすく設定しましょう。
以下のように自社サービスの紹介ページへのリンクの場合は「alt="ディーエムソリューションズのSEO・運用型広告・Web制作・コンテンツ制作などのWebマーケティングサービスはこちら"」のように、設定しましょう。
次にアンカーテキストを設定する際の注意点について紹介します。
自身のサイト内だけではなく、外部のサイトに対してリンクを設定する場合でも以下の項目は必ずチェックしておきましょう。
リンク先のページが非公開になっているなど、閲覧できない状態だとユーザーはすぐに離脱してしまいます。また、あまりにもリンク切れが多いサイトになると検索エンジンの評価を下げてしまう可能性があります。そのため、必ず公開されていることを確認しリンクを設定しましょう。
リンク先の内容が全く異なる場合、ユーザーも検索エンジンも混乱してしまう可能性があります。特に検索エンジンは関連性の低いページへのリンクを嫌うため、関連性の高いページをリンク先として設定しましょう。
特に外部のサイトへリンクを設置する場合に限り注意が必要なのですが、スパムと呼ばれるようなサイトへのリンクは評価を下げる要因に繋がります。
スパムサイトの特徴としては以下になります。
ユーザーに対しても、検索エンジンに対してもデメリットが発生してしまうため、こういったスパムサイトへのリンクは控えましょう。
隠しリンク・隠しテキストとは、スタイルシートなど使ってHTMLソース上のテキストをブラウザで非表示にする方法です。特に検索エンジンは隠しテキストや隠しリンクは、品質に関するガイドライン違反にあたり「手動による対策(ペナルティ)」の対象とすることを公表しています。
Googleでは以下のようなパターンが隠しテキスト・隠しリンクに該当すると指摘しています。
- 白の背景で白のテキストを使用する
- テキストを画像の背後に置く
- CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
- フォント サイズを 0に設定する
- 小さな 1文字(段落中のハイフンなど)のみをリンクにしてリンクを隠す
このように、「手動による対策(ペナルティ)」とならないよう隠しテキスト、隠しリンクの使用は避けましょう。
先に、アンカーテキスト内ではSEOで対策したいキーワードを含めることを紹介しましたが、よくばってキーワードを詰め込みすぎると「手動による対策(ペナルティ)」の対象となるため注意しましょう。基本的には、ユーザーがアンカーテキストを見たときに不自然ではないことが理想的です。ページ内で、同一ページに対し何十、何百とリンクが貼られている場合は明らかに不自然であるとユーザーも検索エンジンも判断する可能性があります。
サイト内で特定のキーワードで上位表示したページに対し、他ページからキーワードを含めたアンカーテキストでリンクを設置することはSEOの観点からとても有効な施策です。
ただし、この場合、同一のキーワードで設定するより多様なキーワードで設定されている方が、検索エンジンがより自然なリンクとしてとらえてくれる可能性があります。ユーザーの利便性を考えたうえで、不自然にならないよう、なるべく多用なテキストでリンクを設定しましょう。
「不動産」
リンク元ページAのアンカーテキスト:「不動産」
リンク元ページBのアンカーテキスト:「不動産」
リンク元ページCのアンカーテキスト:「不動産」
リンク元ページDのアンカーテキスト:「不動産」
「不動産」
リンク元ページAのアンカーテキスト:「不動産」
リンク元ページBのアンカーテキスト:「不動産なら〇〇株式会社に相談」
リンク元ページCのアンカーテキスト:「▲▲では賃貸物件・不動産の情報が満載」
リンク元ページDのアンカーテキスト:「不動産情報のポータルサイト▲▲はこちら」
このように特定のページに対してリンクを設定する際には、リンク元のページのコンテンツ内容に沿って様々なテキストで設置しましょう。
これまでは、自社のサイト内における内部リンクや自身のサイトからの発リンクを中心にまとめてきましたが、外部サイトからの被リンクにおいても注意が必要です。
外部サイトからのリンクの中で、アンカーテキストで設定されたリンクは特に注意深く確認する必要があります。Googleはこれまで低品質なコンテンツをもつサイト、およびそういったサイトから被リンクを多く受けるサイトを規制するアルゴリズム(ペンギンアップデート)へと進化してきました。
これまで紹介してきたような下記については検索エンジンから手動による対策(ペナルティ)を受けるリスクが高まってしまうため、自身のサイトへの被リンクは常に確認していきましょう。
1ページあたりに設置するリンク数の上限は指定されていません。しかし、一つのページに数千・数万個の膨大な数のリンクがあるとスパムとみなされて「手動による対策(ペナルティ)」の対象になる恐れがあるので注意しましょう。
アンカーテキストの文字数の上限は正式には発表されていません。しかし、アンカーテキストが長くなりすぎると、検索エンジンにアンカーテキストの内容がうまく伝わらない可能性も考えられます。また、ユーザーが読まずに飛ばしてしまう可能性もあります。そのため、多くても50文字程度に設定するのが良いでしょう。
必ずしもリンク先ページのタイトルと同じである必要はありません。重要なのは、リンク先がどのような内容のページであるかが分かるようなアンカーテキストにすることです。
アンカーテキストにURLを記述するとリンク先ページの内容が分かりにくく、ユーザーがクリックすることを避ける恐れがあるためアンカーテキストにURLを記述することは、避けましょう。
※ 新しく作ったウェブサイトのアドレスのPR・宣伝をしたりする場合など、アンカーテキストにURLを記述する使い方が適当なケースもあります。
アンカーテキストは使用方法を正しく理解していないと、ユーザーの直帰に繋がり、検索エンジンから手動による対策(ペナルティ)を受けてしまう可能性があります。
一方で正しく設定できればサイト内の回遊率も高まり、SEOにも大きく寄与するため、使用方法と注意点をしっかり理解し、サイト全体の評価を高めていきましょう。
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