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[インタビュー]ギャプライズ社/LPO研究所所長 鎌田洋介氏が語るWebサイトで成果を出すために必要なこととは

2021.12.27 2015.06.29 SEO相談室記事一覧
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2015年4月、私たちディーエムソリューションズ(以下「DM-S」)は「Webサイトで成果を出すために必要なこととは何か」をテーマに、ギャプライズ社/LPO研究所所長の鎌田洋介氏へインタビューを行いました。

数多くのランディングページ(以下「LP」)を制作し、大きな成果を上げてきたギャプライズ社。そしてWebマーケティングの情報サイトとして、幅広い層から注目を集めている「LPO研究所」。

そのどちらにも深く携わってきた鎌田氏が考えるLP・オウンドメディアで成果を出すために必要なことについて、語っていただきました。
 

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Webマーケティングの基本を自力で学んだ前職での経験

―私どもDM-Sのサービスサイトを作り直す際に、ギャプライズさんにお願いし、そのときに実務を担当してくださったのが鎌田さんでした。
ギャプライズさんは、私どもの考えを上手にくみ取り、それを噛み砕いてアウトプットしてくれる印象でした。中でも鎌田さんは研究肌ですごくしっかりされている方だと感じました。
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「ありがとうございます。当社はLPをひとつの軸に置いています。ゼロから何かを生み出すことよりも、埋もれている良いものにフォーカスを当ててその力を引き出すことを大切にしている、という感覚ですね。そのためにヒアリングをしっかりと行い、お客様の長所を引き出そうと考えているので、そう感じていただけて良かったです。」

―改めて、まず鎌田さんのご経歴を伺いたいと思います。私どもの会社の仕事を担当していただいたのが2007~2008年頃だったと思います。あの頃、鎌田さんはギャプライズさんに来られてすぐの頃でしたよね。

「ちょうどギャプライズに転職して、1年ほど経ち、仕事も一巡した頃ですね。」

―前職はどういったお仕事をされていたのでしょう?

「前職ではWebマーケティング事業の立ち上げから関わらせていただき、B to B(法人顧客取引)を中心に50社超のクライアントのWebマーケティングをお手伝いさせてもらいました。」

 

目的は「作りたい」ではなくて「結果を出したい」

―そこでWebマーケティングを経験されてから、ギャプライズに転職されたんですね。

「はい。もう少し大きなマーケティングをしたい、特にB to C(個人顧客取引)の仕事がしたいと考え、ギャプライズに転職しました。ギャプライズも、それまで制作会社寄りのスタンスでやっていたところを、もっとコンサルティング寄りと言うか、Webマーケティングにも力を入れよう、サイトもやっていこうという時期で。」

―会社全体がコンサルティングやWebマーケティングにも力を入れ出したというのは、単純なサイト制作だけでなく、そこからどうやって集客・運営していくかといったことまで含めた一連の流れを構築する形に変わっていったということでしょうか?

「そうですね。Webを作り、集客し、運営をしていく、という流れをどう回していくかに重点を置くようになりました。もともとは『Webを作る』という部分にフォーカスしていたんですが、LPだけ作っていても成果が出ないので、リスティングも強化し始めるなどしていました。
どれだけ良いページを作っても集客がないと成果にはつながりません。目的は『作りたい』じゃなくて『結果を出したい』なわけですから。」

―目標に置いているのは「コンバージョンを上げる」ということですね。

「その通りです。『売上を上げたい』、『ギャプライズ自身もお客様と一緒に成長したい』ということが目的なのに、今までのやり方では結果を出すことにコミットできていないと感じる部分があったので。
そこからみんなでどんどん広げていきました。ちょうど私が入社した頃がそういう時期で、自分も興味を持って参加したという感じです。」

 

ギャプライズで学んだデザインディレクションの感覚

―なるほど。入社して1年ほど経って仕事を覚えると、今度は自分の色を出そう、発展させようというフェーズに入って来るのではないかと思います。

実際に取り組まれたお仕事の中で、面白かったことや成果を感じたことなどをお聞かせ願えますか?
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「入社直後に担当した仕事ではナック*様のウォーターサーバー「クリクラ」のお仕事ですね。ウォーターサーバー業界はB to Cということもあり自分の中で新しい感覚がありました。また成果としてはLP構築&サイトリニューアル後、Webサイトからの顧客獲得2倍、CPAは1/4になりました。
それまでやってきたB to Bは企業担当者も見積もりなどの明確な目的を持ってみているケースが多いので、キャッチも理に適っているかどうかが重要なんですね。左脳的と言うか。でもB to Cは『感覚』というのが非常に重要で、理詰めだけだと、何となくWebを見ているユーザーには届かないんです。『百万倍!』とか言っちゃう感じですね(笑)。その違いが面白く、また成果も実感できました。」

―確かに、ナック様のお仕事は、大きな実績としてギャプライズのホームページでも紹介されていますね。
では続いて、ギャプライズでお仕事をされる中で感じた、会社の特徴や強みなどはどういったものだったのでしょうか?

「ギャプライズに入ってまず感じたのは、デザイナーのレベルが非常に高いことですね。
前にいた会社は外部パートナーにお願いしていたので、どちらかというとデザイナーに指示を出してその通りにやってもらう感じだったんですが、ギャプライズのデザイナーは積極的に意見を出してくれます。ときにはこちらが考えたものを潰しに来たり、知らないものが追加されていたりします(笑)。」

―バトルですね!(笑)

「そうです。自分の枠組みだけで考えていたものをデザイナーがさらに引き上げてくれる、別の次元からの視点を与えてくれるのが新しい感覚でした。ギャプライズに入って最初に感じたのはそこでしたね。
おかげで、最初の1年でデザインディレクションの感覚が持てるようになったと思います。昔は自分の中でデザインの重要性がそこまで大きくなくて、乱暴に言ってしまうと『何屋か分かれば良い、目立てば良い』といった部分もありました。しかし、ギャプライズのデザイナーのおかげでデザインの重要性や見方が変わりましたね。
デザインディレクションが自分に足りてないと痛感したので、他の業種のサイトも見て勉強するようになりました。デザインのまとめサイトなどをブックマークして、1日10サイト勝手にレビューしてみるとか(笑)。色々やりましたね。」

 

*宅配水シェアトップレベルのウォーターサーバーメーカー。ギャプライズ鎌田氏によるサイトリニューアル後、Webサイトからの顧客獲得数が2倍にアップした。

 

「何がダメかが分かる」ということ

―そうした中でサイトやデザインに対する眼が磨かれていくと思うのですが、ただ見るだけではなく、「これはイケてる・イケてない」と瞬間的に判断できるようになるには、どのくらいかかるものなのでしょうか?

「うーん……やっぱり3年くらい経ってからですね。3年やって気付いた重要なことがふたつあるんです。
ひとつは、失敗の経験を積むことで、正解の道は分からなくても間違った道は分かってくるということです。『失敗だったね』、『これじゃクライアントに通らないよね』といった経験を積むことで、次に活かせる。一発で正解を探すのではなく、不正解の可能性を潰していくことができるようになります。そうすれば結果的に正解の可能性は上がっていく。『何がダメか分かる』ということは、マーケティングにおいて非常に大切なんです。」

―そのお話は、より新しいものを求めてこれまでの定石を逸脱するときも当てはまりますよね。基礎的な正解・不正解が分かっていないと、新しいと思うことをやってもただ奇抜なだけになってしまいますよね。

「その通りです。基礎を押さえた上で、1カ所『外し』を作るのが大事ですね。例えば、突拍子もないキャッチだけ作っても、だいたい上手くいかないものですから。
そして、もうひとつ気付いた重要なことは、『アイデアは組み合わせだ』という感覚です。」

 

組み合わせ次第で、新しい取り組みが生み出せるという感覚

―何と何の組み合わせになるのでしょうか?

「ある業界では当たり前のことが、実は他の業界では行われていない場合があるんです。その組み合わせ次第で新しい取り組みが生み出せる、ということです。例えばこちらの抱っこ紐のLPは私が設計から携わらせていただいたのですが、設計の中で『返金保証』を提案させていただきました。
これが化粧品のLPだとしたら、『返金保証』といった要素は入っているのがいまや当たり前じゃないですか。でも、少し軸が違う商材になると、急にその要素はなくなる。このLPのような、抱っこひもなどのマタニティグッズのECサイトで、化粧品のような返金保証を行っているところはほとんどありません。
マタニティ業界の人にとってはそれが当たり前で、ずっと同じ業界にいると『何でやらないの?』という疑問に一生気付かない。
様々な業界の商材やサイト、その特徴を見て、組み合わせを考えていくことで、実は新しい取り組みって生み出せるんです。3年くらいしたときに、それが感覚として分かるようになりましたね。また、Webの良いところとして、新しい組み合わせの取り組みがもし失敗しても外せば良いだけですから、冒険もしやすいんです。」

―なるほど。ゼロから新しいものが生まれるのではなく、組み合わせで新しいものは生まれるんですね。
そうした組み合わせの感覚で私個人が思ったのですが、アダルト系サイトって新しいものを作る感覚が鋭い気がします。

「アダルト系サイトはそういった感覚を磨く上で非常に勉強になりますよ。前職の社長が『マーケティングを学ぶならエロを学べ、あそこにすべてが詰まっている』とおっしゃっていたのですが(笑)、でもこれは本当に名言だと思います。」

―最初にWebマーケティングを広げていったのもアダルト系ですもんね。

「新しい試みはエロから生まれる部分が大きいです(笑)。でも、見方ひとつですよね。アダルトをただそのままアダルトとして見るんじゃなくて、その裏側を見る。そうするとものすごく考え抜かれていて、数字もしっかり取っている業界だということが分かります。どういう意図でやっているのか、ということを学べますよね。
今でこそ当たり前ですけど、5年位前にアダルト系サイトがいち早く画像に再生マークを取り入れたのは素晴らしいと思いました。デザインとして新しいな、と。」

―そうした視点で様々な業界を見ることが大切なんですね。

「ギャプライズの1番の面白さというか、僕がこの会社だからこそ得られると思っているのは、様々な業種・業界を見られることです。そうすることで組み合わせの発想も広がっていきますし、コンサルタントとしての価値は非常に上がると思います。
ただし、収益的な面からは、クライアントの業種を絞れとは言われますよね。例えば不動産専門、治療院専門のコンサルタントって絞る。そうした方が収益は見込みやすい。」

―型があるとそれに沿って進められますもんね。

「収益的・事業的にはそちらの方が良いとも言われますね。でも、僕個人はいろいろやった方が面白いと思っています。」

 

ギャプライズのLPOの変遷

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―では続いて、ギャプライズさんの特徴であるLPや、LPO(ランディングページ最適化)の変遷や展望についてお伺いしたいと思います。
ギャプライズさんと言えば縦長LPで有名な印象があります。また、それを多くのサイトが模倣しましたよね。始めた当時はどういった狙いがあったのでしょう?

「昔は、LPを作れば成果を出せる自信がありました。なぜなら他がまだやっていなかったからです。縦長のLP自体、特にB to Bでは、どこもほとんどやっていなかった。
B to Cの化粧品サイトや楽天の中などでは、やっているところもありましたが、まだまだLPという手法自体が取り入れられていない状況でした。それを先んじてやっているだけで強みになっていましたね。だから、ある程度成果が保証できていたんです。それが5~6年前ですね。
ナック様の案件がまさにそうで、当時どこもLPなんか持っていなかったし、リスティングもしっかりやっているところが少なかったんです。結果は先ほどの通り、CV数2倍、CPA1/4という結果を収めることができましたが、あれは単純に当時周りがまだやっていなかった、ということも半分くらい理由にありますよね。」

―CPAが1/4に!それはすごいですね。

「しかし、それもだんだん難しくなってきました。理由は当然、競合他社が増えたからです。増えたというより、もともといた競合他社が真剣にWebマーケティングに取り組み始めたと言った方が正しいかもしれませんね。みんなLPやリスティングをやり始めた。
Webの特性のひとつで仕方のないことなのですが、ある程度は真似されるんです。どれだけ先陣切って良いものを作っても、すぐ真似されて追い付かれてしまう。
例えばウォーターサーバーなら、どの会社でも売るものは水ですよね。つまり、コンテンツは同じなわけです。そうなると差別化が難しくなり、模倣でもすぐ追い付かれてしまう。
人材や金融と言った業界でもそうです。どんどんWebマーケティングは難しくなってきていて、今では純粋にLPを作ってもあまり変わらない。悪くはならないんですけど、昔のように『成果が5倍になった!』、『CPAが1/4になった!』みたいな景気の良い話はなかなか出にくくなってきています。」

 

ポイントは「圧倒的なスピード」と「テクノロジーを乗りこなすこと」

―そういった状況の中で、今ギャプライズさんはどういった戦い方をされているのでしょうか?

「まずスピードです。スピーディに回すしかない。他社が追い付く前に次の手をどんどん生み出していくことですね。
他社が追い付こうとすれば、その二歩先を行っているくらいの状態を会社として事業として作れるか、という部分がここ数年、Webマーケティングで戦っていく中で非常に重要かと思います。そのためにギャプライズとしては、今、いろんなツールやノウハウに力を入れている状況です。
ただ状況が変わっても、ダイレクトマーケティングにおける『ユーザーの流れを考えて、どういうストーリーを作ってどういったコンバージョンまで持っていくか』という流れ自体は普遍的なものだと思います。」

―そうですね。Webマーケティング自体、言ってしまえば昔のアメリカの通販などをそのまま転用しているもので、その根本の仕組みは変わっていないですもんね。

「そうです。しかし、運用を回していくというときに感覚だけに頼るのは厳しくなってきたな、と思います。」

―「感覚だけに頼る」というのはどういうことでしょうか?

「例えばキャッチコピーを選ぶとき、LPを直すとき、そういった場合、分析よりも感覚で行ってきました。それは当社だけでなくWebに関わる人の多くが同じだったと思います。どこも、ちゃんとした分析をもとに行えていなかったのではないかと思うんです。
感覚だけでは限界があるのではないかと思い、今、いろんなツールを使って高速回転・高精度を目指しています。」

―そのためのツールを教えていただいてもよろしいでしょうか?

「ひとつは『ClickTale(クリックテール)』ですね。これを使えば、LPを高精度・高スピードで改善できます。他には『Optimizely(オプティマイズリー)』です。こちらはABテストの効率化に役立っています。
感覚的なノウハウや経験をベースにしつつ、テクノロジーツールを使ってよりスピーディに回していくことが重要だと思います。ツール的なテクノロジーを組み合わせることで、マーケティングとして完成するのかな、と。いかに速く回すかということを考えて、今そこに取り組んでいる感じですね。」

 

ツールを活かして高速回転・高精度改善を実現する

―いかに速く回していくということですが、期間的にはどれくらいなのでしょう?

「当社の基本的なプランでは、週1回は改善しようと言っています。もちろんPV数やサイトの規模感によって回せるボリュームが変わってくるので一概には言えないのですが、基本は週1回です。『何をやる』と決めるのではなく、『とにかく週1回やる』ということを先に決めて、必ず週1回1個の改善を走らせるようにしています。」

―枠だけ先に決めておくわけですね。

「そうです。それでしっかりミーティングをして必ず回す。オプティマイズリーを使ってABテストを行い、クリックテールを使い、ヒートマップやマウスの動きを比較します。
当然ダメなときもあるのですが、クリックテールを使うと何でダメだったのか理由が分かるんですね。そこから深掘りができる。
例えば『LPのメインビジュアルを変えました』というケースの場合、リスティングでABテストを回すとコンバージョン率という結果しか出ない。しかし、ヒートマップベースで見てみると、メインビジュアルを変えた後にセカンドビジュアルがどれくらい読まれているかなどの詳細も分かるんです。
そうすれば細かくどこを変えていけば良いのかが分かる。普通のABテストでは見られないものが見えてくるので一見ダメだった結果からも得られるものが多くなるんです。」

―プロセスが見えるわけですね。

「はい。高速回転・高精度改善には、もちろんスピードが大事なんですが、それだけではなく、『ダメだったものからいかに学ぶか』ということを取り入れられているかどうかも、必要ですね。」

―ちなみにデータの収集期間はどれくらい見るんですか?

「期間に関しては最低2週間、セッションで1,000くらいは見ないとかなりブレてしまいますね。100くらいではデータとして使えない。もちろん1,000が2~3日で集まるサイトもあれば、1カ月かかるサイトもあるので、そこは期間と母数の兼ね合いになります。その上で、ひとつの軸として1,000という数字を考えています。それから、『100コンバージョン見ろ』というのもよく言いますよね。
1,000見た段階で明らかに悪い状態のものは切ります。残ったもののうち、コンバージョンで100ずつ見たり、ツールで信憑性を統計でとってみたりしていきます。」

―そうしてとったデータの判断基準などは?

「判断のひとつの指標にしているのは70%ですね。70%の確率でオリジナルを超える可能性を出したら採用して次のテストに走っちゃいます。これは何故かというと、待っている時間の方がもったいないからです。
あまり変化のないものって結論から言うとどっちでも良かったりすることが多いので、そういうものを2~3カ月走らせておくのは、時間的デメリットの方が大きい。だから、1カ月見て変化がなければ止めてしまって次に行くこともあります。」

 

ABテストで最も重要なのは、「何に軸を置いたテストなのか」ということ

―例えばABテストの結果、Aに寄せる場合があったとします。そのときは、Aを母体としてさらにABテストを行い「A’」を作るイメージなのでしょうか?

「そうですね。」

―改善時にサイトを最も大きく変化させるのは、デザインなどのビジュアル面、テキストなどの文字情報面、それぞれあると思いますがどういった点だとお考えですか?

「経験則で言うと、言葉を換えたときに1番インパクトがありますね。例えば『お問い合わせ』を『無料診断』へ変えただけで1.5倍になるケースもあります。言葉の持つ力というのは非常に強いと思います。
一方で、デザインの要素は、大きく分けると『キャッチ』と『レイアウト』と『写真』くらいしか変更点ないので、大きなくくりはその3点で考えます。
それから、テストのときに1番重視するのは『何に軸を置いたテストなのか』ということですね。それを考えておかないとテストをやり終わっても何も残りません。」

―テストの軸というのは?

「例えば、『育毛剤のランディングページのキャッチを改善する』というテストがあったとします。そのときにいくつか軸というか、方向性を決めるんです。
その軸は『抜け毛で深刻に悩んでいる人、病院に行こうか悩んでいる人に商品を提示するパターン』もあれば、もう少し手前の『病院に行くほどではないがもっと頭皮に良いシャンプーや育毛剤を探している人に提示するパターン』もありますよね。
こうした軸がはっきりしていれば、キャッチの改善だけでなくその次のセカンドコンテンツの改善にもつながります。ターゲットを絞ったり、ターゲットのどういった悩みにフォーカスするか考えたり、そういった軸がないと広がっていきません。テストのときは何に軸を置くのかが重要だと思います。」

―そうした軸を考えるということは、技術だけではなく想像力といったマンパワーが必要ですね。

「はい。考える人のアイデアや想像力に依存しますから、非常に難しい部分もあります。面白い部分でもありますけどね。」

 

「LPO研究所」は情報の断捨離の場

kamata_04―では、次に鎌田さんが所長として情報発信されているサイト「LPO研究所」についてもお伺いしたいと思います。
Webマーケティング情報サイトとして非常に勉強になり人気も高いサイトですが、マーケティング戦略的に、LPO研究所はどのような位置付けで情報発信されているのでしょうか?

「LPO研究所は僕にとっては捨てる場所というか……吐き出す場所ですね(笑)。情報の断捨離です。」

―情報の断捨離!?

「個人的に、新しいものを生み出すためには捨てることが必要だと考えているんです。そこで、自分が新しいことやるためにも、今までの経験を一度すべて捨てたい、吐き出したいと思って、そこに都合良くLPO研究所という場所があった感じですね。
持っているとすがっちゃうので、ある程度使ったら捨てて新しいものを作るんです。捨てて考える、みたいな。」

―実際の生活でも鎌田さんは、ものを捨てられるタイプですか?

「ええ。実際にも捨てますね。大事なものまで捨てて、よく嫁に怒られます(笑)。3カ月以上着ない服とかすぐ捨てちゃいます。」

―なるほど、面白いです!そういった性格的な部分もあるんですね。でも、鎌田さんにとっては捨てるという行為でも、実際には受け手がいて情報発信として成立していますよね。

「少し昔ならばそういった情報に価値を持たせてお金をもらうシステムがあったと思うんです。自分しか持っていない知識を公開することでお金をもらうという。でもそういうのは今はもう違うんじゃないかなと思っています。だからどんどん捨てるのでどんどん見てください、というスタンスですね(笑)。」

 

「1記事1,000はてブ」を目標にターゲットを設定

―LPO研究所の記事も、最初の方と最近の記事だとギャップがすごいですよね。最近の記事の情報の濃密さというか、レベルの高さというか。

「もともと、LPO研究所ってSEO目的で、社員で回していたんです。でも形骸化してしまっていて。ちょうどそのときに僕が『何かこれまで貯めたものを出せる場所がないかな』と思っていたら、『LPO研究所を使えばいいじゃん』って(笑)。そう思ってテンプレートとかも作り替えたので、その時期を境に内容も変わっているかもしれませんね。
それともうひとつの動機として、僕自身がマーケッターとしてバズった経験がなかったので、ここらでいっちょバズりたいなと思いまして(笑)。1記事1,000はてブ(はてなブックマーク)を目標にしてやり出しました。」

―いわゆる「はてブユーザー」に受けるというのは、狙いを定めていったんですか?

「はてブユーザーはIT系が多いですし、さらにうちのブログに興味を持つとしたら、同業他社のWeb担当から広がっていくだろうな、とは予想していました。だから、はてブユーザー狙いというより、まず自社色を消して同業でもシェアしやすくしました。
まとめ記事的なものははてブ受けが良いので、これを意識していないわけではないんですが、キュレーション的な要素はやめようとは考えていました。他でも拾える情報であればここで出す必要はないので。だから、基本的には実践的な内容になっていると思います。実体験に基づいたものだけを載せよう、というのが基礎にありますね。」

―なるほど。確かに実践的な内容だと思います!

「それから、1番のターゲットとして考えたのは自社の社員です。1番の同業者って自社の社員ですから。彼らが読んでためになるものが書ければ必然的に広がるのかな、と。
また、自分がやってきたことを社員に伝えきれていないという思いもあったので、そういう意味でもまず自社の社員に向けて書くことを意識しました。」

 

ギャプライズ・LPO研究所の今後の展望

―ギャプライズさん、また、LPO研究所はひとつのブランドとしてできあがっていると思います。最後に、今後の展望をお聞かせ願えますか?

「会社としては、純粋にコンテンツを出せる会社であり続けたいと思っていますので、『コンテンツを出していく』ということを社員の責務として意識してやっていきたいです。
それから、ある程度のレベルのブログ記事が書ける人材って限られていますが、当社は誰でもベースとしてそのレベルはあるという形にできればと思っています。そして、ブログだけでなく動画などのコンテンツも出していければ、と。」

―記事的な形での動画コンテンツですね。

「はい。Googleも動画に力を入れていくと明言していますし、ここ1年位で広告もバナーから動画にどんどん変わっていっている。会社として取り組んで行かなくてはならないと思っています。そうしたコンテンツを定期的にアップしていきたいですね。」

―この1年ほどで、劇的に動きがあるものへと変わってきていますよね。

「当然の流れとして動画広告は増えていくと思いますので、今後は動画もさわれないとダメだと思います。そうした流れも踏まえつつ、インプットとアウトプットのバランスを上手に取っていきたいと思います。インプットしたらちゃんとアウトプットしないと蓄積されませんから。全体の展望としてはそういったところでしょうか。」

―なるほど。本日は長時間ありがとうございました!

「こちらこそ、ありがとうございました!」

 

鎌田氏プロフィール

株式会社ギャプライズ  テクノロジーソリューション事業部マーケティングエキスパート/LPO研究所 所長 鎌田 洋介
http://www.gaprise.com/
(プロフィール)
新卒でシステム会社に入社し、システムプログラミングを経験後、子会社である営業支援会社へ出向。
中小企業を中心に30社以上の営業、集客支援に携わる。
その後、ギャプライズのLPに惹かれ、ギャプライズへ転職。
サイト制作、運用、マーケティング全般を行う一方で、LPO研究所での情報発信も手掛けている。

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