今回は、Webサイトのアクセス解析における「リファラー」について解説します。
Webマーケティングやアクセス解析を現在始めたばかり、これから学ぶといった初心者の方にもわかりやすく解説していますので、是非参考になさってください。
目次
Webサイトのアクセス解析における「リファラー」とは、参照元を意味します。サイトへ流入したユーザーが、直前にどのWebサイトやWebページのリンクから来たのかを知ることができるのがリファラーです。
例えば、Aというサイトから、リンクを辿って来た場合はAが参照元となります。Googleの検索結果からサイトへ訪問した場合は、Googleが参照元です。それがYahooの検索結果だった場合はYahooが参照元のリファラーログが訪問先サイトのアクセス解析結果に記録されます。
リファラーと混同しやすい言葉として、「referral(リファラル)」があります。
referral(リファラル)とは参照元となったWebサイト(他サイト)のことを指します。先程のリファラーが検索エンジンを含んだ参照元を指していたのに足して、リファラルは他サイトというより限定的な範囲を指します。
イメージとしては「リファラー(参照元) > リファラル(参照サイト)」のような形です。
わかりやすく表現すると、どのサイトの外部リンクを経由したのかを示しています。
リファラーにはどのような種類があるのでしょうか。代表的な参照元をご紹介します。
メディア | 参照元 | 概要 |
---|---|---|
Organic | Google検索からの流入 | |
Organic | Yahoo | Yahoo検索からの流入 |
Organic | Bing | Bing検索からの流入 |
Organic | search.smt.docomo | ドコモの「dMENU」検索からの流入 |
referral | 複数 | 他サイトからの流入 |
(direct) / (none) | 不明 | 参照元不明のいわゆるノーリファラー |
上記表の最後に紹介した「ノーリファラー」についての解説は後述していますのでそちらをご覧ください。
この他に、SNSからのリンクを辿ってきた場合は、TwitterやFacebookなどが参照元として記録されます。
Webマーケティングにおいて、リファラー(参照元)を分析することは多くのメリットをもたらします。ここでは、どのようなメリットがあるのかを紹介します。
一番のメリットは、流入元を詳細に知ることができることです。
「検索エンジン経由で流入した」、「他サイトのリンクから流入した」だけでなく、どの検索エンジンの利用者が多いのか、どのサイトから来たのかまで詳細に知ることは、現状把握だけでなくこれからどのようなマーケティング施策を行えば良いのかのヒントにもなります。
また、参照元がわかるだけでなく「なぜアクセスが増えた/減った」のかも詳しく知ることもできます。
例えば、商品Aのページへ急にアクセスが増えていたので、原因特定のためリファラーを見たとします。そうするとSNS経由のアクセスが急増していることがわかり、さらに調べると商品Aをリンク付きで紹介した一般ユーザーの投稿がバズっていた…、というところまで知ることも可能です。
先程の「詳細なアクセス解析ができる」から通じる話ですが、ユーザーがどの検索エンジンから来ているかという情報だけでもユーザーの属性を推測することができます。
日本での検索エンジンシェアはGoogleがトップ、ついで2位がYahooとなり、3位がBingとなっています。
例えば、リファラーでBing経由のアクセスが意外と多いということがわかったとします。
国内でもシェア数が少ないBingですが、Windowsパソコンのデフォルト検索エンジンであるため、高齢者などPCにあまり詳しくないユーザーや、PC初心者などがインターネットブラウザとして利用している傾向にあります。
このようにどの検索エンジンを使っているかという情報だけでも訪問しているユーザー層を想定することができます。
またreferral(参照サイト)でアクセスが多いサイトをチェックすると、自身のWebサイトに訪問しているユーザーがどのような興味関心を持っているのかなども知ることができます。
Webサイトに訪問しているユーザーは必ずしも検索エンジン経由が多い、検索エンジン経由を増やさなければならないとは限りません。
ユーザーの年齢や性別、興味関心によって適している集客の経由は異なるためです。
リファラー分析はユーザーの属性を想定するのに活用できるため、「どこから来ているのか」、「直前に見ているページはどういった内容か」をしっかり分析することで、強化すべき流入経路や、流入ユーザーの需要の高いコンテンツの強化など具体的な施策を考えることができます。
Google Analyticsで、リファラー経由ごとにCVR(コンバージョン率)も確認できますから、CVRの高い参照元を分析することで、リンクを辿ってきたユーザーへの囲い込み方法なども考えるヒントに役立ちます。
それでは、Google Analyticsでリファラーを確認する方法を紹介します。
それぞれ、検索エンジンなどを含む参照元と、外部サイトのみのreferral(リファラル)の確認方法になります。
Google Analytics左のメニューバーから
「集客 > すべてのトラフィック > 参照元/メディア」 とクリックしていくと参照元が確認できます。
「google/organic」となっている「google」の部分が参照元になります。
セッション数などの他に、CV数やCVRが目標毎に確認できます。
Google Analytics左のメニューバーから
「集客 > すべてのトラフィック > 参照サイト」とクリックしていくと参照サイトが確認できます。
参照元/メディアレポートと同様、セッション数のほかCVに関する数値の確認ができます。
参照サイトで確認ができるのはリンクされているサイト(ドメイン)です。具体的にリンクされているページを調べる方法もご紹介します。
Google Analyticsのセカンダリディメンションで「完全なリファラー」を設定する方法です。
図のように、参照サイトレポートを表示した後「セカンダリディメンション」をクリックし「完全なリファラー」を選びます。
そうすると、完全なリファラーという列がレポートに追加されます。
ここでデータが取得できていれば参照サイトのどのページからといった詳細URLを知ることができますが、多くのデータは以下図のように不完全な状態で記録されていることが多く、詳細なURLは不明の場合が多くあります。
完全なリファラーはあくまでも補助的な機能になりますが、完全なURLが記録されている場合もありますので機能の1つとして覚えておくことをおすすめします。
Google AnalyticsではなくSearch Consoleを活用することでリンク元の詳細URLにおおよその目星をつけることができます。
ただしGoogle Analyticsとの数値とは紐付かないことには注意が必要です。あくまでも「リファラー流入に貢献しているサイトのどのページにリンクが有るのかを知りたい」といった方向けです。
【1】まずはSearch Consoleでリンクレポート一覧を表示します。
左メニューバーをスクロールすると、下の方に「リンク」というメニューがありますのでそちらをクリックしましょう。
【2】リンクレポート内の「上位のリンク元サイト」(下図)から、知りたい参照元サイトのドメインをクリックしましょう。
【3】参照元サイトごとの詳細なリンクレポート(下図)が表示されます。
ここでは、参照元サイトから自サイトのどのページにリンクがいくつ設置されているかの確認ができます。さらに本来の目的である、どのページからリンクされているのかを知るためには、調べたいページのURLをクリックします。
【4】リンク元ページの一覧(下図)が表示されます。
これで、どのページからリンクがされているのかを確認することができました。
先程も記載したように、Google Analyticsとは紐付いていないため、該当ページからどのくらいのセッション数が発生しているのかなどはわかりません。
しかしながら、どのページにリンクが設置されているのかがわかるだけでもユーザー属性の分析に活用できますので、Search Consoleを導入されている場合は是非活用してみてください。
リファラーには「(direct) / (none)」という項目が存在します。これは、参照元が不明の流入に対してつけられる属性で、いわゆる「ノーリファラー」と呼ばれるものです。
ノーリファラー流入が微々たるものであればあまり気になりませんが、アクセス解析をしていると意外とノーリファラーのアクセスが多く、悩んでいる方も多いと思います。
ノーリファラーとなってしまう原因はいくつかありますが、必ずしも悪いものとも限りません。
まず考えられるのが、以下の3つです。
これらは参照元としてWebサイトやWebページを経由して流入したわけではないため、リファラー情報が取得できず、ノーリファラーとなってしまいます。
次に考えられるパターンとしては、以下があります。
自身のWebサイトがSSLに対応していない、「http」アドレスの場合に多く起こります。
SSLのサイトを経由すると、リファラー情報が送信されないためノーリファラーになります。
現在はそもそもSSL化しているWebサイトが多いため、こういった問題は減ってきているかと思いますが、自身のWebサイトがまだ非SSLの場合は、リファラー情報が取れないだけでなく、セキュリティリスクも高いためSSL化をするようにしましょう。
SSL化については、以下の記事で詳細に説明しています。
最後に考えられるパターンとしてはこの2つです。
メルマガや、QRコードを使ったマーケティングを行っている場合に起こりやすい問題です。
メールを経由したアクセスについては、GmailなどのWebメールの場合はリンクとして認識されリファラーが残りますが、デスクトップメーラー(Outlookなど)からリンクをクリックした場合はWebサイトを経由していないためノーリファラーとなってしまいます。
QRコード読み込みも同様でWebサイトを経由していないのでノーリファラーになってしまいます。
メール経由やQRコード経由、スマホアプリ経由などの場合は、基となるURLにダミーパラメータを付与することで、ノーリファラー計測を避けることができます。
ダミーパラメータとは「?utm_source=●●&utm_campaign=▲▲&utm_medium=■■」このような文字列のことです。
メルマガに記載されたURLにダミーパラメータを設定する方法を紹介します。ここではメルマガを例にしていますが、QRコードでもスマホアプリでも使える方法です。
【1】リンクするURLを用意する
デジ研のトップページへのリンクだとします。「https://digital-marketing.jp/」
【2】パラメータを設定する
まずは必須の項目3つで簡単にパラメータが作れますので、以下を参考にして作ってみましょう。
設定項目 | 設定内容 | 説明 |
---|---|---|
参照元(utm_source=) | newsletter | 参照元となる経由を記載。 ニュースレターなどがよくある値 |
メディア(utm_medium=) | メルマガ経由であることがわかる選別名。LINEなら「line」など | |
キャンペーン名(utm_campaign=) | 20211225 | 仮に2021年12月25日配信のメールであればわかりやすい名前にする |
【3】 URLとパラメータをくっつける
URLの後に「?」を入力し、それぞれのパラメータの値を「&(アンパサンド)」でつないで記載しましょう。
これで計測用URLが完成しました。
このURLをメルマガのリンク部分に使用することで、参照元が計測されるようになります。
ダミーパラメータを活用し、少しでも経路不明なアクセスを減らせるとアクセス解析も楽になりますよ。
他に設定可能なパラメータなど、以下の記事で詳細に説明しています。
リファラー分析をしていると、ある特定のWebサイトからのアクセスが不自然な増え方をしている時があります。
このような一時的に急増している参照サイトは、アクセス解析を狙ったリファラースパム行為である可能性があります。
アクセス解析に参照サイトとしてURLを記録することで、アクセス解析をしているユーザーをスパムサイトへ誘導するという手口です。
こういった不自然な増え方をしている参照サイトへのアクセスはしないようにしましょう。
だいたいが一時的に増えてパッタリと止むリファラースパムが多いですが、中には長期的なものもあります。
その場合はWebサイトへの正確なアクセス数が判断しづらくなるため、Google Analyticsのフィルタ機能を活用することで計測から除外できます。
【1】管理画面で「フィルタ」を選ぶ
【2】「フィルタを追加」ボタンを選択し、以下のように設定する
これで不要なアクセスを除外できます。
リファラースパムの扱いには十分注意しましょう。
今回はリファラーとノーリファラーについて解説していきました。
アクセス解析においてリファラー分析は原因の特定、そして施策の気づきを得るための重要な要素です。
是非活用してみてください。
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