Googleが2012年から4年間にわたり行った、外部リンクの質を判断するペンギンアップデートによって、順位操作を目的とした低品質な被リンクを受けたサイトは、Googleからペナルティを受けました。
現在ではGoogleガイドラインに準拠したホワイトハットSEOが主流になっておりますが、外部対策の重要性は昔も今も変わっておらず、どの企業も必ず取り組んでおきたい施策です。
そこで今回は外部対策の効果や内部対策との違い、具体的な対策方法について解説します。
目次
外部対策とは、他サイトからリンク(外部リンク)を集める施策のことをいいます。基本的な考えとして、良質なコンテンツを作成・発信することで被リンクを獲得していくことが重要になります。
外部対策と内部対策の違いは、自社サイトで完結する施策か、他サイトの施策が必要になるかにあります。
外部対策は他サイトからリンクを貼ってもらう必要があるため、すべてを自身でコントロールできるような施策ではありません。
一方で、内部対策はサイト運営者が自身で管理できる範囲の施策のことをいい、例えば、HTMLタグの修正やサイト階層構造の調整、構造化データマークアップ、表示速度の改善があります。
SEO評価の違いは、サイト内を評価されるのか、第三者の被リンクをもらったことに対する評価にあります。
内部施策をもっと知りたい方へ
第三者のサイトから受けた被リンクを検索エンジンは、評価します。つまり、外部対策で被リンクを獲得することでサイトに対するGoogleからの評価が上がり、検索順位に良い影響を与えることが可能です。
被リンクに対するGoogleの考え方は、以下を参考にするとよいでしょう。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。また Google では、多くのプログラマーの力の結集によって技術革新が進むオープンソース ソフトウェア開発にも力を入れています。
これは学術論文の「引用」の考え方を基本にしており、「複数の論文から引用される論文は質が高く、引用元の質が高ければ高いほど引用された論文は良質である」といった考え方です。
また被リンクを多く獲得することによって、セッションおよびページビュー数の増加や会社・サービス・商品の認知度向上、ひいてはコンバージョン獲得などにも効果的といえます。
ただし、ウェブ上の民主主義には、良い評価だけでなく悪い評価も存在することを理解する必要があります。被リンクであればどれもよい評価を受けるわけではありません。
そこで次の説明では、どんな被リンクが良質な条件と言えるのかを解説します。
外部対策ではただ多くの被リンクを獲得すればよいというわけではなく、リンクの質も重視する必要があり、以下のようなリンクを獲得する必要があります。
リンクでつながっている双方のサイトに関連性があり、ユーザーの役に立つものであれば良質なリンクといえます。
転職ノウハウを発信しているサイトであれば転職エージェントサイトへのリンク、グルメ系を取り扱っているサイトであればレストランの公式ホームページへのリンクといったように、関連性の高いものが評価されやすくあるべきです。
ただし、必ずしも同じ業界・カテゴリにこだわりすぎる必要はありません。
例えば、ホテルの近くに遊園地があったとします。宿泊業とアミューズメント業は一見すると関連性がなく思えますが、それぞれにアクセスしやすい立地であれば、ユーザーはホテルと遊園地を両方利用する可能性があり、決して無関係とはいえず、むしろ知らせてあげたほうがユーザーにとって親切といえるでしょう。
そのため、関連性があるかないかを判断するときは、リンクがあることによってユーザーのためになるかどうかで考えるのが有効です。
リンク元が良質なサイトであるかどうかも、良い被リンクの条件に関わります。
良質なサイトは、医療・健康のテーマであれば、専門サイトか、言及するだけの立場にあるか(発言力があるか)、評判はどうか、発信者や運営者は信頼できそうか要素があります。
運営元が分かる全国的に知名度があるサイトと、運営者が不明確なでは、前者のほうが質の高いリンクを受けていると評価される可能性が高いといえます。
さらに、ドメインエイジも考慮される余地があります。長い間運営を続けてきたドメインエイジを持つサイトと昨日立ち上げたばかりのサイトを比べても、E-A-Tに大きな差が出るため、前者からのリンクのほうが高品質です。
⇒E-A-Tとは?SEO対策を考慮したGoogleが求める高品質コンテンツについて
⇒オールドドメインは有効?ドメインの種類とSEOの関連性について
自然発生的に集まる被リンクであれば、あらゆるIPアドレス・ドメインからリンクされるはずですが、それらに偏りがある場合、、意図的な順位操作を目的としたスパム行為を疑われ、Googleからペナルティを受ける可能性があります。そのため、IPアドレスやドメインはある程度分散されていた方が好ましいと言えるでしょう。意図的な操作を持った外部リンク対策でなければ、多くの場合で問題はないでしょう。
リンク元のアンカーテキストは、「こちら」といった抽象的な文言やURLをそのまま貼り付けたものではなく、リンク先のページが何について言及しているサイトなのかを簡潔に表したテキストであるほうが、良い被リンクといえます。
このとき、リンク先のページで上位表示を狙っているキーワードが含まれていると、SEOに効果的です。
例えば、「SEO 外部対策」というキーワードを狙っている本記事へリンクを貼る場合、アンカーテキストに本記事のタイトルである「SEOの外部対策とは?内部対策との違いやおすすめの手法を5つ解説」を設定すると、ユーザーにとっても分かりやすく、リンクの質が高まります。
ただし、あまりにも同じキーワード、文章を用いることは、意図的な被リンクと判断される可能性もあります。自然なアンカーテキストの設置を心がけましょう。
⇒アンカーテキストとは? SEOの観点から有効な使い方について
ペンギンアップデート以降、多くの企業で取り組まれている外部対策はGoogleガイドラインに沿った方法が一般的になりましたが、まだまだ過去のやり方に囚われている方も少なくありません。
しかし、現在のGoogleのアルゴリズムは過去と比べてスパム判定の精度が増しており、検索順位操作を目的としたスパムサイトの被リンクは通用しなくなっているため、注意が必要です。
ペナルティの対象となる被リンクの情報は、Googleの公式ページで確認が可能です。そこに紹介されたペナルティとなる被リンクは以下が挙げられています。
引用:「手動による対策レポート – Search Console ヘルプ」
上記に挙げたペナルティに該当する被リンクリンクをサービスとして提供する悪質なSEO業者が存在するため、気をつける必要があります。そもそも有料で購入するリンクをGoogleは推奨しておりません。もしペナルティを受けた場合は
著しく検索順位が下落する、Googleのインデックスから削除されるなど、ビジネスに甚大な被害が及ぶ可能性があるため、間違った被リンク対策は絶対にやらないようにしましょう。
ここからは、高品質な被リンクを集めるために具体的に実施しておくとよい外部対策を6つに絞ってご紹介します。
ひとつずつ見ていきましょう。
配信窓口はWebサイト単体だけでなく、できるだけ多く持っておくとよいでしょう。
オーガニック流入だけに頼っていると、上位表示ができなかったり、検索順位が落ちてしまったりしたときのリカバリーが効きません。
そのため、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSをはじめ、はてなブックマークのようなソーシャルブックマークサービス、プレスリリース、メールマガジンなども活用し、様々なプラットフォームで言及されることで被リンク獲得を図ることがオススメです。
特にSNSやソーシャルブックマークサービスは無料で利用できるので、使わない手はないでしょう。
配信窓口を増やしたら、それらで発信したコンテンツを多くのユーザーにシェアしてもらう必要があります。そこで効果的なのが、ホームページにソーシャルボタンを設置することです。
ソーシャルボタンとは、コンテンツの内容をソーシャルメディアで発信できるボタンのことで、クリックするだけで簡単にシェアできます。
特にキャンペーンページや特集ページ、記事ページなど、ユーザーに興味を持ってもらいやすいコンテンツは、ページの上部と下部にいくつかのソーシャルボタンを設置すると拡散してもらいやすくなるでしょう。
OGP(Open Graph Protocol)とは、SNS上でWebサイトのコンテンツがシェアされたときに、自ら設定したタイトル・説明文・画像などを表示させる仕組みのことです。
検索エンジンとソーシャルメディアはそれぞれ画面に映るタイトル・説明文の文字数が違い、ソーシャルメディアの方が少ない傾向にあるため、OGP設定をしないと文字が途中で切れて表示されてしまい、コンテンツの内容がユーザーにうまく伝わらない可能性があります。
OGPにより、媒体ごとに最適化したタイトル・説明文・画像、その他項目を設定しましょう。
また、コンテンツに興味をもってもらう必要がありますので、よりキャッチーな画像を用意するとよいでしょう。
⇒OGPの設定とは?SNSでシェアされやすい設定方法と便利な確認ツール
SEO施策の一環として記事の量を増やすことは大切ですが、コンテンツの拡散力は、コンテンツタイプ毎に違いがあるため、配信記事の工夫も重要です。
例えば、最新情報や季節イベントなのレンド系記事は、なるべく競合よりも先に公開することで言及されやすくなります。
アンケートコラムは、比較的拡散力が高い傾向にあります。客観的なデータを持つ記事は、説得力も高いことからユーザーの満足度が高いので、拡散されやすい傾向にあります。
先述したような低品質な被リンクがサイト内にあると、Googleからの評価を落とし、最悪の場合ペナルティを受ける可能性があります。
そのため身に覚えのない不審なリンクを発見したときには、Googleに対してリンクの否認申請をおこなったり、リンク元のサイト管理者にリンクをはずしてもらうよう直接お願いしたりするとよいでしょう。
サイトの被リンク状況はGoogleサーチコンソールから確認でき、リンクの否認も同ツール内で行なえます。
▼リンクの否認申請についてはこちら
被リンクを受けやすいコンテンツの分析やライバルサイトの被リンク状況を把握したい場合は、他社の被リンク分析をしましょう。どんな被リンクを受けているか、どんなコンテンツが被リンクを受けやすいかのヒントを得られるかもしれません。
他社サイトの被リンクは、ツールを使うとよいでしょう。
競合サイトの被リンク状況を把握したい場合でリソースを省きたい場合は、当社に依頼を頂くこともご検討ください。競合サイトの抽出から、コンテンツの提案までを一気通貫でコンサルティングすることが可能です。
外部対策に役立つツールを2つご紹介します。
Googleサーチコンソールは、Googleが無料で提供しているサイト運営に欠かせないツールです。
▼まだ登録がお済みでない方はこちらからご導入ください
Googleサーチコンソールの左メニューバーから「リンク」をクリックすると、
などが調べられます。
各項目の傾向を調べ、より強化できないか考えてみましょう。
Googleサーチコンソールでは自社の状況しか把握できませんが、ahrefsは他社の実態も確認できるため、競合調査に最適です。
調べられる内容はGoogleサーチコンソールで確認できる情報に加え、リンクを獲得・喪失した時期も分かるので、特定の時期になぜ増減したのかを把握し、今後の施策に展開できます。
また「DR(Domain Rank)」「UR(URL Rank)」という2つの指標から、サイト全体のドメインパワーとURL単位での評価も確認可能です。
この2つの指標は、被リンクの量や質を元にahrefsが算出している数字なので、数値が大きければ大きいほど評価が高いといえます。
ahrefsは有料ツールですが、調査できる内容が非常に多く、さらに2週間の無料お試し期間もあるため一度試してみてはいかがでしょうか。
▼ahrefsの登録はこちら
それぞれがオーガニック検索順位の決定要因であるため両方とも重要であり、Googleも明確な優劣は定めておりません。
SNSからのリンクURLには、クローラーが対象ページへ巡回しないようにするための「nofollowタグ」がついているため、直接的な被リンク効果はありません。ただし、プラットフォームで言及されていることも把握しているので、メリットはあるでしょう。
今回は、外部対策の意味や効果、具体的な対策内容について解説してきました。正しい方法でナチュラルリンクを獲得していけば、SEOに効果があるため、これまで取り組んでこなかった方は必ず対策しておきましょう。
この記事をご覧いただいている皆様へ。 このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開さ…
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