コンテンツを作成する際に、SEOの観点から注意したいのが「表記ゆれ」です。特に、記事執筆を外注していたり、社内でも複数の人がコンテンツ作成を担当していたりするケースでは、いかに表記ゆれを防ぐかが重要な課題です。
そこでこの記事では、表記ゆれの基本的な考え方や、SEO対策の一環にもなる表記ゆれ対策のポイントについて詳しく紹介します。地味な作業ですが、コツコツ積み上げていくことで検索上位に表示されやすくなったり、ユーザーにとって読みやすいコンテンツになったりとメリットがたくさん得られます。これまで意識したことがなかった人も、これを機に挑戦してみてください。
目次
表記ゆれとは、「同じ言葉でも、違う言い回しをしてしまうもの」「正しい表記と間違った表記が混ざってしまうこと」を指します。例えば、下記のように様々なパターンが存在します。(表記ゆれの代表例について、詳しくは後述します。)
机 | デスク |
見積書 | 見積もり書 |
猫 | ネコ |
午前7時 | 午前七時 |
~だ | ~です |
表記ゆれがあると、ユーザーからは分かりにくい文章と判断される可能性もあります。ユーザーの満足度を低下させてしまっては、せっかく良い内容であってもコンバージョンまでつながらないかもしれません。特に複数人がコンテンツ作成に携わっている場合は、人によって言葉の選び方も変わるため、表記ゆれが大きくなっている可能性が考えられます。
また、SEOの観点からもデメリットがあります。キーワードによっては、検索順位に違いが出てくるからです。メインのキーワードや重要なキーワードについては、1つのワードに固執せずに、幅広い表記を取り入れることで露出を増やせるかもしれません。少しでも検索上位に表示するためには、表記ゆれも含めて洗い出し、検索対策を行うことが必要な場合もあります。
表記ゆれを対策するためには、まずどのような表記ゆれがあって、どのように統一していくかを意識し、決めていくことから始まります。表記ゆれの代表例や防ぐためのポイントを順にご説明しますので、ぜひコンテンツ作成に関わる人全てで表記ゆれを減らせるように取り組んでいきましょう。
まず、代表的な表記ゆれについて具体例を挙げながら説明していきます。
漢字にするか、カナ表記するかどうかでばらつきが出ます。日常生活であまり使わない漢字表記にしてしまうと、読者を混乱させる原因になりかねません。
「ねこ」「猫」「ネコ」、「ください」「下さい」、「ほとんど」「殆ど」など。
送り仮名の有無でばらつきが出ます。動詞的に使う部分、名刺的に使う部分での使い分けも考えられますが、適切に設定していないと読みにくくなってしまいます。
「見積もり」「見積り」「見積」など。
「サーバー」「サーバ」など語尾を伸ばすかどうかの違いや、「コミュニケーション」「コミニュケーション」などの書き間違いが想定されます。また、英語をカタカナ表記する場合は、音の違いによって表記がゆれることもあります。
「サーバー」「サーバ」、「コミュニケーション」「コミニュケーション」など。
固有名詞でもロゴ通りに記載するか音を記載するかというブレが生じます。
「Google」と「グーグル」、「Yahoo」と「ヤフー」など。
「1年」「1年」「一年」など、数字を半角、全角、漢数字どれで表記するかは、予めルールを決めておかなければばらばらになりがちです。内容は伝わりますが、全体としてまとまりのない文章となり、読みにくさも与えてしまいます。
「1年」「1年」「一年」など。
日本語としても使われている英単語を用いる際は、カタカナ、アルファベットのどちらで表記するかが分かれます。アルファベットにおいても、大文字・小文字の違いが想定されます。
「ウェブ」「WEB」「web」、「ダイレクトメール」「DM」など。
文体によって語尾が変わります。同じコンテンツの中で違う語尾が混ざっていると違和感が生じてしまうので、予め統一しておきたい部分です。
「~だ・である」「~です・ます」など。
省略する言い回しがある場合は、正式な表記をするか、短縮表記で記載するかという違いがあります。
「スマートフォン」「スマホ」、「インターネット」「ネット」など。
なぜ表記ゆれに注意すべきなのでしょうか。ユーザーへのデメリット、検索エンジンへのデメリット、双方から考えてみます。
コンテンツは読み手のためのものです。特にインターネット媒体においては、日々たくさんの情報が更新されているので、受け手も情報過多になりがちです。短時間でコンテンツを読んでいく必要があるので、少しでも読みづらいと感じたらその時点で離脱されてしまう可能性もあります。
表記ゆれのある文章は、読み手にストレスを与えます。文章が分かりにくく、読みにくいと感じてしまうからです。意図して表記を分けているのか予測して読まなくてはなりませんから、同じ文章でも読了までにより多くの時間を要してしまいます。
せっかく良い内容を書いていても、表記の問題で読まれないというのは非常にもったいない状態です。
キーワードによっては、検索順位に影響が出る場合もあります。例えば、「引越」「引っ越し」「引越し」というワードでそれぞれ検索すると、検索結果の順位が入れ替わります。今は検索エンジンも高度になっているので、あまり表記ゆれに敏感になる必要はないという人もいますが、現に検索順位に違いが発生しています。
すべての単語の表記ゆれが問題になるわけではありません。ただ、Webサイトにとって重要なキーワードについては、あらかじめ検索エンジンでの見え方を確認し、どの表記を採用するのかを決める手順を設けるほうがいいでしょう。基本的には、一番検索数が多い表記を選ぶことで、検索結果に表示される可能性をより高めることができます。
検索エンジンを意識して表記ゆれを統一するためのポイントについて、詳しくは後述します。
表記ゆれに対策する方法として、「ユーザーを意識して対応する」ためのポイントを3つご紹介します。
まずは、読み手の気持ちになって、表記を統一する意識付けを行いましょう。サイトコンテンツは、書き手のためのものではなく、読み手のためのものです。対象となる読者層によっても、使うべき表現は違ってきます。例えば、漢字にするか、ひらがなにするかという判断基準や、語尾・文体など。ビジネスマン向けであれば固い表現が好まれるかもしれませんし、女性向けであれば柔らかい文章のほうが雰囲気を出せます。
Webサイト全体のイメージにも影響を及ぼす部分ですから、コンテンツ作成前に方向性を決めておくと良いでしょう。
表記ゆれを防ぐためには、公開前にセルフチェックすることを習慣づけることが大切です。文章を書いた本人のチェックでは気づかない点もあるので、第三者が確認する工程を加えると良いかもしれません。
ツールを使うとチェック作業の時間は短縮できますが、ツールによって検出精度も異なるため、完全というわけではありません。最終的には、目視のチェックを行うようにすると、より質の高いコンテンツが作成できるでしょう。パソコン画面で確認するだけでなく、印刷したものを読みながら赤を入れる形でチェックすると、間違いを見つけやすいです。
表記ゆれの箇所を見つけても、どちらに統一するかの指針が決まっていなければ、同じ間違いが何度も繰り返されてしまいます。それぞれのページ内で統一されていればいいというものではなく、Webサイト全体で共通した表記ルールを取り入れることで、サイト全体のクオリティも上がります。
よくある間違い部分だけでも構いませんので、独自の表記ルールを使い、執筆時とチェック時に参照するようにすれば、書き手も迷わずに文章作成を行うことができます。根付くまでが大変かもしれませんが、一度頭に入ってしまうと、チェックの手間も大きく削減できるはずです。
また、効率的に表記ゆれをチェックするためには、校正ツールを導入するのもおすすめです。無料で使える校正ツールとしては、以下のものがあります。
また、Microsoft Wordを使って文章を作成すると、表記ゆれ箇所を自動で指摘してくれます。校閲タブにある「スペルチェックと文章校正」を使うと、まとめて表記ゆれをチェックすることができます。※バージョンによります
目視と合わせてツールの活用もした方が良いでしょう。
検索エンジンを意識して表記ゆれに対策する手順をご紹介します。検索エンジンを意識するということは、そのキーワードでの上位表示を狙うということです。例えば、「ネコ」と「猫」、「引越」「引っ越し」のように、SEO対策をするキーワードについての考え方をご紹介します。「下さい」と「ください」のような、コンテンツの内容を左右しない表記ゆれについては、あまりこの観点にこだわらずにルールを決めても問題はありません。
また、どのようなワードで検索されても検索結果に露出できるように、あえて表記ゆれを盛り込んだ記事にするという手法もあります。
表記ゆれがあった場合、どちらを採用するかで悩むと思います。その時は、まずそれぞれの単語を実際に検索してみましょう。検索結果が違うことがわかるはずです。もし実際の検索順位にあまり違いが見られないのであれば、検索エンジンが同じキーワードとして扱っているとうことになるので、対応の優先度は下がります。
また、単独のキーワードでチェックしたときと、複合ワードで検索したときの順位が大きく変わる場合があります。例えば、「スマホ 格安」「スマートフォン 格安」など。想定している複合ワードがあれば、そちらでも確認してみるといいでしょう。
メインに使うレベルのキーワードであれば、検索ボリュームが多い方の表記を採用しましょう。また、検索結果の上位に表示されている記事を見てみて、どの表記が多いかをチェックし、参考にするという方法も考えられます。
表記ゆれが見つかった場合、すべてのチェックと修正にもある程度の時間がかかります。軽微な違いであれば、遡って修正することに時間を割くよりも、新たなコンテンツの作成に注力する方が結果としてよい成果につながるかもしれません。
基本的には、可能であれば早めに表記ゆれに対応することが望ましいです。ただ、すべての表記ゆれに対応するのは難しいというケースもありますから、アップ済みの記事については重要なキーワードだけ表記ゆれを修正するなど、優先度をつけて対応を検討するほうが良いでしょう。
これから作成する記事については、マニュアルを作成するなどして表記ゆれを防ぐ工夫が必要です。
方向性が決まったら、実際に表記ゆれをサイト内容に反映させていきます。ユーザーのクリック率にも影響するので、本文テキストだけでなく、titleタグやmeta descriptionも合わせて修正しましょう。
より多くの検索結果に露出するためには、複数の表記ゆれを並べて書くという方法もあります。ただ、キーワードを羅列するだけではテキストとして読みにくく、逆にユーザーからの評価を下げてしまう可能性もあります。複数の表記ゆれを取り入れつつ、文章としても自然に読めるように工夫してみましょう。
例えば、楽天スマホのWebサイトのタイトルとdescriptionを見ると、以下のようになっています。
機械的に表記ゆれに対応するのではなく、あくまでユーザー目線での読みやすさを重視して対応するようにしてください。
表記ゆれをなくすことで直接SEO評価に関わるわけではありませんが、表記ゆれをなくしてユーザーにとって読みやすい文章にすることはコンテンツの品質向上や離脱防止につながります。
キーワードによっては表記ゆれが原因で検索結果に影響することもあります。表記ゆれの用語の検索ボリュームをしっかり調査して、どのキーワードを採用するかを決めるのが良いでしょう。
「7時」「7時」や「seo」「SEO」のような場合も厳密に言えば表記ゆれとなります。細かい箇所ですが、予め表記ルールを決めておきましょう。
基本的にはページ単位ではなくサイト全体で表記を統一しますが、ターゲットユーザー目線で読みやすい表記を採用したり、検索エンジンを意識して表記ゆれを直さないという手法もあります。検索結果や検索ボリュームを確認してしっかり見極めましょう。
ユーザーに読みやすい文章を提供するためにも、表記ゆれにはしっかり対応していきましょう。また、表記ゆれを逆手に取ることで、より多くのキーワードでの露出も可能になるかもしれません。これまで表記ゆれを意識していなかった人は、これをきっかけにキーワードをチェックして、表記ゆれ対策を進めてみてください。
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