昨今、多くの企業の注目を集めているコンテンツマーケティング。「引き合い依存」や「新規開拓」「営業効率化」などに付随するさまざまな課題から、これに取り組むBtoB企業が劇的に増えています。
しかし、コンテンツマーケティングを展開する上で多くの企業が壁に突き当たっているのが現状です。それは、「顧客に響くコンテンツが作れない」「どのようなコンテンツを作成すれば成果につながるのかわからない」といった作成における課題です。
今回はこうした課題へのヒントとして、顧客の購買熟度を高める上でキラーコンテンツになり得るインタビュー記事の重要性から、その種類と特性、作成上の注意点を解説いたします。
目次
BtoB分野の購買過程におけるWeb検索の利用率が高まりを見せる中、コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えている一方で、企業の偏った視点で作成されたコンテンツがWeb上に激増している状況があります。
また、Web上のコンテンツについては玉石混交と表されることが多く、企業の主観で語られるコンテンツが読み手をミスリードしているケースもあります。市場に情報が溢れ、質の低いコンテンツが量産されている背景なども相重なり、読者のコンテンツに対する目線は厳しくなっているのが現状です。
特に客観的かつ合理的な判断によって購買が推し進められるBtoBビジネスにおいて、事実に基づいた情報は非常に重要なウェイトを占めることはご存知の通りです。
そのために、企業寄りの主観的な視点ではなく、客観的な第三者の言葉を用いて作成されるコンテンツのファクトに基づく説得力がコンテンツマーケティングにおける重要な成功要素になっています。これらの要因からコンテンツにリアルティや信憑性の伴うストーリーを展開することのできるインタビュー記事がキラーコンテンツになり得るのです。
仮に、自社のコンテンツが「読み物としての価値が薄い」「企画が行き詰まった」「どうも一方向的な伝え方となってしまう」とお悩みの方は、インタビュー記事という選択肢を持たれることをおすすめします。
さて、ひと口にインタビュー記事といっても内容はいろいろあります。以下は代表的な4種類です。
実際にそのサービス(製品)を利用している顧客の目線で、商材の魅力を紹介できる。
業界全体の動向を踏まえ、インタビュー対象者である有識者の権威性を持って客観的に商材優位の裏付けができる。
技術部門の人の開発の経緯やこだわり、技術レベルの高さを伝えることができる。
通常とは違った目線から企業を紹介し、ブランディングができる。
それぞれに特長やメリットがありますので、個別に詳しく見ていきましょう。
BtoBのコンテンツマーケティングで特に活用したいのが、取引先へのインタビューです。
どんなにすばらしい製品やサービスでも、自画自賛を繰り返しているだけでは、信憑性が薄くなり、「売りたいから良いことを言っているだけなのでは?」と疑念を持たれることがあります。また自社目線から商材の売りを語る情報では、偏った見方になりがちで、見込み客が知りたいと思っている情報とのズレがでてしまうこともあります。それを解消するのが、導入事例となります。
導入先企業の担当者などがインタビュー対象者にあたります。顧客がどういった経緯で導入し、なぜその製品を選び、どう活用し、どんなメリットがあったかを具体的に聞き取って記事にします。該当の商材を利用した顧客の客観的でリアリティのある言葉が基になるため、似たようなニーズを持つ企業は自社に置き換えて導入効果をイメージすることができ、商材に期待する導入効果の裏付け情報として理解することができるのが最大のメリットです。
作成のポイントは、業種や課題、ニーズなどのテーマに分けて制作すること。これを反映したタイトルやキーワードを考えることで、潜在顧客の情報ニーズに沿った形でSEO上の効果を期待することが可能になります。
また導入事例は、リーフレットなどにすることで営業ツールとしても転用することができるため、汎用性が高いという特長があります。そのため、インタビュー記事の中でも好んで多くの企業が利用されており、シリーズ化することでキラーコンテンツになっているケースも多くあります。
第三者である業界の専門家から、そのサービスを取り巻く状況や他社の取り組みにも触れながら、製品を紹介してもらえるのが有識者インタビューです。
業界に精通している権威性のある有識者の見解、その人にしか言えない評価・コメントに、信頼ある情報として読者は読む価値を見いだすことができます。
よく書籍の帯に著名人のコメントが用いられていることがありますが、これはその人の権威をうまくコンテンツに反映させた事例です。第三者の客観性と有識者の権威を持った情報は、多くの人が受け入れやすいというメリットがあります。市場の状況や課題を踏まえた広い視野から製品優位の裏付けをしてもらいましょう。
社外にインタビュー対象者を求めるのは労力が必要となりますが、社内であれば簡単に調整がつきます。その代表が開発者インタビューです。社内スタッフでありながら、専門性が高い人に情報発信してもらうことで、営業トークのような押し付け感を持たせずに、自社の技術力の高さやこだわり、技術の限界に挑戦する開発者たちの熱い想いをアピールすることができます。
この作成にはポイントがあり、苦労話や失敗話を盛り込むようにします。紆余曲折を経たストーリー性の伴うコンテンツは多くの人の興味関心をひくことができるためです。
新入社員が見たままを語るインタビュー記事などもコンテンツマーケティングで活用されています。多くの取引先は、窓口となっている営業担当者しか知らず、どんな社風があり、どんな人が働いているのかを知らないことがほとんどです。
「新入社員研修で、製品に対する高い志を聞いて感銘を受けた」とか、「製造工場を見学して、こんなに厳しいチェック体制があるのだと驚いた」と、フレッシュな目線で感じたことをそのままインタビュー記事にするのです。これは、企業のブランディングにつながります。若手の社員に仕事の面白さや、やりがいを語ってもらうことで求人に活かすこともできるでしょう。
また、優秀な社員にインタビューすることで、どんなプロフェッショナルやチームにその商材が支えられているか、といったことを伝えることもできます。
インタビュー記事を作成するときは、あえて第三者のインタビュアーを入れるのもよいでしょう。着眼点が違うので、いつもとは違った内容を上手く紹介できる可能性が高くなります。
質の高いインタビュー記事を作成するには注意してくべきことがあります。それは事前準備を怠らないこと。準備は現場での進行に大きな影響を及ぼします。
行き当たりばったりになってしてしまうと、相手のペースになってしまい、要点を得ないものになる可能性が高い上に、聞き漏らしが出る事態を招いてしまいます。
いい話を聞きだすには徹底した事前準備により主導権をインタビュアーが持つことが不可欠です。
そのために、まずは何について聞くかをあらかじめイメージしておくことが必要になります。相手の人物背景など、必ず聞かなければならないことをまとめておき、これを事前にインタビュー対象者と共有しておきましょう。
また、20~30分の取材をすると、1万文字程度の文章ができます。これを、起こして成文するだけでは、長すぎて表現的にも読者の興味を維持することはできません。そのため、要点をまとめ、ストーリー性を出して記事を読み物として価値あるものに仕上げます。もちろんウソはいけませんが、読者に伝わりやすい言葉に置き換えるなどして、コンテンツとして質の高いものを目指します。
最後まで読んでもらうためには、ストーリー性も大切ですので、順序を入れ替える構成力やテーマから逸れている部分をカットするなどの編集力が必須になります。
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今回はコンテンツマーケティングに欠かせない、インタビュー記事について紹介しました。これはキラーコンテンツとしてシリーズ化することが可能です。うまい言い回しよりも事実に即した内容であることを心がけ、読者を意識しながら作成を検討してください。
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