新年あけましておめでとうございます!
あっという間に2021年が終わり、2022年になりました。
日々進化していくWebマーケティング業界ですが、2021年も様々な変化が起こりました。
状況が変化していく中で、「なかなか情報をキャッチアップしきれない!」「重要な情報だけ知りたい!」と思っている皆さまのために、2021年1月~12月に起きた検索エンジン周りの変化で、特に印象に残ったものを本記事にまとめました。
ぜひこの記事を読んで、昨年の振り返りをしてみてください。
目次
コアウェブバイタルとは、ユーザーがページに訪れた際の満足度を高めるための3つの指標です。
もっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
コアウェブバイタルの評価が悪いページが1ページあったとしてもサイト全体の評価の下落には繋がりません。
ただし、サイト内にコアウェブバイタルの評価が低いページが多い場合だとサイト全体の評価の減少に繋がります。
また、noindexやdisallow設定をしているページの場合は、検索結果に表示させない処理なのでSEOの評価の対象外になります。
コアウェブバイタルの評価は、ページアクセス直後の数値ではなく、クリック等のユーザー行動により起こった数値の変化も加味されます。
ユーザー操作で起こる数値変動などを全て踏まえたデータが評価基準になるので、ランキング要素として使用されるコアウェブバイタルの数値はChromeのユーザーエクスペリエンスレポートになります。
そのため、Googleのクローラが直接巡回できていなくても、検索ユーザーがページを閲覧していればその際のコアウェブバイタル数値を基に評価されます。
ユーザーのデバイスごとに異なる数値が計測されるため、一定のデータ量を集めたうえでの平均値が参照されます。
また、検索ユーザーがほとんど訪れておらず、データが十分に溜まっていない場合は集めたデータを基に予測した数値でコアウェブバイタルの評価がされます。
全くデータが溜まっていない新規ページ等の場合は、サイト内の他のページの評価が一時的に使用される場合もあります。
Google公式ブログのFAQをまとめたページ内で、『現時点で、ページ エクスペリエンスをランキングのシグナルとして使用することは、モバイル検索にのみ適用されます。』と正式な回答がありました。
参照元:https://support.google.com/webmasters/thread/90803935?hl=ja
つまり、PCでの検索の場合コアウェブバイタルは評価基準には含まれないことが明確になりました。
PCのみであればコアウェブバイタルの数値を意識する必要はありませんが、レスポンシブウェブデザインのサイトなどは、スマートフォンとソースコードが同一ですので確認や改善を行うことが望ましいです。
GoogleはコアウェブバイタルについてのQ&A動画を投稿しました。
この動画内でGoogle社員は以下の発言を行っています。
“コアウェブバイタルは段階的な評価がされていて、”良好”ではないページは評価が0になるなど極端な評価のされ方ではない。”改善が必要”なページであっても一律に評価されるわけではなく評価に幅が存在し、良好に近いほどより評価されるようになっている。また、”良好”の場合は最高評価であるため“良好”内で検索の評価に差は発生しない。”
“また、3つの指標全てで必ずしも良好である必要は無く、どれかの指標が悪かったとしてもコアウェブバイタル全体の評価が0になるというわけではない。”
以上の点から、サイト運営者は “良好“なページまで数値を改善する必要は無く、”不良”ページや“改善が必要”なページの内、特に数値が悪いページから対策を行うことが望ましいです。
また、デスクトップ検索では現在ランキング要因ではないですが、今後コアウェブバイタルをランキング要因として組み込む予定という発言もあったため、モバイルだけでなくデスクトップページも改善を行うことが望ましいです。
Googleは2021年の6月と7月の2ヶ月に渡り、コアアップデートを実施しました。
6月のコアアップデートの全体的な傾向としては、ドメイン全体での情報量の多さや、ドメインの信頼性といった観点での評価基準が強まったように見受けられました。
また、第三者評価(口コミ)を評価する傾向が強まっています。
7月のアップデート後は、6月に比べると大きな順位変動が見受けられました。
主に情報の信用性が重要なジャンルで公式サイトや官公庁のサイトがより評価されている傾向が見受けられました。
特に医療系や金融系などのYMYL領域では、よりE-A-Tを重視してページを作る必要があります。
著者の情報を明記することはもちろん、他サイトに引用されやすいページ構成にすることが重要です。
Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の英語名の頭文字を組み合わせたものです。
近年Googleは医療や金融といった、人々の生活に大きな影響を及ぼすいわゆるYMYL領域において情報の正確性を重視しており、情報の正確性を判断するための基準としてE-A-Tの3つの指標を用いています。
詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。
また、6月~7月はコアアップデート以外にも
この後ご紹介するページエクスペリエンスアップデートなど、複数のアップデートが同時並行で行われました。複数の要因が絡み合った結果順位変動が起きている可能性があるため、一面に捉われず様々な角度からコンテンツを見直すことが必要になります。
コアウェブバイタルを含むページエクスペリエンス要因が遂に検索エンジンのランキング要因として加えられました。
ただし、いきなり全ての検索結果に対してページエクスペリエンス要因がランキングに組み込まれるわけではありません。
最初は一部の検索に対してのみページエクスペリエンス要因が評価要因となり、徐々に適用される範囲が増えていきます。
順位変動への影響は小さいと予想されていますがUXの改善にも繋がるため、ページスピードインサイト等で各指標の評価が望ましくない場合は改善を行うことが推奨されます。
Googleはページエクスペリエンスシグナルについて「ページエクスペリエンスシグナルはそれぞれで個別に計測・評価が行われていて、もし何かの指標が悪い評価だからといっても他の指標を巻き込んで悪い評価を与えるわけではない」と述べています。
ページエクスペリエンスは近年Googleが重視している概念でしたが、評価方法にはこれまで謎が多い状況でした。
また、ページエクスペリエンス自体はランキング要因の中でも影響値は大きくないとGoogleから明言されています。
SEO観点だけでなく、UXの改善という観点からも全てのページエクスペリエンス指標が良好であることが最も望ましいですが、技術的に改善が難しい場合は無理に対応せず、他の要素でページの価値を高めることが推奨されます。
サイトのページエクスペリエンス評価はSearch Consoleで確認ができますので、今一度チェックしてみましょう。
Chromeの新しい機能として“HTTPS-First Mode“の試験提供が始まりました。
HTTPSではないページに接続を行う際に、”このページは安全ではありません”といった警告が表示されるようになりました。
参照元:https://blog.chromium.org/2021/07/increasing-https-adoption.html?m=1
現時点では警告が出てもそのままページの閲覧が可能ですが、今後は閲覧が制限されるようになる可能性があります。
Googleは“SSL化されているか“(HTTPSであるか)もページエクスペリエンス評価の要素としています。
この警告が出ることによりユーザーに不信感を与えてしまうほか、SEOの観点でもSSL化を行うことは有益であるため、もしSSL化されていないページがサイト内にある場合、すぐにでもSSL化を行うことが望ましいです。
ページエクスペリエンスアップデートでは、Webサイトの「使い勝手の良さ」を検索順位に加味している、とGoogleは発表しました。
【「使い勝手の良さ」の一例】
先述した通り、ページエクスペリエンスアップデートに対する反応は大きいものではありませんが、ページエクスペリエンスは、SEOというものがなかったとしても、コンバージョン率に大きく影響するので、対策するべきと言えます。
ユーザーにとって良いページを評価するのがGoogleの基本的な考え方であり、結果としてSEOでもよい結果を得ることができます。
モバイルで適応されていたページエクスペリエンスですが、ページ表示途中でのレイアウト崩れや、ページの表示速度といったコアウェブバイタル指標について、これまではモバイルでの検索順位にしか加味していませんでした。しかし、Google Search Central Blogから、2022年2月よりPCの表示においてもコアウェブバイタル指標を用いるというアナウンスがされました。
ランキングのリリースは、2021年初めにモバイル向けにリリースされたものと同じページ エクスペリエンスシグナルに基づいて行われます。また、PCがランキングシグナルになる前にリリースされるSearch Console レポートを使用して、PC用ページのページエクスペリエンスに関するパフォーマンスをサイト所有者が把握できるようにしていく予定とのことです。
参照元:https://developers.google.com/search/blog/2021/11/bringing-page-experience-to-desktop
Googleが商品レビューに関するアップデートを実施しました。
アップデートの目的は、メーカーの説明文と変わらないような内容の薄いレビューの評価を下落し、専門的な見解やオリジナルな要素を盛り込んだレビューを高く評価することです。
ユーザーによるレビューではなく、アフィリエイトサイトのようにサイト運営者側で作られたレビューが対象になると考えられます。
あくまでレビューの評価基準に大きな変更が加えられたということであって、ペナルティーを与え評価を下げているわけではありません。
また、コアアップデートとは異なり全世界でロールアウトされているわけでもありません。
さらに、Googleは改善ポイントとして以下のように提示しています。
ぜひ参考にしてみてください。
参照元:https://developers.google.com/search/blog/2021/04/product-reviews-update
リンクスパムアップデートでは“より効果的にスパムを検出”し、“広範囲のスパムリンクの評価を0にする”改善をしました。
現在Googleはスパムに対してマイナス評価を与えるのではなく、評価を0にするという方法で対策をしています。
理由として、悪質なスパムリンクを競合サイトに貼り付ける逆SEOが成立しないようにするためです。
また、SEO評価目的で大量のスパムリンクを抱えているあまりにも悪質なサイトに対しては、手動で検索結果から削除する対応を行っています。
今回、どの程度検索順位に影響があるかは明言がありませんでしたが、通常のサイトであれば評価が下がることは無く、相対的に順位が向上するだけなので、特にサイト運営者側で特別な対策を行う必要はありません。
Googleの品質評価者ガイドラインが2021年10月19日にアップデートされました。
変更があったのは以下の項目です。
全体的にユーザーに対して人種差別やジェンダーにまつわる事柄をメインに、悪影響を及ぼすと考えられるサイトは表示させないようにするための項目が追加されたようです。
注目したいのは「最低ページ品質」に追加された「事実や証拠に基づいていない根拠のない理論」の項目です。医療系などのサイトは特に注意が必要かもしれません。
参照元:https://www.searchenginejournal.com/quality-rater-guidelines-updates/424034/
2021年で複数回実施されているスパムアップデートは、いずれもその詳細な内容は公開されておらず、今回もどのような対策を行ったのかは不明です。
Googleがスパムアップデートの詳細を公表せずにアップデートが行われているとアナウンスした意図としては「定期的にスパム対策を行っています。」という警告の意味でこのアナウンスをしていると考えられます。
しかし、このようなスパムアップデートといったものがあってもなくても、被リンクによるSEO施策は割に合わないのは事実であり恒久的に安定したSEOを行いたいならやるべきではありません。
参照元:https://twitter.com/searchliaison/status/1456030857186226181?s=20
Googleが画像検索のアルゴリズムを変更しました。
変更箇所は計2箇所で、検索結果の多様性が重要視されております。
今までは検索クエリに合致した画像が少ない場合、重複した画像も共に表示されることがありましたが、今回のアップデートにより、検索クエリに類似した“視覚的に区別できる” が “関連性のある”画像を示すようになりました。
今までは複数意図がある検索クエリの場合、検索ニーズの高い意図に偏った絞り込みキーワードが表示されていましたが、様々な検索意図で絞り込めるよう改善されました。(車のジャガーなのか、動物なのか等)
MUMとは、「Multitask Unified Model」の略で、2021年のはじめに部分的に導入されたアルゴリズムです。
単にキーワードを探すのではなく、質問の意味そのものをAIで判断し、適切な検索結果を表示させるためのアルゴリズムです。
MUMは意味によって検索を行う仕組みなので言語に依存しません。日本語で検索しても英語といった別言語のページから該当の答えを探して、検索結果に表示することができます。また、言語という枠組みそのものも不要で、画像の内容も理解し検索結果に表示したりすることができるようになります。
見たものがなにかわからない場合にGoogleレンズを使いスマホで写真を撮ってその撮影したものについての様々な情報を得ることができるといった使い方もできるので、検索結果は大きく変わることが想定されます。
「検索行為とは質問であり、検索結果とはその答えである」
SEO対策としてはこの原則に従いその答えにふさわしい方法(テキストであったり画像であったり、動画であったり、それらを組み合わせたり)や表現を適切に選択して、ユーザーに提供することがより重要になります。
参照元:https://www.searchenginejournal.com/google-search-redesign/421415/
Search Console Insightsは、アクセス解析に不慣れでも使いやすい仕様になっていて、簡単にサイトのパフォーマンスを測ることが可能です。
主に、以下のデータを確認することができます。
また、直近28日間のデータに基づき、以下のデータを簡単に見ることができます。
ただし、“サイトの概要“を除いた他のデータはGoogleアナリティクスとの連携を行っていないと見ることができません。
また、GA4はまだ対応していないため従来のユニバーサルアナリティクスのデータを連携させる必要があります。
Search Console InsightsについてGoogleが紹介、説明を行っているサイトもあるので、ご興味のある方はご覧ください。
https://search.google.com/search-console/insights/about?hl=ja
Googleは、cookieの廃止を延期することを発表しました。
多くのWebパブリッシャーや広告業界がcookie廃止に対応できておらず、廃止するにはより時間をかけ、討議やテストを行う必要があると判断したためと記載されています。
参照元:https://blog.google/products/chrome/updated-timeline-privacy-sandbox-milestones/
今回の発表では、cookie廃止は2段階に分けて行う予定とされています。
2022年後半に行われるステージ1は、cookieを廃止する前にWebパブリッシャーや広告業界が代替サービスに移行するための猶予期間で9ヶ月ほど必要と予想されています。
2023年半ばに行われるステージ2では、2023年後半に終了する直前の3ヶ月間で段階的にcookieのサポートを廃止することが想定されています。
サイト運営者側では特に意識する必要はありませんが、広告運用を行っている場合は順次仕様が変更される可能性が有るため、留意する必要があります。
欧州で個人情報の保護の動きが強まったことをきっかけに個人を特定できてしまうcookieの廃止が叫ばれており、既にAppleでは2020年3月にサードパーティークッキーを完全にブロックしています。
Googleでも2022年を目途にcookieを廃止するとしていて、FLoCと呼ばれる代替技術の開発を進めていましたが、今回1年以上の大幅な延期を発表しています。
同一ドメインから複数のページが検索結果に表示される際に、以下のイメージのようにまとめて表示されるようになりました。実は10年前にはこのような表示だったのですが、2021年9月より復活しました。
検索キーワード「ファッション 通販」
同一ドメインからの複数のページがインデントされた場合リッチスニペットは1つ目のページに付属して表示され、2つ目のページには表示されません。
これまでGoogleマイビジネスと呼ばれていた機能が「Googleビジネスプロフィール」に変更になりました。
過去、このように名前は変遷しています。
Googleローカルビジネスセンター
→ Googleプレイス
→ Google+ローカル
→ Googleマイビジネス
相次ぐ機能拡張を行い、意味合いが徐々に変化しているためこのように名称が変化しています。
Googleが目指している方向として、究極的にはWebサイトを検索結果に表示するのではなく答えを導くことなのでこのGoogleビジネスプロフィールもその一環であると考えられます。WebサイトをSEOで露出させるだけでなく、より多面的な施策が求められるようになってきており、ローカルSEOもより重要性を増す可能性があります。
Googleマイビジネスは名称変更だけではなく、機能面においても改修されています。
従来はサイト運営者が口コミに返信したい場合、Googleビジネスプロフィールの管理画面からでないと返信を行うことができませんでしたが、今後はGoogleマップや検索結果画面から返信が可能になりました。
参照元:https://blog.google/outreach-initiatives/small-business/connect-and-understand-customers/
Googleビジネスプロフィールではインサイト機能からユーザーの流入経路や検索キーワードを分析する機能がありますが、この機能に新たな指標が追加され、詳細なレポートを見ることができるようになりました。
例えば、
といったデータが分かるようになります。
また、ユーザーが検索したキーワードデータもより多く表示されました。
データは最大6ヶ月分を使用でき、インタラクションの指標は毎日、それ以外の数値は毎月更新されるようになりました。
参照元:https://support.google.com/business/answer/10018786
いかがでしたか?昨年はコアアルゴリズムアップデートをはじめ、ページエクスペリエンスアップデートなどランキング要因となる基準が多数変化いたしました。
次々に起こる変化に対応しきれない、とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
少しでもお困りのことがありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください!
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