Googleアナリティクスでアクセス解析をする際、「このケースはreferralに分類されるの?」「referralの数値がおかしいけど原因は?」といった疑問を抱いた経験はないでしょうか。
この記事ではreferralに関する基礎的な知識やGoogleアナリティクスの見方を解説します。また、自社サイトがreferralの参照元に表示されてしまう例外ケースや、referral以外のチャネルグループに関する情報が多角的に理解できる内容となっています。referralについてわからないことがある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
Googleアナリティクスのreferral(リファラル)とは、他のWebサイトに設置されているリンクから自社サイトに遷移する流入経路のことを指します。referralは日本語で「参照」のことで、自社サイトが参照される形での流入経路であることを意味します。
Googleアナリティクスは、ユーザーの流入経路を「チャネル」と表現しており、referral(リファラル)は複数あるチャネルの1つです。
サイトの認知が広まり、個人ブログや他社のサイト上にリンク付きで紹介されるとreferral経由の流入増加につながります。したがって、referralの数値はサイトの認知度を推し測るための目安の1つとして利用できるでしょう。
ただし、referralの数値が急増するなど異常な変動が起きた場合は、後述するリファラースパムが原因となっている可能性があります。スパムの参照元を除外する設定を行い、解析の妨げとならないように適切に対処する必要があります。
参照元とは、自社サイトに遷移する前にユーザーがいたサイトのことを指します。例えば、「サイトA ⇒ サイトB」のように遷移した場合はサイトAのドメイン名が参照元として記録されます。referralの数値と合わせてコンバージョンに寄与しているサイトを把握するときに、参照元に注目することが多いため理解しておきましょう。
referralは他のWebサイトからの流入であることを述べました。しかし、referralには一部の例外も含まれるため、この考え方だけだとアクセス解析時に説明がつかない計測結果となる場合があります。例外には、下記のようなものがあげられます。
上記はreferralに分類されなさそうですが、referralに分類されることがあります。ここでは、referralに分類されるケースについて深掘りしてまとめます。
先述の通り、基本的には他のWebサイトからの流入がreferralの数値としてカウントされます。Googleアナリティクスの参照元を確認することで、どのサイトからの流入なのか知ることができます。
Googleアナリティクスの参照元を確認したときに、自らのドメインがreferralに表示されることがあります。つまり、見かけ上は自社サイトから自社サイトへの流入として計測されているということになります。この現象の原因としては下記のようなものがあげられます。
ページがリダイレクトされた場合、リダイレクト元のURLが参照元として記録されることがあります。リダイレクトを削除するか、リダイレクト前のリンクURLをリダイレクト先のURLに変更することで解消される可能性があります。
計測に必要となるトラッキングコードが一部のページで設置されていない場合、Googleアナリティクスがそのページをトラッキングできず、referralの参照元に分類してしまうことがあります。この場合は、設置漏れがあるページにトラッキングコードを追加することで解消されるでしょう。
入力フォームや買い物カートのページが別ドメインになっているケースは、referralに分類されることがよくあります。トラッキングコードを見直すことで解消される可能性があります。
フレームと呼ばれる仕組みを利用している場合、自社サイトがreferralとして計測されることがあります。ここでのフレームとは、ブラウザの画面を分割し、サイト内の別々の内容を表示させる仕組みのことを指します。フレームの記述にはframesetタグ及びframeタグを用います。近年ではフレームを利用したサイトを見かけることは少なくなりましたが、自社サイトがフレームを利用している場合は、自らのドメインがreferralとして計測される原因となります。
ユーザー側のブラウザやセキュリティソフトでリファラー(参照元)の書き換えが行われ、参照先のURLが参照元にセットされていた場合、自社サイトがreferralとして計測されることがあります。
SNSからの流入は本来ならSocialというチャネルに分類されます。しかし、「twitter / referral」や「facebook.com / referral」などSNSからの流入がreferralの参照元に表示されることがあります。この現象の原因はSNSで生成された短縮URLです。短縮URL経由の流入はreferralとして計測されることがあることを頭に入れておきましょう。
なお、「facebook.com / referral」がフェイスブックからの流入ということは一目瞭然ですが、「m.facebook.com / referral」や「l.facebook.com / referral」のように参照元の文字列の最初にアルファベットが追加される場合があります。これらの違いをfacebook.comを例として下記にまとめました。知っておくとさらに理解が深まるので、覚えておきましょう。
Google検索やYahoo検索、Bing検索などメジャーな検索エンジン経由の流入についてはOrganic Search(自然検索)に分類されますが、一部マイナーな検索エンジンからの流入はreferralに分類されることがあります。
Googleアナリティクスでreferralの数値を確認する手順を、UA(ユニバーサルアナリティクス)とGA4(Googleアナリティクス4)の2パターンに分けて解説します。
UA管理画面の左メニューから「集客」⇒「すべてのトラフィック」⇒「チャネル」と進むと、チャネル別のレポートが確認できます。
レポート内の「Referral」をクリックすると、チャネルをreferralのみに絞り込んだ各種数値が表示されます。レポート内のプライマリディメンション(一番左端の列)に参照元が表示されており、サイト別に流入数を確認できます。
GA4管理画面の左メニューから「レポート」⇒「集客」⇒「トラフィック獲得」と進むと、チャネル別のレポートが確認できます。チャネルを絞り込むには、折れ線グラフ上部に表示されている「フィルタを追加」をクリックします。フィルタの作成画面でディメンションを「セッションのデフォルトチャネルグループ」とし、ディメンションの値は「Referral」のみにチェックを入れて「適用」をクリックしてください。
これでreferralの絞り込みは完了です。ただ、GA4ではデフォルトで参照元が表示されていません。参照元を表示するには、折れ線グラフ下部に表示されている「+」アイコンをクリックし、「トラフィックソース」⇒「セッションの参照元」を選択してください。
referralの数値が異常に急増した場合は、リファラースパムを疑いましょう。Googleアナリティクスで、ときおりreferral数値の急増するケースが見られます。有名なサイトで紹介されたなど、適切な理由が思い当たらない場合はリファラースパムが原因であることが多いです。
リファラースパムとは悪質なWebサイトを経由したアクセスをシステム的に行い、参照元にそのドメイン名を記録させることです。なぜそのようなことをするのかというと、「どんなサイトからアクセスされているのだろう?」と疑問に思ったアクセス解析者を参照元のサイトにアクセスさせるためです。誘導先のWebサイトが安全である保障はないため、参照元に記録されたサイトには安易にアクセスしないように注意しましょう。
なお、Google アナリティクスではフィルタリングによってリファラースパムをデータから除外することが可能です。まずはボットフィルタリングを試してみて、それでも解消しない場合はドメイン指定によるフィルタリングを行いましょう。リファラースパムが継続する場合やデータをクリーンに保ちたい場合は上記のような対策をお勧めします。
Googleアナリティクスではreferral以外にもチャネルグループがあります。ここではreferral以外のチャネルについて紹介します。
Organic Search はGoogle検索やYahoo検索など検索エンジンからの流入を表し、別名で自然検索とも呼ばれます。SEO施策の効果を分析する際に最も注目するチャネルグループとなります。なお先述の通り、Googleが認識していないマイナーな検索エンジンからの流入はreferralに分類されます。
Paid Searchはリスティング広告経由の流入を表します。リスティング広告とは検索結果の上部や下部に表示される有料の広告枠のことです。Google広告は自動でPaid Searchとして計測されますが、その他の媒体ではutmパラメータ付与の設定を行わないとOrganic Searchとして計測されるため注意が必要です。
FacebookやTwitter、Instagramなど多くのSNS経由の流入がSocialに分類されます。SNSを利用したマーケティングを実施しているサイトで注目したい項目です。なお先述の通り、SNS経由のアクセスであっても場合によってはreferralとして計測されるケースがあります。
Directとは自社サイトに直接遷移した流入を表し、ノーリファラーと呼ばれることもあります。具体的には、URLを直接ブラウザに打ち込んだ場合やブックマークによる流入が該当します。なお、アプリやメール、QRコード経由の流入はデフォルトでDirectとして計測されますが、リンク先のURLにutmパラメータを付与することで適切なチャネルへの振り分けが可能です。
Emailはメール経由の流入を表します。デフォルトでは表示されず、Directに分類されます。リンク先のURLにutmパラメータを付与することでEmailへの分類が可能です。メルマガ等の施策を実施している場合は設定しておきましょう。
Displayはディスプレイ広告からの流入を表します。ディスプレイ広告とはWebサイト等に設置されている画像や動画、テキストを交えた広告のことでバナー広告とも呼ばれます。デフォルトでは表示されず、リンク先のURLにutmパラメータを付与することで分類が可能です。
Affiliatesはアフィリエイトと呼ばれる成果報酬型広告からの流入を表します。デフォルトでは表示されず、referral に分類されます。リンク先のURLにutmパラメータを付与することで分類が可能です。
先述のPaid Search、Display、Affiliates以外の広告からの流入を表します。デフォルトでは表示されず、リンク先のURLにutmパラメータを付与することで分類が可能です。
上記までに紹介したどのチャネルにも該当しない流入がOtherに分類されます。Otherの数値の割合が大きい場合はパラメータを設定し、適切なチャネルに振り分けることで解析精度の向上につながるでしょう。
通常のテキスト検索と同様にOrganic Searchに分類されます。
Web検索の場合はOrganic Search、Google mapアプリの場合はDirectに分類されます。適宜パラメータを付与することでビジネスプロフィール経由の流入とそれ以外を切り分けることが可能です。
Discoverとはモバイル検索でGoogleアプリ、Google Chromeアプリに表示されるおすすめ記事のことです。Discover経由の流入はDirectに分類されます。したがって、Directの流入が急増した場合はDiscover経由の流入である可能性があります。その場合はSearch ConsoleでDiscoverレポートが確認できますので、Googleアナリティクスと併用して分析しましょう。
例えば、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、Google+、Pinterest、Yammer、Pocket、Naver、Ameba、Hatena Bookmark、goo blog、FC2など数多くあげられます。
この記事ではreferralの基礎的な知識から例外的なケース、その他のチャネルとの関係まで含めて解説しました。アクセス解析においてreferralはあまり注目することのないチャネルグループではありますが、サイトの認知度を推し測る1つの目安となります。本質を理解した上で解析を行うと、Googleアナリティクスの理解がさらに深まるでしょう。またリファラースパムについては適切なアクセス解析をするために、ぜひ理解しておきたい内容です。本記事を参考に自社サイトのreferralがどうなっているか一度チェックしてみましょう。
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