SEM(Search Engine Marketing)は検索エンジンから自社サイトへの訪問者を増やすためのマーケティング手法です。
SEMの一環として取り組む企業が多いSEO施策とリスティング広告ですが、それぞれメリットとデメリットがあるため、両者をうまく使い分けることが重要です。
今回はSEMで成功するためのSEO施策とリスティング広告についてご紹介します。
「SEO」「リスティング広告」とは
「SEO」(Search Engine Optimization)とは「検索エンジン最適化」の略称です。
主に検索結果の上位表示を目的としたサイトの構造や内容を最適化する施策を言います。一方、「リスティング広告」は検索エンジン上に表示されるクリック課金型広告を指します。SEOとリスティング広告を含む上位概念がSEMです。
つまり、WEBマーケティングの中にSEMがあり、SEMの中にSEOやリスティング広告が含まれます。
SEO施策とリスティング広告のメリット・デメリット
SEMの中でも重要なSEOとリスティング広告ですが、どちらにもメリットとデメリットが存在します。以下の2つのポイントに気を付けましょう。
【ポイント1】クリック率
リスティング広告のデメリットは、自然検索結果枠に表示されているサイトに比べ、クリック率が低いことです。
Yahoo!やGoogleの検索エンジンにキーワードを入れて検索した場合、上部や右側にリスティング広告が、下部に検索結果が表示されます。
2002年にリスティング広告が開始され、そこから何年かの間は、ユーザーのほとんどが広告だと気が付かずに上部に表示されているリンクをクリックしていました。しかし、現在では多くのユーザーが広告なのか検索結果なのかを認識するようになり、広告枠はほとんどクリックしないというユーザーも出てきました。
そのため、検索結果の上位に表示されているサイトの方が、リスティング広告に比べて流入数が多い傾向にあります。
ただし、例えば「誕生日のお祝いのプレゼントを探している」など、何かアクションをする目的で検索をしているユーザーの場合、広告であっても自分のニーズを満たす内容であればサイトへ訪れるでしょう。また、広告枠の存在を認知していないユーザーもいますので、リスティング広告に集客効果がないわけではありません。
いずれにしても、より多くの集客を狙うのであれば、SEO施策に力を入れ、検索結果の上位に表示されるサイトを目指す必要があります。
【ポイント2】即効性、コントールのしやすさ
クリック率だけを見た場合、リスティング広告の効果に疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、リスティング広告最大のメリットはコントロールのしやすさです。自社のWEBマーケティング戦略に合わせて、予算やキーワードを変更することができます。
有料のリスティング広告は、入札価格や広告の質のレベル、ランディングページの有用性などの要因で広告の掲載順位が変わります。
あるキーワードに関して競合他社よりも高い入札価格であること、そして、そのキーワードで検索を行ったユーザーにとって有益な広告であることにより、自社の広告を広告枠の上部へ表示させることが可能です。
リスティング広告はクリックされた場合にのみ、課金が発生します。また、1日単位で予算の管理ができるため、重点的に集客を行いたいときは予算を増やすといった細かなコントロールもできます。WEBマーケティング担当者としては運用しやすく、即効性を期待できます。
一方、SEOの場合コンテンツを充実させたり、内部最適化を行っても、すぐに検索結果の表示順位上昇に結び付くとは限らず、コストはもちろんのこと、手間もかかります。競合他社のSEO施策の実施状況や、検索エンジンのアルゴリズム変更により順位が変動することもあるため、自社でのコントロールは不可能と言っても過言ではないでしょう。
SEMを成功させるSEOとリスティング広告の使い分け
リスティング広告には短期的な効果は予測しやすいメリットがありますが、人気の検索キーワードであれば、競合との入札価格の競い合いとなり費用も多く発生しますし、予算がなくなれば広告の出稿は停止されます。
SEOはリスティング広告ほどの即効性はありませんが、サイトコンテンツの充実化を図ることにより、サイトの資産が増えていき、右肩上がりの集客が期待できます。
より効果的なSEMを目指す場合、これらのSEOとリスティング広告の特性をよく把握し、両方をうまく組み合わせることが重要です。企業の規模や知名度、業種などに関係なく、どの企業でも長期的に企業価値を高める施策はSEOであるため、「SEOをメインに、リスティング広告を予算に応じてタイミングよく活用する」ことがおすすめです。
おわりに
今回はSEMで成功するためのSEO施策とリスティング広告についてご紹介しました。繰り返しになりますが、SEMにおいてSEO施策とリスティング広告はどちらも重要であり、車の両輪のような存在です。WEBマーケティング担当者は自社の強みや方向性、SEMにおける競合との位置付けなどを把握した上で、両者の特長を生かしたSEMを実施することが求められます。
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