近年の働き方改革推進政策やコロナ禍を経て、人事業務を見直す流れが進んでいる企業も多いかと思います。さらなる効率化や負荷の低減を考え、人事業務のDXを図ることを検討されているかもしれません。
そこで今回は、人事事務を電子化して効率化を図れる「人事システム」についてご紹介します。人事システムで行えることや、システム選定時に気をつけたいポイントなども解説しますので、ぜひご参考にしてください。
人事システムとは人事情報、つまり企業の従業員に関するあらゆる情報を管理するシステムを指します。元々は、従業員情報をデータベース化するという考え方から始まったものでした。一部の大企業にこの仕組みが導入され始めたのは1990年代頃といわれており、本格的な普及が始まったのは2010年代頃のことです。
現在の人事システムでは、従業員の勤怠から給与、評価などまでを1つのシステムで一元管理できます。人事業務のなかでも給与計算など基本的なことから、適正な人材配置といった抽象的な管理事項にまで役立てられるものもあります。
人事システムを導入することで、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、人事システムの導入メリットをご説明します。
繁忙期には作業が集中し、業務負荷が大きくなる点が人事部門の問題点でした。それらの煩雑な作業を、人事システムはサポートしてくれます。残業が多くなりがちだった人事部門の工数削減にも、人事システムは役立ちます。
人事部門は企業の事務のなかでも、特に多くの用紙を使用していました。人事システムの導入によって、多くの作業が紙ベースからデータ化を図れるため、結果的に使用する紙の量を減らすことが可能です。
人事システムのなかには、各従業員の評価や保有スキルが一元管理できるものもあります。それらを分析し、データを得ることによって適切に人材を配置することができます。各従業員の育成にアドバイスを行ってくれるシステムもあり、それらを活用すれば個々の人材育成にも役立てられます。
多くのメリットを持つ人事システムですが、導入に際しては注意しておきたい点もいくつかあります。
全従業員の情報をデータ化する人事システムは、その規模も大きなものとなります。大がかりなシステムを新規導入する際は、当然ながら大きめの初期コストがかかってきますので、その費用対効果を事前にじっくり検討した上で導入を考える必要があるでしょう。
従業員に関する人事情報のなかには、重要な個人情報が含まれています。それを1つのシステムで一元管理するということは、大規模な情報漏えいなどのリスクも考慮する必要があるということです。
導入にあたっては、社員教育なども含めて十分にセキュリティ対策を行うことや、システム選定時に高度なセキュリティを備えたサービスを選ぶことなどが求められます。
ここからは、人事システムで具体的にできることについても見ていきましょう。人事システムが備えている主な機能には、以下のようなものがあります。
各従業員の評価やスキルなどをデータ化し、システムで管理できます。それらの評価は分析対象にもなるため、従業員1人1人の特性や潜在能力を推し量ることにも役立てられます。
人事システムによってはデータを自動で分析し、各従業員の潜在能力の活用に関するアドバイスを行ってくれるものもあります。
勤怠管理とは、文字通り従業員の勤怠を管理することです。紙ベースの人事においては、これをタイムカードで勤怠管理を行っていたケースが多いでしょう。その煩雑な作業も、人事システムでは自動化できます。
雇用形態を問わず、日々の勤務時間や月毎の集計が管理されるため、シフト制などで複雑になりがちな給与計算も自動で行えます。また、全従業員の出勤日と勤務時間のデータを分析することで、人手が足りない部署や時間帯などをすぐに把握できます。
労務管理とは、入社・退職の手続きや福利厚生などを管理するものです。従業員の個人情報に基づき、制度の申請や手続きなどもシステム上で行えるようになるため、これらの煩雑な処理も一部自動化が可能となります。
採用管理も、人事部門の重要な業務です。自社の求人へ応募した求職者の試験日・面接日や応募経路なども、人事システムで管理することが可能です。
採用情報の共有や自動管理が行えるため、求職者との連絡などもスムーズになります。求人媒体との連携機能を備えたシステムもあり、採用の進行状況を把握できるため、煩雑になりがちな採用業務を迅速かつ確実に行えるでしょう。
人事システムのなかには、タレントマネジメントに役立つ機能を備えたものもあります。具体的には、各従業員のスキルや評価に基づきリーダーを育成したり、適正な部署への配置を促したりできます。
人事システムといっても、探してみると実に多くのサービスが見つかります。ここでは、それらのなかから自社に合ったものを選定する際、意識したいポイントをご紹介します。
クラウド型を選ぶか、オンプレミス型を選ぶかは重要なポイントです。基本的には、自社でサーバなどを管理し、システムの運用が可能であればオンプレミス型を選定、それらが困難であればクラウド型といった選び方になるでしょう。クラウドとオンプレミスでは導入コストや運用コストも異なってきますので、費用面を考慮して選定する方法もあります。
人事システムには、「統合型」と呼ばれる多機能なパッケージ型と、一部機能に特化されたものがあります。自社でどの程度の機能を求めているかを事前に明確にしておき、統合型か機能特化型かを選択するようにしましょう。
既に人事システム導入済で入れ替えを考えている場合は、旧システムとの引継ぎがスムーズにできるかどうかも考える必要があります。
自社の既存システムと、データ連携が可能かどうかも重要なポイントです。導入しようと考えている人事システムが他システムと連携可能か、また可能な場合どのようなシステムに対応しているかは、必ず確認しておきましょう。
ここからは、デジ研が厳選したおすすめの人事システムをご紹介します。シェアが高いもの、特定の機能に特化されたもの、中小企業・スタートアップ企業向けのものなど、特性もさまざまです。
費用 | 要問い合わせ |
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特徴 | 人事・労務管理に特化した人事システム。3年連続シェアNo.1の実績を誇り、従業員規模10名以上から活用可能。規模を問わずさまざまな企業に対応し、導入・運用ともにスムーズです。 |
費用 | 見積依頼が必要 |
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特徴 | タレントマネジメントに特化した人事システムです。人事業務の効率化をベースにしつつ、人材データの管理、分析、活用までをサポート。さらに従業員エクスペリエンスの向上までを実現します。導入・運用支援など充実したサポート体制も魅力。 |
費用 | 要問い合わせ |
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特徴 | 人事業務の人為ミスをゼロに近づける、複雑な事務作業を1つにまとめた人事システムです。作業時間やミスを少なく抑え、現場の働き方改革にも貢献。大企業から中小企業・スタートアップ企業までさまざまな規模の企業で快適に利用できます |
費用 | 要問い合わせ |
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特徴 | 入退社の手続きや、人事異動などの複雑な事務処理も簡単に。マネーフォワードの他システムを利用中なら、それらとの連携もスムーズです。連携を活用すると、給与計算や経費精算などもさらに自動化・効率化が期待できます。 |
費用 | 初期費用0円、月額10,000円から(詳細要問い合わせ) |
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特徴 | 人事のマスターデータを構築し、データに基づく戦略人事を実現する人事システムです。人材の活用に関する機能が充実していて、人材管理をさらに効率化できます。求人や求職者に関しても管理できる採用管理機能が充実している点がポイント |
費用 | 要お問い合わせ |
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特徴 | AIが在籍している社員が最大限に能力を発揮することができる移動案を作成してくれます。社員はアイコンで表示されているため、ドラッグアンドドロップで容易に部署変更シミュレーションを作成することができます。面談記録やアンケート、モチベーション調査などの結果を参照できることから、社員の管理もしやすい人事ツールだと言えます。 |
費用 | 月額45,000円~ |
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特徴 | 企業に合わせてさまざまな評価シートを作成することができ、集計や分析機能が充実している人事システムです。Excelではできなかった複雑な評価シートを作成したり、給与のシミュレーションを行ったりといったさまざまな機能が搭載されています。 |
費用 | スタータープラン:1ユーザーあたり月額300円 プロフェッショナルプラン:1ユーザーあたり月額500円 |
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特徴 | 社員プロフィールを社内SNSと連携できる・導入前から評価制度の課題を確認できる・人材発見から育成までをカバーできるといった、さまざまな機能が搭載されている人事ツールです。1on1の面談をサポートする「1on1 Talk」や、スキル習得をサポートする「ファンダメンタルCDP」といった機能を利用することで、人材育成の負担を軽減することができます。 |
費用 | ベーシックプラン:月額50,000円~ 選べるパック:要お問い合わせ その他オプションあり |
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特徴 | 誰でも簡単に使えるようなUI/UXで設計されており、必要な機能をオプションで搭載できるため、高いカスタマイズ性が特徴の人事システムです。導入前には無料トライアル期間が設けられており、全機能を利用できるため必要な機能を確認することができます。 |
費用 | 要お問い合わせ |
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特徴 | フレックス制や裁量労働制といった、さまざまな勤務形態や業種に対応している人事システムです。働き方改革や労働環境を改善するために、長時間労働の抑制をサポートする機能が搭載されています。 |
費用 | iAシステム:月額7,000円 iAシステム:月額11,000円 iBシステム:月額19,000円 iSシステム:月額26,000円 iSシステム(基本機能+社員数拡張):月額96,000円 |
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特徴 | 書類やリスト作成といった業務を、フォーマットやパターンを選ぶだけで自動化することができる人事システムです。紙の業務がなくなる・情報漏洩の心配をなくせる・テレワークを実現できるといったさまざまな特徴を持っています。データのやり取りや連携の時間がなくなるため、業務効率の改善に貢献してくれることでしょう。 |
費用 | 要お問い合わせ |
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特徴 | 会社員の個性や才能を発揮し、人事戦略に貢献することができる人事システムです。クラウド上で社員の顔や名前、評価、スキルなどを可視化することで、最適な人材配置やリクルート活動に活用することができます。また、評価結果を相対的に確認ができるため、評価者によるバラつきを防ぐことができます。 |
費用 | 勤怠システム:ユーザー1人あたり月額300円 人事労務システム:ユーザー1人あたり月額300円 給与システム:ユーザー1人あたり月額300円 ワークフローシステム:ユーザー1人あたり月額300円 |
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特徴 | バックオフィスに関連するさまざまな業務を連携することができる人事ツールです。通常、バックオフィスは個別の業務に対応するシステムを導入しますが、ジンジャーでは必要なシステムを導入することで連携性を高めています。システムサポートが厚い点も、多くの人から支持を得ている理由です。 |
費用 | 要お問い合わせ |
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特徴 | ストレスチェックの結果をもとに最適な改善方法を提案したり、個人の特性を生かすことができる部署を提示したりすることができる人事システムです。人材育成にも活用することができることから、導入した多くの企業の支持を得ることができています。 |
費用 | 要お問い合わせ |
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特徴 | 人材データを活用した配置・育成・従業員サーベイといった人事戦略を実現することが目的の人事システムです。JIS Q 15001を取得しているため、情報漏洩のリスクが低い点も特徴のひとつだと言えるでしょう。進捗確認やリマインド機能が搭載されていることから、評価業務の負担を軽減することができます。 |
今回は、人事システムでできることや機能、選定のポイントなどをご紹介しました。繁忙期の忙しさで知られる人事業務だけに、効率化を求めている企業も多いと思います。
人事システムは、サービスそれぞれが特化された機能や強みを備えている点がポイント。「どれを選んでも同じ」ではないため、導入時の比較検討が非常に重要になってきます。自社の課題や求められる機能を照らし合わせ、最適なサービスを選定しましょう。
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