インターネットの普及により、今やWebを活用した集客戦略はビジネスには欠かせない重要な要素のひとつとなっています。そこで、Webを利用した集客方法を考え、そのための最適なコンテンツを作成し、成果に繋げていく「コンテンツマーケティング」が注目されているのですが、コンテンツを作成・運営していくだけでも多くの手間や知識が必要になってきます。
コンテンツを作成したり管理したりする苦労を少しでも減らすツールとしてよく活用されているのが、CMSです。
最も有名なCMSといえばWordPressですが、CMSは他にも多くの種類があります。作成するコンテンツの内容や規模によっては、WordPressよりも便利なCMSが存在します。今回はその代表例として、DrupalというCMSについて概要や特徴をご紹介していきます。
目次
CMSは「コンテンツマネジメントシステム」と呼ばれるもので、その名の通り、Webのコンテンツを管理するためのソフトウェアのことです。Webコンテンツを構成しているテキストや画像、リンクなどの要素を一元的に管理することができるので、構築・更新を簡単におこなうことが可能になります。
また、Webサイトを構築するのに必要なHTMLやCSSの知識がなくても、Web向けのページが作成できるとても便利なソフトウェアです。無償のものから有償のものまで、多くのCMSが提供されていますので、ブログを作成したいのであればブログ型のCMSを、ECサイトを作成したいのであればECサイトの作成に特化したCMSをといったように、Webコンテンツにあわせて最適なCMSを選択することができます。
さて、今回ご紹介するDrupalですが、WordPressと同じくフリーで誰でも商用利用が可能なオープンソースのソフトウェアです。2016 年 2 月 24 日時点で、「Drupal 6.38」「Drupal 7.43」「Drupal 8.0.4」という最新版がリリースされています。
PHPというプログラム言語で作成されており、Windows、MacOS、Linuxを始めとして、様々な環境で動作します。Drupalは日本ではまだまだ馴染みがありませんが、世界ではFirefoxやNASA、ホワイトハウスのホームページなどで採用されています。国内の導入事例としては、毎日新聞社の総合情報サイトである「毎日JP」や、ポニーキャニオンが運営するオーディション用サイトの「ぽにきゃん声たまオーディション」があります。
Drupalは「Drupalコア」というCMSの標準的な機能を持ったシステムを中心に構成されており、後から管理者が好きなように機能を追加できる「コア・モジュール」システムも兼ね備えている非常に多機能なCMSです。いつでも追加できる拡張モジュールが非常に豊富なため、サイトの規模がだんだん大きくなってきたときや、必要ないと思っていた機能が必要になってしまったときなども簡単に対応することが可能です。
また、多言語の翻訳機能が用意されているので、複数の言語でページを公開したいといったニーズにも応えることができます。他にも、それぞれの機能ごとに設定可能な優れたユーザー管理機能が用意されているので、会員制サイトの構築やECサイトの構築にも利用できます。サイトのデザインもテンプレート的なものでなく、自分で自由に細部までカスタマイズが可能なので、CMSを使っているとは思えないようなデザインのサイトも作成できます。
WordPressとDrupalの違いとして、下記のようなものがあります。
WordPressは基本的にブログを作成・運用するためのソフトウェアであるため、数万ページもあるような大規模なサイトのCMSとして利用するには不向きです。ブログや中小企業のホームページといった小規模なサイトを少ない工数で立ち上げたいときの利用がメインとなるのではないでしょうか。
対してDrupalは高い柔軟性・拡張性・デザイン性を備えているので、サイト構築の手間はWordPressに比べてだいぶ増えてしまうかもしれませんが、アメリカのNASAやホワイトハウスでも採用されているように、大規模なサイトにも対応することができます。
WordPressはブログの開設に適したCMSですが、他にも企業のコーポレートサイトや小規模ECサイト、コミュニティサイトの構築も可能です。Drupalの場合はWordPressと同じく、ブログ・コーポレートサイト・コミュニティサイトはもちろん、「Yahoo Japan」のようなポータルサイトと呼ばれるサイトの構築も可能です。
WordPressは画面で見たままの編集結果が得られる「WISYWIG」の機能があるので、HTMLの知識がなくても簡単に編集ができます。CMSで最も普及しているWordPressは、サイトデザインのテンプレートも豊富なので、導入はDrupalに比べると楽だといえます。
Drupalは多機能であるがゆえに、WordPressと比べると導入の難易度は少し高めです。ただ単に記事を書くというだけでしたらDrupalでも簡単におこなえますが、Drupalの機能を最大限活かそうとした場合は、HTMLやPHPなどの言語の知識やデータベースの知識が必要になってくるでしょう。
数多くのソフトウェアが提供されているCMSですが、様々なWeb技術の市場調査をおこなっている「W3Techs」の調査によれば、2014年11月現在、世界で最も使用されているCMSはWordPressで、世界中のWebサイトの23.2%に使われており、実にCMSのシェアの61.1%に当たるとのことです。
WordPressに次いで使用されているのがは、Joomla!というCMSですが、そのシェアはWebサイトの3.0%、CMSの7.8%ですので、いかにWordPressの占める割合が高いかが分かるかと思います。
Drupalのシェアは、Webサイトの2.0%、CMSの5.1%で、世界で3番目に使われているCMSとなっています。
では、日本国内ではどうなのかと言いますと、CMSが使われている日本語サイトのうち、86.4%がWordPressを利用しており、日本国内でも独走状態となっています。2位はMovable Type(3.9%)、3位はXOOPS(2.4%)というCMSが使われていて、世界シェアとは少し異なっています。Joomla!とDrupalはそれぞれ0.8%のシェアで、同率5位となっています。
効果的にコンテンツマーケティングを実施するためには、CMSを導入してコンテンツの作成や管理をするのが有効です。そして、CMSには多くの種類がありますので、作成しようとしているコンテンツに合わせて適切なCMSを導入することが大切です。
Drupalは日本国内ではまだまだ利用されていないようですが、今回ご紹介したように、作成するコンテンツの種類によっては非常に役に立つCMSであるといえます。機能の拡張性、細かく設定できる管理機能、多言語化のしやすさ、デザインの自由度など、Drupal固有の利点を生かせば思い通りのコンテンツを作成することができるでしょう。
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