ABテストは、サイト改善を推し進める上でよく活用されます。もし、デザインアイデアが複数あって、どちらが良いか意思決定に困った時、ABテストでより良い方を採用することに活用ができます。
そこで今回は、ABテストのメリットデメリットと共に、効果があった事例や無駄になるかもしれないABテストを紹介していきます。
サイト改善に使われるABテストとは、より多くの問合せを効率的に獲得するためのCVR(コンバージョン率)の最適化を目的とした手法です。別名、スプリットテストとも呼ばれています。
元のページをA(統統制群)、変更を加えたページをB(実験群)とし、どちらのページの利益が伸びるのかを比べて、利益が出た方のページを一旦停止しさらに改良をプラス、これを繰り返し行うのがABテストの一般的なやり方です。
ABテストより発展的な解析には、多変量解析があります。AパターンのほかにB、C、D、Eと言ったいくつものパターンを用意して検証をする場合もあります。多変量解析は、ABテストで大きい改善インパクトがあったものに対して、最適なパターンを検証します。
今回は多変量解析ではなく、ABテストの話を中心に行います。
ABテストの目的は、成果に大きな違いをもたらすケースがあります。
例えば、2008年のアメリカ大統領選挙の際、オバマ大統領が選挙資金を集うためにABテストを用いた結果、資金寄付率を40%向上させた有名な話があります。コンテンツの変化はいかに些細なものでもユーザーに変化をあたえます。プラスの変化を与え利益につながるのなら良いですが、マイナスの変化は避けたいもの。
ABテストを繰り返し行い、利益につながる部分とマイナスになる部分を少しずつ洗い出し、勝ちパターンだけを繋げたサイトを構築することで事業成果にインパクトを与えることも可能です。
結果に差が出づらい小さな改善を施したABテストの多くは、無駄になるケースが多発します。ボタンの色を1つ変えただけで成果に大きな違いが出るという幻想を抱くとがっかりするケースに出くわすかもしれません。
効果的なABテストを運用するには、実際のところ経験が必要なように思います。それはABテストには、検証結果が微妙になるなものが多いからです。検証結果が微妙なABテストを積み上げても、リソースの無駄遣いと指摘を受けてしまうかもしれません。
サイトの利益発生に違いを生むかもしれないABテストは、メリットだけではなく、デメリットもあります。デメリットの要因を排除しながら、十分なメリットを享受できるように、それぞれを把握しましょう。
サイト改善によって成果を生む出すために、ABテストを選択するメリットは、予算や工数をかけずに自社サイトの変化を比較検討できるという点です。
サイト運用者の中にはページを少し変更するだけでも、改修コスト面でハードルが高いケースがあります。
「改修コストに対する見込みは?」と聞かれて困ってしまう場面も容易に想像できます。
そうした懸念はABテストツールを上手く活用することで解消されます。ABテストは簡単なツールも多くあり、ツールでテストパターンの効果検証を行って検証結果を伝えた上で、実際の改修フェーズに進めることができます。
ABテストツールの中で私のオススメは、Googleが提供しているGoogleオプティマイズのツールを活用することです。テストできる対象ページ数に限りはありますが、無料版で十分なABテストができます。
一方でデメリットは、必ずしも良い結果ばかりが出るわけでもないし、結果に変化がないABテストをしてしまう可能性があることです。結果に差が出るABテストを選ぶには経験やコツが必要です。
成果が出ない数値結果ばかりだと、心証的なダメージを受けるかもしれません。
ABテストでできる代表的な事柄を紹介します。
ABテストでは、ファーストビューの検証から行うのが効率的です。その中でもトップページのファーストビューは大きな変化を生みやすい検証ポイントです。サイトの顔ともいえるファーストビューがユーザーに与える影響は大きく、ファーストビューのデザインや見せ方ひとつ間違えば、ユーザーはページからすぐ離脱してしまいます。
昨今のユーザーはスマホからアクセスしてくる人も多いため、求める情報があるかどうか、一瞬で判断できるファーストビューデザインであることが重要です。ユーザー像をきちんと具体化し、ユーザーが求める情報を適切な箇所に設置するようにしましょう。
CV達成に結びつくボタン設定も大切な要素です。特にボタンの位置や文言は気にしてみるとよいでしょう。
CVの文言は単純な「問い合わせ」だと、何が問合せできるのか分かりづらいケースも多いので、「資料請求する」なのか「見積もり」なのか、CVでできるアクションを具体的にすることをおススメします。
ABテストの代表的なテスト事例を紹介しましたが、効果が出るパターンには色々あります。他にも効果が出た事例を紹介します。
情動感染の考えに基づいたABテスト検証で大きな成果が生まれた事例があります。情動感染とは、人の感情が伝染することです。不安な気持ちは人に伝わり、楽しい感情は伝播するというものです。
情動感染の考えを活かして、ダイエットで減量した人の成功に満ち溢れた明るい表情の画像をLPに掲載し、ABテストを検証しました。
結果は当然ながら、ダイエット成功者の画像が掲載されたLPが圧倒的にCVRが良いものになりました。
購入決断をするのに、評判や口コミがいつでも重要な判断ソースとなるように、購入した人の顔が見られることは重要です。
ABテストを運用する前に押さえて欲しい注意点があります。最適な結果を導き出すために、下記内容を留意して取り入れてください。
ABテストを行う場合、変更する対象は1か所のみで留めるようにします。1回のテストで両者に1つ以上の違いがあると、何が原因で成果が出たのか判断しづらくなるためです。
小さな文言や変化をひとつひとつ時間をかけて結果に違いを見届けるのは大変な作業ですが、CV達成への鍵は何が握っているかわかりません。焦らずていねいに、1つずつ変更を加えて検証していきましょう。
PV数、クリック数、サイトの離脱率低下など、何の変化を見比べるのかあらかじめはっきりさせておかないと、ABテストを何のために行うのか、目的を見失ってしまいます。すると、効果的なテストが実施できず、得た情報を充分に活用できなくなります。
「ABテストをやってみて何が変わるか見てみよう」ではなく、「ABテストをやって〇〇に変化があるのか見てみよう」というふうに、ABテストで得たい情報を明確化しておきましょう。
ABテストを行う場合、どこから行えば良いのか迷うこともあるかと思います。そのような場合は、まずはトップページから始めてみましょう。トップページはサイト全体への影響が大きく、CVまでの道筋の基本となる部分なためです。
また、「流入数はトップページが一番多い」というサイトが多く、トップページのABテストによってサイト離脱率を減少させられた、という例も多くあります。トップページの改善で結果が左右される可能性は高いため、ABテスト初心者の方や迷った方は、まずはトップページ改変を着手してみてください。
ABテストと行う際、検証するユーザー数はAとBで同じである必要があります。例えば、「Aを100人が見て3人がCVに結びついた。Bを50人が見て2人がCVに結びついた」とします。
この場合、Bの母数をAに合わせればCV数も4人と仮定できますが、あくまで過程でしかなく、正確な検証結果とはいえません。テストユーザーの数を調整できる場合は数値を合わせて統計をとりましょう。
ABテストは同時期に行うことも重要です。仮に、オフィス家具の販売サイトがAのサイトを2月に、Bのサイトを3月に公開したとします。結果、Bのサイトの売り上げが伸びたとしても、その結果は信用値に欠けてしまいます。
3月は入社準備や退社準備など人事異動も多く、オフィス家具の需要が増える季節です。3月のサイト掲載はAとBの内容の変化に関係なく、売り上げが伸びるのが予想されます。
このように、ABテストの実施時期にばらつきがあると、検証結果が正しく把握できません。時期に限らず、ABテストはなるべく同条件下で行うようにします。
最後に、ABテストのアイデアを出すために試して頂きたい方法を当社の取り組みからピックアップします。色々なアイデアを出してCVRの最適化を行いましょう。
効果的なABテストのために、自社課題を把握するためにヒューリスティック分析を行うことを検討しましょう。第三者から観たサイト課題の洗い出しは、貴重な意見になるはずです。第三者に任せるほどの予算がない場合でも、公開されているチェック項目によるヒューリスティック分析でも十分な場合もあります。
自社内で協力してもらえる人がいるなら、複数人で実施をすると色々な観点からの課題が集まります。
そのデータを基にABテストを始めるのが良いでしょう。
第三者の意見を集めるために、ユーザーテストの実施もおススメです。自分では気づかなかったサイト課題を知ることができ、ABテストで有用な結果が得られることも多いです。
予算が潤沢ならたくさんのユーザーテストを実施してもよいですが、ユーザーテストで得られたサマリーの多くは、似通ってくるので3人から5人で十分なデータが得られるはずです。
キャッチコピーの内容は、ABテストに大きな違いをもたらすこともあります。文言の使い分けでで知っておくべきなのは、メリットとベネフィットの違いです。この違いを意識したキャッチコピーのABテストによって、大きな成果を得られることもあります。
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ABテストを上手に活用することで、効率的なサイト改善プロセスをたどることができます。ただ、全てのABテストに良好な結果が得られるわけではなく、検証結果に差がないと無駄に感じてしまうことになります。そうならないように、検証方法や注意点を踏まえ、課題が克服できるようなABテストの実施をするように心がけることが重要です。
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