GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索する際に、キーワードの入力フォームの下に”別の候補ワード”のようなものが表示されることがあります。これが「サジェスト」と呼ばれる検索機能の一つです。サジェストは、検索ユーザーが素早く情報を手に入れられるよう、手助けをしてくれる機能ですが、いったいどのような仕組みで表示されるのでしょうか。
また、サジェストはユーザーの利便性を向上させるためだけの機能ではなく、SEOにおけるキーワード戦略に活用することもできます。
そこで今回は、サジェストが表示される仕組みとSEOでの有効な活用方法についてご紹介します。
目次
サジェストとはGoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索窓にキーワードを入力している際に表示されるキーワード候補、もしくはその機能のことをいいます。
サジェストは、ユーザーが素早く検索できることを目的とした補助機能です。入力中のキーワードに対して、過去の検索履歴やトレンドなど様々な情報を基に、キーワード候補が表示されます。
「サジェスト」という言葉は英語の「Suggest」から由来しており、「提案する」という意味をもっています。サジェストは一般的に使われている用語ですが、Googleでは「オートコンプリート」、Yahoo!では「入力補助」という正式名称が用いられています。
例として、「デジ研」のサジェストをGoogleで検索してみました。
すると、「デジ研」の横に「メガレンジャー」「25」25years later」と表示されましたね(2024年11月時点)。このように、赤枠部分に表示されているキーワードのことをサジェストと呼びます。
サジェストのキーワードを表示する仕組みは、それぞれの検索エンジンのアルゴリズムによって異なりますが、Googleのサジェストに関しては以下4つの基準が挙げられています。
Googleでは、キーワードとともに検索されているボリュームの多いワードがサジェストされる仕組みがあります。
「多くのユーザーが検索している = それだけ検索ニーズの高いワード」とみなされ、ユーザーの欲しい情報を届ける検索エンジンとして、サジェストするのです。SNSなどで急上昇した話題のテーマなども検索数が増加するので、リアルタイムにサジェストに反映されます。
Googleのサジェストキーワードは、各検索クエリの検索ボリュームを抽出してくれる「Googleキーワードプランナー」を使用すれば、誰でも手軽にユーザーの検索ニーズを確認することができます。
これは Yahoo!でも同様です。特に Yahoo!では、「検索クエリが大量に送られている(=多くのユーザーがそのワードで検索している)」ことが、サジェストにとって重要な基準となっています
検索ユーザーの位置情報に応じて、サジェストが表示されるケースもあります。例えば、東京都新宿区に住んでいるユーザーが「イタリアン」と検索すると「イタリアン 新宿」と表示されるといったかたちです。
これは検索エンジンが、ユーザーの位置情報をIPやGPS情報から読みとり、サジェストとして認識させているためです。よって、飲食店や病院、美容院など比較的、位置情報と結びつきやすい検索ワードの場合、サジェストとして表示されやすくなります。
検索ユーザーの過去の検索履歴をもとに、サジェストが表示されるケースもあります。これを「パーソナライズド検索」と呼びます。ユーザーの検索ブラウザにキャッシュされているCookie(クッキー)のデータを参照して、適切な追加ワードをサジェストします。
パーソナライズド検索では、Cookie(クッキー)のデータに合わせて、ユーザーが事前に登録している年齢や性別などを総合して、その人に最適化されたサジェストの表示を行う場合もあります。
ネットニュースやSNSで一気に話題になったワードもサジェストとして表示されることがあります。先ほどご説明した「検索ボリューム」ともやや同じ内容ではありますが、こちらは短期的な検索数の増加もデータ取得して、関連性が高いとされる検索ワードに紐づけサジェストするのです。
日々、どのようなワードがGoogleで検索されているかは「Googleトレンド」を利用すればチェックすることができます。世界中のさまざまなテーマで、話題の検索ワードを調査することができますので、ぜひチェックしてみてください。
サジェストキーワードと混同されやすいものとして「関連キーワード」があります。サジェストがここまでで説明した4つの仕組み・基準によって表示する一方で、「関連キーワード」は、検索ユーザーの過去の検索履歴などに基づかない、関連するキーワードが表示されます。
以下はGoogleの関連キーワードの表示です。
実施に検索されたキーワードに基づく「関連キーワード」と4つの基準から表示される「サジェスト」の違いはしっかり理解しておくと良いでしょう。
サジェストキーワードと混同されやすいものには、「共起語」も挙げられます。
共起語とは、コンテンツ内部で特定のキーワードと一緒に頻繁に使われる単語やフレーズのことを指します。一方で、サジェストキーワードは検索エンジンで特定のキーワードを入力した際に表示される検索候補のことを指すので、意味合いや活用方法などが異なります。
コンテンツを上位化させるためにはどちらも重要な要素になりますが、サジェストキーワードはユーザーの検索ニーズの把握などに役立ち、共起語は競合サイトのコンテンツ分析などに活用されるという違いがあります。
悪意をもったサジェスト汚染も存在しますが、多くの場合では、サジェストはユーザーの検索ニーズを知るのに活用できる情報だと考えられています。ここでは、SEO施策(SEOライティング)を行う際に、どのようにサジェストが効果を発揮するかについてご説明していきたいと思います。
現在ではSEOライティングは数よりもコンテンツ(記事)の質が重要であると考えられています。コンテンツの質の向上を考えたとき、検索ユーザーが”どんな情報を求めているのか”を正しく理解し、記事に落とし込んでいくことがポイントです。
サジェストはメインのキーワードに関連して表示されたキーワード候補から、ユーザーがどのような関心をもって検索しているのかを知る重要な手がかりとなります。
サジェストキーワードを参考にして、コンテンツのアウトラインを作成することで、ユーザーの検索ニーズを満たすことを狙う方法は一般的によく用いられています。
サジェストキーワードをきっかけにして新しいSEOワードを掘り起こすことができます。例えば、何かのキーワードで調べた際にサジェストに表示されたキーワードで、再度検索をすると芋づる式に次のサジェストキーワードが表示されることと思います。
そのようにサジェストから対策すべきキーワードのヒントを得ることも可能なため、コンテンツの軸となるSEOワードを枯渇させることなく、拡大し続けることができるのです。
サジェストキーワードは、ユーザーの検索ボリュームや話題性とともに変化します。そこで、最新のサジェストキーワードに合わせて、すでに掲載している記事をリライトすることもできるでしょう。
すでに掲載されている記事の中に、最近上位に表示されるようになったサジェストキーワードを組み込むかたちでリライトを行えば、細かなチューニングではありますが、検索流入増加が期待できるかもしれません。
Webコンテンツは基本的に手軽に修正を行うことができます。こうしたWebコンテンツの特性を活かしたSEO改善施策は、効果的なサジェスト活用法といえるでしょう。
サジェストキーワードをSEOに活用するのには、まずサジェストキーワードの調査が必要です。サジェストキーワードの調査に役立つツールは多数あります。ここでは、その中でも代表的なサジェストツールについてご紹介したいと思います。
「Googleキーワードプランナー」はGoogleが提供する、広告出稿を目的としたツールです。各機能の中で、無償でキーワードのサジェストキーワードや検索ボリューム、過去の傾向データを抽出することができます。SEOライティングを行う際のキーワード選定で、もっとも一般的に用いられるツールです。
しかし、無償利用(つまり広告課金していない場合)では、おおよその検索ボリュームしか調べることができないのがやや難点です。Googleキーワードプランナーの使い方やキーワード選定のポイントについては、以下に詳しくまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
「ラッコキーワード」は、関連キーワードやサジェストキーワードの一括調査、検索ボリューム抽出、競合記事の見出し分析など、SEO対策におけるさまざまな分析調査ができるキーワードツールです。無料版と有料版がありますが、無料版でもユーザー登録を行うことで、回数制限はありますが基本的なツールを使うことができます。初心者の方でも導入しやすいオススメのツールです。
※出典:ラッコキーワード
「Ubersuggest」は日本だけでなく、世界各国の言語ごとにサジェストキーワードを調査することができるツールです。検索結果画面では、検索ボリューム(Volume)、クリック単価(CPC)、競合性(Competiton)などの数値をチェックすることができます。
※出典:Ubersuggest
「Keyword Tool」は「Google」や「Youtube」「Bing」「Amazon」「eBay」「App Store」のサジェストキーワードを取得することができます。
無償版と有償版がありますが、無償版では最大750個までのキーワードデータを抽出することが可能。有償版ではキーワードごとの検索ボリュームやクリック単価、競合性のデータを取得できます。
※出典:Keyword Tool
「ミエルカSEO」は、株式会社Faber Companyが提供するSEO対策ツールです。
AI(人工知能)機能を活用したキーワード選定や競合分析、検索順位トラッキングなど、自社メディアの集客向上を目的としたさまざまなSEO対策を行えるのが特徴です。
ミエルカSEOは、2024年7月現在で1,900社の導入実績があり、SEO対策をこれから始める初心者から、より高度な分析調査を求める上級者まで幅広く利用されています。
※出典:ミエルカSEO
ユーザーの検索活動を手助けしてくれるサジェストですが、良い面だけではありません。サジェストに意図的にネガティブなワードが表示されるように仕掛けを行い、対象の個人や企業の印象を下げる行為も見られます。そのような行為を「サジェスト汚染」と呼びます。
ここでは、そんな「サジェスト汚染」と「不適切なサジェストを削除する方法」についてご説明します。
サジェスト汚染とは、特定の個人や企業のイメージを下げる不適切なサジェストを意図的に仕掛ける行為のことをいいます。ネット上の誹謗中傷行為のひとつです。サジェスト汚染を受けた対象者や企業は、内容の真偽は別として、社会的に大きな信用損出・イメージダウンを招いてしまううえに、サジェスト自身の削除を行うのが難しいことが問題です。
例えば、「株式会社A」と検索した際に「株式会社A 社長」「株式会社A 採用」などのサジェストキーワードともに「株式会社A 詐欺」や「株式会社A 電話 しつこい」などのマイナスイメージを与えるキーワード候補が意図的にサジェストに表示されるように仕向けられた状況を指します。
このようなサジェスト汚染によって、特に法人の場合は以下のような影響を受けることが考えられます。
サジェスト汚染が起こる主な原因は、悪意のあるキーワード挿入やスパム行為が考えられます。例としては、意図的に対象の個人や企業名とネガティブワード(例:詐欺/犯罪など)を掛け合わせた検索を大量に行う行為やSNSや掲示板、ブログなどでネガティブな言葉を結びつけた投稿を繰り返す行為などが挙げられます。
ネガティブな情報が一時的に注目を集めると、スパムとして判別されなかった場合は、ユーザーにとって価値ある情報やトレンド性のある情報とみなされ、サジェストキーワードとして表示されてしまう恐れがあります。
GoogleにもYahoo!にも、サジェストについて、ポリシーが設定されています。以下はGoogleのオートコンプリートポリシーになりますが、この内容に反する場合は申請を行うことで削除の対応が行われます。
Googleの場合は「法的な削除リクエスト」より、Yahoo!の場合は「検索結果に関する情報提供フォーム」より削除申請を進めることができます。しかし、実際には削除申請を行い、削除されるケースは少ないといわれています。
⇒ 参考サイト:Google 法的な削除リクエスト
:Yahoo! 検索結果に関する情報提供フォーム
検索エンジン側より、自主的に削除がされない場合は、弁護士に依頼して削除代行をしてもらう方法があります。依頼をした顧問弁護士が法的な観点からネガティブワードの削除手続きを進めていきます。
場合によっては、検索エンジンに対して、訴訟を起こすケースもあります。ただし、海外で「忘れられる権利」という言葉が広まっているように、サジェスト汚染を誹謗中傷行為として削除するのは難しいのも現実です。
ここでは、サジェストに関してよくある質問をご紹介します。
楽天等のECサイトやYouTube等の動画サイトでも使用されています。
サジェストとして表示されるキーワードの選定基準に明確な基準は開示されていません。検索履歴や話題のトレンドワードをベースに表示されており、その都度表示されるキーワードは変化しています。
シークレットモードでは検索履歴が残されないため、自身の検索履歴によるサジェスト表示は回避されます。
本記事でもお伝えしたとおり、サジェストには4つの基準が設けられています。
多くのユーザーが検索しているキーワードが表示される仕組みのひとつであることからも、個人で意図的にサジェストを操作することはほぼ不可能といえます。
サジェストはGoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索をする際、入力フォームに表示される別の検索ワード候補のことをいいます。ユーザーの検索ボリュームやWebサイト内キーワード・ユーザーの所在地・話題のテーマなどに影響されて表示されます。
サジェスト汚染のように、ネガティブなワードが表示されるケースもありますが、SEO施策で正しく活用し、コンテンツを作成することで、SEO効果の高い施策を行うことができますので、ぜひ活用しましょう。
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