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【成功事例】ワイングラスブランド 「リーデル」が取り組んだホワイトハットSEO

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この記事をご覧いただいている皆様へ。
このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開されていた記事であり、2014年12月にデジタルマーケティング研究所へ統合されました。

皆さんこんにちは、ディーエムソリューションズの片川です。最近はもっぱら現場を飛び回る毎日で、ブログやTwitterの更新がすっかり滞っておりました。

ただその甲斐もあって、SEOに関して数多くの貴重な経験をすることができました。今回はその中でも人工外部リンクを用いず、Googleガイドラインに準拠したSEOで大きな成果を上げた老舗高級ワイングラスブランド「リーデル」での事例をご紹介差し上げたいとおもいます。
 

誰でも簡単にSEO対策ができるIntimateSEO

「リーデル」のご紹介

riedel
オーストリアに本社を持つ、ワイングラスの名門ブランド。
同じワインでもグラスの形状によって味わいが変化することを世界で初めて発見し、ワインに合わせたグラスのラインナップを取り揃える。

リーデル公式サイト

ワインが好きな方ならもしかすると「リーデル」の名前を耳にしたことがあるかもしれません。数多くのワインフリークをとりこにするリーデルのグラスは、「いくら美味しいワインがおいてあるお店でも、グラスがリーデルでないと・・・」という方もいらっしゃるほど。

 

sommeliers

今回のプロジェクトキックオフに際して私も青山本店で開催されているテイスティングセミナーに参加させていただきましたが、同じワインでもグラスを変えて飲むだけで味わい深くなったり反対に全く特徴が消えてしまったりすることにびっくり!

興味を持った方はぜひ参加してみてください。グラスのプレゼントもついてとってもお得なセミナーですよ。

お客様からのご依頼

先に申し上げた通りリーデルには日本国内においても根強い固定ファンがついており、特にFacebookページ50,000件以上の「いいね」を獲得するなど大変な盛り上がりを見せています。

一方で「リーデル」を知らない、いわゆる「非認知層」に対するWeb経由でのアプローチに関してはまだまだ課題感を持っていらっしゃいました。

「リーデル」を知らないユーザーが検索エンジンを活用するシーンはいろいろと想定できるため、Facebookに続くWebプロモーションの手段としてSEOを検討なさっていたそうです。まとめると以下の通り。

お客様の課題感

リーデルのWebマーケティングご担当者 西村さん

nishimura

競合調査

この時点ですでにお客様は『ビッグキーワード「ワイングラス」では常に1~2位だがロングテールキーワードで並行輸入サイトにかなり負けているようだ』という認識をお持ちでしたが、私たちはあらためて正確な情報を得るためにSEOに関する競合調査を実施することにしました。

こういった時に重要なのがキーワードの抽出です。各種キーワードツールはもちろん活用したのですが、最後にものをいうのは商品理解と想像力。

「ワイングラス 通販」「ワイングラス専門店」「高級ワイングラス」「ワイングラス おすすめ」「ワイングラス 選び方」…

『ワインは好きだけど「リーデル」は知らない』
『プレゼントにグラスワインを送りたいけど、どれがいいかわからない』
『ワインセラーを購入したからついでにワイングラスも探している』・・・

こんな人達が検索しそうなキーワードをかき集めました。

さらにこれらのキーワードの中で、主だった120ワードの上位表示率を競合(主に平行輸入のECサイトさん)と比較。

プロジェクト開始前の上位表示率比較

抽出した120キーワードにおける
上位表示率
サイトA 58.0%
サイトB 16.0%
サイトC 34.0%
リーデル 4.0%

結果としてリーデル公式サイトはほとんどのキーワードで取りこぼしており、ビッグキーワード「ワイングラス」での流入に頼きりになっている現状が明らかになりました。

この調査の中では「ヴィノム」「ソムリエシリーズ」など同社を代表するシリーズ名キーワードでも10位以内にランクインしておらず、当初問題ないと思われていた「認知層」ユーザーまでも取りこぼしていることが判明。(公式サイトを経由しない露出・販売を通じてブランドイメージが損なわれる可能性があり、ブランドホルダーにとってこれは大きな課題です)
検索結果において機会損失が発生していることがあらためて明確になりました。

ご提案内容

ブランド認知のための課題は「ロングテールキーワード」での上位表示。
いわゆる特定キーワード・成果報酬型のSEOではマーケティング課題を解決できない
ビッグキーワード「ワイングラス」では常に1~2位、ナチュラルリンクのみで獲得した被リンクでPageRank4などすでに十分高い評価を得ているサイト。
内部施策のみで状況を改善する余地が十分にある

上記のような背景を受け、人口の外部リンクを用いないSEOコンサルティングプログラム、ホワイトハットSEOパートナーをご提案差し上げました。

想定される流入量を明確にシミュレーションしたこと、社長さまと担当者さまがサービスの概念に強く共感してくださったことなどもあり、当社にご依頼いただく運びとなりました。

施策の内容

施策の実装は約半年間かけて段階的に行われました。ブログ記事で詳細を紹介するにはボリュームが多すぎますので、主なものを箇条書きで記載します。

なお、リーデル公式サイトは「www.riedel.co.jp」とそのEC機能用サブドメインである「shop.riedel.co.jp」で構成されており、前者がWordPress、後者が海外製のEC用CMSで構築されていました。

施策の実装を比較的速やかに行うことができた要因のひとつは、制作・システム担当会社さんとの連携に対して特に気を使い、コミュニケーションを密にしていったことだと思います。

成果

さて、ここまでご紹介させていただくと成果が気になるところですよね。まずは施策開始前との比較。

定点観測に用いた
120キーワードの順位
65%以上のキーワードで10位以内(38%は5位以内)
流入キーワード総数 施策開始前と比較して170%増加
非ブランドキーワードでの流入比率 33% → 37% → 40%と毎月改善

さらにご契約最終月における前年同月対比ではよりわかりやすい成果が得られています。

自然検索流入数 180%増
自然検索経由の売上 1.5倍

ちなみにご支援の途中でそれまで出現しなかったブランド名検索結果におけるサイトリンクを確認。サイトの評価が高まった証拠です。私達SEOチームが勝利を確信した瞬間でした。

riedel-serps

ガイドラインに従った内部施策を基本とするSEOのメリットは私達のようなSEO会社と契約を打ち切った後も上記のような効果が継続し続けることだと思います。契約が終了すればリンクを剥がされる(もしくは放置される)特定キーワード成果報酬型SEOとの大きな違いのひとつです。

一方で当然SEO会社側もご契約を延長・継続していただけるようお客様に付加価値を提供し続ける努力をするわけで、建設的な循環が生まれやすい支援形態だと私は考えています。

レポーティング・SEOの効果測定方法

月次での効果測定やレポーティングはGoogleアナリティクスのデータを使って行いました。

これまで、SEOの成果指標と言えば「順位」でした。これはSEO業界において成果報酬型(◯◯◯というキーワードで◯◯位以内に入ったら◯◯円課金)のモデルが長年一般的であったことが原因となっていると思います。

ホワイトハットSEOに本気で取り組むのであれば、特定キーワードにおける順位至上主義の考えは捨てる必要があります。
なぜならここに固執している限り、「このキーワードの順位を上げるには?」「考えられる内部施策はひと通りやった」「じゃあ外部リンク(購入)だ!」という思考のスパイラルから抜け出せないからです。

ディーエムソリューションズのSEOコンサルティングの特徴は、徹底したデータ主義・本質主義にあります。今回も私たちは「流入キーワード総数はどうだったか」、それによって「自然検索トラフィックがどのように変化したか」、そこから得た「コンバージョンはどうだったか」などのデータを過去(前月、前四半期、前年、通年)と比較しながら月次のご報告を行いました。

seo_img7

もちろん順位を定点観測しているキーワードはあるのですが、それらに関してもキーワード毎に流入数やコンバージョン、直帰率を計測することでサイトの収益に貢献しているキーワードの「ジャンル」を類推するヒントを得たり直帰率が高い(ユーザーが満足していない)ページのコンテンツ改善に向けたご提案に活用したりすることが本来の目的です。

seo_img8

このあたりは実際にレポートのサンプルなどをご覧いただく方が手っ取り早いとおもいますので「興味はあるけどブログを見ただけではいまひとつイメージがわかない」という方に関してはこちらよりご一報くださればご連絡差し上げます。

成功のポイント

今回お手伝いさせていただいたリーデル社の事例から私が感じた成功のポイントをまとめます。

外部リンクを意識するのは最後

「ホワイトハットSEO」と聞くとすぐにSNS等を活用したリンクビルディングをイメージされる方も多いのですが、
基本的にまずは内部施策の徹底した実装とアクセス解析の整備から取り掛かかるべきだと思います。それだけでも得られるものが必ずあるはずです。
外部リンクについて考えるのはその後でも遅くはありません。その間にもGoogleは被リンクに関するアルゴリズムをどんどん進化させているのですから。

制作現場を理解した(社内 or 社外)SEOエキスパートの存在が重要

内部施策の徹底的な実装(サイトの仕様を拡張し「できること」の範囲をひろげる)を極力低コストかつすみやかに実現するためには担当制作会社さんの協力が必要不可欠です。そのためには単にSEOに詳しいだけでなく、制作・システム担当者の業務・心理理解に基づくコミュニケーション能力を有した折衝担当者の存在が重要です。
理想は社内にこのような人材を配置することですが、仮に外注を検討する場合でもこの点を念頭に置いてSEO会社やコンサルタントを選定するとよいと思います。

nishimura-katakawa

コンテンツは「世界に唯一の」を合言葉に

サイト仕様が許す限りの内部施策を実装した後に考えるべきは既存ページコンテンツの充実。
この内容に関してはあまり難しく考えず、あらためてサイト・サービスの存在意義に立ち返り「あなたの会社(もしくはあなた個人)にしか提供できない世界に唯一の内容であること」を基準にしてみてください。
そこから先は書いては載せ、撮っては載せる。地味な作業の積み重ねですね。

地道な作業の積み重ね = 社内理解が肝

継続的な社内理解を得るための社内報告(レポーティング)に関しては、綺麗なものである以上に「わかりやすい」ことが重要です。(社内の方はSEOやWEBのことがほとんどわからないため)具体的なポイントはこれまで何をして、今回何が得られて、次に何をするのか
この点を定期的に、できる限り順位以外の指標を基準にして報告しましょう。
もしこの記事を読んでいるのがSEO会社の方であれば、あなたが担当している企業のWebマスターの方に対して「わかりやすくかつ本質的な社内報告をやりやすくする」お手伝いをすることです。

終わりに

要点をかいつまんでご紹介したつもりですが、今回の記事はずいぶん長文になってしまいました。リーデルでの事例に関してはまだまだお伝えしたいことがたくさんあります。それだけ当社もお客様も心の底から納得のいくやり方で成果を上げることができたプロジェクトでしたし、ご支援を通じて私自身成長させていただいたと感じています。

プロジェクトに際し様々な点でご協力くださったリーデルの西村さんときっかけを作ってくれた当社担当の住吉には心よりお礼を申し上げます。

今回の記事が皆さんのお役に立てば幸いです。

リーデル西村さんと当社営業担当住吉

nishimura-sumiyoshi

※ この記事の事例は2012年11月28日、東京国際フォーラムにて開催した当社事例紹介セミナーにて発表させていただきました。

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片川 創太

2014年12月までディーエムソリューションズ株式会社SEO対策チームに所属。「SEOは実装」を信条に、コミュニケーションを重視するスタイルで数多くのサイトのコンサルティングを手がける。内部施策に関して造詣が深く、「SEOまとめ」というtwitterアカウントを通じて日々情報発信を続けている。 Twitter: SEOまとめ
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