新しく企業のサイトを作ることになったけど、何からどうやって進めれば良いかわからない。どういうサイトを作ればお問い合わせを増やせるだろうか・・・。と悩んでいるご担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、企業のサイトを作る際に知っておきたい基礎知識から、成果に繋がるサイトを作るための設計・方法についてご紹介します。
本記事での「企業のサイト」とはコーポレートサイトに限らず、企業が運営するブランドサイトやECサイト、サービスサイト、オウンドメディアサイトなど、ビジネスツールとしてのサイトを広く指しています。
これからサイトを作る方、成果が出なかったので1から作り直したい方など、ぜひ幅広いサイト作りにお役立てください。
目次
情報化社会となった現代では、企業にとってサイトは持っていて当然の重要なビジネスツールとなっています。
このような状況下で、とにかくサイトを作れば良いのだと表面的に捉えてしまう企業もあります。残念ながらその時点で企業のサイト作りは失敗です。なぜならサイトを作ることが目的となり、多くの場合はユーザーのことを無視した一方的に情報を発信するサイトができあがるからです。
企業は作ったことに満足してサイトを放置。ユーザーはそんなサイトに惹かれることもなく、結局はお問い合わせや申し込みが増えず、ただそこにあるだけの価値のないサイトになってしまう。これがよくある失敗パターンです。
サイト作りで失敗しないためには設計のプロセスが必須です。日々の業務に追われるご担当者には、時間がない・・・面倒・・・と思われてしまうかもしれませんが、設計なくして成功はありません。せっかく時間と費用と労力をかけて作るサイトですので、ぜひ成果に繋がるサイトにしてください。
サイトの作り方としては、自社で作る方法と制作会社に依頼する方法の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットとどのような方におすすめかをまとめます。
自社で作るか制作会社に依頼するか迷われている方は、以下の記事も併せてご覧ください。
費用面では魅力的ですが、機能が限られたり、セキュリティ面が弱かったりデメリットもあるためテーマやテンプレートは慎重に選定する必要があります。
安価な制作会社を選ぶとクオリティが低く結局すぐに作り直しになる可能性もあるため、価格だけを選定基準にしない方が良いでしょう。
自社で作る場合も、制作会社に依頼する場合も、どちらにしてもサーバー費用とドメイン費用がかかります。
レンタルサーバーとドメインについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
ここから本題のサイトの作り方についてご紹介していきます。
まず、サイトを作るためのおおまかな流れの例です。
上記の流れは、企業サイトを自社で作るか、制作会社に依頼するかで該当の項目が変わってきます。
本記事では上記のうち「設計」に関わる重要な項目として、2.サイトの目的とターゲットの洗い出し〜5.デザイン設計までと、8.公開後の運用について解説しています。
現状のビジネス上の課題を整理して、その課題を解決するための方法を突き詰めるとサイトの目的が定まります。そしてターゲットをどんな年代や性別やシーンにいる人に設定すれば良いかが見えてきます。
例えば以下のように課題を整理し、課題を解決するための方法を絞り、サイトの目的とターゲットを考えていきます。
サイトの目的が商品・サービスのブランディングなのか?お問い合わせなのか?ターゲットは男性か女性か?若者かシニア層か?
目的とターゲット次第でサイトの方向性や掲載するコンテンツ、デザインテイストなどユーザーへのアピールの切り口が変わってきます。
このように、その後のサイト作りにおけるさまざまな決定を左右するのです。
さらに、ターゲットユーザーに「何をさせたいのか」によってもアプローチの仕方が変わってきます。
例えば、同じ「お問い合わせ」でも、個人情報をあまり入力しないお問い合わせはハードルが低いですが、資料ダウンロードなど個人情報の取得を目的としているものはユーザーの心理的ハードルが上がります。
さらに申し込みをさせたいのであれば、ハードルが非常に高くなるため、場合によっては無料お試しを用意するなどサービス自体で工夫する必要も出てきます。
そのため、誰に何をさせて、何を達成したいのか、できるだけ具体的に目的とターゲットを設定する必要があるのです。
サイトの目的とターゲットまではしっかりと設定していても、コンセプト設計のプロセスは見落とされがちです。ユーザーの心をつかんで成果に繋がるサイトにするためには、コンセプトまでしっかり踏み込んで設計しておくことがとても重要です。
サイトコンセプトは、目的を達成するためにどのような方向性や切り口でサイトを作るかを固めたもので、サイトの軸となります。
目的やターゲットの考え方と重なる部分もありイメージがしづらいかもしれませんが、サイトコンセプトはサイトを通してユーザーに何を感じて欲しいか、誰に何を伝えたいのかなど、企業からユーザーへのメッセージと捉えると考えやすいです。
サイトコンセプトがしっかり設計されていると、ユーザーに企業の一貫したメッセージが伝わりファンになってもらえるなど、ブランディングに繋がります。
サイトコンセプトが設計されていないと以下のようなサイトができあがります。
例えば、客単価を上げたいと考えているレストランのサイトで、価格やアットホームさを押し出してもサイトの目的は達成できないでしょう。この場合、目的から一歩踏み込んで「特別な日に使いたくなるようなお店の質の高さを感じてもらいたい」というサイトコンセプトを設計すると、お店の高級感ある雰囲気を伝える写真を全面に出したり、料理へのこだわりや充実したサービスを紹介するページを作ったり、アピールの方向性が変わってきます。
このように、目的だけではユーザーの心とは全く違った方向にアピールしてしまう可能性があります。サイトコンセプトまで設計しておくことで方向性が定まり、複数の担当者がいても統一された認識で、ユーザーの心をつかむサイト作りを進めることができます。
サイトコンセプトをどのように設計したら良いのか、オンライン決済サービスの申し込みサイトを例に考えてみます。
目的:オンライン決済サービスの申し込みを増やす
→方法1:オンライン決済サービスを使ったことがない顧客を増やす
→方法2:すでにオンライン決済サービスを使っている顧客の乗り換えを増やす
ここでは方法1に絞ってみます。
オンライン決済サービスを使ったことがない人の利用シーンや心理
→書道教室を運営しているがコロナウィルスの影響で授業ができず売上が激減。
→初めてオンライン授業を行おうと思っているが集金方法をどうしたら良いかわからない。
→Webのことに詳しくないし難しそう。何がわからないかがわからないレベル。
→生徒さんに負担がかかってやめてしまったらどうしよう。
「オンライン決済の初心者にこのサービスであれば簡単そうで自分でも始められそうと思ってほしい」
これがコンセプトになります。
「はじめてさんも安心。オンライン決済始めるなら○○」
3のサイトコンセプトがあれば十分です。
さらにキャッチコピー化すると端的でわかりやすく、企業内で共通の認識として掲げやすくなります。そのままサイトのメインコピーとして使うこともできるので、できればサイトコンセプト設計の段階でキャッチコピー化まで考えておくのがおすすめです。
サイトコンセプトを基にコンテンツやデザインのアイデアを出していきます。例えば以下のようなアイデアです。
コンセプトから提案してくれる制作会社もありますが、企画料が別でかかったり、イメージしていたものと全く違うものが出てきたりする可能性もあります。
自分の会社の、軸となる重要なコンセプトです。まずは自社で理念や強みと向き合い、
何をお客様に伝えたいのかコンセプトを設計し、それを基に制作会社に依頼した方が真に想いが乗ったサイトが作れるでしょう。
そのうえで制作会社からアドバイスや別視点で提案をしてもらい、比較検討するのも1つの手です。
サイトコンセプトが固まったら、いよいよサイトを具体的な形にしていくフェーズに入ります。
サイト設計は、サイトの構造(階層)を考えることです。どのようなページを作って、どのような構造で並べて、どのようにページとページをリンクして、どのようにお問い合わせに繋げるかを考えながら、サイトマップなどの目に見える形に落とし込んでいくことです。
このようにサイト設計を行うことで以下が期待できます。
手あたり次第必要そうなページを作成していくと後々以下のような問題が発生します。
後からサイト構造を整理しようと思っても難しく、サイト自体を作り直さなければいけなくなる場合もあります。そのため、最初にサイト構造を考え、さらに後からページを追加したとしても問題がない構造にしておくなど、しっかり設計しておくことが重要なのです。
サイト設計のやり方は様々かと思いますが、参考におおまかな流れを記します。
サイト設計に関連する情報を以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
サイトを作るうえで最低限必要なページを用意すればサイトとしては成り立ちます。時間がない場合やサイトの役割が名刺代わり程度の軽いものであれば、まずは最低限必要なページから公開しても良いでしょう。
しかしながら、ユーザーに企業の魅力を伝え、お問い合わせなどの成果に繋げるためにはコンテンツを充実させる必要があります。その他の効果的なページもご紹介しますので、原稿を用意できるページはぜひ取り入れてサイトのコンテンツを充実させてください。
サイトの構造的に1番上の階層にあたり、ユーザーが最初に目にすることが多いページです。サイトの印象を左右するため、見やすさやわかりやすさ、デザイン性にこだわってユーザーに下層も見たいと思わせることが必要です。
構成例:グローバルナビゲーション+メインビジュアル+企業の強み・特徴+サイトの概要や下層への導線+フッターナビゲーション
会社の基本情報や沿革、代表挨拶、交通アクセスなどを掲載したページです。
信用できる会社か確認するために閲覧されることも多く重要度の高いページです。
何をやっている会社なのか詳しく紹介するページです。特にコーポレートサイトやサービスサイトではメインのコンテンツとなる場合が多く、注力して作るべきページです。
ユーザーがいつでもお問い合わせや申し込みができるようフォームを設置したり、電話番号を載せたりするページです。成果にダイレクトに繋がるページのため重要な役割を担っています。
ユーザーが離脱することのないようにフォームが入力しづらくないか注意したり、余計なリンクを排除したり、お問い合わせを迷っているユーザーの背中を押すためのコピーやメリットを入れたり、配慮が必要なページです。
個人情報の取扱いは企業の信用度に関わります。特にお問い合わせフォームなどで個人情報を取得する場合は必ず明示しましょう。ユーザーに安心感を与えることができ、企業自身をトラブルから守ることにも繋がります。
なお、制作会社に依頼するとディレクション費用にサイト設計が含まれている場合もありますが、ページ数で費用が変わる場合も多いかと思います。
「この情報は載せたい」「サイトコンセプト的にこのコンテンツがあった方が良いのでは」など要望がある際は、限られたページに入れるために事前に制作会社に伝えておくとスムーズです。
サイト設計ができたら各ページのワイヤーフレームを制作し、サイトコンセプトを軸にデザインへと進めていきます。
ワイヤーフレームについては以下の記事でご紹介しています。
テンプレートを利用する場合はレイアウトが限られているため、ユーザー目線の最適なレイアウトにすることは難しいかもしれません。しかしながら、限られたテンプレートの中でも、ユーザーにわかりやすいページにする工夫はできます。
以下を意識し、ユーザー目線に努めましょう。
また、デザインはロゴや配色、写真の選定、全体の統一感で大きく印象が変わります。
レイアウトは限られていても、細部までこだわることで、コンセプトを軸に統一感のあるデザインを目指せます。
テンプレートへの入力や設定が終われば表示確認をしてすぐに公開できます。
ワイヤーフレームや原稿を提供することが前提となる場合は、自社で作る必要があります。実際のレイアウトはデザイン時に制作会社が最適な形に仕上げてくれるため、入れるべき内容と優先度(どこを目立たせたいのか)がわかるようなワイヤーフレームになっていれば良いでしょう。
ワイヤーフレームや原稿作成の際に参考にしたサイトがある場合は、それも制作会社に共有すると、よりイメージに近いデザインがあがってくるはずです。
デザインについては、色の指定や要望があれば伝え、ロゴや写真・イラストなどの素材を制作会社に渡します。なお、ロゴやイラストは可能であればJPEGやPNGなどの1枚画像ではなく、Illustrator形式など編集できるデータ形式で渡せるとベストです。
実際に制作会社に依頼してみると、制作会社によってやり方はさまざまです。
上記とは異なる進め方をする場合もありますので参考程度にしてください。
デザインが決定した後は構築やシステム開発を経てから公開です。
自社で作る場合も、制作会社に依頼する場合も、どちらにしても「コンセプトに沿った、統一感のあるデザインになっているか」が重要です。
趣味や好みのテイストを反映させるのではなく、サイトの目的・ターゲットを満たしたデザインか、コンセプトが伝わるデザインかを第一に決定していきます。
よくある失敗は、見た目の良さを追い求めた結果、何のサイトかわからない、どこからお問い合わせできるかわからない、文字が小さくて読めない、見づらい、使いづらい、といった目的を達成できないサイトができあがるパターンです。
ただし、例えば目的がブランディングでユーザーに商品を印象付けることであれば、サイトが使いづらいとしても成功と言える場合もあります。
目的やコンセプトを軸に、ぶれないデザインを常に意識することが必要なのです。
サイトは公開して終わりではありません。今や解析ツールやサービスが溢れ、サイトは公開してからのブラッシュアップが当たり前の時代となっています。
更新保守と分析・改善を重ねることで、魅力が伝わり成果に繋がるサイトへと成長させましょう。
サイト公開後は、最新情報の発信、不具合のない最適な状態の維持、セキュリティ面のアップデートなど、更新保守が必要です。
更新のないサイトはユーザーからの信用や興味が下がり、検索エンジンからの評価が下がることにも繋がりかねません。
まずは公開したページが検索結果に表示されているかの確認が必要です。検索結果に表示されていないとユーザーがサイトを訪れることもないからです。
検索結果に表示されて初めてサイトの分析・改善ができるようになります。
Googleアナリティクスなどツールを利用して現状を分析し、改善を重ねることでユーザーや検索エンジンにとって最適なサイトに育てます。
改善案を基に足りないページやコンテンツを追加し、サイトを充実させていくことが必要です。ツールによる分析以外にも、頻繁に質問される項目をまとめたよくあるご質問ページを追加したり、実績が増えたら事例ページを追加したり、日々サイトを気にかけていたらどのようなコンテンツを拡充したら良いのか自然と見えてくるはずです。
公開後はユーザーからのお問い合わせ対応や各種更新などが必要です。うっかり忘れてしまうとユーザーからの信用やサイト自体を失う可能性があります。
公開後に編集や新しいコンテンツの追加を重ねていくうちに、サイトの統一感がなくなりサイトコンセプトが崩壊してしまっているサイトをたまに見かけます。コンテンツの追加のタイミングや定期的なタイミングでサイトコンセプトがぶれていないか確認することが必要です。
サイトコンセプトやサイト設計、公開後の運用まですべて自社で行うのは専門知識がなく不安に感じるご担当者もいらっしゃるかと思います。
制作会社に依頼するとプロの目線、第三者の目線が入り、自社では気づけていなかった魅力までアピールできるサイトを2人3脚で作っていくことができます。
すぐに作り直しては労力も予算も無駄遣いになってしまいます。結果的には最初から制作会社と協力してサイトを作り上げていった方が集客力のあるサイトになり、費用対効果が良い場合もあります。
まずは一度、制作会社に相談してみると良いかもしれません。
当社は様々なサイト制作を構築支援してきたWebマーケティング会社です。SEO歴16年以上の経験からSEOに強いサイトを構築支援いたします。サイトコンセプト設計から構築まで当社の「オウンドメディア制作」サービスをご検討ください。
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