これからご紹介する方法は、Inflow社が利用しているコンテンツ監査のプロセスです。これが必ずしもベストな方法という訳ではありませんが、データの分析、解釈、処理の提案に、どんな方法を選択しても、スピードが保証されるよう努めてまいりました。このプロセスの基本部分は、ビジネスの目的を問わず、あらゆる種類のWebサイトに共通します。具体的には、まずサイトのコンテンツURLを全て集め、各URLについて必要なデータを取り出します。次に、そのデータを分析し、各コンテンツURLに対する処理を提案します。理論的にはシンプルですが、いざ実行するとなると、プロセスをしっかり理解し、計画的に行わなければ非常に手ごわい作業になることもあります。このポストを読み終えるころ、皆さんが良いスタートを切れることを願っています。
目次
コンテンツ監査にはさまざまな方法があり、与えられた「シナリオ」に合わせてアプローチをカスタマイズすることができます。ここでは、想定される「シナリオ」と、それらに対するアプローチをご紹介します。まず、コンテンツ監査によって以下のようなことが可能となります。
Inflow社でテクニカルSEOを専門に取り扱っているRick Ramos氏は、昨年Phases Design Studioに対して行った、旧バージョンでのコンテンツ監査の実践例をここで紹介することに快く応じてくれました。Rick氏は、まずドメイン上の全コンテンツURLの目録を作成し、”noindex/follow”など、プランのアウトラインを作成し、サイトマップからもはや関連性がなく、更新する必要もない古いブログポストの多くを削除しました。サイトには、一連のキャンペーン用ランディングページが2006年から残されていました。これらのページのライフサイクルは一般的に数ヵ月であるにも関わらず、サイトおよびGoogleのindexから削除されていませんでした。Rick氏はこれらのページについて、新たなキャンペーンの開始に伴ってアップデートされるEvergreen(エバーグリーン;いつまでも新鮮)なランディングページに301リダイレクトをする方法を提案しました。この方法は特に、ECサイトの季節限定ページ(例えば、「2014年初売り」など)に活用できます。この他にも、サイトにはアップデートやリフレッシュ、また別の方法による改善が必要とされるページが多く残っていました。
Rick氏の提案した処理を実行してからまもなく、このクライアントから「前月と比べて訪問者数が8倍になった。その理由が知りたい。」という問い合わせがありました。
このクライアントに対する今回のアプローチが成功した理由はいくつか思い当たります。例えば、以下のようなことです。
このように、このサイトの全体的なカスタマーエクスペリエンスが改善するとともに、重要なトピックエリアへの統合によって、オーガニック検索のランキングが上昇したのです。
これ以降、当社は本プロセスをさらに改善し、さまざまなサイトで実行することに成功しました。特に、大規模コンテンツを持つWebサイトのパンダ・リカバリーや、ECサイトで宣伝コピーを最初にリライトする必要がある商品の優先順位付けに関して、本プロセスが大いなる効果を発揮しました。
Inflow社のコンテンツ監査プロセスはクライアントの目指す目的やニーズ、予算に応じて変わりますが、一般的には以下に示すようなアプローチを行います。
本プロセスの各部分はWebサイトごとに異なるニーズに応じてカスタマイズできます。
例えば、統合が必要、内容が希薄、重複している…などといったコンテンツ問題が多く含まれる、大規模コンテンツを持つサイトの監査を行う場合、本プロセスにおけるキーワードリサーチやコンテンツギャップ分析の部分を丸ごと省略し、そのようなページをサイトから切り取り、残りのページを改善することに重点を置くことができます。逆に、コンテンツの少ないサイトでは、キーワードリサーチとコンテンツギャップに重点を置くことができます。また、その他のサイトでは、コンテンツを改善することや、新たな方法で利用を繰り返すこと、あるいはさらに新しいコンテンツに活用できそうなコンテンツアセットを探すことも可能です。また、非常に特殊な例として、強力な古いページと、信頼できる新しいページを相互にリンクさせる機会を特定するという目的もあります。プロセスのどの部分に時間を費やすか、あるいはどのステップを丸ごと省略するか、といったことに劇的に影響するさまざまな方法がありますが、今のところは、必要に応じてフレームワークが変えられるということを知っていれば、それで十分です。
コンテンツ監査のプロセスにはいくつかの重要なステップがあり、さまざまなドキュメントが必要となります。ここでは、社内SOPドキュメントへのリンクを掲載することはできませんが(ただいま開発中のため)、各ドキュメントに関する説明と画像、例やテンプレートへのリンクを掲載し、皆さんがニーズに合わせてカスタマイズできるような基盤を提供します。
コンテンツ監査へのアプローチとして推奨する共通のシナリオを一覧にしました。一つ一つの状況は異なりますが、この表のおかげで、クライアントは適切なストラテジーの90%をより速く理解できているようです。この表については後ほど詳しく説明します。
当社は初めGoogle Docsで作業をしていましたが、より多くのソースからの引き出しや、より多くのVLookupの実行を開始したため、大規模サイトをロードする場合などに、従来のスプレッドシートでは遅すぎて、監査を完了することが不可能な状態になりました。このような理由から、最近では全てのプロセスをExcelに移行しました。ただし、こちらのテンプレートはGoogle Docsのフォーマットです。次にご紹介するのは、このスプレッドシートで必要となるタブの数々です。
このタブで、ダッシュボード内のほとんどの作業が行われます。このタブから、VLookupによって、他のタブへとデータが引き出されます。データをAPIによって取り出し、一つのツール(URL Profilerなど)でコンパイルする場合も、データを多くのツールから手動でエクスポートし、手動(VLookup)でコンパイルする場合も、結果的には、各URLに対して必要なメトリクスを全て一カ所に集めることになります。その後、パターンの認識や、機会の発見、各コンテンツの扱い方に関する決定に必要なさまざまなメトリクスや、サイト全体のコンテンツストラテジーのソートを開始することができます。
利用したいメトリクスに応じて、プロセスをカスタマイズすることができます。ここでは、当社が研究によって導き出したメトリクス、ならびにデータソースをご紹介します。
ここでは、4つの”Action”カテゴリー(”Keep As-Is”、”Remove”、”Improve”、”Consolidate”)のうち1つを選択します。そして、詳細(”Remove”および404、”Remove”および301、301の場合はどこにすべきか?など)については、”Strategy”欄に記述します。URL(重要なもの)は、高度にカスタマイズされたストラテジーを持つ場合もあれば、共通したストラテジーで何千通りものURLを大量に処理できる場合(重複した商品コピーのリライトなど)もあります。“Action”欄の選択肢は限られているため、データを効率よくソートすることができます(例:”Removed”マークのページを一度に全て見る、など)。一方、”Strategy”欄は自由記述式であり、URLごとにカスタマイズできます(例:同トピックの重複を解消するため、/buy-blue-widgets/のコンテンツを/buying-blue-widgets/に統合し、前者を後者に301リダイレクトする、など)。
このタブには、シードキーワードのブレインストーミングや、Google Webmaster Tools(GWMT)、PPC キャンペーン、AdWords Keyword Planner、その他さまざまなツールによるマイニングなど、さまざまなソースから集められたキーワードが含まれます。Search Volume(検索ボリューム)やAd Competition(広告競争;この画像にはありません)はGoogleのKeyword Plannerから引き出したものです。Avg. Position(平均ランキングポジション)も、Top Ranking Page(トップランキングページ)も、GWMTに由来します。Relevancy(関連性)スコアについては、明らかに不必要と思われるキーワードを当社が一旦整理した後、クライアントに出してもらうことが多いです。
このタブには、重要なページのURL、すなわち重要なトピックをランク付けている、またはランク付けるのに適したページのURLが集められています。そして、基本的には、当社がコピーライティングやページの最適化をするのに最も適したページと、キーワードをマッチングします。
サイトが比較的新しい場合や、最適化されていない場合にも、KWMタブは本プロセスにおいて重要な役割を果たします。このタブは、ストラテジーとしての重要性を持つため、大抵は他のタブの後ろに置かれています。
ここには、適切なページを見つけることが困難な、関連性の高い大量のキーワードに対するコンテンツのアイデアが置かれています。ここには、企業が見落としている、購買サイクルやAwareness ladder(認知度のはしご構造)の中に含まれている段階を示すキーワードが置かれることもあります。新しいサイトや小規模サイトにおいても重要な役割を果たすこのタブも、大抵は”Prune”(プルーニング)などの重要なタブの後ろに置かれています。
“Remove”や”Consolodate”とマークされたものは、このタブで扱われます。ここには、削除および301リダイレクトをする、どこかでカノニカル化する、別のページに統合する、上部にそのまま置く(ただしロボットの”noindex”メタタグを付ける)、削除および404/410リダイレクトする…など、思いつく限りのストラテジーがあり、それらの指示が実行されると、そのページはもはや存在しないものとなります。また、このタブは非常に便利なものです。例えば、このタブをエクスポートし、開発者(WP Curveなどの企業)に送れば、全部または大部分の処理を先に開始してもらうことができます。パンダ関連のトラフィック障害を持つ可能性があるサイトに含まれる、低品質で低パフォーマンスのコンテンツに対する当社のモットーは”Improve it or remove it”(改善するか削除する)なのです。
上で述べたタブに加え、スプレッドシートにはさまざまなソースからエクスポートしたデータを収納するためのデータタブがあり、URLを基にVlookupを行い、他のタブにデータを追加することができます。データには以下のようなものが含まれます。
URL Profilerのようなツールによってコンパイルできるデータが増えれば、必要とされるデータタブが減り、本プロセス全体がスピードアップします。社内ツールを構築し、プロセスを部分的に自動化する以前には、GAデータ、Mozデータ、および初期のScreaming Frogエクスポートのタブも存在していました。
Vlookupの方法が分からない場合は、ExcelやGoogleDocsスプレッドシートの豊富なオンラインチュートリアルを利用できます。Excelに役立つものはこちらです。また、別の方法としては、タブに全てのデータをインポートしておき、スプレッドシートに詳しい同僚などにVlookupを頼んでもよいでしょう。ちなみに、我がチームのスプレッドシートの天才はこちら、素敵な髪型をした Caesar Barba氏です。そして、以下に示す式は、全ての”Action”を”Content Audit”タブから”Keyword Matrix”タブのURL欄に移行させるための簡単なVlookupの使用例です。
=VLOOKUP(A2,’Content Audit’!A:C,3,FALSE)
コンテンツ監査ダッシュボードは、社内で扱うものにすぎません。しかし、このスプレッドシートには、当社が観察力とアイデアを持って常に考えているあらゆる効率的方法を用いて、さまざまに加工できるデータが詰め込まれているのです。中には、それだけで満足してくれるクライアントもいますが、多くのクライアントは、監査によって推奨される処理のハイレベルな全体像が明らかになり、最終的なコンテンツストラテジーによって大いなる効果が得られることを期待しています。
必要なデータを一カ所に集めるためのさまざまなオプションを用いれば、コンテンツ状態の全体的な確認と、各URLに対する詳しいメトリクスの確認を同時に行うことができます。URLの収集には、 Screaming FrogとGoogle Analyticsを使用します。データの収集には、Google Webmaster Tools(GWMT)、Google Analytics(GA)、Social Count(SC)、Copyscape(CS)、Moz、CMSエクスポート、その他必要に応じて数種類のデータソースを使用します。
しかし、当社は社内ツールの代わりにURL Profilerを使用し、これらのデータソースをより速く集める研究をしてきました。URL Profilerは数百ドルで入手でき、非常にパワフルなツールです。ただし、初回のセットアップが少し厄介なため、必要なデータを集める前に数時間かけてAPIキーを集めておきましょう。
どの方法でデータを集めるにしても、最初の数回はExcelを使って手動で集める方法が常に一つの選択肢となります。
ここでは、一般的なクライアントに対するプロセスをステップbyステップでご紹介します。クライアントは中規模のECサイトで、カテゴリー、商品、ブログポスト、その他のページなど、約800~900ページがGoogleのindexに含まれています。当社が知る限り、ペナルティは存在しませんが、サイトには、内容が希薄、重複している、期限切れ、関連性が低い、などの問題を持つコンテンツが見られ、パンダによって影響を受ける可能性があります。
さまざまな状況が考えられますが、2つの主要な要素、すなわちサイトのサイズとコンテンツのペナルティリスクに基づいて共通点を見出しました。以下の画像は一般的なコンテンツ監査のシナリオとして、当社が推奨するストラテジーのリストです。
色付けしたボックスがそれぞれのストラテジーを表し、
シナリオは下に向かってより詳しくなります。
デザインについてはIan Lurie’s Marketing Stackからヒントを得ました。
上で述べたようなサイトの場合、むらさき色の2番目のボックス(Focus:Content Audit with an eye to Improve and/or Prune, followed by KWM for key pages[重点:Improve およびPruneを目的とし、KWMのキーページに対するコンテンツ監査を行う])に該当します。その理由は以下の通りです。
このサイトにはペナルティの危険があるため(まだ確認されてはいないが)、パンダのモットーである”Improve it or Remove it”(改善するか削除する)に従います。サイトのサイズによって、この2つ(ImproveまたはRemove)のどちらに重点を置くか決定します。小規模サイトでは、小規模なプルーニング(scalpelアプローチ)、大規模サイトでは大規模なプルーニング(hatchetアプローチ)が必要です。小規模サイトでは、顧客の購買サイクルのさまざまな段階がトピックエリアを全てカバーしているかどうかを見極めるため、キーワードリサーチが必要となりますが、反対に大規模サイトでは、低品質(内容が希薄、重複している、関連性が低い、期限切れ、表現が乏しい、自動化しているなど…)のコンテンツを持つ多くのページが、重複したトピックエリアをカバーしているという問題が多く見られます。このようなサイトの場合、キーワードリサーチを行う必要はなく、キーワードマトリックスまたはコンテンツギャップの分析を行い、サイトのプルーニングに重点を置く必要があります。
この例の場合には、ホームページ、カテゴリー、ブログホーム、キー商品ページといった主要なページや、その他のトピックのランディングページに対するキーワードリサーチやキーワードマトリックスに基づき、パフォーマンスの低いページを改善・削除することに重点を置いたコンテンツ監査を行います。
この仮設Webサイトには、メーカーによる商品説明が多く含まれていることが分かっています。クライアントには、それらの書き直しを一斉に行えるキャッシュフローがないため、どれを最初に書き直すべきか、優先順位をつける必要があります。予算や時間を考慮に入れる際、当社がよく用いるのは80/20ルールというものです。これは、まずページの上部20%のコンテンツに取り組み、残りの80%は時間と予算が許す限り、6~12ヵ月かけて書き直すというものです。
このサイトにはペナルティが存在しないため、全ページのindexを維持することが推奨されます。既にペナルティがある場合には、indexを解消し、下部80%のページの書き直しに従って、徐々にindexを戻していく方法が推奨されます。これと同様の状況にある場合、皆さんは別の方法を選択するかもしれませんが、とにかく、数種類のメトリクスによってページを効率的にソートし、優先順位を決定することが重要となります。サイトの規模が大きく、予算が厳しくなればなるほど、最初に取り組むべき作業の優先順位付けは重要となります。
コンテンツ関連ペナルティの原因
コンテンツ監査の目的として、コンテンツ関連ペナルティのみについて考えます(リンクやページ外の問題とは逆)。これらは通常、3つの主要なカテゴリー(品質、重複、関連性)に分かれます。そして、さらに以下のような問題(ただし、この限りではない)へと分化します。
サイトのコンテンツ問題の規模が分からない場合は、シナリオを決める前にステップ2に進んでください。
このステップでは Screaming Frogを使用しますが、本プロセスにはどのクローラーを使用しても構いません。ここでは、Spiderの”Basic”タブと”Advanced”タブの設定方法をご紹介します。
“Crawl All Subdomains”(全てのサブドメインをクロールする)にチェックが入っています。これは任意であり、監査の種類によって異なります。今回は”meta robots noindex”、”rel = canonical”、およびrobots.txt.が対象です。また、当社は画像やCSS、JS、flash、外部リンクなどのクロールは行いません。この種のクロールはテクニカルSEO監査で行われるものですが、コンテンツ監査を必要以上に複雑にする恐れがあります。ここでは、Index付けできるHTMLページで、技術的問題の発見につながる可能性が高いが閲覧者をSERPからサイトに引き込みやすいものを探していきます。
URLの全リストおよび関連データをScreaming FrogからCSVファイルにエクスポートします。
当社は独自の社内コンテンツ監査ツールを持っており、URLおよびデータをScreaming FrogからGoogle Analyticsに取り込み、重複を解消し、Google Webmaster Tools、Moz、Social CountおよびCopyscapeからそれぞれのURLへデータを引き込んでいます。このツールでは、たまにバグも発生します。そこで、URL Profilerを試験的に使ってみたところ、少ないステップと維持費で、本来と同じ目標を達成することができました。”Agency”バージョンが必要となりますが、年間400ドル程度(税抜)で使用できます。Gareth Brown氏がURL Profilerを発売するまで、当社は社内ツールに数千ドルも投じていたことを考えれば、悪い話ではありません。
下の画像はツールをダウンロードすると表示される画面です。四角で囲まれた項目にチェックを入れます。ただし、ここでチェックする項目は、あなたが既に使用しているツールやAPIによって、またユーザーによって異なります。当社では、ページのトピックバケッティングを半自動化するため、uClassifyを使い始めましたが、そのプロセスについてはまだ共有できません(アドバイスなどのコメントを気軽に書き込んでください)。
URLリストボックスを右クリックし、”Import From File”(ファイルからインポートする)を選択します。その後、ScreamingFrogエクスポートまたはその他のURLリストを選択します。さらに、クリップボードやXMLサイトマップからインポートする選択肢もあります。URL Profilerの全てのドキュメンテーションはこちらからご覧になれます。以下の画像は、2種類のアウトプットです。どんな結果が得られるのか、参考までにご覧ください。
アウトプットは、チェックを入れた項目やAPIアクセスの種類によって変わってきます。
先ほど「本プロセスの全体像」で述べた通り、当社が使用しているスプレッドシートのテンプレートには複数のタブが付いており、その一つに”Content Audit”タブがあります。ツールのアウトプットは、ダッシュボードのContent Auditタブへと移行されます。当社の社内ツールでは、URLのAction、Strategy、Page Type、およびSourceを示す欄が自動的に追加されるようになっています。また、これらの欄はURL Profilerのアウトプットをインポートした後、タブに追加することもできます。Page TypeおよびURL Sourceは任意ですが、ActionとStrategyは本プロセスにおける重要な要素となります。
当社の仮クライアントはキーワードマトリックスを必要としています。しかし、シナリオにキーワードリサーチが含まれていない場合(例えば、コンテンツ・ペナルティのリスクがある大規模サイトの場合など)は、ステップ5~7を省略し、ステップ8の「分析と決断」に進んでも構いません。
コンテンツ監査の対象となる既存のURLを、Google Webmaster Toolsに既にランク付けされているキーワードとマッチングさせます。
こちらもURL Profilerで行っても構いませんが、その場合の方法については、まだここではご紹介できません。ここでは、ランディングページ、関連キーワードおよびクエリデータをGoogle Webmaster Toolsから引き出し、それらを2つのタブ(GWMT Top QueriesタブおよびGWMT Top Pagesタブ)にインポートする方法をご紹介します。この2つのタブから、既にGoogleの各ランキングキーワードに関連付けられているページが分かるため、キーワードマトリックスを作成する際に役立ちます。なお、主要なコンテンツ問題を持つ大規模サイトの場合は、”Focus”(重点)がキーワードリサーチやコンテンツギャップ分析ではなく、低品質コンテンツを持つサイトのプルーニングに置かれるため、このステップは完全に省略して構いません。
GWMTからトップページをインポートする方法
ポップアップされるダイアログウィンドウは無視してください。
“Prevent this page from creating additional dialogs”(ダイアログをこれ以上追加しない)にチェックを入れ、無効にすることができます。
GWMTからトップクエリをインポートする方法
このステップも任意であり、監査の重点や目的によって異なります。また、このステップは、自身のKWRプロセスに合わせて高度にカスタマイズできます。好きな方法を用いて、キーワードのリストを集めてください(例えば、ブレインストーミング、SEMRush、Google Trends、Uber Suggest、GWMT、GAなど)。ジャンクな、すなわち関連性の低いキーワードはリストから必ず削除し、残りに対しては必ず単一のツールでサーチボリュームや競合メトリクスの収集を行ってください。当社ではGoogle Adwords Keyword Plannerを使用します。以下はアウトラインです。
プランをダウンロードする場合は、以下のような設定を行います。
このステップに関しても、大規模なサイトの場合や、低品質なコンテンツのプルーニングに重点を置く場合は省略して構いません。GWMTクエリやKWRステップでは”Keyword Matrix”(キーワードマトリックス、以下KWM)を作成するために必要なデータが提供されますが、こちらも監査の重点がページの最適化およびキーページのコピーライティングに置かれていなければ、省略して構いません。ただし、クライアントをペナルティから救い出したり、そのリスクを回避したりすることが必要な場合もあります。KWMは、Content Auditタブ内で”Improve”とマークされた重要なページにおいて役立ちます。KWMを用いれば、コピーライターはそのページにとって重要なキーワードを把握することができるからです。KWMはSEOの基本であり、どんなツールを用いても、どんな方法でも行うことができます。
Google Adwordsでは、キーワード、検索ボリューム、競合についての情報が提供されます。Google Webmaster Toolsでは、各キーワードに関するランキングページ、平均掲載順位、インプレッション、クリック数、およびCTRが提供されます。Vlookupを用いて、それらを”Keyword Research”タブにまとめると、下の表のような結果が出るはずです。
ここまでにご紹介したいくつかのステップは、下の表のようなKWMの作成に役立ちます。
全てのデータが手元に揃い、処理の手順も Content Audit Scenarios toolを用いて提案されています。ここからは、あなた自身の解釈や経験・直感によって無限に展開させることができるステップbyステップのプロセスとなります。したがって、こちらの指示に次々に従って実行するものだとは考えないでください。方法を少し変えても構いません。Webサイトの各コンテンツに対して、あなたが決めた目標に向かって作業をしている限り、必要に応じて方法を変えることは大いに結構です。
別の考え方…
大規模サイトでは、可能な限りhatchetアプローチを使い、scalpelアプローチは最後の手段とすることが最善策と考えられます。そうしないと、プロジェクトに莫大な時間がかかり、ROIが蝕まれることになります。
こちらのプロセスはステップbyステップで表すことはできませんが、hatchetアプローチを用いるべき場合と、いくつかの例をご紹介します。
キーワードリサーチのプロセスにおいて、以下の項目の多くは任意となりますが、私はこれらを最後までセーブしておくことをお勧めします。なぜなら、急を要する問題の対処に追われた場合、その後どれくらいの時間が残るかは予測できないからです。
コンテンツのギャップ
キーワードを特定するという厄介な作業が済み、それらが既にページにランク付けされていれば、ここからのステップはそれほど難しいものではありません。ここからは、どんなキーワードが、コンテンツのギャップを埋めるためのアイデアに繋がるのか解明していきます。
Inflow社では、Ben Hunt氏が開発し、 彼の著書『Convert!』でも取り上げている”Awareness Ladder”を好んで使用しています。詳しくはこちらをご覧ください。
コンテンツのレベル
時間に余裕がある場合、または状況に応じて、キーワードスペースにおいてそのページが競合する必要のあるコンテンツレベルを特定するため、Keyword MatrixタブやContent Auditタブに欄を追加することもあります。当社では一般的にBasic、Standard、Premiumから選択しています。こちらは、クライアントにとって最も必要なコピーライティングのリソースを割り当てる作業に、今後もずっと活用できるものです。
ランディングページまたはキーワードのトピックバケッティング
時間に余裕がある場合、または状況に応じて、ランディングページやキーワードに対するトピックバケッティングを行うこともあります。当社は過去に数回、既存のタクソノミーへの追加または変更を提案し、良い結果を得ることができました。最も頻繁に行われたのは、適所に”How To”または”Resources”スペースを追加するというものでした。
キーワード関連性スコア
こちらは、特に専門用語ばかりの複雑な箇所において、クライアントへの手助けを一覧にする最適な場所です。ストラテジストがコンテンツ監査を行っている間、クライアントがこちらを実行することもあります。
コンテンツストラテジー、または呼び方は何であれ、これらは監査と同時に提供されるべきものであり、発見したもの、推奨する処理、および次のステップについて要約したものです。Executive Summary(役員による要約)から始まり、各セクションによるアウトラインへと深化していきます。
以下の例は、実際に行われたInflow社のコンテンツ監査ストラテジー内のExecutive Summaryです。
包括的なコンテンツ監査の結果として、当社が推奨する処理の詳細を以下に示します。
- 以下に示す合計約624ページをGoogle indexから削除または統合してください
- 計203ページは、404エラーがあるためRemovalとマーク(リダイレクトの必要なし)
- 計110ページは、別ページへの301リダイレクトをするため、Removalとマーク
- 計311ページは、コンテンツを他ページへ統合するため、Consolidationとマーク
- 統合されたページへのリダイレクトを続けてください
- 以下の計668ページをリライトまたは改善してください
- メーカーによる商品説明(重複コンテンツ)があり、コンテンツ監査において優先付けされているため、計605ページの商品ページをリライトしてください
- 低品質で重複コンテンツを含むため、計63ページの”Other”(その他)ページをリライトしてください
- リライトや改善が必要ない計26ページに関しては、キーワードマトリックスに存在し、ページ上での最適化が必要とされ、最適な処理がレビュー・適用されない限り、現状維持としてください
- Keyword Matrixタブにキーワードがアウトラインされている計25ページについては、ページ上で最適化を行ってください
これらの変更は、コンテンツの”improve or remove”を即座に行う必要性に影響します。コンテンツの”improve or remove”は、Styleページからリスクが追加されたRepresentativeおよび Dealersページにおいて、内容が希薄かつ低品質で重複したコンテンツを持つことによるGoogleの明白なコンテンツ・ペナルティ(パンダなど)を回避するために必要となります。
コンテンツストラテジーの最後には次のステップの提案(コンサルタントやクライアントに対するActionの項目など)を記述する必要があります。以下の例は、実際の当社のドキュメントです。
本サイトにおける緊急性や潜在的なROIに応じて、以下のようなアクションを推奨します。
- コンテンツ監査ダッシュボードにある”Prune”タブ内の全ページを削除または統合する
- 各ページに対する詳細指示は、”Prune”タブの”Strategy”欄を参照すること
- コピーライティングプロジェクトを開始し、Styleページのコンテンツの改善・リライトを行い、ユニークでしっかりとしたコンテンツおよび適切なキーワードターゲッティングを保証する
- Inflow社は、予算その他の状況に応じて貴社のコピーライターのサポートや、当社の社内コピーライターの使用を提供する。また、本プロセスの一部として、これらの項目についても述べる
- ページ上の最適化を含む(タイトル、記述、alt attributes、keyword useなど)
- 各ページに対する詳細指示については、”Strategy”欄を参照すること
- “Content Audit”タブに残っているページで、”Improve”マークのあるものを全て改善・リライトする
Example Content Auditing Dashboard(コンテンツ監査ダッシュボードの例)
こちらのGoogle Docsスプレッドシートをコピーしてご使用ください。これは、Inflow社でフォーマットする方法の基本バージョンです。
Content Audit Strategies for Common Scenarios(共通のシナリオに対するコンテンツ監査ストラテジー)
こちらのページ(ツール)では、包括的なコンテンツ監査を行っている際に直面するさまざまな状況において、どこからスタートすべきか、何に集中すべきかを見極めるのに役立てることができます。
How to Conduct a Content Audit on Your Site(あなたのサイトでコンテンツ監査を実施する方法;著者はQuickSprout 社のNeil Patel氏)
お待ちください。皆さんにこのページをご紹介することはできません。このページのコンテンツを見ようとすると、ポップアップ広告が表示されてしまいます。一度消えてもまたすぐに現れますから、こちらのページについては気にしないでください。
How to Perform a Content Audit (コンテンツ監査の実施方法;著者はDistilled社のKristina Kledzik氏)
こちらは、購買サイクルのステージによってページを分類することに重点を置いています。
Expanding the Horizons of eCommerce Content Strategy (Eコマースのコンテンツストラテジーの視野を広げる;著者はInflow社のDan Kern氏)
Dan氏はEコマースビジネスにおけるコンテンツストラテジーに関する壮大なポストを投稿し、その中には購買サイクルにおけるさまざまなステージをターゲットにした数種類のコンテンツの例が含まれています。
Distilled’s Epic Content Guide(Distilled社の大規模コンテンツガイド)
Content Inventory and Audit(コンテンツの目録と監査)のセクションをぜひご覧ください。
The Content Inventory is Your Friend(コンテンツ目録は友達;著者はBrainTraffic社のKristina Halvorson氏)
コンテンツ監査目録がもたらした劇的なパワーを高く評価しています。
How to Perform a Content Marketing Audit (コンテンツマーケティング監査の実施方法;著者はVertical Measures社のTemple Stark氏)
Temple氏はコンテンツ目録化や、パフォーマンスの評価、次に行うべき処理の決定といったプロセスのハイレベルな全体像を「How to」の形で上手に表現しています。
Why Traditional Content Audits Aren’t Enough (なぜトラディショナルなコンテンツ監査では不十分なのか;Content Marketing Instituteのブログより、著者はAhava Leibtag氏)
このポストのようにステップbyステップの「How to」形式ではありませんが、Ahava氏がこれらのプロジェクトに対して量的(コンテンツ目録)および質的(コンテンツ品質監査)にアプローチするマーケティング分析には、読んだ私自身も共感し、このポストで述べたプロセスに対する私のアプローチ方法にも部分的に関与しています。
著者:Everett Sizemore
父親であり、夫であり、地方農家であり、Mozアソシエイトであり、そしてInflow社のR&Dディレクターでもある。未来と過去を股にかけて活動しているが、現在の世界に住んでいる。
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