リスティング広告を運用していく上で避けては通れない除外キーワードの登録(Yahoo!広告では対象外キーワードといいます)。広告アカウントのマッチタイプを完全一致のみで運用している場合は不要ですが、実際完全一致のみで運用するケースはなかなかないと思います。
というのも、検索ユーザーはこちらが思いもよらぬ検索語句で検索しており、そのままコンバージョンする可能性があるため、キーワードを拡張していないと機会損失が起こってしまう可能性があるためです。
ただし、キーワードを拡張してコンバージョンの機会損失を防ぐ一方で、特に部分一致ではビジネスとの関連性が低かったり全く関係ない語句が含まれていたり、意味が違う単語だったりする問題があります。
これらの問題を除外していくことにより、適切なキーワードで表示され、より質の高いクリックを得ることが出来ます。
今回は、除外キーワードで勘違いしがちな「部分一致」と、どのようなキーワードを除外すれば良いのかという選び方をご紹介します。
目次
リスティング広告のキーワードにマッチタイプがあるように除外キーワードにもマッチタイプが存在します。
キーワードのマッチタイプに関する基本的な考え方は下記で詳しくご紹介していますのでそもそもマッチタイプというものが何なのかわからない方は見てみてください。
完全一致とフレーズ一致に関しては、基本的に考え方は同じです。
ただし、現在の完全一致、フレーズ一致は少しの表記ゆれや誤字に対応するようになっていますが、除外キーワードに関しては全く同じテキストでないと除外されません。そして、絞込み部分一致が除外キーワードにはありません。
ここが勘違いを起こしやすい箇所でもあるのですが、除外キーワードでは「部分一致=絞込み部分一致」です。
これだけでは、どういうことか理解しづらいと思いますので、説明します。
例えば、大画面で高画質な最新の8Kテレビを販売したい場合、「テレビ 激安」という検索語句には広告表示したくないところです。激安のテレビを探している人に、高価な8Kのテレビはクリックされてもコンバージョンしません。
そこで除外キーワードを登録するのですが、下記表を見て頂ければ一目瞭然かと思います。
「テレビ 激安」と完全一致で除外登録していても、このキーワードには容易に3語目以上来ることが予想出来きるため、完全一致での除外ではふさわしくありません。
フレーズ一致の場合、これで大丈夫かと思いきや、これでも広告は表示されてしまします。結果、部分一致で「テレビ 激安」と除外しておけば、絞込み部分一致と同じ働きをするため「テレビ 激安」の間にキーワードが入ったとしても広告が配信されることはありません。
「激安」というキーワード自体を除外したければ、部分一致で「激安」や「格安」「安い」など除外しておくことで、「激安」「格安」「安い」が入った検索語句には広告が配信されなくなります。
除外キーワードの部分一致は拡張することはありませんので、気を付けてください。
これは、現役の運用者も知らなかった…という噂も耳にしておりますので、紛らわしい設定です。部分一致での除外、拡張されて全くインプレッションがなくなるのでは?という心配はせずに除外しなければいけない語句はしっかりと登録していきましょう。
では、除外キーワードはどのように選定していけば良いのでしょうか。選定の考え方を共有したいと思います。
広告を出している商材、商品と無関係だったり、コンバージョンから遠かったりする検索語句は除外対象です。
前述した高級志向のものを売っているにも関わらず安い系ワードで流入があったり、対象外の地域ワードで流入があったり、そもそも扱っていない商品であるなど…他にもキーワードの拡張で拾ってきているものが検討違いだったりすることがよくあります。
日々検索語句レポートを見て少しずつ除外していきましょう。コツコツ除外することで数か月後の成果が全く変わってきます。
リスティング広告は顕在層に広告配信することが出来るため、成果が最も出やすい広告だと言われていますが、検索するユーザーは全員が今すぐ欲しい、申し込みたいと思っている人ばかりではありません。
例えば、「~とは」「画像」「wiki」はよく除外される情報収集系語句です。こういった検索の仕方をするユーザーに広告をクリックしてもらってもコンバージョンには繋がりにくいですし、もしコンバージョンが発生したとしてもキーワードのコンバージョン単価が高くなってしまう可能性が大いにあります。
指名キーワードを出したくない場合もあるかと思います。
そのような時、キーワードに設定していないだけでは、部分一致の拡張で指名ワードにも広告が配信されてしまう可能性があるため、きちんと除外キーワードを登録しましょう。
弊社なら「ディーエムソリューションズ」や「ディーエムソリューションズ株式会社」などですね。あと忘れてはならないことが、表記ゆれや誤字、英語などもすべて登録しておかなければならないということ。
Google広告の公式でも下記アナウンスがされています。
検索キャンペーンでは、部分一致、完全一致、フレーズ一致の除外キーワードを使用できますが、除外キーワードのマッチタイプの機能は、通常のキーワードのマッチタイプとは異なります。主な違いは、類義語、単語の単数形や複数形、表記のゆれや誤字などの関連パターンも除外の対象に追加する必要があることです。
引用元:Google広告ヘルプ
「DMソリューションズ」「ディーエムソリューション」「DMS」など、思いつく限り徹底的に登録しましょう。これは、他の除外キーワードでも同じことなので、どうしても表示させたくない検索語句は様々なパターンを設定しておくことが大切です。
それでも、こんなパターンがあったか!ということが起こってしまうと思いますので、定期的に検索語句は確認しましょう。
一定期間配信していると成果の悪い検索語句が目立ってきます。コンバージョン単価が、平均コンバージョン単価の何倍もかかっている、もしくは費用を使っているにも関わらずコンバージョンが全く発生していない検索語句たちは成果が悪いと言えるでしょう。
除外キーワードを設定することでその語句に使用していた費用が他の語句に行き渡ることになり、検証の速度が向上しますし、もしコンバージョンに繋がった場合、成果が良くなっていきます。これは最もシンプルなパターンですが、よくある一例です。
検索語句をチェックして、除外キーワードを登録する作業は日々の運用の業務の中で大切な部分です。まとめますと除外することで以下の効果が表れてきます。
関係のない検索語句でのクリックが少なくなり、質の高いクリックが多く集まります。GoogleやYahoo!の機械学習も進みますし、何よりコンバージョン単価が安くなっていくというメリットがあります。
広告と関連性のない語句で表示されてしまうと、ユーザーは欲していない情報のためクリックしません。これが続くと表示回数ばかりが増えてクリック率の低下を招きます。
どんなに良い広告文を作ったとしても関連性のない語句で検索結果に表示されてしまった場合、無駄になってしまいます。
そのような事態を避けるためにしっかり除外キーワードを設定することでクリック率の向上を実現することが出来ます。
除外キーワードを登録することで無駄クリック、質の低いクリックが減るため、そこに使われていた費用が適切で確度の高いクリックに使われることになります。無駄なクリックにお金を払うことは出来る限り避けるべきです。
ご紹介してきた通り、除外キーワードは考え方が複雑なところもありますが、登録することでより費用対効果が期待できます。あまり見ていなかったという方はこれを機に優先度を上げてチェックしてみてください。
また余談ですが、除外キーワードを登録する時は、Google広告では「除外キーワードリスト」、Yahoo!広告では「対象外キーワードリスト」を使用すると、リスト毎キャンペーンに適応できるので、容易に管理することができ、おすすめです。活用できる機能はフル活用して、効果を最大限にあげていきましょう!
みなさんこんにちは。SEOまとめこと片川と申します。 今回は得意のSEOの話題ではなく、2016年8月に導入となったGoogle AdWor…
オーバーレイ広告とは、パソコンやスマートフォンなどのWeb広告で、大きな広告がPCやスマホの画面(Webブラウザ)を覆いかぶさるように表示さ…
ABテストとは、ランディングページやバナー、メールマガジン、テキスト広告といったクリエイティブを複数パターン用意し、それぞれを一定期間走らせ…
リスティング広告のキーワードや広告文は、定期的な改善の積み重ねや工夫が重要です。 特にキーワードの選定は、リスティング広告の肝とも言えるほど…
多くの企業が取り組んでいるリスティング広告は、情報収集を行っているユーザーに対して自社の広告を露出することができます。年間数兆回とも呼ばれる…
広告運用サービスの中でも最もポピュラーと言えるGoogle広告(GoogleAdwords)。2019年のデータでも7割以上のインターネット…