このエントリーはとても長いです。しかも画像なし、文字ばかりの観念論なのでよほど興味と時間がある方のみご覧いただくことを推奨します。注意しましたからね!
目次
私は会社ではディーエムソリューションズの「SEOコンサルタント」としてお客様に紹介されます。しかしこの「SEOコンサルタント」という肩書に対してなんとも大げさというかむずかゆいというか言葉にできない違和感を私自身が感じてしまうので、普段は「SEOのコンサルタントです」とか「SEOの運用担当です」と自称していました。
自分自身の仕事や自社のサービスに自信が無いわけでは無いはずなのに(むしろ周囲からはプライドが高過ぎると言われることが多いです)肩書に対して遠慮がちになってしまうのはどうしてかな、とふと思い返して見ると、私自身が「コンサルタント」という単語に過剰な意味付けをしているのではないかと思いました。
学生時代に抱いていた、組織やマーケティングを右に左に意思決定するようないわゆる「戦略系コンサルタント」に対する勝手な先入観や憧れを「SEOコンサルタント」に重ねてしまっていたのかもしれません。
対企業のSEOの仕事は非常に地味な作業の積み重ねで、組織内の人間関係や風土を乗り越えてサイトを改修するために奔走することになります。
こうした泥臭い実態をモラトリアム全開の大学生が膨らませたかっちょいい戦略系コンサルタントのそれと比べれば、そこにはギャップがあって当たり前ですよね。
前置きが長くなりましたが、今日は「SEOコンサルタント」として現場に立ち続けてきた私のSEOコンサルタント観を少し披露させていただきたいなと思い、久しぶりにブログの管理画面の前に座っています。
SEOでサービスを提供する人は、SEOにさえ精通していればよいのかと言えば、それは断じて違います。
PPC広告やアフィリエイトなど、他のジャンルの広告の仕組みも最低限頭に入っていないと仕事になりません。
例えばお客様から「SEOと◯◯◯、どちらを優先的に解決すべきか?」といった相談を受けることがあります。
SEOコンサルタントはこうした類の悩みに対してSEOとそれ以外のプロモーション手段との違いを理解しながら優先順位を提示することが求められます。
もしSEOの他に一番重要なものを一つだけ教えて欲しい、と聞かれれば「アクセス解析のスキル」と答えます。
SEOのスキルセット/あるいはSEO業界へのお誘いにて辻さんもおっしゃっていますね。
アクセス解析はあらゆるプロモーションの出発点であり、効果測定の手段です。
そもそもSEOの効果測定を順位基準で行う時代は終わっており、アクセス解析が出来なければ自分の仕事の成果や効果をお見せすることができません。
そして、SEOはもちろんのことあらゆるWeb広告手法はテクノロジーによって日々進化するものですのでこうした情報に興味を持って日々アンテナを向けておく必要があります。
この手の「情報」はすぐには役立たないものがほとんどなのですが、ある時とつぜんひらめきを与えてくれることがあるから不思議なものです。
担当者の方は日々の業務に追われておりこうした情報収集まで手がまわらないことがほとんどですから、毎日の努力が積もり積もって重宝がられるはずです。
Webマーケティングの世界を経験すればするほど、奥が深いと感じます。同じSEOの施策やプロモーションでもお客様の業種・業界・業態や状況によって成果が全く違うのです。
そのため、お客様個別の状況を理解して施策の計画を立てることはかなり重要な要素です。
反対にいくらSEOの知識やWebマーケティングのノウハウを勉強していてもお客様のビジネスが分かっていなければ片手落ちです。
私の部下がある町の不動産屋さんのサイトのSEOを手がけた時のことです。この規模の会社のサイトではどうやっても大規模な不動産ポータルに対して不利がつきます。
そこで直接問い合わせを受けることができる地場の不動産屋さんだからこその強みを活かし、meta name=”description”やサイト内で「未公開物件」「非公開物件」の存在を大胆に訴求することにしました。しばらくして、問い合わせ率が大きく改善しました。
お客様の強みや弱みを理解していたからこそのお手伝いだと思います。
よく、数十ページに及ぶ膨大な資料をこさえて「よし、これでお客様がヨロコブぞ!」という方がいます。しかし、結果としてサイトのHTMLやサーバー設定が変わらなければSEOの順位が変わることはありません。
コンテンツ施策・内部施策が重要になった昨今では特にこの傾向は顕著です。
そういった意味ではSEOコンサルタントは常に「実装」を主眼に置くべきです。どれだけリーディングカンパニーで成功したすごい施策であっても、競合他社が手がけている流行りの施策であっても、サイトに実装できなければ絵に描いた餅、その資料は単なる紙と時間の無駄です。(この場合の「時間」はお客様の時間の意味です)
典型的な提案である「各ページのtitleを完全にユニーク化することが大事です!1カテゴリー1カテゴリー個別に書き起こしてきました!」は確かにSEOのセオリーに沿っていますが、ECサイトのようにページが動的に生成されるサイトは逆立ちしても実装不可能な提案であることもままあります。
このようなケースではお客様に「我が社のサイトのことがわかっていない!」と感じさせてしまい、かえって感情的な顧客満足度を下げることすらあります。
だから私は資料作成よりもサイトの仕様を把握することにより多くの時間を割きます。
短期間で実現可能な施策を提案することで開発着手までの時間を短縮し、なるべく早い実装=成果を目指します。
前の節とも関連する話しですが、現実的な施策提案・実装のためにはサイト仕様の把握が必要不可欠です。サイト制作を他社に外注している場合(ほとんどの企業がそうですが)、仕様の把握や実装作業のためには制作会社と連携する必要があります。
私は部下に制作会社と必ずお会いして仲良くするよう指導しています。
どうも制作会社の方はSEO会社に対してイメージが悪いように感じられるからです。
原因はおそらくSEO会社の身から出た錆、ではないかと思いますが、これまでよほど無茶な仕様を紙一枚・メール一通で投げられてきたのではないでしょうか。
直接お会いする中でまず「サイトの仕様を把握して、実装できないことに対しては一緒に代替案模索したい」とお伝えします。そうすることで最初は斜めに様子を伺っていた制作会社さんも心強い味方になってくれます。
ただし前提として当のSEOコンサルタント自身にWeb開発(特に動的出力やDB周りの概念)やサイト制作の知識が必要です。
でなければなかなか話しが噛合いませんし、制作会社の方もなかなかパートナーとは認めてくれません。少し過激な言い方をすると「なーんだやっぱり単なるSEOバカか」という評価を受けてしまいます。
私の場合は自分でサイトを作った経験が非常に役に立っています。今でも時間をみつけて意識的にファイルサーバーにアクセスするようにしています。
SEOコンサルタントのお客様は法人企業の担当者です。サイトの改修ひとつで上長の決済や社内デザイナーの協力などが必要な場合が普通です。そこで、SEOコンサルタントは担当者が社内でSEOを推進しやすくなるように全力で支援します。
例えば担当者の方からときおり「SEOを行うことによる効果を数値化できない?」と聞かれることがあります。
その際「SEOの効果はシミュレーションできません、だってGoogleが決めることですから、そんなの不可能です!」と即答するのは確かに正論ですが、プロジェクトの運用において正解ではありません。
こうしたケースではまず「なぜ、どういった目的で用いられる資料なのか」を伺うようにします。
きっと外部の人間だからこそできることがあるはずです。
先の例のように社内調整用に欲しいデータであることが分かれば「SEOの効果を完全にシミュレーションするのは困難ですが、成果を保証するものではないという前提でしたら提出しいたします」と回答したり、直接上長や関係者とお会いして担当者の代わりにご説明差し上げたり、開発担当者に根回ししたりすることが可能です。
この辺はお客様の社内体制や立場、性格によって求められるものや好みがぜんぜん違いますので、自分のできる範囲でお客様と一緒に対応策を考える姿勢が問われます。
担当者と一緒に成果を出すことによって担当者の出世に貢献できると本当に嬉しいものです。
前述の通り、SEOを上手く成功させるにはお客様や制作会社さんのことを理解するのがとっても大切です。
ですので限られた時間の中でお客様から手がかりになる定性的な情報をお話いただくためのあらゆる配慮を尽くします。
はじめは誰しもそういった心がけを持っているのですが、特にSEOの知識がついてきたころは要注意で、「専門家として呼ばれてるんだから喋らないと!」という意識が先行してしまうようです。
優秀なSEOコンサルタントは本当に聞き上手が多いです。自分を必要以上に大きく見せようとせず、相槌をよく打ち、気の利いた冗談も織り交ぜて和やかな雰囲気を作りつつときおり確信めいた質問をズバッと投げかけます。
ただし、単なる聞き上手では実行力が不足します。ここ一番説得が必要な場面では関係者に対して論理的でシンプルなプレゼンをする力も重要です。
「コミュニケーション力」は曖昧な表現で私もあまり好きな言葉ではありませんが、SEOの現場において対人折衝での頭の回転と配慮はプロジェクトの成功を左右しますのでどうしてもここを鍛える必要がありますね。
SEOであってもコンサルティングであっても根底は客商売・サービス業だと思っています。にも関わらず時々うまくいかない要因を関係者のせいにしたくなってしまうことがあります。
「クライアントが分かってない(分かってくれない)」「サイトをなかなか変更してくれない」確かに事実はそうかもしれません。業務が多忙になりすぎるあまり、多少愚痴っぽくなる部分もあるのでしょう。
お客様の事をなんでも聞きなさい、などと言うつもりはもちろんありません。(というかむしろ全てを受け入れていてはあっという間に限界がきてしまいます。)しかし、お客様というのは基本的にわかっていないものですし、だからこそ私たちを頼ってくださるのでしょう。
思うように周囲が動いてくれない場合は、自分に何か足りないものがあることを認識すべきだと思います。わがままだ、わがままだと聞いていたお客様もお会いしてみるととても前向きな話しができた、ということもあります。
何を隠そう私もたくさん失敗していて、ひどいものでは自分が立ち会った途端にお客様を怒らせて契約が白紙になってしまった案件もあるほどです。(その時の営業担当者には本当に申し訳ないことをしました。)
しかし、それでもやり方をかえ、考え方を変えているうちに何とかお仕事をいただけるようになりました。
上手くいかない時には周囲を責める前にまず自らが変わろうと努力する、結果としてそれが自分のためになるのでは無いでしょうか。
文字ばかりのエントリーに最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
意図したわけではないですが、長い割に心がまえの話しばかりで、そしてずいぶん上から目線で説教くさいエントリーになってしまいました、すいません!!
ひととおりまとめ終わってみると、もしかすると他の分野で「コンサルタント」と呼ばれる方々(それこそ戦略系であっても)も意外と私たちの仕事と近しい部分があるのかもしれないなと感じています。
そして、自分はやっぱりこの仕事が好きだったんだということもよくわかりました。
Web担当者の方やこれからSEOの世界に踏み込もうとする方に、ディーエムソリューションズのSEOコンサルタントはこんな風に考えているんだ、と感じてもらえたら嬉しいです。
※追伸 突然ですが、入籍しました。来月子供も生まれる予定です。
この記事をご覧いただいている皆様へ。 このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開さ…
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