こんにちは、デジ研編集チームです。本記事ではSEO対策を16年行ってきた当社が1000社以上のクライアント事例から業界や施策に分けて、成功の秘訣をご紹介していきます!
今回ご紹介する事例はアパレル系ECサイトです。本事例のECサイトは、たくさんの商品ページをもとに新たなページを自動生成する「データベース型サイト」。
データベース型サイトでは一般的なコンテンツマーケティングを軸にしたSEO施策とは違ったアプローチが有効であることが本事例から分かります。
施策の詳細や成果のほか、データベース型サイトの概要についてもよく分かる内容となっておりますのでぜひご覧ください。
事例概要
- 業界 アパレル系ECサイト
- 提供サービス SEOコンサルティング
- サービス提供期間 1年半
- 利用デバイス割合
グラフの通り、モバイルを利用してサイトを閲覧しているユーザーがほとんどとなっています。
課題
- 運営しているアパレル系ECサイトの流入数を増やしたい
課題解決に向け実施した施策と施策のポイント
今回の事例のようなデータベース型サイトでもっともポイントだと言える施策は大きく分けて以下の2つです。
そもそもデータベース型サイトを知らない方のためにデータベース型サイトの概要からご紹介していきます。
データベース型サイトとは
データベース型サイトとは、データベースをもとにページが自動生成され増えていくWebサイトのことです。
例えば、カテゴリ配下に商品ページを持つECサイトや、戸建て/賃貸・エリアなど条件の下に各物件情報ページが存在している不動産サイト、カテゴリ配下に各求人情報が存在している求人サイトや口コミ情報サイトなどが該当します。
上の図のように、一覧ページ(リストページ)の下に商品や情報ページが紐づいている構成であり、各詳細ページの構成はほとんど変わらないのが特徴です。
例えば大手ECサイトでいうと楽天市場やAmazonなどが思い浮かぶと思いますので、そのあたりのECサイトをイメージしてみましょう。
大手ECサイトのトップページには一番目に入る場所のページ上部にまず検索窓があり、キーワード検索のほかカテゴリと組み合わせた検索など多様な条件での検索ができます。
検索を行うことでカテゴリ×タグ(サイズや色といった情報)、カテゴリ×キーワード、キーワードの複合条件などに合致した検索結果のページが表示されます。
この検索結果はGoogleなどの一般的な検索エンジンにも表示されるようになっており、例えば「ダッフルコート ブランド名」などで検索すると大手ECサイトの検索結果ページが掲載されていると思います。
このように、ブログメディアといった記事・コンテンツを1つ1つ書いて作っていくサイトに比べて、データベースに登録された情報をもとにページが動的に作られるデータベース型サイトは、作られるページ数が多くなるためロングテールキーワードなど幅広いキーワードでの流入が期待できます。
逆にデータベースに登録しているデータが少ないために多様な検索条件に対して表示できるページが少ないといった小規模なWebサイトの場合は商品や物件情報といったデータベース上の情報だけでなく、コンテンツ施策も行う方が有効な場合もあります。
データベース型サイトのデメリット
データベース型サイトのデメリットとしては主に以下2つが挙げられます。
- ページ数が多いためにすべてのページに対してのクローリングがされにくい
- 重要なページなどページの優先順位をつけないと逆に評価されにくい
ページ数が多いためにすべてのページに対してのクローリングがされにくい
検索エンジンは世界中に存在するあらゆるサイトを日々巡回しています(クローリング)。
そのため、サイト内のページ数があまりにも多い場合、効率良くクローラーが巡回できるようにしておかないとクローリングしづらいサイトとして評価が下がってしまうことが考えられます。
また、クローリングしづらいことでインデックスに時間がかかってしまうということも考えられます。
重要なページなどページの優先順位をつけないと逆に評価されにくい
データベース型サイトの場合微妙に違う条件でのページが大量に生成されることが考えられます。
例えば洋服のECサイトで考えると、1つの商品でも色違いやサイズ違いなど少ししか差がない商品のページが複数存在してしまうということがあります。
似たようなコンテンツの大量生成は検索エンジンからスパム(SEO目的のためだけに作られた中身のない自動生成されたサイト)と判断され、検索エンジンからの評価が落ちてしまう危険性があるため、重点的に見てほしいページを知らせる必要があります。
重複コンテンツについては下記でも解説していますので詳しくはこちらをご覧ください。
⇒SEOにおける重複コンテンツによるペナルティの危険性と対策方法
また、データベース型サイトでも、”検索キーワードについてたくさん情報のあるWebサイト”を評価するため、リストページ(カテゴリページ)を用意してカテゴリページへ商品ページや詳細ページをしっかりと紐づけるといったコンテンツの優先度を決め、整理を行うことも非常に重要です。
リストページ(カテゴリページ)に商品や検索条件のカテゴリについての情報が豊富にあるWebサイトと認識され、リストページの評価が高まります。
データベース型サイトの概要やメリットデメリットを理解したところで、実際に行った施策を次からご紹介していきます。
内部リンクの改善
内部リンクの改善は上記のクローリングのしやすさ・ページの優先順位をつけるといった目的で行った施策です。
取り扱う商品の多いECサイトなどカテゴリが多岐に渡るWebサイトの場合、
親カテゴリ>子カテゴリ>孫カテゴリというように、カテゴリを細かく分類し、カテゴリ同士で親子関係が存在する構造が一般的です。
事例サイトではカテゴリの分類はある程度されていたものの、より多くのキーワードを拾う余地がある商品のバリエーションを持っていたため、まずはカテゴリの整理を実施。
上図のように細かくカテゴリ分けを行い、カテゴリに応じたリストページを設けることで「レディース服 アウター」のほかにも「レディース服 モッズコート」といった階層のキーワードを掛け合わせたキーワードでの流入が期待できるようになります。
次におこなったのが商品ページやリストページ内への内部リンクの設置です。
当該サイトの場合、各カテゴリページや商品ページに親子関係のあるカテゴリページへの導線(内部リンク)がなかったため、ページ内に親カテゴリ・子カテゴリ・孫カテゴリの最適なリンクを設置することで、ユーザーの利便性を高めるとともにクローラーの巡回のしやすさ(クローラビリティの向上)にも繋がり検索エンジンからの評価を上げる結果となりました。
リストページ(カテゴリページ)の質の向上
リストページの質の向上はページの優先順位をつけるといった目的で行った施策です。
上述した内部リンクの施策でリストページ(第一階層ページ)の下に第二階層のページ・第三階層のページを用意し各商品の関連付けが正しく行われたことに加え、カテゴリ(各階層)配下に階層のニーズに合致した商品が多数紐づけられたことで、そのカテゴリについてたくさんの情報を持っているサイトであると検索エンジンに認識されました。
また、”コート”といった服のカテゴリで検索した時に表示されるべきなのは、当該データベース型サイト内のカテゴリの検索結果ページ(リストページ)です。
このリストページでの上位表示をさらに押し上げる施策としてリストページ内や注力ページへのテキスト追加を行いました。
リストページへのテキスト追加内容としては、コンテンツマーケティングで想像できるような商品カテゴリに関する概要など、ページごとのターゲットキーワードを自然な形で盛り込むことでオリジナリティのあるページかつ質の高いコンテンツであると判断されたと言えます。
成果
当該データベース型サイトに最適なSEO施策を行った結果、以下が成果となりました。
施策開始から7カ月でセッションが4.5倍、1年3カ月で8倍へ成長
施策開始6カ月目あたりからセッションが上がり、7カ月でセッションは4.5倍、最終的に8倍へと成長を遂げました。
おわりに
今回はデータベース型サイトの事例として、データベース型サイトであるECサイトの施策と成果をご紹介しました。
データベース型サイトはブログメディアのようなコンテンツマーケティング施策とは違った施策の方が有効です。ポイントは以下2つになりますのでデータベース型サイトに該当するサイトを運営されている方はぜひこの観点から現在の状況を確認してみてください。
- リストページ(カテゴリページ)の集客に注力する
- カテゴリの整理、内部リンクの整理を行う
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