Webサイトを運営している人の多くが検索結果の順位を上げたいと考えている一方、順位を上げるために何をするのが正解なのかがわからない、と考えている人も同じように多くいるのではないでしょうか。
SEOに関する様々な本が出版され、Web上にもSEOに関する情報はたくさん存在します。しかし、その中には間違っている情報もあれば、いつのまにかアルゴリズムが変わってしまい古い情報になっていることもしばしばあります。
SEOについて様々な情報が出回っている中で、これからSEOを始める方や、改めて体制を整えてSEOを行なっていく方にまず見てもらいたいのが「Googleウェブマスターガイドライン」です。
今回は「Googleウェブマスターガイドライン」とは何か、そしてガイドラインで示されている内容の中で特に抑えておきたいポイントをご紹介します。
目次
ウェブマスター向けガイドラインとは、Webサイトを運営するウェブマスター向けにGoogleが公式にWeb上で提供しているSEOの教科書とも言えるものです。
Webサイトを作る上での基本的な方針が書かれており、この方針に従っていないWebサイトは検索エンジンに適切な評価をしてもらうことができません。
Googleが「Webサイトを正しく評価するために当たり前に守ってね」と示している内容になります。
Googleのヘルプページには、ガイドラインは以下のように説明されています。
サイトを Google 検索に表示させる一般的なおすすめの方法とともに、ページまたはサイトが検索結果から除外されないようにするための品質ガイドラインを示します。
Googleのウェブマスター向けガイドラインには、大きく分けて「一般的なガイドライン」と「品質に関するガイドライン」という2つのガイドラインがあります。
それぞれどのようなガイドラインなのか説明していきましょう。
一般的なガイドラインでは、GoogleがWebサイトのページをクロールして発見し、内容を正しく理解し、適切にインデックスし検索結果に表示させるために必要な、以下のような手段について記載されています。
・Google がページを検出できるよう手助けする
・Google がページを理解できるよう手助けする
・訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
テクニカルな内容ではなく、基本的なものが多いですが、改めてGoogleやユーザーにとってわかりやすいサイトとは何かを理解するためにとても有効なガイドラインになっています。
品質に関するガイドラインでは、Googleが禁止している所謂ブラックハットと言われるような順位を不正にあげる行為や、ユーザーを騙すよう手法など、Googleが不適切と見なしている行為についての説明がされています。
Googleのヘルプページには以下のように説明されています。
ページまたはサイトが検索結果から除外される可能性がある不適切な手法について説明します。こうした手法を使用すると、手動による対策がとられることがあります。
意図して不正行為を行なっている場合だけでなく、意図してなくとも実は行なっている施策が偽装と見られるものであったり、そもそものWebサイトの作りが不正と見られてしまうものになっている可能性もあります。
不適切な手法を行なっているWebサイトと判断された場合は、ページが検索結果上から表示されなくなる可能性があります。場合によってはWebサイト全体が検索結果から除外される危険もあります。
Googleが何を不適切と考えているのかをしっかり理解する上で、品質に関するガイドラインはとても重要なものと言えます。
では、一般的なガイドラインと品質に関するガイドライン、それぞれに記載されている項目の中から、重要なものに絞ってご紹介いきます。
まず、一般的なガイドラインに記載されている項目から、押さえておくべきポイントをご紹介します。
検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドは、一般的なガイドラインの1つで、Googleが推奨するSEOの基礎知識的な部分を紹介している資料です。
検索エンジンがページをクロールし、インデックスに登録、そして内容を理解するために必要な方法が初心者向けにわかりやすく、おすすめの方法と避けるべき方法がそれぞれ項目毎に説明されています。
SEOに関わらずとも、ユーザーにわかりやすいサイトづくりのガイドとして必ず一読してほしいものになっています。
掲載されている項目を一部紹介します。
GoogleがWebサイトにどのようなページや画像、動画があるかを適切に認識してもらうためにはサイトマップを作成することが重要であると説明しています。
コンテンツが多い大規模なサイトは特に重要です。
Googleのクローラーがユーザーを同じようにページの読み込みができるようにすることに加え、titleやdescriptionといったタグにページの説明となる内容を入れ込むことが重要であると記載されています。
ユーザーにとって有益なコンテンツにするために必要な方法について記載されています。ユーザーに信頼される、専門性と権威性を明確にしたサイトであることが重要であると記載しています。
現在のWebはモバイルが主流であることから、PCページだけでなくモバイルページを作成する必要性や、モバイル化する方法、モバイルページを認識してもらうために必要なタグなどを紹介しています。
常時SSLを導入しサイトを保護することは、ユーザーが安全にサイトを利用する上でとても大切です。ユーザーにはHTTPではなくHTTPSのページが見れるように処理をすべきとガイドラインに記載されています。
HTTP化について詳しく知りたい方は以下の記事を参考ください。
サイトの URL 構造はできる限りシンプルにすべきであるというのがGoogleの勧めです。IDや数値はURLにはなるべく使わず、ユーザーがURLを見てどのようなページか想像できる名称である必要がある、とガイドラインに記載されています。
URLについて詳しく知りたい方は、以下記事を参考にしてください。
他のサイトまたは同じサイト内で全く同じ内容、またはほとんど似ている内容のコンテンツが存在することは、Googleがどれを検索結果に表示させるべきか迷わせ、またサイトの評価にも影響がでてしまう可能性があり避けるべき現象です。
正規化という処理を行なったり、noindexでページをブロックする、などどいった重複に対する対応方法についてもガイドラインには記載されています。
重複コンテンツについて詳しく知りたい方は、以下記事を参考ください。
次に、品質に関するガイドラインに記載されている項目から、押さえておくべきポイントをご紹介します。
Webサイトの評価を上げるために意図的にリンクを購入することは違反であるとGoogleは説明しています。順位を操作することを目的としたリンク設置は避けてください。
正しいリンクの集め方については、以下記事を参考ください。
白の背景で白のテキストを使用したり、テキストを画像の背後に置くなど、ユーザーが見えない形でソースコード上にテキストを置くことを、Googleはコンテンツを偽装していると見なし、評価を下げる可能性があります。
ユーザーが見えないテキストがないか、ページを作成する際には注意が必要です。
隠しテキストと隠しリンクについて詳しく知りたい方は、以下記事を参考ください。
無断に複製し、丸々別サイトと同じコンテンツのみを提供するページは、ユーザーにとって付加価値はなく、場合によっては著作権侵害になる可能性もあります。
引用するなど、複製元が明確をしているなどは例外ですが、コピーすることは避けましょう。
特定のキーワードの順位を上げたいがために、そのキーワードをページ上で無理やり詰め込むことをGoogleは避けるように勧めています。
同じ単語や語句を不自然に感じられるほどに繰り返すことはユーザーの利便性を損なうこととなり、逆にWebサイトの評価が下げられる可能性があります。
上記のようなガイドラインに違反をする行為を行った場合は、Googleから所謂ペナルティを課せられます。最悪の場合、Webサイト全体が検索結果に表示されなくなる可能性もあり、十分に注意が必要です。
ペナルティについて詳しく知りたい方は、以下記事を参考ください。
上記で紹介したガイドライン以外にも、Googleはユーザー向けに情報を提供しています。
コンテンツ固有のガイドラインでは、画像や動画、AMPやAJAXといったコンテンツやモバイルについて、検索エンジンに適切に表示させるための方法について解説されています。
上記を採用しているWebサイトの場合は、特に細かく確認してみることをお勧めします。
検索品質評価ガイドラインは、Googleの検索エンジンが適切な検索結果を表示できているかを外部に評価してもらうための資料です。
元々は外部評価者に渡すものでしたが、現在は一般に公開されており、検索エンジンでGoogleが重要としている項目を知ることができる資料となっています。
残念ながら日本語版はなく英語版しか存在しませんが、定期的に更新される度に日本で更新箇所を解説した記事が数多く投稿されるので、SEO会社のブログなどをチェックすることをお勧めします。
ウェブマスター向け公式ブログは、Googleが公式に情報を発信しているブログです。
ウェブマスター向けガイドラインの変更などもこのブログでお知らせされる場合もあり、Googleの最新の動向がわかるため、Web担当者には定期的にチェックしてほしいブログです。
こちらは検索品質評価ガイドラインと違い、日本語版があります。
今回は、Googleのガイドラインについてご紹介しました。
ガイドラインでは、Googleに対して親切であるWebサイトにするということではなく、ユーザーにとって有益でわかりやすいWebサイトにするための情報が記載されています。
Webサイトが検索結果に表示されない、上位表示できない、と悩んでいるWeb担当の方は、SEOの情報をWeb上で検索して探し回るのも1つの手ではありますが、やはりご紹介した公式のガイドラインをまず確認してみることをお勧めします。
実際に読んでみると、非常に細かい部分まで解説がされており、SEOをある程度長くやっている人でも、実は知らなかったことが思わぬところに記載されていたりすることもあります。
良い例や悪い例も記載しておりとてもわかりやすいので、ぜひ一読し、ユーザーにとってもGoogleにとってもわかりやすいサイト作りをしましょう。
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