Googleアナリティクスのユニークユーザーとは、サイトに特定回数訪れた人を1度しかカウントしない数のことを言います。例えば、会社で見たサイトを帰宅した家で再び見た場合は、ユニークユーザーは1つになります。どの期間を1ユーザーとするかはツールによって違うので注意が必要です。
WEBサイトの分析ツールは、様々な指標が存在します。ユニークユーザー・セッション・PV数など、いずれも訪れたユーザーを分析する際に使用する指標ですが、指標の定義や活用する場面は、指標毎に異なります。効果的な分析を行うためにはそれぞれの特性を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。
今回はそんな数ある指標の中からユニークユーザーに絞って解説いたします。
ユニークユーザー(UU)とは
ユニークユーザーは「Unique User」を略してUUとも表記し(略称で「ユーユー」とも呼ばれます。)WEBの基本的な指標の一つです。特定の期間でWEBサイトやアプリを何人のユーザーが訪れたかを集計し、一人の人が何度訪れても重複してカウントをしないという特徴を持ちます。そのため、実際にどれだけの数のユーザーがそのWEBサイトやアプリを利用しているかという指標になります。
PV数やセッションなど他の指標との違い
同じくユーザーを分析する指標としてPV数やセッションなどがありますが、どのような違いがあり、どのような分析に適しているのでしょうか。
PV数との違い
PV数は、ページが開かれた数の指標です。そのため、どれだけのページ数が見られているかを分析する指標です。100人がそれぞれ1ページを見ても、1人の人が100ページも見ても同じく100PVと計測されます。
メディアや広告を主体としたWEBサイトの場合、PV数が売上にも直結するため、重要な指標となります。前述のように1人が大量にページを見てもPV数は増えていくため、ユーザー数を多く集めたいという課題に対しての分析には不向きと言えます。
セッション数との違い
セッション数はどれだけのユーザーがサイトを訪れたのかという点ではユニークユーザー(UU)と同じです。ただし、計測期間中(30分以内の設定が多い)に、複数サイトを訪れた場合もカウントされるという点がユニークユーザーと異なります。
30日間に1人のユーザーが毎日、合計30回訪れた場合にはセッション数は30とカウントされます。同じケースではユニークユーザー数は1とカウントされます。リピーターが多いWEBサイトの場合、セッション数は増えやすいものの、ユニークユーザーには反映されないため、リピート集客がメインのサービス形態の場合はセッション数が重要な指標となります。
アクティブユーザーとの違い(AU MAU DAU)
アクティブユーザーはUUとほぼ同じ意味で使われる指標です。現在サイトを訪れているユーザーを計測するため、主にアプリなどで使用されることが多いのが特徴です。
派生する言葉として「MAU」「DAU」がありますが、それぞれ月間のアクティブユーザー、日毎のアクティブユーザーと、期間を指定した指標です。アプリであればMAUの増減は非常に重要です。
MAUが減ったということはユーザー離れが発生しているということなので、新規を増やす施策と共に、既存ユーザーが離れない施策が必要になります。
各指標の計測方法の例
ユーザーA:期間中に1回訪問し、2ページを閲覧
ユーザーB:期間中に3回訪問し、毎回3ページを閲覧
ユーザーC:期間中に2回訪問し、初回は1ページ・2回目は5ページを閲覧
【PV数】17
【セッション数】6
【UU・AU】3
ユニークユーザーの確認方法
ユニークユーザーとは何かを説明いたしましたが、ではユニークユーザーはどのように確認することが出来るのでしょうか。各社が提供している分析ツールの使用や、アクセスログを解析することで確認が出来ますが、今回は一般的なGoogleアナリティクスを使用した確認方法をご紹介します。
Googleアナリティクスであれば基本の項目として設定されているため、特別な設定は必要なく、Googleアナリティクスを閲覧できる環境であればすぐに確認することが出来ます。
計測方法
Googleアナリティクス上ではどのようにUUを計測しているのでしょうか。Googleアナリティクスの場合、ユーザーの確認にはCookieを使用しています。サイトにユーザーが訪れた際に固有のクライアントIDを設定し、その情報を元にどのユーザーかを判断しています。Cookieを元に判断をしているため、設定でCookieの拒否や、異なるデバイスで訪れた場合などは正確に計測出来ない可能性があります。また家族共有のPCを使用するなど、同じデバイスで複数のユーザーが閲覧をしたとしても、ユーザー数は1とカウントされてしまいます。
データの確認方法
ユニークユーザーはGoogleアナリティクスの基本設定で確認することが出来ます。
簡単な見方としては
期間を設定し、「ユーザー」「概要」で確認が可能です。
ユニークユーザーの分析
ユニークユーザーのデータを確認後、実際にどのように分析をすればよいのでしょうか。
何故ユニークユーザーの分析が重要なのか
WEBサイトやアプリの分析を行うには多角的な分析が必要です。前述のように、各指標にはそれぞれの特性があるため、どれか一つの指標に頼ってしまうと本質的な課題に気づかないケースがあります。セッションを増やすために新規を増やす施策を行っていても数値が改善せず、再度分析すると課題は新規ではなくリピーターだったというのは不慣れな人がやってしまいがちなミスです。
ユニークユーザーの分析例
例えばセッション数が減っているという現象があった際、セッション数だけでは以下のどちらであるかを判断することが出来ません。
- サイトを訪れるユーザー自体が減少している
- サイトを訪れるユーザー自体は減少していないものの、一人一人のリピート率が下がってしまっている。
1の場合には新規のユーザーを増やす施策か、既存顧客が再び訪れてくれるための施策を行う必要があり、2の場合にはリピートの頻度を高め、回数を増やすための施策を行う必要があり、対策する内容が異なります。
課題に対してのアプローチを間違えないためにも各指標を多角的に分析することが重要です。その中でもユニークユーザーは基本となる指標のため、その特性を理解しておくことが非常に重要です。
ユニークユーザーの増やし方
それではユニークユーザーをKPIに置いた場合、どのようにユニークユーザー数を増やす対策をすればよいのでしょうか。
SEO対策など露出を増やす施策を行う
ユニークユーザーを増やすにはまずはサイトに訪れてくれるユーザーを増やす必要があります。そのためにはWEBサイトがユーザーの目に触れなければいけません。SEO対策や広告出稿など、WEBサイトが露出する施策が必要です。
定期的に良質なコンテンツを追加する
WEBサイトに来てもらうことに成功したとしても、期待していた情報・水準ではなかったなど、そのサイトにまた来たいと思われないとベースとなるユーザー数(固定されたファン)が増えていきません。
また、常に同じ情報しかないと、ユーザーはそのWEBサイトに訪れるメリットを感じることが出来ず、次第と足が遠のいていきます。
基本的なことではありますが、ユーザーが求める価値のある情報を定期的に発信していくということが非常に重要です。
さまざまな媒体を活用する
年々ユーザーの行動は複雑になっています。以前のようにGoogleやYahooで検索するという行動以外にも、SNSや動画経由での訪問などWEBサイトへの経路は多様化してきています。SNSと親和性の高いサイトジャンルは、SNSに力を入れていく必要があります。親和性の高い媒体を効率よく活用しましょう。
まとめ
今回は「ユニークユーザー(UU)」について説明をいたしました。自社のWEBサイトを分析する際にはユニークユーザーの概念は非常に重要です。是非自社のWEBサイト・アプリを分析する際の参考にしていただければと思います。
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