社内でDXを進めるにあたり、ナレッジマネジメントツールの導入をすすめられた経験があるかもしれません。しかしどのようなツールか分からない上に、ナレッジマネジメントとはどのようなものかを知るところから始めなければならず、お困りの方もいるでしょう。
そこでこの記事では、ナレッジマネジメントツールの概要や導入のメリット、初めての導入におすすめのナレッジマネジメントツール5つをご紹介します。業務のDXに際して便利なツールをお探しの方は、ぜひご参考にしてください。
ナレッジマネジメントツールとは
まずはナレッジマネジメントツールの概要について、簡単にご説明します。初めに「ナレッジマネジメント」について理解した上で、次にツールでできることを1つずつ確認しましょう。
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメント(Knowledge Management)を日本語にすると、「知識の管理」という意味になります。転じて、ビジネスにおけるナレッジマネジメントとは「業務手法やノウハウの共有」を指します。
つまりナレッジマネジメントツールとは、個々の従業員が持つ業務に関するノウハウを、部署や職場・企業単位で共有するために用いられるツールです。
ナレッジマネジメントツールの主要機能
ナレッジマネジメントツールがあると、どのようなことができるのでしょうか。ここではナレッジマネジメントツールの主な機能をご紹介します。
・ファイル共有機能
ナレッジマネジメントツールには、業務で使用する資料などの文書データをひとまとめに整理して保管・編集を行える機能が備わっています。このファイル共有機能により一元管理が可能となり、誰でも最新の状態の文書を閲覧・利用できるようになります。
・グループウェア機能
職場やチーム単位で情報共有を行えるグループウェアとしての機能も備わっています。チャットや社内会議ツール、掲示板、スケジュール管理などを行えます。
・社内ヘルプデスク機能
業務において生じた疑問や質問を投稿すると別の従業員が回答するといった形で、都度質疑応答を行える機能です。
・eラーニング機能
共有した情報をまとめて教材コンテンツとし、社内学習・研修用に配信できる機能です。オフラインでの研修を行うよりもコストがかからず、履修する場所や日時の自由度も増すため、業務効率化につながります。
上記機能は、ナレッジマネジメントツールに備わる機能の一部です。この他にも、ナレッジマネジメントツールにはビジネスそのものや業務のDXに際して役立つ多くの機能が備わっています。
ナレッジマネジメントツールを導入するメリット
新たなツールを導入するにあたっては、自社の課題に対しどのようなメリットがあるかを考慮する必要があります。ここでは、ナレッジマネジメントツールの導入で業務上得られるメリットを5つご紹介します。
情報共有を円滑に行える
ファイル共有機能や、公開型のメッセージ機能などで、最新の情報を自動的に全社共有できます。また、検索機能が備わっていればすぐに見つけたい情報へ容易にアクセス可能です。
限定的なメンバーにだけ共有したい情報は範囲を設定して公開できるなど、柔軟性が高い点もメリットです。
教材やマニュアルの作成・編纂を効率化できる
社内教育や研修には、資料作成から研修場所の確保に至るまで多くの手間とコストがかかります。しかしナレッジマネジメントツールの活用により、社内教育を大幅に効率化することも期待できます。
従業員間のコミュニケーションが活発になる
ナレッジマネジメントツールには社内SNSやFAQ、掲示板機能などが備わっているため、複数拠点間やリモートワーク社員とのコミュニケーションに有用です。日ごろ接点のない生産拠点と営業担当なども闊達に情報の共有を図れることで、従来困難だったイノベーションの契機となるかもしれません。
ナレッジマネジメントツールの選び方
調べてみると、非常に多くのナレッジマネジメントツールが提供されています。それらの導入には一定のコストと手間がかかるだけに、できるだけ長く使えて、投資する金額やリソースに見合ったツールを選ぶ必要があるでしょう。
ここでは、ナレッジマネジメントツール選定時に意識したいポイントをご紹介します。
ポイント➀:すべての利用対象者が快適に使いこなせるか
自社の課題解決に適したツールを選ぶことはもちろんですが、使うべき従業員全員が日常的に使いやすいツールであることも重要です。
せっかく導入したのにあまり使われず、課題解決がおざなりになってしまう事態は避けたいもの。次にご紹介するお試し期間なども活用し、まずは運用サイドでの使いやすさを測ってみると良いでしょう。
ポイント②:試用・トライアル期間があるかどうか
ポイント➀でも述べた通り、使いにくいツールは導入しても移行がスムーズに進まない恐れがあり、結果的に大きなロスを招いてしまいます。それを防ぐには、無料お試し期間やトライアル制度が設けられているツールをまず試してみることがおすすめです。
まずはしばらく使ってみて、現場の手応えを感じてから本格導入を検討すると良いでしょう。
ポイント③:機密保持に対応しているか
社内情報の共有がメインの用途となるナレッジマネジメントツールだけに、セキュリティ性にも目を向ける必要があります。特にクラウド型のツールは、システム障害やセキュリティ事故のリスクに強いサービスを選ぶことが重要。強固なセキュリティが整っていることや、信頼できる運営元が提供していることなども考慮して選定しましょう。
おすすめのナレッジマネジメントツール5選
ここからは、デジ研が選んだおすすめのナレッジマネジメントツールを5つご紹介します。かかる費用やおすすめのポイントも解説しますので、これからナレッジマネジメントツールの導入をご検討中の方はぜひお役立てください。
➀Qast

費用 |
資料請求または問合せが必要 |
特徴 |
any株式会社が提供するナレッジマネジメントツールで、FAQ(質疑応答)機能が充実しています。特に文書管理に特化したナレッジマネジメントに適しており、「社内Wiki」として活用できる点が特徴。自社の従業員個々のノウハウを適切・迅速に共有したいときに真価を発揮するツールです。 |
公式サイト
②esa.io

費用 |
月額1ユーザーあたり税込500円・無料トライアル2か月付き |
特徴 |
合同会社esaが提供するナレッジマネジメントツールで、社内Wiki(百科事典のような知識共有)に特化されています。コンセプトは「みんなで情報を育てる」。文書はクラウドで保管・管理を行えますが、各ドキュメントを編集中の状態のまま保管できる点が大きな特徴です。
文書を更新する際も編集中の状態を明示できることが、じっくり情報を育てる上でのサポートとなります。コストパフォーマンスの高さも魅力です。 |
公式サイト
③NotePM

費用 |
プラン8 8人まで月額税込4,800円
プラン15 15人まで月額税込9,000円
プラン25 25人まで月額税込15,000円
プラン50 50人まで月額税込30,000円
プラン100 100人まで月額税込60,000円 など |
特徴 |
株式会社プロジェクト・モードが提供するナレッジマネジメントツールで、テンプレートやエディタ機能が充実しています。Webブラウザ上で手軽に文書作成ができる、高い機能性が特徴。ビジネスで多く用いられるMicrosoft OfficeやPDFなどとの親和性も高く、検索機能も優秀です。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどの端末でも利用可能です。また英語への切り替えや時差対応機能も備わっているため、海外在住のメンバーや外国人メンバーとの情報共有もスムーズになります。
|
公式サイト
④Domo

費用 |
問合せが必要(30日間無料トライアルあり)
|
特徴 |
ドーモ株式会社が運営するDomoは、優れたUIやUXが用意されたナレッジマネジメントツールです。直感的なオペレーションによる文書の作成や情報の共有が可能で、作成データはプレゼンにも使用できる完成度。クラウドサービスのため、自社での保守・メンテナンスが不要な点も魅力です。
アカウント単位で情報を確認でき、メンバーの進捗状況や困りごとなどを随時確認できるメリットも備えています。 |
公式サイト
⑤kintone

費用 |
ライトコース 1ユーザーあたり月額780円+税
スタンダード 1ユーザーあたり月額1,500円+税
30日間無料トライアルあり |
特徴 |
サイボウズ株式会社が運営するkintoneは、データの共有や社内コミュニケーションにとどまらず、業務アプリの作成まで簡単に行えるナレッジマネジメントツールです。IT知識やスキルが高くなくてもすぐに始められる取っつきやすさと高い機能を兼ね備えている点がポイント。業種を問わず、国内20,000社以上が導入している信頼性の高さも魅力です。 |
公式サイト
【記事のまとめ】ナレッジマネジメントツールは使いやすさを見極めてからの導入が吉!
今回は、社内情報の共有をスムーズにするナレッジマネジメントツールについてご紹介しました。今回ご紹介したツール以外にもさまざまなナレッジマネジメントツールがありますし、ツールによって特化されている機能も異なります。無料トライアルなども活用の上じっくり検討し、自社に最適なツールの選定につなげていただければ幸いです。
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