日々進化し続けるGoogleのアルゴリズムに対し、最適化を図るSEO(Search Engine Optimization)もこれまでにいくつもの施策が生まれてきました。その中でもSEOは【内部施策】と【外部施策】に大きく分類されてきました。
現在では外部リンクを使用した【外部施策】はGoogleからペナルティを受ける可能性があることから、コンテンツマーケティング等を中心とした【内部施策】が主流となっていますが、果たして外部リンクは全て危険なのでしょうか。
そこで今回は【外部施策】の歴史にも着目し、本当に外部リンクは全て危険なのかを解説したいと思います。
目次
外部リンクとは別名「被リンク」ともよばれ、外部サイトもしくはWEBページからWEBページへリンクすることです。手法としてはバナーなどの画像、テキストからのリンクが主です。
外部リンクはある意味SNSの「いいね!」のようなもので、外部サイトから多数のリンクを集めるWEBページは良質なコンテンツと判断され、検索結果でも上位に表示されてきました。このように外部サイトからのリンクを集める施策を【外部施策】と呼びます。
SEOという言葉が世の中に広がり始めた2000年以降、数万単位での外部リンク用サイトを有するSEO会社も存在していましたが、いつしかGoogleのアルゴリズム進化により淘汰され始めました。
では、【外部施策】の歴史はどのように変化していったのか解説していきます。
【外部施策】という多数のリンクを集めるサイトが評価された2000年以降、これを逆手にとり、意図的に外部サイトからのリンクを増やして検索順位をあげようとするSEO会社が増えた結果、「質の低いサイト」が増え続けました。
「質の低いサイト」とは、コンテンツの中身は薄っぺらいもの、読み物としても成立していない、検索順位を意図的に上げようとするサイトのことです。当時、複数ドメインで内容をコピペしたり、同じようなデザインテンプレートのリンク用サイトが量産されました。
このようにユーザーのニーズにマッチしないサイトが増えたことから、2010年以降Googleはよりユーザーが求めるコンテンツを評価し、質の低いコンテンツは排除していくようアルゴリズムを変化させていきました。
コンテンツの内容が薄っぺらいような質の低いコンテンツの評価を下げ、ユーザーが求めるような良質なコンテンツを評価し、検索結果上位に表示させるアップデートです。
このアップデートにより、コピペやテンプレートで大量生成されたコンテンツは検索結果から一掃されました。
リンク用につくられたサイトの中には偽装リンク、隠しテキスト、キーワードの詰め込みすぎといったWEBスパムサイトが多く存在していました。こういったWEBスパムサイトの順位を下げるアップデートです。
このアップデートにより、WEBスパムサイトだけでなく、質の低いサイトからの外部リンクが多いサイトの順位も大きく下がりました
複雑な検索キーワードに対して、そのキーワードの背景と文脈を理解し関連性が高い検索結果を表示するためのアルゴリズムです。
このアルゴリズムにより、会話型検索を行ったユーザーの意図や文脈に沿った、関連性の高い検索結果が表示されるようになりました。
ユーザーのニーズに沿わない質の低いサイトが検索結果から消え、そういったサイトから外部リンクを多く受けるサイトの評価も下がった結果、よりユーザーにとって有益な情報となる良質なコンテンツが求められるようになりました。
ただし、良質なコンテンツをサイトにアップしたとしてもGoogleが正しくページを認識しない限り評価されません。
そのために、Googleが認識しやすいようにサイトを構築し、良質なコンテンツを増やす【内部施策】が主流となり始めました。
Googleのアルゴリズム変化により、内部施策が主流となっていくと一つの疑問が生まれます。
「外部施策はもう実施しない方がいい?」
よく勘違いされがちですが、全くそんなことはありません。
ペンギンアップデートやパンダアップデートで外部リンクが多いサイトはペナルティを受けると認識する方がいますが、リンクには危険なリンクとナチュラルリンクが存在します。本来、外部施策で行うべきは危険なリンクを排除し、ナチュラルリンクを増やしていくことです。
では、どのようなリンクが危険と判断されるのでしょうか。
危険なリンクとは、これまで紹介したように【低品質なサイトからのリンク】を指し、危険なリンクが多いとペナルティを受ける可能性があります。
ではどのようなサイトが低品質と判断されるのか、Googleが公式にリリースしているため、その中でも代表的なものをいくつか紹介します。
翻訳ツールなどのプログラムによって自動的に生成されたコンテンツのことで、大抵は読み物として成立しておらず、関連するキーワードを含んだテキストを大量に生成できるように構築されています。Googleでは以下のようなコンテンツが該当すると記載しています。
- 自動化されたツールで翻訳されたテキストが人間によるチェックや編集を経ず公開されたもの
- マルコフ連鎖などの自動化されたプロセスを通じて生成されたテキスト
- 自動化された類義語生成や難読化の手法を使用して生成されたテキスト
- Atom/RSS フィードや検索結果からの無断複製によって生成されたテキスト
- 複数のウェブページからのコンテンツに十分な付加価値を加えることなくそれらをつなぎ合わせたり組み合わせたりしたもの
引用元:自動的に生成されたコンテンツ – Search Console ヘルプ
自動生成されたコンテンツに近しいものがありますが、ページ内のコンテンツにおいて特定のキーワードを必要以上に繰り返し使用していることを指します。それらのキーワードはアンカーテキストとしてリンクとなるケースが多く、以下のようなパターンをGoogleは指摘しています。
- 実質的な付加価値のない電話番号の羅列。
- ウェブページが特定の市町村や都道府県に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために市町村名や都道府県名を羅列したテキスト。
- 同じ単語や語句を不自然に感じられるほどに繰り返すこと。例:
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引用元:キーワードの乱用 – Search Console ヘルプ
隠しテキスト・隠しリンクとは、スタイルシートなど使ってHTMLソース上のテキストをブラウザで非表示にする方法です。Googleでは以下のようなパターンが該当すると指摘しています。
- 白の背景で白のテキストを使用する
- テキストを画像の背後に置く
- CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
- フォント サイズを 0 に設定する
- 小さな 1 文字(段落中のハイフンなど)のみをリンクにしてリンクを隠す
引用元:隠しテキストと隠しリンク
様々なサイトに対してリンクを貼るためだけにつくられたサイトです。上記のように1ページ内で様々なジャンルの記事が混在し、「こちら」や特定のキーワードからそれぞれ別のサイトへテキストリンクが設置されているのが特徴です。成果報酬型で外部施策を行うSEO会社がよく使用しています。
共有リンクサイトと同様に様々なサイトへのリンクを貼るためだけにつくられたサイトです。しかし、共有リンクサイトとは異なり読み物としてのコンテンツは全く存在しません。サイト名、URL、簡単なサイトの解説のみが並べられたリンク集サイトです。
総じて、コンテンツとしての価値が低いというのは一目瞭然なサイトからのリンクをGoogleは評価していないということがわかります。
ナチュラルリンクとは、その名の通り自然に自社サイトに向けて貼られたリンクのことです。価値のある、ユーザーのニーズに応えているコンテンツには、自然と外部からリンクが張られることが多くなります。こういったナチュラルリンクは、Googleにも評価され、検索順位にも影響します。
では、一方でナチュラルリンクとはどのようなリンクなのでしょうか?
ナチュラルリンクには以下のような特徴があります。
危険なリンクとしても紹介したように、同一のドメインから大量のリンクを受けている場合はペナルティのリスクが発生します。一方でナチュラルリンクであれば、IPアドレスやドメインが分散されるため、そのリスクが低いことが特徴です。
関連性の低いサイトから受けるリンクはペナルティの対象となる可能性が高いですがナチュラルリンクの場合は、化粧品のコンテンツであれば美容系のサイトから、食品のコンテンツであれば飲食系のサイトからなど関連性の高いサイトから受けることが期待されます。
危険なリンクの特定キーワードを乱用したコンテンツで紹介しましたが、コンテンツ内のキーワードがアンカーテキストリンクとして乱用される場合は評価が下がってしまいます。
しかし、ナチュラルリンクの場合はユーザー側も「他人にも紹介したい」という意志のもとでリンクを設置してくれるケースが多いため、ページの<title>やURLで貼られるケースが多く、別のユーザーが見ても不自然に見えないことが特徴です。ナチュラルリンクにはこのような特徴があるため、ペナルティのリスクが低く、評価を高めることができます。
ナチュラルリンクは自然にユーザーが設置してくれるものであり、サイト運営者が操作できないことが悩みでもあります。本来は価値の高い、ユーザーが求めるコンテンツをつくることが一番の近道です。しかし、うまくいかないケースが多くあります。では、なるべく多くのユーザーの目にとめるコンテンツはどのようなコンテンツなのでしょうか?
本文の価値を高めるのは当然のことですが、いくら本文の中身がいいものであっても検索結果やSNS、広告として露出した際にタイトルが魅力的でないとユーザーはクリックしてくれません。
そのため、競合となるようなコンテンツのタイトルなども調査しながらユーザーが「読んでみたい。」と思えるようにタイトルを考えましょう。
企業としてコンテンツをアップする場合はプレスリリースが有効です。プレスリリースを打ち出すと、一般ユーザーや企業間でも拡散ができるため、あらゆるユーザーの目に止まりやすくなります。
SNSからのリンクは直接被リンクとしての効果はありませんが、サイトへの新たな流入チャネルとして活用できます。SNSの最大の特徴は他ユーザーへの拡散であるため、コンテンツを更新する際に自動でSNSアカウントにも投稿されるようなプラグインを導入すると運用も楽になります。
上記にも記載しましたが、SNSによる拡散はSEOに変わる第二の流入に成りえます。ただし、SNSで拡散するためにはSEO対策を意識した文章だけでは難しいため、ユーザーが今まで見たことがないようなユニークな内容で本文を作成すること意識しましょう。
このようにナチュラルリンクを獲得することが現在の外部施策の一つと呼べます。外部施策は全く効果がないわけではなく、自身のサイトと関連性が高く、良質なコンテンツをもつページからリンクを受けることができれば、評価も高まり検索結果においても絶大な効果を発揮してくれるといえます。
危険なリンクとナチュラルリンクの区別がわかったところで、実際に自身のサイトにはどんなリンクが貼られているのか調査する方法を紹介します。
自身のサイトに貼られているリンクはSearch Consoleを使って調べることができます。
Search Console上で以下操作は行ってください。
まず、「検索トラフィック」内にあるサイトへのリンクをクリック、さらに「詳細」をクリックします。
「詳細」をクリックすると自サイト内のページにリンクしているドメインが表示されますので、「このテーブルをダウンロード」でダウンロードします。
ページ単位で取得したい場合には、表示されているドメインをクリックして、同様に「このテーブルをダウンロード」でダウンロードします。
この手順でリンクを取得することができます。
だだし、Search Consoleで取得できるリンクデータはGoogleが認識している一部のリンクであるため、更に被リンクを調査するにはMajestic SEOやOpen Site Explorerなどの被リンクチェックツールを使うといいでしょう。
こちらのツールを使って調査したリンクの中から、低品質なリンクを探します。
被リンクを否認するには、主に2つの方法があります。
運営者に直接連絡をとり、リンクを削除してもらうことになります。
Googleが提供する「リンクの否認ツール」を使うことで、対象のリンクを非承認とし、リンクを削除やnofollowと同等の扱いにしてくれます。
具体的に否認を行う手順ですが、まずGoogleアカウントにログインし、以下アドレスにアクセスしてください。
https://www.google.com/webmasters/tools/disavow-links-main
上図の画面が表示されたら、対象のWEBサイトを選択し「リンクの否認」をクリックします。
すると上図の画面が表示されますので、再度「リンクの否認」をクリックします。
続いて、ファイルを選択をクリックし、否認したいリンクを記載したテキストファイルをアップロードしてください。
このアップする際に必ず過去に否認したリンクURLを記載しないと、否認を止めたとみらされてしまいます。そのため、必ず以前に行った否認リストを記述しておきましょう。
選択したファイルが表示され、「送信」ボタンが青くなったら「送信」をクリックし完了です。
質の低い外部リンクを多く受けた場合、自社サイトの評価も下がってしまう可能性があるため、リンクの否認や削除を行う必要があります。
現在では内部施策が主流となっていますが、外部リンクも一定のSEO効果をもっています。高品質なサイトからの外部リンクはSEO評価に良い影響を与えることができます。
誤って良質なリンクを否認したり削除してしまうと順位が落ちてしまう可能性があるため、きちんと精査して慎重に行うことが大切です。
低品質な外部リンクを削除し、ナチュラルリンクを増やしていきます。ナチュラルリンクを増やすためには内部施策を行い、質の高いコンテンツを作成することが必要です。
ペナルティを受けたら解除に必要な申請を行う必要があります。申請作業は簡単とは言えないので、解除支援を行ってくれるSEO会社に相談するのが良いでしょう。当社もGoogle解除支援を行っておりますので、コンサルティングサービスご検討ください。
内部施策が主流と言われているSEO界隈において、外部施策は全く効果がなく危険な施策となったわけではありません。どんなリンクが危険なのか、どのようなリンクを集めるべきなのかを理解し、SEOに取り組みましょう。
ディーエムソリューションズのSEOコンサルタント、犬塚と申します。 過去には、「SEOコンサルタントがこっそり教えるSEO施策のコツ」など、…
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