テクニカルSEOは、クローラビリティ、インデクサビリティ、ユーザーエクスペリエンス、セキュリティの技術的な要求をクリアすることが重要です。もし、テクニカルSEOを無視するサイトがある場合は、SEOの検索順位が上がりません。
そこで今回はテクニカルSEOの基礎から、取り組むべき施策、コンテンツSEOの違い、よくある質問までを解説していきます。
目次
テクニカルSEOとは、検索エンジンのクロール、解釈、インデックスを促進させるために、あなたのサイトを最適化する施策を意味します。さらに、訪れたユーザー体験に影響する表示速度といったユーザーエクスペリエンスもテクニカルSEOに含まれます。コンテンツマーケティングと違って、htmlコードを改善する施策が主になっています。
テクニカルSEOの取り組みは、パートナー制作会社や社内のエンジニアと協力して取り組むことが必要です。多くの施策は1度の改善で施策完了となりますが、何らかの改修タイミングで課題が先祖返りする可能性がありますので、定期的なモニタリングが必要です。
何故、テクニカルSEOが必要かと言えば、検索順位に影響があるからです。テクニカルSEOをクリアしたサイトとそうでないサイトは、SEOのパフォーマンスが全く違います。私たちのコンサルティングによる改善取り組みによって、セッションが3倍に増えることがあります。サイトに公開されたコンテンツが持つSEOのポテンシャルを最大限に引き出すためにテクニカルSEOは重要と言えます。
ただ残念なことに、多くのサイト運営者や経営者がテクニカルSEOの観点でサイトを評価しないので、知らない所で損失を被っていることに無自覚であることが多いです。
テクニカルSEOとコンテンツSEOの違いを意識することで、テクニカルSEOの施策理解が深まるはずです。以下の表に違いを表記しましたので、確認してみましょう。
テクニカルSEO | コンテンツSEO |
---|---|
検索エンジンに評価されるために必要な技術的側面のことを言います。この技術的側面を満たさないサイトは、コンテンツを公開しても検索結果に表示されないリスクを持つことになります。 | SEO順位を上げたいターゲットキーワードの検索意図を満たした魅力的なコンテンツをサイトに作る。 |
テクニカルSEOの施策は、様々な要素がありますが、代表的な施策をカテゴライズすると以下のように分類できます。
カテゴライズ | 説明 |
---|---|
クローラビリティ | Googleのような検索エンジンがあなたのサイトのページをアクセスと読み込みを上手くできるようにすることを言います。 |
インデクサビリティ | ページの解析とインデックス登録する検索エンジンの能力を言います。キーワードやタグを使ってインデックスを促します。 |
ユーザーエクスペリエンス | どのユーザーがサイトを訪問しても最適なサイト・ページを提供することを言います。クローラビリティと連動する施策もあります。 |
セキュリティ | 安全なサイトを検索結果に表示する義務が検索エンジンにはあります。サイト運営者は、セキュアなサイトを提供することが必要です。 |
クローラビリティは、検索エンジンのロボットがウェブサイトを巡回してもらうためのテクニカルSEO施策です。クローラビリティは、検索結果に表示されるまでの最初の工程ですので、クローラビリティが悪いサイトは検索結果に表示されない事態に陥る可能性があります。
クローラビリティを高めて検索エンジンのクローラーに最適な環境を整えることが、テクニカルSEOの第一歩です。
クローラビリティを考慮したテクニカルSEOは、主に以下のような施策で要件を満たします。
クローラビリティの施策
xmlサイトマップを作成した上で、Googleサーチコンソールからxmlサイトマップを送信することは、テクニカルSEOで良い施策です。xmlサイトマップがあることで、検索エンジンのロボットがクロールするべきページを知るヒントになります。xmlサイトマップは、ページ以外に動画や画像URLをリストにして作成出来ますので、よりテクニカルなSEOとして知っておくとよいでしょう。
xmlサイトマップに記載されているURLの中に、クロール不要な終了ページなどが記載されていると、クローラビリティを下げる要因になります。xmlサイトマップを定期的に更新するように心がけましょう。
robots.txtのファイルは、クロール及びインデックス不要なページを検索エンジンのクローラーに伝えるバックエンドにあるファイルのことを言います。robots.txtファイルの正しい記述方法を誤ると、クローラーをブロックしてしまうかもしれないので、サーバーに精通している人の手助けが必要です。
robots.txtでクロール不要なページをクローラーに知らせることで、本来クロール必要なページにクロールを割り当てることが出来る点で、クロールの効率化が図れるテクニカルSEO施策です。
検索エンジンのクローラーがサイト上の全てのページを見つけるために、ページ間に張り巡らされた内部リンクを設置することは、テクニカルSEOです。マクロな視点では、グローバルナビゲーションやフッターにリンクを設置することが、テクニカルSEOの第一歩と言えます。
クローラビリティの向上以外に、コンテンツの内容と関連が高いリンクをページ内に設置することで、検索順位を上げる内部リンク施策に昇華させることが可能です。
ただし、404エラーページが内部リンク先で表示される場合は、かえってクローラビリティを損いますので、内部リンクの定期監査をするとテクニカルSEOの質を向上させることが出来ます。
検索エンジンがクロールするページにエラーが多い場合は、クローラビリティが高いサイトとは言えないでしょう。エラーを少なくすることは、テクニカルSEOの範疇です。やむをえない場合を除いて、404エラーやソフト404ページのクロールを少なくしましょう。
また、ページのリダイレクトが繰り返されるリダイレクトチェーンやサーバーのエラーが発生している状況は避けるのが、クローラビリティを向上させるテクニカルSEOと言えます。
インデクサビリティは、検索エンジンにページを検索結果に表示させることを意味します。もしインデックスさせたい場合は、クロール可能でインデックス可能なサイト・ページであることが必要です。
インデクサビリティが無ければ、SEOの流入を得ることはできません。インデクサビリティを向上させるテクニカルSEOは、検索順位を上げる効果に期待が出来ます。
インデクサビリティを考慮したテクニカルSEOは、主に以下のような施策で要件を満たします。
インデクサビリティの施策
同じ、もしくは似たようなページの重複コンテンツが、サイトにあると検索順位を下げる(上がらない)結果につながる可能性があるので重複コンテンツはSEOで危険です。なぜなら重複コンテンツは、検索エンジンのクローラーの評価に混乱を及ぼすからです。
重複コンテンツの生成自体を避けるべきです。しかし、やむを得ず重複コンテンツが発生する場合は、canonicalの使用が推奨です。重複コンテンツの解消は、URLの正規化を知っておくと理解が深まります。
2014年にHTML4からHTML5にバージョンアップして以降、使用できるHTMLタグの種類が増えました。増えたHTMLタグの種類を適切に使い分けることで、検索エンジンのコンテンツ理解度を高くする役割に期待が出来ます。
HTMLのコーディング時は、検索結果に表示されるtitleタグやdescription設定をページ固有の設定で行い、コンテンツの見出しに適切なhタグを使いましょう。
コンテンツの理解に、魅力的な画像を使うことは、読み手にとって重要な価値を持っています。ただし、検索エンジンのロボットが画像の中身を完全に理解してくれる期待は持たない方が良いでしょう。その意味で、画像ではなく可能な限りテキストでページを構成する方がSEOはテクニカルです。
画像使用がユーザーにベストである場合は、画像の最適化とalt属性を知っておくことが、テクニカルSEOの要件を満たす上で必要です。
また、Googleは画像をインデックスするので、画像がクロール出来ることとインデックス可能な状況になっているかを確認が必要です。画像のクロール・インデクサビリティ向上に、画像用のxmlサイトマップを作成するようにしましょう。
構造化データでコンテンツをマークアップすると、検索エンジンにコンテンツの内容を適切に伝えることが出来る点でインデクサビリティに期待が出来ます。構造化データマークアップの仕組みと記述方法を理解したうえで、会社情報、イベント、パンくずリスト、FAQ(よくある質問)といった様々な情報を検索エンジンに伝えましょう。
この構造化データマークアップは、検索結果に表示される視認シェアが目立つ効果がありますので、施策効果をさらに高めるテクニカルSEOになっています。
ここで紹介するテクニカルSEOは、年々重要性が増してきていること、クローラビリティやインデクサビリティの両方とユーザー体験に良い影響を及ぼすので、ユーザーエクスペリエンスとして施策を紹介します。
ページの表示速度は、遅いか早いかで検索順位に影響を及ぼすテクニカルSEOです。表示速度が遅すぎるページは、クロール頻度の低下やインデクサビリティに影響を及ぼします。ページ表示速度はSEOに影響があるとGoogleは公言していますので、テクニカルSEOの取り組みは必須です。
ページの表示速度は、サーバーの反応速度やページの容量、レンダリングといった観点でページの計測を行い改善の取り組みを行います。ブラウザでページを見るだけでは、表示速度の問題は見つかりませんので、初めて表示速度改善に取り組む方は、無料で計測可能なPageSpeedInsightで改善方法を図りましょう。
表示速度改善の取り組みと近いテクニカルSEOに、Googleが提唱するCoreWebVitalがあります。CoreWebVitalはユーザーエクスペリエンスに重きを置いた改善指標です。CoreWebVitalに問題があるサイトは、検索順位に悪影響を及ぼしている可能性が高いので、ページの表示速度と共に改善に取り組みたいテクニカルSEOです。
CoreWebVitalは表示速度の計測で使用するPageSpeedInsightで計測可能です。CoreWebVitalの指標は以下の通りです。
CoreWebVitalの指標 | 説明 |
LCP(Largest Contentful Paint) | LCP(Largest Contentful Paint)は1つのページをいくつかのブロックに分けた要素で、最も重い容量(読み込みが遅くなる)のブロックに改善の必要性があるかを計測した指標です。 |
FID(First Input Delay) | FID(First Input Delay)はクリック等の動作(input)をした後の反応の速さを計測した指標です。FIDに問題があるページは、クリックで返って来る反応が遅いので、フリーズしたようにユーザーは感じます。 |
CLS(Cumulative Layout Shift) | ページの読み込みで完成されていくレイアウトのずれを計測した指標です。レイアウトのずれが発生している時は、クリックしたい箇所が動いて(ずれて)、間違ったクリックをしてしまうようなケースに代表されます。 |
今は老若男女問わずスマートフォンを持つユーザーが多くなっていますので、スマートフォンのサイト閲覧がストレスなくできることは重要です。Googleはモバイルフレンドリーアップデートによって、モバイルフレンドリーなページの掲載順位を上げることを明言しておりますので、モバイルフレンドリーなページを提供することがテクニカルSEOで必要です。
モバイルフレンドリーは、モバイル端末による「読みやすさ、見やすさ、操作のしやすさ」が実現できているかが重要です。サイトがモバイルフレンドリーに対応できているかを確認する方法は、Googleサーチコンソールの管理画面から「エクスペリエンス」の「モバイルユーザビリティ」レポートでモニタリングが出来ます。ページ単位ですぐに確認する場合は「モバイルフレンドリーテスト」で現況をチェックできます。
セキュリティで安全なサイトが検索結果に表示されていることは、ユーザーと検索エンジンの双方にとって重要なことです。なぜなら、ユーザーはセキュリティが危険なサイトを表示する検索エンジンを使いたくないからです。
インターネットに公開するサイトが、セキュリティで安全かは、テクニカルSEOの土台に必要です。常時SSL(https化)の導入でデータ通信の暗号化に対応しましょう。
テクニカルSEOを目視で監視し続けるには困難なので、ツールの力を借りましょう。今回紹介するツールは、テクニカルSEOを監視するのに有効です。
これらのツールでテクニカルSEOの要件をクリアすることは間違いありませんが、ツールの利活用は専門的で難しいと感じるかもしれません。その場合は、SEOサポートが可能な会社にSEOコンサルティングの依頼を検討しましょう。
テクニカルSEOに課題があるほど、検索順位を上げるポテンシャルが高いと言えます。技術的な問題をクリアするだけで、セッション数が上がるケースは沢山確認できています。テクニカルSEOの問題をクリアしたSEO実績をご確認ください。
テクニカルSEOの施策は、クローラビリティ、インデクサビリティ、ユーザーエクスペリエンス、セキュリティのカテゴリに分けられます。どのカテゴリーも疎かにしてしまうと検索順位が思うように上がらないケースに陥ります。
今回はテクニカルSEOについて解説しました。テクニカルSEOを知っていて、問題をクリアできているサイトとそうでないサイトは、SEOのパフォーマンスに大きな違いをもたらします。もし、テクニカルSEOの要件を満たしているかが気になる方は「内部施策診断レポート」の作成依頼をしてみてください。
ディーエムソリューションズのSEOコンサルタント、犬塚と申します。 過去には、「SEOコンサルタントがこっそり教えるSEO施策のコツ」など、…
私たちがSEO事業をスタートした2006年のSEO施策は、現在の施策とは大きく異なるものでした。 人工的な外部リンクが隆盛を極め、とにかくリ…
皆さんはSEOを外注ではなく、自分で実施したいと考えたことはありませんか? 外部リンクによるSEOが終焉に近づき、コンテンツによるSEOが全…
みなさんはSEOにはブラックハットSEOとホワイトハットSEOと呼ばれる2つのアプローチがあることをご存知でしょうか?今回の記事ではブラック…
「WEBサイトの流入が増えない」「狙っているキーワードでの検索順位がなかなか上がらない」といったSEOに関する悩みを抱えているが、「原因が何…
日々進化し続けるGoogleのアルゴリズムに対し、最適化を図るSEO(Search Engine Optimization)もこれまでにいく…
今話題のAIによるコンテンツ自動生成機能も!SEO対策に本当に必要な機能だけを搭載した使いやすさとコストパフォーマンスに優れたWeb集客支援ツールです。
Webマーケティングに関わる施策全般をワンストップで
ご提供します。
お気軽にご相談ください。
Webマーケティング最新ニュースのレポートや無料セミナーの先行案内が届く、お得なメルマガ配信中!