「オーソリティ(authority)」とは、一般的に「権威」や「威信」、または「ある専門的な分野における権威者」という意味を指します。しかしインターネット上、特にSEO業界においては少し異なったニュアンスで使用されており、SEO対策で意識すべき要素の1つとして扱われることが多いです。
当記事ではSEO業界におけるオーソリティの意味をはじめ、その重要性や関連用語について解説します。
目次
まずはSEO業界において、オーソリティがどのような意味を持つのか解説します。
SEOにおいてオーソリティが意味するものとは、「特定のWebサイトの権威性・信頼性・有用性など」です。シンプルに「そのWebサイトが集めているユーザーからの信頼度」とも言い換えられるでしょう。
そんなオーソリティを判断する要素として、以下の項目が影響していると考えられています。
例えば多くのサイトから被リンクを受けており、ユーザーに対して有用なコンテンツを豊富に発信しているサイトは「オーソリティが高い」とGoogleに判断されやすいです。一方で被リンクが少なく、同時にコンテンツが低品質であれば「オーソリティが低い」サイトと認識される可能性があります。
また、被リンクに関しては数が多ければ良いというわけではなく、その質も重視されるため注意が必要です。関連性のない低品質なWebサイトからではなく、「同じジャンルで高品質なWebサイト」から被リンクを受けることがオーソリティに好影響だと言われています。
いくつもの情報が錯綜するインターネットの世界において、情報の信頼性は非常に重要です。その情報を得た人の行動や体験などに大きな影響を及ぼすため、Googleは検索結果の上位にオーソリティが高いサイト、つまり信頼性などが高いサイトを表示させる傾向にあります。
したがって、SEO対策においてオーソリティは意識したい要素の1つであり、上位表示を狙うのであれば自身のWebサイトやWebページの権威性や有用性について考慮する必要があると言えるでしょう。
SEO対策においてオーソリティが重要視されている根拠について、さらに深堀りして解説していきます。
Googleが公開している資料の1つに、『検索品質評価ガイドライン』というものがあります。これは検索結果の品質を評価する際に、外部の評価者が参考にするマニュアルのようなものです。
この資料では、以下の3つの要素をWebサイトの評価基準に含めていると記載されています。
これらは各項目の頭文字を取って「E-A-T」と呼ばれており、高品質なコンテンツを作成する上で押さえておくべきポイントです。その中には「Authoritativeness(オーソリテイティブ:権威性)」をはじめ、オーソリティと同様の性質を持った要素が提示されています。
このようにWebサイトの評価基準に含まれていることからも、SEOにおけるオーソリティの重要性が見て取れるでしょう。
<関連記事>
オーソリティを含む「E-A-T」は専門的なジャンルになるほど、その重要性が高くなると言われています。特にGoogleが定める「YMYL(Your Money Your Life)」に該当するジャンルでは影響が大きいです。
YMYLの具体的なテーマ・ジャンルは以下の通りです。
上記のような経済や命・健康などに関する情報を扱う場合は、高いオーソリティがなければGoogleからの評価は受けづらいとされています。つまり上位表示させる難易度も高まるため、YMYLに該当するテーマを扱う際はサイトのオーソリティを考慮した上で、制作の是非を検討しなければいけません。
<関連記事>
Googleの『検索品質評価ガイドライン』は、あくまで第三の評価者のための資料です。そのためガイドラインに沿ったコンテンツ作りを行っても、検索順位に直接は影響しないと言われています。
しかし、その一方で検索結果の評価基準にオーソリティを含む「E-A-T」を取り入れていることは事実であり、これらを意識したコンテンツ制作は自ずとGoogleの評価に繋がると考えて良いでしょう。
つまりオーソリティが高まれば必ずしも上位表示するというわけではないですが、Googleから高い評価を得るためにオーソリティを意識すべきであると考えることができます。
オーソリティに関連する用語はいくつかあります。SEO対策とも強く絡んでくるものなので、併せてチェックしてみてください。
オーソリティサイトとは文字通り「オーソリティが高いサイト」のことです。発信している情報の信頼性や有用性が高く、質の良い被リンクを受けているようなサイトを指します。
身近なサイトに例えると、時事ニュースであれば「Yahooニュース」、天気予報であれば「気象庁」などがオーソリティサイトに該当するでしょう。
ドメインオーソリティ(DA)とは「特定のドメインが検索エンジンから受けている評価の指標」です。基本的にはSEOツールを提供しているMOZ社によって開発された検索エンジンにおけるランキングスコアの名称のことを指します。同様の意味合いである「ドメインパワー」という言葉のほうが、一般的に浸透している傾向にあります。
ドメインオーソリティは被リンクの総数や、それらの信頼性などを含む複数の要素から評価されると言われていますが、あくまでMOZ社をはじめSEOツールを使用した他サイトとの相対的な数値です。Googleが示す数値ではないため、ドメインが持つオーソリティの目安として参考程度にすると良いでしょう。
<関連記事>
ページオーソリティ(PA)とは「特定のページが検索エンジンから受けている評価の指標」のことです。SEOツールを提供しているMOZ社によって開発された検索エンジンにおけるランキングスコアの名称のことを指します。現在は廃止されていますが、かつてGoogleによって公表されていた「ページランクスコア」の代替のような指標です。
ドメインオーソリティと同じく、Googleとは直接関連しない外部による数値なので、「ページオーソリティが高い=検索結果が上位表示される」というわけではないことを覚えておきましょう。
「ドメインオーソリティ」「ページオーソリティ」は、SEOツールを活用することで調べることができます。ここでは代表的なSEOツールを提供している2社をご紹介します。
ドメインオーソリティ、ページオーソリティはMOZ社が提供する「Keyword Explorer」で調べることができます。それぞれ1~100までの数値で表示され、数値が高いほどランクが高評価であることを意味します。
【外部リンク】
ahrefs(エイチレフス)社のSEOツール「ahrefs」でも、ドメイン・ページオーソリティを調べることが可能です。名称はそれぞれ「ドメインレーティング(DR)」「URLレーティング(UR)」となっていますが、MOZ社の指標と同じ性質であると考えて差し支えありません。MOZ社と同じくドメイン・ページの被リンク数を相対的に評価し、1~100までの数値でオーソリティの目安が表示されます。
【外部リンク】
ドメインオーソリティ(オーソリティ)は、どのようにして上げることができるのでしょうか。一般的に言われている対策をご紹介します。
被リンクを受けることはオーソリティを高める手段として有効であると考えられています。しかし、自身で複数のサイトを用意して被リンクを自作自演するなどの行為は非常に危険です。Googleから不自然なリンクと判断されペナルティを受けてしまう可能性があるため、あくまで自然に得られた被リンクが好ましいということを覚えておきましょう。
また被リンクを受けるためには、有益なコンテンツを提供するサイトであることを多くのユーザーに認知されなければいけません。高品質なコンテンツを定期的に更新し、オーガニック検索からの流入を狙うことはもちろん、TwitterやYouTubeなどのソーシャルメディアの活用も検討する必要があります。
独自ドメインとは、ドメインの文字列を独自で設定し取得したものを指します。
無料のブログ作成サイトなどから割り当てられる共有ドメインでは、サービスを提供するサイトの評価が共有されることになります。そのため、たとえ自身が運用するページで質の良いコンテンツを作成しても、そのオーソリティは限定的になる可能性も否定できません。
そのため、高いドメインオーソリティを目指すのであれば、独自ドメインで魅力ある有用コンテンツを継続的に作ることが大切です。
オーソリティを上げるためには有用コンテンツを提供し続けることが重要です。しかし、有用コンテンツの更新頻度が低いと徐々に情報が古くなり、将来的に低品質なコンテンツとなってしまう可能性があります。Googleは質の高い情報をユーザーに提供したいと考えているので、定期的に情報を更新してコンテンツの鮮度を高く保つことが理想です。
ドメインオーソリティを上げるために間違った対策を行うと、かえってGoogleからの評価を下げてしまう可能性があります。絶対にやってはいけない注意点について解説するので、チェックしてみてください。
関連のない被リンクばかりが集まると、Googleから不自然なリンクであると判断され、正しい評価をもらえない可能性があります。最悪のケースではペナルティを与えられることも想定されるので、被リンクの質をチェックするために定期的に精査を行いましょう。
もしも不自然なリンクを発見した場合は、Google Search Consoleから手動で否認することができるので対策の1つとして有効です。
<関連記事>
Webサイトの有用性を重視するオーソリティにおいて、低品質なコンテンツ提供は避けるべきです。Webサイトの更新頻度やページ数を増やすことを優先し、低品質なコンテンツばかり生産するとオーソリティを高めることは難しくなります。
Googleにおける「低品質なコンテンツ」の定義は明らかになっていませんが、独自性がないコンテンツや専門性が低いコンテンツ、重複コンテンツなどは低品質とみなされオーソリティが低下する可能性があるので注意してください。
中古ドメインの使用はドメインパワーを引き継ぐことができるため、新規ドメインを使用するよりもアドバンテージを得られるというメリットがあります。しかし中古ドメインの中には、過去に検索エンジンからペナルティを受けているものがあったり、悪質かつ低品質な被リンクを受けているものがあったりするため、事前の精査は必須です。
<関連記事>
最後にオーソリティという言葉の使い方をおさらいします。
【オーソリティの使い方の例】
オーソリティはSEOに携わる方であれば、必ずと言っていいほど耳にする機会があります。
オーソリティについて知らなかったという方は、ぜひ使い方をマスターしておきましょう。
オーソリティはSEO対策において意識すべき要素ですが、即効性はなく長期的に対策しなければいけない側面があります。とはいえ、SEO対策の大前提である「ユーザーに有用なコンテンツを提供する」ことは、オーソリティを高めるための手段として非常に有効です。
したがって目の前にある課題を解消しつつ、ユーザーに有益な高品質なコンテンツを作成し続ければ、自ずと高いオーソリティを実現できるでしょう。ぜひこの機会にオーソリティの意味や意義について理解を深め、SEO対策の一環として取り入れてみてください。
ディーエムソリューションズのSEOコンサルタント、犬塚と申します。 過去には、「SEOコンサルタントがこっそり教えるSEO施策のコツ」など、…
私たちがSEO事業をスタートした2006年のSEO施策は、現在の施策とは大きく異なるものでした。 人工的な外部リンクが隆盛を極め、とにかくリ…
皆さんはSEOを外注ではなく、自分で実施したいと考えたことはありませんか? 外部リンクによるSEOが終焉に近づき、コンテンツによるSEOが全…
みなさんはSEOにはブラックハットSEOとホワイトハットSEOと呼ばれる2つのアプローチがあることをご存知でしょうか?今回の記事ではブラック…
「WEBサイトの流入が増えない」「狙っているキーワードでの検索順位がなかなか上がらない」といったSEOに関する悩みを抱えているが、「原因が何…
日々進化し続けるGoogleのアルゴリズムに対し、最適化を図るSEO(Search Engine Optimization)もこれまでにいく…
今話題のAIによるコンテンツ自動生成機能も!SEO対策に本当に必要な機能だけを搭載した使いやすさとコストパフォーマンスに優れたWeb集客支援ツールです。
Webマーケティングに関わる施策全般をワンストップで
ご提供します。
お気軽にご相談ください。
Webマーケティング最新ニュースのレポートや無料セミナーの先行案内が届く、お得なメルマガ配信中!