Web担当者の頭を悩ませる種の1つが、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおける自社サイトの表示順位です。
検索エンジンの順位付けに影響を与える要因は様々ですが(Googleの順位付けの要素の数は優に200を超えると言われています)、その中でも、現在非常に大きな影響力のある要因の1つがコンテンツです。平たく言えば、“ユーザーにとって役に立つ情報、ユーザーが求めている情報を提供しているかどうか”が検索順位に大きく影響するということです。SEOの主役はリンク構築からコンテンツマーケティングへと移りました。
この流れを受け、検索順位への好影響を期待して、コンテンツマーケティングに取り組む企業も増えてきています。
しかし、いくら優れたコンテンツを提供していたとしても、その情報を検索エンジンへ伝えることができていなければSEOの観点では意味がありません。
今回は、コンテンツを検索エンジンへ正確に伝えるためにサイト内を最適化する作業【内部施策】で最も重要な、各ページの<title>部分に設定するキーワード選定についてご説明します。
今回ご説明する<title>などの重要な内部施策について下記記事でも紹介しておりますので、こちらもぜひご参考にしてください。
【Case1】OA機器リース業
OA機器リース業を行っているクライアント様の事例では、キーワード選定に「型式名」を含めることがサイト集客の成功の要因となりました。具体的には、競合相手が対策している「コピー機」「複合機」キーワードでは敢えて勝負せず、商品を購入する可能性が高い=型式名など知る人ぞ知るキーワードで検索するユーザーを対象にしたキーワード選定に注力しました。
【<title>設定例】:シャープ複合機【IR2200】- ○○○○(クライアント様サイト名)
検索キーワードによって、ユーザーの目的意識が大きく変わるのはご存じでしょうか。
右図のように、漠然と商品を探しているユーザーは「潜在層」、目的が明確なユーザーは「顕在層」、クライアント様のサイト・社名を知っているユーザーは「顧客層」と、当社ではユーザーを分類しています。
今回ご紹介したクライアント様を例にすると、「コピー機」キーワードが潜在層ユーザー、「コピー機 型式名」キーワードが顕在層ユーザー向けとなります。
顕在層ユーザーの【特定のコピー機に対して情報を探している】といった目的に沿ったキーワード選定を行ったことで、より商品を購入する可能性が高いユーザーをサイトへ集客することに成功しました。
上記の施策の効果は明確な数値として表れます。顕在層ユーザーが検索するキーワードのコンバージョン率は非常に高く(約3%~100%)、今では全体の問い合わせ数が施策前と比べ約2倍と大きく増加しています。
【Case2】不動産サービス業
不動産業はエリアに特化したサービス業の一つです。
あるクライアント様の事例では、作成したサイトの露出を増やし問い合わせ件数を増加させるため、「未公開物件を多数扱っている」という競合他社に負けないクライアント様自身の強みをアピールし、対象エリアを「○○市▲▲町」まで詳しく記載する対策を実施し、流入数と問い合わせ数を増加させることができました。
特に問い合わせ数に関しては、「未公開」キーワードのコンバージョン率が非常に高く、おおよそ80%~100%となっています。
【<title>設定例】:【仙台市青葉区一番町】の新築一戸建て不動産情報 – 未公開物件は○○○○(クライアント様名)
取扱いサービスや対象エリアのほか、特定のエリアに特化した情報(公園や学校、スーパー等)を詳しく記載することで、検索エンジンから“●●エリアに特化した不動産情報を掲載しているサイト”と評価を受け、上位表示されているサイトも存在します。
不動産サイトについては、こちらの記事でもご説明しているように、本格的にSEOの取り組みをされている大手の大規模サイトが多くみられます。今回ご紹介した<title>の設定とあわせて、エリア情報をコンテンツ内により細かく記載することで、競合サイトとの差別化を図ることもおすすめします。
【Case3】歯科サービス業
自社のサービス内容をきちんと把握することがキーワード選定の成功に繋がります。
自社に関連するキーワードのうち、実際に提供しているサービスや商品と地域名(エリア)と掛け合わせれば、様々なテーマに対応し、かつ見込み顧客に対して訴求力のある広告文(<title>要素)を作ることが可能です。 例えば、「歯科」というキーワードと掛け合わせて使われるキーワードには「インプラント」「セラミック」「矯正」といったものが挙げられます。
【<title>設定例】:仙台市のインプラント、矯正歯科、審美歯科は○○○○(クライアント様名)
実際にユーザーが歯科医院を検索する場合、[歯医者]や[歯科医院]といったキーワード以外に、広告文にどのような言葉が記載されているとクリックするでしょうか。
広告文に「駅から〇分」「安い(良心的な値段)」「痛くない」のように、立地・願望・悩みキーワードが併記されていると、よりユーザーの目に留まるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
各ページに設定する<title>部分は検索エンジン対策における重要部分であるのみならず、検索結果画面上で最も検索ユーザーの目に留まる部分でもあります。<title>部分をきちんと設定しておくことが、サイト集客の成功に繋がります。
今回は3つの業種のキーワード選定例をご紹介しましたが、どの業種であっても、検索ユーザーの立場に立って、各ページのキーワード選定を行うとより効果的なキーワードが見つかるはずです。是非お試しください。
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ディーエムソリューションズ株式会社 コンテンツマーケティンググループ 課長。ITベンダーにてプログラマ経験を積んだのち、ある案件で担当したWebサイト制作を通してSEOに興味を持ったのをきっかけに、SEOコンサルタントとしての道を目指し、ディーエムソリューションズへ転職。検索エンジンにおける表示順位を上げ、サイトへの流入数を増やすだけでなく、コンバージョンの増加やブランド認知の向上、コンテンツ資産を高めていくといったWebサイトトータルの成功を日々追及している。