サイテーションとは、検索エンジンやSNS上でサイト名が言及されることをいいます。このサイテーションの獲得数が多くなると、サイトのSEO効果も高まることをご存知ですか?
今回は、SEO対策として、見落としがちなサイテーションの概要や被リンクとの違い、そしてサイテーションを増やすための方法や注意点などについてご紹介します。
目次
サイテーションは直訳すると「引用」や「言及」という意味をもちます。ここから派生し、Webマーケティングの現場では、検索エンジンやSNS上で自分が運営するサイトがなにかしら言及されること指します。簡単にいうと、「ネット上で自分のサイトがどれだけ話題になっているか」と捉えてもいいでしょう。
上記のように、検索エンジンやSNSで自分のサイトが検索されたり、また画像にはないですが、実際の投稿で話題になることをサイテーションと呼ぶことを覚えておいてください。
サイテーションと混同しやすいものに「被リンク(外部リンク)」があります。しかし、このふたつはまったく異なりますので、正しく区別するようにしましょう。
被リンク(外部リンク)は「外部施策」「内部施策」に分けられるSEO対策のなかで「外部施策」に分類され、外部のWebサイトやページから自分のWebサイトへリンクを張ってもらうことを意味します。
昔からあるSEO対策としてはメジャーな施策のひとつで、外部のサイトでURLが多く設定されているということは、参照されるだけの価値あるサイトとGoogle(検索エンジン)に認識され、SEO効果へ好影響をもたらしてくれるのです。
しかし、2011年のパンダアップデート・2012年のペンギンアップデート・2013年のハミングバードとGoogle(検索エンジン)は日々改善が行われ、ただ単純に被リンク(外部リンク)を増やすだけでは、SEOを効果は見込めず、むしろ闇雲に数を増やすとペナルティと認識されるようになりました。
ここまで読んでいただくとお分かりかと思いますが、検索エンジンやSNSで言及されることを意味する「サイテーション」と、外部サイトに自分の運営するサイトURLが添付されることを意味する「被リンク(外部リンク)」は、まったく異なる言葉なのです。
では、サイテーションとSEOには具体的にどのような関係があるのでしょうか。「SEO(Search Engine Optimization / 検索エンジン最適化)」といっても、幅広いので詳しく解説していきたいと思います。
昔は被リンクが、外部施策としてSEO効果をもたらす中心でしたが、年々増えるネット検索・SNS人口の高まりを受けて、サイテーションがSEOに影響をもたらすようになったと言われています。
主要SNSの月間アクティブユーザー数を見てみると、2019年4月で、Facebookが「2,600万人」、Twitterが「4,500万人」、Instagramが「3,300万人」。こんなに個々人が情報を発信・言及できるようになったことから、被リンクと同じような価値をGoogle(検索エンジン)は設定するようになったのです。
Google(検索エンジン)が、ユーザーの投稿・言及をサイテーションと認識するには、サイトに関する以下の情報いずれかが投稿される必要があります。
タイトルの通り、サイテーションはMEO(ローカルSEO)効果ももたらします。MEOとは「Map Engine Optimization」のことで、Google Mapにおける検索エンジンの最適化を意味します。
MEO(ローカル最適化)では、上の画像のように「地域」と「知りたいもの(飲食店など)」をセットで検索された際に、地域のマップの下に有力なスポットが上から並んで表示されます。サイテーションが強化されることで、MEO(ローカル最適化)効果が高まり、検索時に上位表示されやすくなるのです。
SEO効果だけでなく、MEO効果もあるサイテーション。そんなサイテーションについて、Googleはどのような考えを述べているのでしょうか。
調べてみると、サイテーションに関するGoogleの明確な見解は述べられていませんでした。しかし、Googleマイビジネスヘルプの「Googleのローカル検索結果の掲載順位を改善する」には、MEO(ローカル最適化)において「知名度」が重要であることが記載されています。
知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、検索結果にはこうした情報が加味されます。
(一部省略)
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Googleでのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果の掲載順位に影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、掲載順位が高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、SEOの手法もローカル検索結果の最適化に適用できます。
※引用元:Googleマイビジネスヘルプ Googleのローカル検索結果の掲載順位を改善する名
ここからサイテーションがMEO(ローカル最適化)に影響を及ぼすとともに、SEO(検索エンジン最適化)とMEO(ローカル最適化)は相互に影響しあっていることがわかります。
ここまで読んでいただいた方のなかには、早速サイトのサイテーションを増やし、SEO・MEO効果を高めたいと考えられている方もいらっしゃることでしょう。では、具体的にどんなことを意識すれば、サイテーションを多く獲得することができるのか解説していきます。
サイテーションを増やすには、ネット検索やSNSで言及される数を増やさなければならないため、なるべくユーザーに覚えてもらいやすく口にしやすいようなサイト名・サービス名を意識したほうがいいでしょう。キャッチコピーを作るような考え方で、耳触りがよく印象に強く残るサイト名・サービス名にします。
サイトのコンテンツは様々な目的のもと作られますが、サイテーションを増やしたいのであれば、「ユーザーがネット上で言及すること」をイメージしながら制作を行ないましょう。単純に「バズる」ことだけではありませんが、どうしたら自分のサイト名やサービス名がネット上で話題になるかを意識して、コンテンツの企画を行ないます。
サイテーションをあげるにはネット検索・SNSでの言及が必要ですので、自分でもSNSやブログを積極的に運営しましょう。サイト情報を拡散するSNSアカウントをつくり、コンテンツの更新ごとに「記事を読みたくなる」投稿を拡散します。新規アカウントであれば、最初は小さな拡散力しかありませんが、継続することでサイテーションの大きな力なるでしょう。
SNSで影響力・拡散力のある媒体に取り上げてもらうことも、サイテーションを増やすにはとても効果的です。拡散力のあるアカウントやメディアに紹介してもらうのは、難しくもありますが、自分のサイトと親和性のあるメディアに声をかけて広報的な活動をしてみましょう。意外にも、掲載するネタを求めているメディアも多いので、喜んで取り上げてもらえたりします。
続いて、自分のサイトのサイテーションをどのようにして確認したらいいのかについてご説明します。サイトのネット上での話題度合いを把握して、必要に応じたPDCAを回していきましょう。
SNSでサイトに関する情報がどれくらい言及されているかを確認するには、Yahoo!リアルタイム検索を使ってチェックしましょう。Yahoo!リアルタイム検索はYahoo!が提供する無料のツールで、Facebook・Twitterの投稿を調べることができます。自分のサイト名や商品名がどんな文脈で言及されているか適宜確認するようにしましょう。
ネット検索で自分のサイト名や商品名がどのように言及され、話題になっているか確認するには、Googleで検索して確認しましょう。Googleはクッキーや履歴の影響を受けないシークレットモードに切り替えてから検索し、チェックします。検索結果の上位はどのような内容か、サジェストワードはどのようなワードかを見ながら、ユーザーの言及を把握しましょう。
Googleが無償で提供するGoogle Search Consoleでは、自分のサイト名や商品名でどれだけ検索され、サイトに流入しているかを確認することができます。Google Search Consoleにログインしたら、左の「検索パフォーマンス」をクリックし、指定期間内の検索クエリ・表示回数(インプレッション)・クリック数(流入数)をチェックしましょう。
あらゆる検索クエリが表示されると思いますが、その中でもサイト名や商品名の検索数が上位であれば、サイテーションは多いと考えられます。
最後にサイテーションを増やす施策を行なううえでの注意点についてご説明したいと思います。サイテーションを増やすための施策を不適切なかたちで進めていくと、場合によってはGoogleからペナルティを受ける可能性もありますので、注意点をしっかり把握しておきましょう。
記事を読んでサイテーションの理解を深めた方は、「これって自分でSNSやネットでサイトのことを言及すればいいのでは?」と思われたりもしたのではないでしょうか。しかし、自作自演でネット検索やSNSでサイト名・商品名について言及するのは、基本的に避けたほうがいいです。現時点では明確なペナルティ事例は確認されていませんが、SEOやMEOの観点から本質的ではないので、Googleがアルゴリズムの改善を進めていく可能性は高いと思われます。
NAPとは「Name(店舗や会社の名前)」「Address(所在地)」「Phone(電話番号)」の略です。サイテーションののち、SEOやMEO効果をあげていくには、サイトを運営する店舗名や会社名をGoogleマイビジネスに登録する必要があります。このとき、正しくサイト運営元の店舗や会社名・所在地・電話番号を登録するようにしましょう。また、すでに登録しているサイトも誤登録している可能性もありますので、再確認しておきましょう。
サイテーションはどんな内容であっても、SEO・MEO効果があるわけではありません。サイトや商品・会社に対するネガティブなサイテーションは評価が下がり、SEO・MEOに逆効果をもたらす恐れがあります。Yahoo!リアルタイム検索などで「●●の商品は最低!」など、ネガティブな言及を見つけたら、コメントに繋がった本質的な問題は何かをしっかり考え、早めの対応を急ぎましょう。
Webマーケティングの現場では、SEO施策に力を入れる会社は多いですが、サイテーションに対して改善施策を強めている会社は、まだ実はあまりそんなに多くはありません。この記事を読んで、サイテーションの効果・改善方法を知ったならば、ぜひWebマーケティングの施策として力をかけてみてはいかがでしょうか。地道に施策を続ければ、きっと他社に大きな差をつけることができるはずです。ますよ。
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