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このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開されていた記事であり、2014年12月にデジタルマーケティング研究所へ統合されました。
突然思いつきで始まった連載「SEOとマーケティング」シリーズ第二回は変化する消費者とSEOはどう向き合うべきか、「商品を丸裸にするWEBとSEO」というテーマでお送りします。
前回の記事はこちら
【連載】SEOとマーケティング – 第一回「マーケティング・ミックスの4PとSEO」
Web上の消費者は「教えあう」
マス広告(CM、新聞、雑誌、ラジオ)が全盛だった時代、消費者の基本的なコミュニケーションポイントは「お茶の間」でした。コミュニケーションの範囲は「家族」が中心です。当然得られる情報も限定的になりますね。
コミュニケーションポイントがWebに変わったことによって、コミュニケーションの範囲が「不特定多数」もっと言うと「詳しい人の意見をカンタンに聞ける」ようになりました。
例えば液晶テレビを買う前に例えヨドバシで買うとしても価格.comやAmazonの口コミを覗いておく、といった行動が一般的になっています。こうして消費者は疑り深くなりました。
Web上の消費者は「発信する」
Webはボトムアップのメディアだとよく言われます。ブログやTwitterで購入した商品の感想を語る人がたくさんいるからです。消費者の不満や喜びの声はだだ漏れになりました。こうして商品の真の姿が丸裸にされるようになりました。
「教えあって発信する」消費者と広告はどう付き合うべきか
なかなかSEOに触れることができず申し訳ないのですが、先に広告全般のお話です。
広告のこれまでとこれから
|
昔 |
今 |
消費者 |
お茶の間型 |
ネット型 |
広告 |
特徴訴求型 |
消費者参加型 |
企画の考え方 |
売りたい人に見せる |
買いたい人を探す |
Webの出現前であればユーザー同士コミュニケーションを取ることなど稀ですから、広告として基本的には製品の特徴や良い点、購入後イメージをひたすら摺り込む、というやり方が効果的でした。でも、今は違います。そんなことをしてもWebを介してバレてしまうからです。
新しい時代の広告は消費者同士のコミュニケーションを前提として組み立てられます。むしろ意図的に消費者同士のコミュニケーションポイントを作ることもあります。
そこでの企画思想は従来とは全く異なります。お茶の間を意識した従来型の広告の発想は「この商品のターゲット層は20代男性で・・・」という議論から始まります。企業側が「売りたい層」を鮮明にしようとします。
新しい時代の広告の企画は消費者同士のコミュニケーションを前提にしていますので、そのコミュニケーションが円滑に運ぶよう「この商品を探している人は・・・」「買って喜ぶ人は・・・」という議論からスタートします。そしていかにさり気なくそういった層に接触するかを検討するのです。(消費者は用心深くなってしまったので)
テレビCMは崩壊していない
ちょっと話は横道にそれますが、少し前にWebとHDDレコーダーの出現によって「テレビCMは崩壊する」という論調が流行りましたね。
ここまでのお話ですと「Webでなんでもできる!」「マスメディアは死んだ!」という主張に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。消費者も広告も変わっていますよ、とお伝えしたいだけです。
私自身はむしろ今後WebとTVの融合が加速することによってTVの持つリアルタイム性が再認識され、CMは復権すると考えています。(サッカー日本代表放送の横にTwitterを付けてくれれば録画じゃなくてライブで見たい、という人はきっと増えますよね!)
SEOはどうする
ようやくSEOの話です。前回お伝えした通りSEOは広告です。しかもWebのユーザーばかりを集める広告手法です。従来型広告モデルの発想で企画すると絶対にうまくいきません。
少し極端な例ですが例えば通販サイト。大衆向け商品では必ずといっていいほど「●●● 激安」とか「●●● 格安」というキーワードが一定以上の検索需要をもっています。
キーワードアドバイスツール基準で考えますとこういったワードでの対策をまっさきに御提案しがちですが、これは完全に従来型「マス」の発想です。そのサイトで取り扱っている商品がネット最安値でない限り仮に上位表示してもまずコンバージョンしません。
変化した消費者はWeb上で価格を徹底的に比べるからですね。
欲しくて欲しくてたまらないユーザーに検索エンジンから情報を届ける
変化した消費者に対応するためには、SEOに入る前に前回お伝えした4Pのフレームワークを使います。Product(製品)、Price(価格)、Place(チャネル)、Promotion(プロモーション)のどこに特徴があるのか、改めて整理しましょう。
その後、その商品が欲しくて欲しくてたまらないユーザーを想像します。
そして、検索エンジンから彼らに確実に情報を届けられるよう、企画を設計します。
例えば私はスノーボードが大好きで、今季もボードを購入したのですが、ネットでの通販はほとんど楽天やYahooショッピングしか無いのが不満でした。
神田のスキーショップに出かけるとそういった大手のモールには無い掘り出し物が置いてあることが少なくなく、もしそういったショップがサイトを持って検索結果に出現すればかなりの注目度(おそらく私のような人間にあっという間に購入される)であろうと思います。
いかがでしたでしょうか。次回は連載最終回です。
2011年11月18日
この記事をご覧になった@yukimeru0305さんのコメントです。
ニッチな商材を扱う場合は、欲しくて堪らない人にキッチリリーチする!その人を意識したサイトを構築するのが大切かも知れませんね。
今回の記事で長々とお伝えしていたことがたった2行で要約されています。
SEOに携わる方としては、キーワードだけでなく「欲しくて堪らない人」にとって必要な情報がきちんと伝わるか?という観点からページの追加や構成要素を提案できるといいですね。
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2014年12月までディーエムソリューションズ株式会社SEO対策チームに所属。「SEOは実装」を信条に、コミュニケーションを重視するスタイルで数多くのサイトのコンサルティングを手がける。内部施策に関して造詣が深く、「SEOまとめ」というtwitterアカウントを通じて日々情報発信を続けている。
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