最近サイトを見て気になっていた商品の広告が表示されるようになった、という経験はありませんか?このように、ユーザーごとにカスタマイズされた広告がパーソナライズド広告です。
パーソナライズド広告は、上手に活用すれば、ユーザーと広告主の双方にとって大きなメリットがあります。効果的なマーケティング施策を行うためにも、パーソナライズド広告について理解を深めることが大切です。
ここでは、パーソナライズド広告の仕組みやメリット、デメリット、効果的な活用方法を解説します。
目次
パーソナライズド広告とは、ユーザーの興味関心に合わせて表示される関連性の高い広告です。
例えば、購入を検討している商品について調べたところ、複数社の同様の商品が広告として表示されるようになったという経験はないでしょうか。自分自身にとってタイムリーな広告が表示されると、思わずクリックしてしまうという方も少なくないと思います。このような広告がまさしくパーソナライズド広告です。
パーソナライズド広告はユーザーの属性や行動履歴、興味関心に基づき、最適な広告が配信されるため、広告主とユーザーの双方にとって効率的かつメリットのある広告であるといえます。
パーソナライズド広告は、ユーザー属性や過去に検索したキーワード、行動履歴や興味関心に関するデータを基にして、各ユーザーに最適な広告が自動的に表示されます。
例えば、あなたがハワイ旅行を予定していて、「ハワイ 航空券」と検索し、格安航空券の比較サイトを閲覧したとします。もう少し比較・検討しようと考えたため、その時は航空券を購入しませんでした。
後日、海外航空券や旅行とは全く異なるサイトを閲覧していると、ハワイの格安航空券に関する広告が表示されました。これは「ハワイ 航空券」という検索履歴と、格安航空券の比較サイトを閲覧した履歴に基づき配信されたパーソナライズド広告です。
広告配信において、「パーソナライズ」と「ターゲティング」がありますが、仕組みが異なります。
どちらもユーザーの属性や興味関心に合わせて広告を配信する手法ですが、ターゲティング広告は広告主が予め配信するターゲットを設定します。パーソナライズド広告は、蓄積されたデータに基づき自動的に配信されるものです。
ターゲティング広告は広告主が手動で設定するもの、パーソナライズド広告はデータを基に自動で配信されるものですので、違いはしっかりと理解しておきましょう。
パーソナライズド広告は、データに基づき興味関心を予測して配信されるため、ターゲット層のみならず潜在層へもアプローチすることができます。
ここでは、パーソナライズド広告におけるユーザー、広告主の双方のメリットをご紹介します。
ユーザーにとっては、興味関心のある商品やサービスの情報を知るきっかけとなります。
先程の例のように、「ハワイ 航空券」と検索した場合、関連するものとして「ハワイのホテル」の広告が表示されれば、ハワイ旅行へのニーズに合った情報を得ることができるため、結果として効率良く探していた商品やサービスを見つけることができます。
自身で調べただけでは知り得なかった商品やサービスも、広告が表示されることによって知ることができるなど、ユーザーにとって有益な情報になる可能性が大いにあるということはパーソナライズド広告の大きなメリットであるといえます。
また、一度検索したものの決めかねていた場合にも、広告が表示されることで思い出すきっかけとなります。ユーザーが探している商品や情報を知るきっかけになるだけでなく、関心のある事柄を思い出させるリマインド効果もあるのがパーソナライズド広告です。
広告主にとっては、自社の商品やサービスに興味関心があるユーザーに広告を表示させることで、見込み顧客に対して効率良くアプローチができることが大きなメリットです。
広告を配信するユーザーを限定せず、無作為に幅広いユーザーに広告を表示させることで認知拡大に繋がることもありますが、広告費用対効果の最適化を目的とした配信には適していません。パーソナライズド広告を用いて、ユーザーのニーズに合った広告を配信することで、自社の商品やサービスを購入する可能性が高まるため、広告費を抑えながら利益を最大化することができます。
また、ターゲティングでは予め見込み顧客となり得るユーザーの属性や興味関心を指定しますが、実際には想定するターゲット以外にも潜在的なユーザーが存在する可能性もあります。そういった場合は、ターゲット広告よりも幅広くアプローチすることで、認知拡大の効果も期待できます。
パーソナライズド広告は、ユーザーと広告主の双方にとってメリットがある一方でデメリットもあります。メリットだけでなくデメリットもしっかり理解し、最適な広告戦略に繋げることが大切です。
ここでは、パーソナライズド広告におけるユーザー、広告主それぞれのデメリットをご紹介します。
ユーザーにとって興味関心がある広告である一方で、同じ広告が何度も表示されることで煩わしさを感じてしまうことがあります。求める商品やサービスを探している最中であれば有益な情報になるものの、商品を購入した後にも同じような広告が何度も表示されると、その広告に対してネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
また、探していた商品やサービスが見つかった後だけでなく、探している間にユーザーの考えや興味が変化することもあります。
例えば、長期休暇中に旅行に行こうと思い、行き先としてハワイを考えていたものの、やっぱりニュージーランドにしようと考えを変えることもありえます。そうなった場合、このユーザーに表示されるハワイの航空券やホテルの広告は、ニーズに適していません。
パーソナライズド広告はユーザーにとって無関係な広告が表示されることはないものの、状況や思考の変化に対応できず、結果としてニーズに合っていない広告を表示し続けてしまう可能性があります。
パーソナライズド広告では、見込み顧客へ効率的にアプローチすることができますが、興味関心度の高いユーザー層は大きく変化しないため、広告配信を繰り返すことでアプローチできるユーザーには限りが生じます。短期的な施策として、広告費用対効果を高めるためには有効ですが、新規顧客の獲得が難しくなるため、中長期的な施策としてはあまり適していません。
また、ユーザーにとってのデメリットでもあげたように、ニーズの変化に対応できない場合がある点が広告主にとってもデメリットとなります。しかしながら、パーソナライズド広告では見込み顧客だけでなく潜在層へもアプローチできることは大きなメリットであるため、ターゲティングでの調整を行いながら、ユーザーのニーズの変化に柔軟に対応することが大切です。
パーソナライズド広告は、具体的にはどのようなプラットフォームで利用できるのでしょうか。ここでは、2つのプラットフォームをご紹介します。
Googleでは、Chromeブラウザやアカウント情報から、検索履歴やWebサイト閲覧の行動履歴、ユーザー属性といったデータを利用して、パーソナライズド広告を配信することができます。
具体的には、Googleが提供するディスプレイ広告(GDN)において、YouTube、Gmail、Discoverといった面に、ユーザーごとにカスタマイズされた最適な広告を表示することが可能です。
パーソナライズド広告はユーザーと広告主の双方にとって大きなメリットがありますが、プライバシーへの配慮することも重要です。
パーソナライズド広告が利用できるプラットフォームの中でも、特にGoogleはChromeブラウザでの検索や、YouTubeの視聴、Gmailサービスなどユーザーとの接点が多岐に渡るため、多くの個人情報を得ることができます。そのため、Googleは個人のプライバシーに関する情報を慎重に取り扱っており、ユーザーの同意がなければ個人情報は収集されません。
また、ユーザー自身が「広告のカスタマイズを無効とする」を選択した場合は、パーソナライズド広告を表示させるための個人情報の収集は行われません。したがって、パーソナライズド広告はプライバシーにも配慮しながらも、ユーザーの同意に基づき配信されるものです。
Twitterでは、詳細なターゲティングが可能な複数の広告メニューがありますが、それらはTwitter上で取得した情報に基づき配信されています。具体的には、ツイート内容、フォローしているアカウント、アクセスした地域、クリックしたURLなどのユーザー情報を基に、ターゲティングの精度向上を図っています。
したがって、Twitterもパーソナライズド広告の一種です。
パーソナライズド広告は、ユーザーにとっても広告主にとっても大きなメリットがある一方でデメリットもあることをご紹介しました。メリットを最大化し、大きな効果を発揮するためには、適切に利用することが大切です。
ここでは、パーソナライズド広告の活用ポイントを2つご紹介します。
パーソナライズド広告では、蓄積されたデータに基づきユーザーごとにカスタマイズされますが、ターゲティングもあわせて設定することで、より精度の高い広告を配信することができます。
例えば、エリアが限定されている商品やサービスについては、該当エリア以外のユーザーに広告が表示されるとニーズとマッチせず、無駄なコストが発生してしまうだけでなく、ユーザーにネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。その場合は、該当エリアをターゲティングすることで広告配信の最適化を図りましょう。
また、ユーザーにとってのデメリットとして、同じ広告が何度も表示されることで煩わしさを感じてしまうことがありますとお伝えしました。
関心のある事柄を思い出させるリマインド効果もありますが、高頻度で広告が表示されるとユーザーに不快感を与えてしまうかもしれません。そのような状況を防ぐために、フリークエンシーの数値を調整しましょう。
フリークエンシーとは、1人のユーザーに対して何回広告が表示されたかの頻度をカウントするものです。フリークエンシーキャップ機能によって、1人のユーザーに同じ広告が表示される上限回数を設定することができる媒体もありますので、何度も広告が表示されないように設定することも1つの方法です。
パーソナライズド広告では、見込み顧客へ効率的にアプローチすることができますが、新規顧客の獲得には不向きであるとお伝えしました。そのため、パーソナライズド広告に頼りすぎるのではなく、他の集客手段と組み合わせることが大切です。
パーソナライズド広告は、個人のプライバシーに関する情報を取り扱うため、2022年4月から施行された改正個人情報保護法に基づき、本人の同意が必須になりました。同意の得られなかったユーザーにはカスタマイズされた広告を配信することができないため、パーソナライズド広告の運用にも影響を及ぼします。
パーソナライズド広告を上手に活用しながら、プライバシーにも配慮するためには、チャネルを意識したマーケティング戦略を立てることが重要です。広告のみならず、SEO対策やSNSの活用、動画マーケティングなど、複数のチャネルを併用しながら、より効果的なマーケティング施策を実施しましょう。
ここでは、パーソナライズド広告の仕組みやメリット、デメリット、効果的な活用方法について解説しました。
改正個人情報保護法によってプライバシーの取り扱いがより厳重になるなど、Webマーケティングの状況は日々変化していきますので、他の集客手段と組み合わせながら柔軟に対応することが大切です。
パーソナライズド広告は大きなメリットがある一方で、ユーザーに煩わしさを与えてしまう可能性や、新規顧客の獲得には向いていないといったデメリットもあります。特徴をしっかりと理解した上で、ぜひ活用してみてください。
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