2023年は、SEO業界にとってAIが主役となった年となりました。Googleは、AIを活用した新たな検索体験「Search Generative Experience(SGE)」を発表し、8月~11月にはコアアップデートも相次ぎました。
本記事では、2023年のSEO業界で起こったニュースを、SEO担当者やWebマーケティング担当者などの、SEOに興味のある方々にわかりやすくご紹介します。
目次
2023年のGoogleアップデートでは、ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを評価する傾向が強まったとされています。
3月、8月、10月、11月と、4回実施されたコアアップデートでも、同様の傾向が確認され、コンテンツの品質、ユーザーにとっての有益性、専門性、信頼性などが、より重視されるようになったと考えられます。
SEOにおいては、これらのアップデートを受け、ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを作成・提供することが重要です。具体的には、以下の点を重視してコンテンツを提供するといいでしょう。
具体例として、2023年ChatGPTが話題に上がり始めた頃に当社ではSEO会社のChatGPT活用検証記事としてChatGPTを使用してみてどうだったか、というのを記事にまとめて投稿しました。
結果、下記グラフの通り記事公開後ターゲットキーワードであった「ChatGPT4」で6位~10位の順位がついています。※2023年時点のデータに基づく
当社はAIの技術や知見についてのコンテンツをサイト内に保有しておらず、ChatGPT4について専門的な知識を持っているというWebサイトではありません。
しかし、”SEO会社がChatGPT4を使用した結果SEOの観点からどのように活用できるか”という内容で
という「EEAT」の要素を満たしたオリジナリティのあるコンテンツだったことから記事公開からすぐに評価を得られたと考えています。
また、大手ドメインサイトのディレクトリ配下にコンテンツを配置することで検索順位上昇を図る「ディレクトリ貸しサイト(寄生サイト)」についても順位が大きく下落しているのが確認できます。ディレクトリ貸しサイトの存在は、Googleも問題視しており、今後さらに対策が厳しくなるでしょう。
2023年は、WEB検索(SEO)業界において、生成系AIの登場が大きな話題となりました。
生成系AIとは、テキスト、画像などのコンテンツを自動生成するAIのことです。
生成系AIは、いずれも高い性能を備えており、さまざまな分野での活用が進んでいます。ただし、間違った情報も生成されますので、情報の正確性・妥当性・事実確認などのチェックは必ず行うようにしましょう。
Googleは2023年2月、AI生成コンテンツに関するガイドラインを公開しました。このガイドラインでは、Google検索において、AI生成コンテンツを評価する際の基準が示されています。
SEO担当者やWebマーケティング担当者は、このガイドラインを参考に、AI生成コンテンツを効果的に活用していくことが重要です。
⇒参考:Google検索セントラルブログ「AI生成コンテンツに関するガイドライン」
現在、生成系AIの代表的なものとしては以下が挙げられます。
ChatGPTは、OpenAI社が開発した大規模な言語モデルです。テキストやプログラミングコードのコンテンツを生成することができます。
SEOに関連するサービスを提供している企業でも活発に取り入れており、コンテンツのアイデア出しやライティングのサポートに利用されています。
上でもご紹介していますが、ChatGPTの概要や実際にコンテンツ作成に使用してみてどのようなコンテンツが自動生成できたか実験した記事を公開しています。
良ければそちらもぜひご覧ください。
⇒【SEO会社のChatGPT活用検証】GPT-4(ChatGPT4)とは?ChatGPT 3.5との違いも検証
DALL-Eは、こちらもOpenAI社が開発した画像生成AIです。テキストから画像を生成することができます。
Bardは、Googleが開発した言語モデルです。テキストの生成、翻訳、要約など、さまざまなタスクを実行することができます。
2023年、WEB検索(SEO)業界において、大きなニュースとなったのが、GoogleのAI技術を活用した新しい検索体験「Search Generative Experience(SGE)」の登場です。
SGEとは、ユーザーの検索意図をより深く理解し、ユーザーにとって有益な情報を提供するために、AIを活用した新しい検索体験です。
SGEは、生成系AIのBardとは別のツールです。
Bard:ユーザーの質問に答えたり、コンテンツを生成したりすること
SGE:ユーザーの検索意図を理解し、有益な情報を提供すること
大まかに挙げると、上記のような特徴に違いがあります。
Bardは「独立したAIチャット」、SGEは「検索機能の一部」です。
Googleの検索評価ガイドラインにある「E-A-T」が「E-E-A-T」へと拡張されたのは、2022年の12月です。
E-A-Tは、GoogleがWebサイトやWebページの品質を評価する際に使用する基準のことです。
E-A-Tとは以下3つの要素の頭文字を組み合わせたものを指します。
さらにE-E-A-Tでは、新たに「Experience(経験)」が追加されました。
Experience(経験)とは、WebサイトやWebページの作成者が、実際に製品や商品を使用している、実際にその場所を訪れている、実際に経験しているなど、コンテンツに経験したことが含まれていることが重要となり、実体験をした人が作成したコンテンツの評価が高くなります。
ユーザーは、信頼できる情報源から、正確で最新の情報を知りたいと思っています。そのため、Googleは、WebサイトやWebページの品質を評価する際に、Experienceも重要な要素として考慮するようになりました。
E-E-A-Tの評価基準は、今後もさらに重要性が高まると考えられます。WebサイトやWebページの運営者は、Experienceを高めることで、SEOの改善につなげることができるでしょう。
E-E-A-Tについては以下記事で詳しく解説しているのでもっと知りたい方はご覧ください。
⇒EEATとは?コンテンツ評価を高める12のSEOポイント
2023年、SEO担当者やWebマーケティング担当者などのあいだで、大きなニュースとなったのが、Googleアナリティクス(UA:ユニバーサルアナリティクス)のサポート終了です。
UAは、2005年に第1世代がリリースされ、その後、第2世代、第3世代へとバージョンアップしていきました。長年にわたり、多くの企業や組織でWebサイトやWebサービスの分析に利用されてきました。
UAは、2023年7月1日をもって、処理を停止し、新しいバージョンのGoogleアナリティクス4(GA4)に移行しました。
GA4について詳しくは、こちらをご覧ください。
⇒【GA4】Googleアナリティクス4とは?UAとの違いと導入方法
GA4に切り替わったことで大きく変わったことは、データ計測の根本的な考え方です。
UAではセッションを基軸としていて、一定期間内にサイトを訪れたユーザーの行動を計測するものだったのが、GA4では「イベント」という基軸に変わり、ページビューやコンバージョンといった様々なユーザー行動を同じ概念の中で計測・分析を行うようになりました。
GA4へ切り替わったことでUAよりもユーザー行動の深掘りができるようになった反面、ビュー単位でレポート作成ができなくなった点や(※有料版ではサブプロパティの作成が可能)、レポート自体のデザインが大きく変わった点、これまでの指標としてあった直帰率などが一時的に無くなったことは不便に感じている方も多いのではないでしょうか。
現在では指標の追加や機能のアップデートにて当初よりもできることが増えており、今後もマーケティングに活用できるツールとしてアップデートされていくことが予想されます。
MFIは、Googleが検索結果の評価に使用するインデックスを、モバイル版のページから作成する取り組みです。2016年から段階的に移行が開始され、2023年10月をもって、ごく少数のWebサイトを除きMFIに移行したことが発表されました。
MFIの移行完了は、SEO担当者やWebマーケティング担当者などには、大きな意味を持つ出来事です。MFIの導入により、モバイル版のページの品質が、検索結果の評価に大きく影響するようになりました。
そのため、WebサイトやWebページの運営者は、モバイル版のページの品質を向上させることが、重要課題となりました。モバイル版のページの品質を向上させるためには、Googleが提示している「モバイルフレンドリー」を理解し実行する必要があります。
モバイルフレンドリーの概要や自サイトの評価調査方法・モバイルフレンドリー化するための対策法については下記にまとめています。
⇒モバイルフレンドリーとは?確認方法や取り組む対策をご紹介
2022年10月、一部の言語のモバイル検索結果にサイト名が表示されるようになり、2023年3月にはデスクトップでも表示されるようになりました。
Google検索結果にサイト名が表示されるようになったことで、ユーザーは、検索結果のページがどのWebサイトからのものなのかを、簡単に確認できるようになりました。
サイト名の設定方法は、こちらでご紹介しています。
サイトを運営している方は、サイト名を設定することで、ユーザーにとってより有益なWebサイトにすることができます。
Google検索結果で、モバイル検索でのみ表示されていたファビコンが、2023年2月頃より、PC検索でも表示されるようになりました。これは、Googleが検索結果の表示をよりわかりやすく、ユーザーにとって有益なものにする取り組みの一環です。
ファビコンとは、Webサイトのアイコンのことで、Webブラウザのタブやアドレスバーに表示されます。
ファビコンが表示されることで、ユーザーは、検索結果のページがどのWebサイトのものなのかを、ファビコンで認識できるようになります。
ファビコンの設定方法は、下記の記事をご覧ください。
⇒ファビコン(favicon)とは?作成方法と設定方法について
サイトを運営している方は、ファビコンを設定することで、ユーザーにとってより有益なWebサイトにすることができます。
2024年も、Googleは引き続きユーザーにとってより有益な検索結果を提供するために、継続的に改善していくと考えられます。
その他にも、2024年は、以下の動向が予想されます。
また、2024年3月からは、FIDの代わりにINPがCore Web Vitalsの指標の一つとなります。SEO担当者やWebマーケティング担当者などは、すでになんらかのアクションを起こしていると思います。
以上、2023年にあったWEB検索(SEO)業界の主なニュースをまとめました。2023年のトピックとしてはユーザーの利便性向上を目的としたものが多かったように思います。
よりコンテンツの戦略や質が重要視されていったり、SEO含む検索体験そのもののテクニカルな要件が複雑化していったりと、Webマーケティングが難しく感じている方も多いのではないでしょうか。
当社ではコンテンツマーケティング・SEO施策をメインに多数のWebサイト改善実績を持っております。
少しでもお困りのことがありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。
デジタルマーケティング研究所では、これからもWeb担当者の皆さまに役立つ情報を発信していきます。
2024年も何卒よろしくお願いいたします。
ディーエムソリューションズのSEOコンサルタント、犬塚と申します。 過去には、「SEOコンサルタントがこっそり教えるSEO施策のコツ」など、…
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