Webマーケティングの効果測定において、ただサイトへの流入を増やすだけではビジネスに貢献できたとは言えないため、最終的な目標(コンバージョン)に繋がる流入を刈り取る意識が大切です。
運営しているサイトの流入数に対するコンバージョンはどのようであるか……。状態を把握するために必要な設定が「コンバージョンタグの設置」です。記事では、Webサイト運営で欠かせないコンバージョンタグの設置方法について、大きく二通りの方法を解説します。
目次
コンバージョンタグの設置方法を解説する前に、そもそもコンバージョンとは何か?についてお伝えします。コンバージョン(CV:Conversion)とは、直訳では「変換/転換/転化」といった意味をもち、Webマーケティングの分野では「目標または目標となるアクションが達成されたこと」を意味します。特にWebサイトでは、サイト運営における主要な目標を指します。
コンバージョンは目標に設定する値も対象によってそれぞれですが、どのような状態の場合にカウントするかもいくつか種類があります。以下はWeb広告の分野で用いられるカウントパターンですが、広告に限らず応用してもよい考えですので共有します。
ユニークコンバージョン | 広告の1クリックに対し何度コンバージョンが発生しても1件として計測するパターン |
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総合コンバージョン | 広告の1クリックに対しコンバージョンが発生した件数分、計測するパターン |
クリックスルーコンバージョン | 広告をクリックしWebサイトに遷移したユーザーがそのままコンバージョンした件数を計測するパターン |
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ビュースルーコンバージョン | 広告を閲覧したがそのままWebサイトに遷移せず離脱し、後に自然検索やSNSなどで再びWebサイトに流入しコンバージョンした件数を計測するパターン |
さて、コンバージョンの概要をご理解いただいたところで、次にコンバージョンタグについて解説をします。コンバージョンタグとは、Web広告の運用で使われる用語で「配信した広告がどれくらいCV(コンバージョン)に繋がったかを測定するタグ」を意味します。
コンバージョンタグは目標完了となるページに埋め込むことで、Web広告経由でサイトに流入したユーザーがタグを埋め込まれたページに到達したことを認識しカウント(集計)します。このような流れで、Webサイトのコンバージョン数を把握することができるのです。
コンバージョンタグは細かく分類すると「グローバルサイトタグ」と「イベントスニペット」の2つの要素で計測されます。
まず前者のグローバルサイトタグは、コンバージョンまでのユーザー属性やアクションをトラッキング(追跡)するために必要なタグです。具体的には、「サイトに来訪したユーザー情報」と「来訪時にクリックした広告情報」を計測するべき該当のページ全てに埋め込むことで、ログが保存されていきます。
基本的にこうした情報を引き継ぐために、サイト全ページに設置することが多いです。
次に後者のイベントスニペットは、コンバージョンが達成した段階で計測する時に使います。具体的には、コンバージョンとしてよく設定される「商品購入後のサンキューページ」や「会員登録後のページ」にイベントスニペットを埋め込むことで、コンバージョンを計測します。
先ほど説明したグローバルサイトタグとデータが連携されることで、どんな属性・どんな広告経由のユーザーが、コンバージョンしたかが、Google広告アカウントに蓄積されていくのです。
ではここからは、実際にコンバージョンタグを設置する方法について解説していきたいと思います。ご紹介するのは、「Googleタグマネージャーで取得・設置する方法」と「直接コンバージョンタグを取得・設置する方法」の2つです。
Googleタグマネージャー(GTM)を利用する場合は、まず公式サイトを開きページ右上の「無料で利用する」をクリックします。その後、Googleアカウントにログインする必要があるので、Google広告アカウントを登録しているGoogleアカウントでログインします。
Googleタグマネージャーの利用が初めての場合は、以下画像の「アカウント設定」「コンテナの設定」等アカウント作成手続きを行ないます。
アカウントを無事作成すると「利用規約」が表示されるので、内容をざっと確認し「はい」をクリックします。
すると、Googleタグマネージャーが表示されるので、指示に従い、計測を行うWebサイトの<head>タグ内と<body>タグ内に指定のコードを貼り付けます。
貼り付け作業が終了したら、次はGoogle広告アカウントにログイン。画面右上にある「ツールと設定」より、「コンバージョン」をクリックします。
次にコンバージョンアクションの新規追加を行うために、左上の「+」(追加)ボタンをクリックします。
次にトラッキングするコンバージョンの種類を「ウェブサイト」「アプリ」「電話件数」「インポート」から選択します(記事の文脈に沿えば「ウェブサイト」を選択)。
次にコンバージョン アクションを作成するページが表示されるので、「カテゴリ」「コンバージョン名」「値」「カウント方法」等を選択し、「作成して続行」をクリックします。
次にタグの設定方法の選択画面で「Googleタグ マネージャーを使用する」をクリックします。
これでコンバージョン アクションの作成が完了となりますので、画面に表示される「コンバージョン ID」と「コンバージョン ラベル」をコピーし別のメモ帳などに貼り付けておきます。そして、画面左下の「次へ」をクリックします。
Google広告の作業はこれで終了です。最後に「完了」をクリックし、再びGoogleタグマネージャーへ戻ります。
GoogleタグマネージャーのTop画面の真ん中あたりにある「新しいタグを追加」をクリックします。
あとで識別しやすいタグ名を入力し、「タグの設定マーク」をクリックします。
次にタグタイプを選択する画面が表示されますので、「Google広告のコンバージョン トラッキング」を選択します。
次に先ほどメモ帳に保存した「コンバージョン ID」と「コンバージョン ラベル」を以下の箇所に入力します。この入力によって、Google広告のアカウントとGoogleタグマネージャーが紐づくのです。
次に画面下に表示される「トリガーマーク」をクリックし、トリガーを追加します。
トリガーとは「何をコンバージョンとして計測するか」を設定する作業です。例えばサンキューページの表示をコンバージョンとする際は、以下画像のように「ページビュー」を選択します。
次にトリガーとなるページのURLを設定し、「保存」をクリックします。これで全ての作業が終了です。こうして、設定したトリガーがカウントされる度、Google広告アカウントに集計され数値を確認できるようになります。
続いて、Googleタグマネージャーを使わず、直接コンバージョンタグを取得・設置する方法について解説していきます。こちらは大きく分けて「Google広告アカウントでコンバージョンタグを取得する」「該当サイトにコンバージョンタグを設置する」という工程を辿ります。
でははじめに、Google広告アカウントへログインし、画面右上の「ツールと設定」より「コンバージョン」をクリックします。
次もGoogleタグマネージャーを使った時と同様、コンバージョン アクションの「+」(新規追加)をクリックし、新規のコンバージョン アクションの作成を行ないます。
次にトラッキングするコンバージョンの種類を選択します。
次にコンバージョン アクションの作成を行なうための「カテゴリ」「コンバージョン名」「値」「カウント方法」等を選択して「作成して続行」をクリックします。
次にウェブサイトに追加するタグを設定する画面で、「タグを自分で追加する」を選択します。
次に表示されるページでダウンロードできる「グローバルサイトタグ」と「イベント スニペット」をダウンロードし「次へ」をクリックします。
最後に「完了」をクリックしGoogle広告アカウントで行なう作業は終了です。このあとに、先ほどダウンロードしたグローバルサイトタグを「広告に関連するWebサイトの全ページの<head>内」に、イベントスニペットを「コンバージョンページの<head>内(グローバルサイトタグの下)」に貼り付けて完了です。
Webサイトの解析作業で欠かせないのがGoogleアナリティクスですが、このGoogleアナリティクスでもコンバージョンの計測設定が行なえます。以下に指定ページの到達をコンバージョンと見なす設定について、手順に沿ってお伝えします。
まず、Googleアナリティクスの管理画面を開き、「ビュー」配下の「目標」をクリックします。
次に「+目標の追加」を選択した後に、カスタムをクリックし「続行」へ進みます。
次にダッシュボードの表示名として認識しやすい「名前」を入力し、「タイプ」で「到達ページ」を選択。「続行」へ進みます。
最後にコンバージョンの達成をカウントするページのURLを「到達ページ」に入力します。入力はURL全体を入力するのではなく、該当ページのディレクトリを入力します。
例:「https://digital-marketing.jp/inquiry-list/contact/thanks」の場合、「/thanks」のみ
「到達ページ」以外にもGoogleアナリティクスではコンバージョン設定が可能です。例えば、目標到達のプロセスごとに計測することもできます。先ほどの設定手順を辿り、最後の「目標の詳細」より、「目標到達プロセス」をオンにします。
次に目標までのプロセスとなるページの名称を任意で入力し、先ほどと同じく最後のディレクトリ配下のURLを右の「スクリーン/ページ」に入力します。
これで「保存」を行なうことで、コンバージョン達成までのプロセスも分類し解析ができるようになります。
なお、コンバージョン設定を行う際は、正しくユーザーのみの数値を集計するために、自分や会社の社員がサイトにアクセスした数値は除外するよう設定しましょう。除外を行うには、IP除外設定が必要です。
サイト上で商品を販売するECサイトでは、ユーザーの購入行動を集計できれば便利です。そんな時、おすすめなのがGoogleアナリティクスのeコマース設定。eコマース設定を行なうことで、ECサイト内の「収益」「購入数」「価格」「税金」「配送料」を解析できます。
eコマース設定で必要な作業は、以下ステップです。まず、Googleアナリティクスの管理画面を開き、「ビュー」の「eコマースの設定」へ進みます。そして、「eコマースを有効にします」のステータスを全て「オン」にして保存へ進みます。
次にeコマースデータを収集し、Googleアナリティクスに送信するコードをサイトに追加する工程に進みます。ここでは、HTMLの編集やJavaScriptの知識が必要であり、かつ「Googleタグ マネージャーを使用するケースとそうでないケース」や「ウェブの場合とアプリの場合」で異なるなど、いくつかの方法が存在します。
詳しくは「eコマース トラッキングの設定」をご覧いただければと思いますが、ここでは「ウェブの場合」について解説します。
はじめにトラッキングコードの設定が済んでいない場合は、「Googleアナリティクスのグローバルサイトタグを設定する」の基本手順をもとに手続きを進めます。
次にECサイトからeコマースデータを収集するにあたって、Googleアナリティクスにトランザクションを送信するJavaScriptのコードをECサイトに追加します。詳しくは「gtag.jsを使用するeコマース」をご覧ください。
なお、ECサイトの本サイトと決済ページが別のドメインになるなど、複数ドメインにまたがる場合は、クロスドメイントラッキングを設定する必要があります。詳しくは「ドメイン全体のアクティビティを測定する」をご覧ください。
最後にここまで説明してきたコンバージョンタグを設置していないとどんなデメリットがあるかを解説したいと思います。もう……これは言うまでもなく、「サイトの現状把握・分析の精度が下がってしまうため」です。
Webサイトの運営はどんな場合でも最終目標となるコンバージョンが定義されています。そして、サイト運営に関するあらゆる施策は、全てコンバージョンからの逆引きであるべき。
コンバージョンを最終目標として施策を設計するのであれば、具体的にどこがボトルネックとなっているのかコンバージョンまでのユーザーの遷移や離脱具合を定量的に把握し、PDCAを回す必要があります。
ただし、Webサイトをリリースした初期段階から、あれもこれもコンバージョンに関する設定をする必要はないかと考えています。PDCAを回し、データを蓄積し改善を行ううえで”必要なデータが明確になったら”、そこでコンバージョンの設定を行なっていくのがよいでしょう。
記事では、コンバージョンタグの仕組みや設置方法について解説してきました。先ほども述べましたが、Webサイト運営においてコンバージョン設定は適宜必要な作業です。常にコンバージョンから逆引きして考えるクセをつけて、PDCAを回し続けていきましょう。
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