「インハウスSEO」とは、SEOコンサルティング会社などの外部企業にSEO施策を委託するのではなく、自社内ですべてのSEO施策を行うことをいいます。SEOコンサルティング会社への外注費用を抑えられるうえ、社内へのノウハウ蓄積や人材育成をすすめることができるインハウスSEO。その概要やメリット・デメリット、そしてインハウスSEOを行う際に押さえて起きたい施策についてご紹介します。
冒頭でもお伝えした通り、「インハウスSEO」とはWebマーケティングにおけるSEO施策を外部の専門企業に委託するのではなく、自社内で全てないし中心のSEO施策を行っていくことをいいます。
インハウスSEOを継続的に運用するには、当然、社内にSEOの専門知識をもった人材、またはこれから学習しながら日々の運用に活かしていくことができる人材が必要です。
そのため、インハウスSEOを実施している企業や「IT企業」など、もともとWeb系人材やITに強い人材が集まりやすい業界で多く行われている傾向があります。
「でも、自社内でSEO施策をまわしていくって大変なのでは?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。そこで、インハウスSEOのメリットを整理したいと思います。インハウスSEOのメリットは、大きく以下の3点です。
まず一つ目のメリットは、「社内にSEOのノウハウを蓄積できる」ことです。そもそも、SEO施策というのは、非常に長期的なプロジェクトです。
社外のSEOコンサル会社に委託するとしても、短くても半年・長い場合は数年と外注先と一緒に施策を行っていく必要があります。もちろん、外部委託先との契約が解除しても、SEO流入や検索順位をキープする・向上させていくには、細々とでも恒久的な運用が必要です。
となると、SEO施策をいつまでも外注していたら、社内の人材は育たず、知見(ノウハウ)は溜まっていきません。逆に、インハウスSEOの運用を導入すれば、社内に「どうすればSEO施策はうまくいくのか?」のノウハウが溜まり、運用を通じて、担当者がSEOエキスパートとしてスキルを身につけていくことができるのです。
二つ目のメリットは、「自社の行いたいタイミングで施策ができる」ことです。SEO施策は大きく分けて、内部施策や外部施策といったサイト設計やリンク構造の対応と、記事や商品紹介ページのコンテンツ作成の2つのアプローチがあります。
このいずれも、SEO施策担当者のみで完結する作業ではありません。つまりどういうことかというと、会社全体のプロモーションやWebサイトの機能やデザインを修正するエンジニアやデザイナー、商品開発部やブランド施策などなど……全社的な関係者と調整しながら施策を進める必要があります。
このとき、インハウスSEOの運用体制であれば、SEO施策は社内従業員が行っているので、各プロジェクトや改善の調整がしやすいのです。でも、外部に委託している場合、インハウスSEOに比べるとコミュニケーションコストがかかり、時としては調整不可なケースも発生してしまうでしょう。
三つ目のメリットは、「外注費のコスト削減になる」ことです。これは言わずもがなですが、インハウスSEOはSEO施策を社内にて行うため、かかる費用は担当する従業員の人件費と利用するツール費用のみです。
一方、もし外部企業に委託するとなると、どれくらい必要がかかるのでしょうか……? 委託先のSEOコンサルティング企業によってマチマチですが、月額30万円〜100万円ほどかかることが想定されます。制作コンテンツの質も合わせると、もっとかもしれません。
インハウスSEOはSEO施策をまわすことができる優秀な従業員がいれば、とても低コストに高いパフォーマンスを生み出すことができます。そのため、社内のノウハウ蓄積と人材の育成がカギとなるのです。
もちろん、モノゴトにはいい側面ばかりではありません。それは、インハウスSEOであっても同様です。それでは、インハウスSEOにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。以下に3つに分けてお伝えします。
まず一つ目のデメリットは「Webスキルの高い人材がいないと施策が進まない」ことです。これは、メリットの章で触れた内容の裏表になるのですが、SEO施策を進めていくことができる人材はなかなかいないのが実情です。
というのも、「SEO施策」というと「内部施策・外部施策・コンテンツ制作でPDCAを回すだけ」と安易に捉えられがちですが、Webサイトの制作に必要な知識やWebマーケティングにおけるコンテンツの作成方法、そして変化の激しいGoogleの検索エンジンを相手に着実に成果を出すことができる、といった様々なスキルが求められるのですが、これに対して高いスキルを持っている人は少ないです。
そのため、イチからインハウスSEOが難しければ、まずは外部委託してノウハウを共有してもらい、徐々にインハウスに移行するのもおすすめです。担当者とはじっくりと向き合い、スキルを伸ばしていく目線が大切でしょう。
二つ目のデメリットは「最新の施策や情報が得にくい」ことです。社外のSEOコンサルティング会社は、SEO施策の受注が主な事業であるため、SEOの専門知識の高い人材が多数在籍しています。そのため、当然、最新のWebマーケティングやSEO施策に関する情報にも感度が高いです。
SEO施策は、Googleの検索エンジン上でいかに狙ったターゲットからの流入を増やし、事業の売上やブランディング向上に繋げていくかです。そして、Googleのアルゴリズムは日々ユーザービリティを高めるために改善が繰り返すかが重要です。
そのため、大きなアルゴリズムのアップデートだけでなく、細かな情報も含め、アンテナ高く目先のSEO施策に活かしていく姿勢が必要になります。その点、人員が少なく専門会社でもないインハウスSEOは、最新の施策情報が得にくいかもしれません。
三つ目のデメリットは「人件費のコストがかかる」ことです。過去にSEO施策の経験がありスキルが習熟している人を除き、事業がインハウスSEOに踏み切ることを契機に、はじめてSEO担当者になるという方も少なくないでしょう。
その場合、当然ながらインハウスSEOの効果が出て、社内にノウハウが溜まり人材が育つまである程度の時間がかかります。「人材を育てること」を価値と捉えるか、効果が出るまで時間がかかることをマイナスと捉えるかは、各社の判断次第ですが、その分、人件費がかさむことはデメリットとも言えるかもしれません。
「SEO施策の効果に即効性を求める」場合は、インハウスSEOでじっくり進めるのではなく、外部のSEOコンサルティング会社に依頼し、専門家の力でスピーディーに効果を高めた方がいいのかもしれません。
それでは、インハウスSEOをすすめていくうえで具体的にどのような施策を行うのかについてお伝えしたいと思います。「内部施策」「外部施策」「コンテンツマーケティング」「アクセス解析」の4つに分けて解説しますので、インハウスSEOを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
SEOの内部施策とは、サイト内リンクを設定したり、パンくずリストの設置やHTML構造の修正など、サイト内部の改善を行うことでSEO効果を高める施策をいいます。
内部施策で行われる具体的な取り組みには、以下のような対応が挙げられます。
各施策内容の詳細はこちらでご覧いただけます。
SEOの外部施策とは、おもに外部サイトからのリンク(被リンク)を獲得することを目的とした施策です。外部サイトからのリンクは、被リンクを獲得しているサイトの信頼性があり、価値があることをGoogleの検索エンジンに伝えます。そのため、被リンクの数が多いほど、SEO効果が高まりやすい傾向にあります。
しかし、SEOの外部施策はただ単に被リンクの数を増やしていけばいいというわけではありません。Googleの検索エンジンが「評価が高い・質が高い」と判断する被リンクを獲得する必要があるのです。以下のような被リンクは、評価が得られないばかりか、逆に低評価を受けるリスクもあるため注意が必要です。
各施策内容の詳細はこちらでご覧いただけます。
SEO施策のコンテンツマーケティングとは、ユーザーに対して有益なコンテンツを届け、Webサイトのファンを作り、商品購入やサービス登録へとつなげていく施策です。制作するコンテンツは、サイトやメディアのコンセプトにあった記事やe-book・動画やインフォグラフィックスなど多岐に渡りますが、一般的にはWeb記事を指すことが多いです。
おもなコンテンツマーケティング施策の流れは、まずサイトを構築したらファンを増やすためのコンテンツ制作を積極的に行いいます。特に様々なキーワードで順位を上げ、流入を獲得していきます
さらに、サイト内にホワイトペーパーがダウンロードできるポップアップや、商品購入ページやお問い合わせへの導線をつくり、見込み顧客の情報を獲得します。さらに、獲得した顧客情報(メールアドレスなど)をもとに、メルマガやセミナーへの誘導などを見込み顧客を育成。そして、最終的にサイトで購入や営業が訪問し受注するなどし売上を増加させます。
このようにコンテンツマーケティングは見込み顧客の情報を獲得するためのファーストステップとなり、売上につなげるためのプロセスに大きなインパクトを与えます。
コンテンツマーケティングは、Webサイトやコンテンツの制作に手間がかかるため、効果が出るまでに時間を要します。さらに定期的なコンテンツ制作が必要なので、コツコツと地道に取り組む姿勢が大切です。
アクセス解析とは、Googleが提供する無償でWebサイトのユーザー動向やデータをモニタリング・収集・分析できる「Googleアナリティクス」や、サイトURLとKWの関連性から検索順位のデータをモニタリング・収集・分析できる「GRCツール」などを利用する施策です。
SEO施策において着実成長し成果を出すには、正確でスピーディーなPDCAサイクルを回す必要があります。そのためには、Webサイトの状況を細かく分析できる体制が必要不可欠で、特にアクセス解析はとても重要です。
「Googleアナリティクス」では、登録したWebサイトへの期間別の流入数(PV/UU)・平均セッション時間・直帰率・ページごとの各種数値などを確認することができます。これらのツールを正しく利用し、データをもとに正確なPDCAをまわすようにしていきましょう。
インハウスSEOと外部委託はそれぞれにメリット・デメリットがあります。成果が求められる規模感やスケジュールにもよるため、社内のリソースを考えて内製化、もしくは一部を外部委託するなどしっかり検討しましょう。
何から始めたらいいか分からないという場合は、まずはSEOコンサルティング会社へ外部委託しノウハウを蓄積させてからインハウスSEOへ移行していくのがおすすめです。当社でもご支援が可能ですので、宜しければSEOコンサルティングサービスをご覧ください。
インハウスSEOは社内でSEO知識を持つ担当者がいることが重要なので、SEOに詳しい担当者がいる場合や、社内でもWebマーケティング業を運用している場合はインハウスSEOに向いている会社かと思います。
一概に言えませんがSEO対策の成果が出るのが3ヶ月~6ヶ月が目安です。新規サイトの場合は、それ以上の期間を要する場合があります。インハウスSEOで適切な運用を行っていても数ヶ月かかると考えられ、最終的な結果を得られるのは半年~1年ほど見ておくと良いでしょう。
SEO施策は多岐にわたり、専任の担当者やライティング、制作などさまざまなチームを編成します。社内の体制や1人1人の業務量等に合わせて最適な人員を整えるのが良いでしょう。
インハウスSEOはうまく成功すれば、今後資産となるSEOのノウハウが溜まり、社内人材の成長にも役立ち、人件費以外のコストがかからない体制をつくることができます。
しかし、はじめてインハウスSEOを開始するとなると、じっくりと運用に向き合っていく必要があるでしょう。記事を読んで、インハウスSEOにご興味を持たれた方はぜひトライしてみてはいかがでしょうか? また、逆にSEOコンサルティング会社への委託を希望される方は、以下記事を参考にされてみてください。
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