インターネット広告の中でも、視覚的インパクトが大きく、訴求効果の高いディスプレイ広告。インターネット広告の需要が高まる中、新たに出稿したいと考えている担当者もいらっしゃると思います。2019年にはインターネット広告費がテレビ広告費を上回り、Web広告の占めるインパクトはますます大きくなっています。
今回は、Web広告の中でもディスプレイ広告に焦点を当て、その特徴やリスティング広告との違い、成功するためのコツを解説します。
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告を総称した呼び名です。画像バナーや動画形式の広告が多く(一部テキストの広告も存在)、視覚的インパクトが大きいのが特徴です。バナー広告とも呼ばれています。
ポイントは、ユーザーが閲覧しているWebサイトやアプリ内に表示されるというところ。閲覧するサイトや、閲覧しているユーザーの属性や興味関心によって表示される内容が決まります。
ディスプレイ広告は、商品認知前の潜在ユーザーやサイトに訪問した人に広告を出すことができます。細かいターゲティングが可能でWEB広告の中でも代表格の媒体メニューです。ディスプレイ広告は大きく分けて、以下の目的で使用することが一般的です。
ディスプレイ広告は、リスティング広告と大きな違いがあります。この2つの違いを正しく理解することで、ディスプレイ広告を実施する意義が理解できて、効果的に使えるようになります。
リスティング広告は、GoogleやYahooなどの検索エンジンでユーザーが検索をした時に、検索キーワードに応じて表示されるテキスト広告です。検索結果画面に表示され、テキストである点が特徴です。「検索連動型広告」とも呼ばれます。
引用元:リスティングとは?広告の使い方から運用方法を分かりやすく解説
リスティング広告とディスプレイ広告には、掲載場所・対象ユーザー・広告形式の違いがあります。
以下でそれぞれを説明します。
リスティング広告は、Googleなどでキーワード検索した検索結果画面に表示されます。検索連動型広告の表示例は以下のとおりです。
ディスプレイ広告の掲載箇所と比べると、印象が違います。ちなみに、広告がリストのように並ぶので「リスティング」という名称です。
ディスプレイ広告は、先述の通り閲覧しているWebサイトまたはアプリの画面上に表示されます。
上記画像に表示されたディスプレイの場合、記事の周辺に広告が表示されています。ユーザーの目的は記事を読むことですが、視界に入って興味をもったらクリックする期待が図れます。
リスティング広告とディスプレイ広告は、対象としているターゲット層が違います。
リスティングは、ユーザーの「検索」という行動がトリガーとなって表示される広告です。つまり、商品やサービスに興味関心があるユーザーを対象にしています。ニーズの高いユーザーに向けて広告を表示できるため、コンバージョン率の高さが期待できます。
ディスプレイ広告は、リスティング広告よりも幅広いユーザーに訴求が可能です。ディスプレイ広告は潜在ユーザーへとアプローチできるため、自分のニーズに気づいていないユーザーや自社の商品・サービスを知らないユーザーに知ってもらうことができます。視覚的インパクトの高さを活かし、魅力的な広告クリエイティブを作ることができれば、新たな需要を獲得することが可能です。
リスティング広告が検索結果に表示されるのは、テキスト広告のみです。限られたエリア内でいかにユーザーの心に響く表現をするかというライティングが肝になります。
一方でディスプレイ広告は、動画や画像形式で広告配信ができます。テキストと比較するとリッチな訴求が可能です。コンテンツ閲覧中のユーザーに気づいてもらう必要があるので、パッと目を引く内容にすることで印象づけることが大切です。
そのため、幅広い潜在ユーザーに向けて自社の商品・サービスを知ってもらいたいという場合、ディスプレイ広告が有効な広告手段になります。
ここからは、ディスプレイ広告についてより具体的に説明していきます。
ディスプレイ広告を出稿するためには、アドネットワークを利用する必要があります。アドネットワークとは、Webサイトやアプリの広告枠を管轄し、まとめて広告を配信する仕組みのことです。
代表的なサービスは、Googleが提供する「GDN」とYahoo!が提供する「ディスプレイ広告(運用型)」(旧YDN)の2つです。
GDN(Google Display Network)は、Googleが束ねるWebサイトで構成されています。大手メディアの他、Googleアドセンスを配置している個人ブログにも配信されます。加えて、GoogleのサービスであるGmailやYouTubeにも広告配信ができます。
Yahoo!ディスプレイ広告は、Yahoo!JAPANやYahoo!ニュース、Yahoo!メールなど、Yahoo!のサービス内に配信できるのが特徴です。その他、Yahoo!が提携しているポータルサイト(ライブドアニュースや朝新聞デジタルなど)にも広告が配信されます。
GDNとYahoo!ディスプレイ広告は、ターゲティング方法に特徴があります。
GDNの場合、ユーザー層のターゲティング、状況に基づくターゲティング可能です。
ユーザー層のターゲティングでは、一定の条件に該当するユーザー(自社のサイトを訪問したことがあるユーザーや商品の購入を検討しているユーザー)や地域・年齢・性別などで選んだユーザーに広告を表示できます。地域指定は周辺半径をKm単位で指定することができます。
状況に基づくターゲティングでは、キーワードやトピックに応じて掲載先を選べます。掲載サイトを指定したり、関連コンテンツに広告を表示したりできます。
運用の手間を減らすため、自動で最適なターゲティングを行ってくれる機能も登場しています。
Yahoo!ディスプレイ広告は、以下5つのターゲティングが可能です。
ディスプレイ広告のメリット・デメリットを紹介します。導入を迷っている方は参考にしてください。
「不便に感じていることはあるが、具体的な悩み持っていないユーザー」や「そのテーマに興味関心はあるけれど、自社サービスや商品を知らないユーザー」など、潜在層にアプローチできるのはディスプレイ広告の大きな強みです。
それに加えて、GDNでもYahoo!ディスプレイ広告でも、検索キーワードに応じてディスプレイ広告を出稿したり、自社商材と相性の良いWebサイトを狙って広告を出稿したりというターゲティングができます。不特定多数に発信するだけでなく、興味関心のあるユーザーに向けてインパクトのある広告配信ができます。
画像や動画を使って、ビジュアルインパクトのある広告展開ができるのも魅力です。伝えられる情報量が多いので、ユーザーの興味関心を引くことができます。クリエイティブの質を高めれば、強い印象を残したり、そこから購入行動につながったりと効果が期待できます。
視覚や聴覚を刺激することで、テキストだけでは訴求が難しい内容も伝えられ、ブランディングにもつながります。オフラインメディアと連動することで、さらにブランドイメージを強固にできます。
検索やSNSからのアクセスなど、自社サイトを訪れたユーザーに対して広告を配信することができます。一度は商品・サービスに興味を持ったユーザーに繰り返し訴求ができるので、しっかり覚えてもらい、購買意欲を高めることができます。
リスティング広告に比べ、クリック単価が安いのも特徴です。リスティング広告は、表示された広告がクリックされるたびに料金が発生する「クリック課金型」の広告です。一方、ディスプレイ広告は広告の表示回数に応じて課金される「インプレッション課金型」の広告です。クリックされてもされなくても料金は変わらないので、クリック単価にすると割安になります。
クリック単価は割安ですが、コンバージョン率はリスティング広告よりも劣ることが多いです。これはターゲット層が違う点が影響しています。
リスティング広告の場合、「今すぐ探している」という見込み客に向けての広告なので、その後購入や成果につながる可能性が高いです。しかしディスプレイ広告の場合、「今は購入を考えていないけれど、気になったから見てみよう」というニーズの低いユーザーのクリックが多くなるので、コンバージョンにつながりにくいのです。
ディスプレイ広告の場合は、コンバージョン率の高さだけで一喜一憂するのではなく、ユーザーに認知してもらうという目的で運用しているという意識を忘れないようにしましょう。
リスティング広告と違い、コンバージョンという目に見える効果を図りにくい点もデメリットです。ユーザーの動きにつながらないため、広告のどの部分が響き、どこを改善すれば売上が増えるのかという次のアクションに移すことが難しくなります。
ディスプレイ広告は、比較的長期的な視野で見て効果が出てくる広告です。リスティング広告は需要のあるユーザーに向けての広告配信なので即効性がありますが、ディスプレイ広告の場合はすぐに購入につながらないケースも多いです。
ディスプレイ広告は、配信先も広く、広告クリエイティブの自由度も高い広告です。
「単価も安いし、とりあえず始めてみよう」という安易な考えでスタートすると、思ったような成果につながらず、広告費を無駄にしてしまいます。
ここからはディスプレイ広告を成功させるため、運用前に知ってほしいポイントをご紹介します。
まず、「なぜディスプレイ広告を出稿したいのか」という目的を明確にしておくこと。ディスプレイ広告は、潜在層へのアプローチや、一度サイトを訪問したユーザーへの再アプローチに適した広告です。今すぐ売上につなげたい、コンバージョン数を増やしたい、という目的での広告を考えている場合にはあまり適していません。
また、認知拡大を図るための広告と、コンバージョンを増やすための広告では、作るべき広告の内容も変わってきます。ディスプレイ広告でどんな効果を得たいのか、目的をはっきりさせてから詳細を考えていきましょう。
ディスプレイ広告は、広告の表示回数によって料金が変わります。クリックの有無に関わらず料金が発生するということは、ユーザーが広告を目にしたかどうか実際には分からないということです。そのため、広告づくりの際に「パッと見で印象に残り、興味を引く」ことが求められます。
ただし、危険や不快感をあおる広告、大げさな表現の広告などは、ユーザーの嫌悪感につながります。いくら目立っても、商品やブランドのイメージを損ねては意味がありません。ブランドイメージに沿った形で、ユーザーの心に響くクリエイティブを考える必要があります。
上手くディスプレイ広告が運用できるか不安、ディスプレイ広告でも一定のコンバージョンがほしいという場合は、ディスプレイ広告の中でも「リターゲティング広告」はおすすめです。
サイトに訪問したことのあるユーザーや、関連キーワード検索を行ったユーザーに絞って広告を出せるので、コンバージョンにつながりやすいです。関心の高いユーザーに認知拡大が図れるので、「名前を覚えてもらい、その名前で検索してサイトを訪問し、購入する」という動きも期待できます。
また、自社の顧客情報を広告配信条件にしたカスタムマッチというリターゲティング手法もあります。検討度合いに応じて柔軟なディスプレイ戦略が可能です。
インパクトのある広告を作り、覚えてもらう&クリックしてもらうのが大切ですが、その後のユーザーの動きを考えてランディングページを作り込むのも重要です。
広告を使ってサイトへ誘導できても、サイトの内容が期待はずれだったり、分かりにくかったりするとコンバージョンにはつながりません。
ディスプレイ広告はビジュアル面で訴求できる分、広告クリエイティブとランディングページの関連性も求められます。あまりに広告とWebサイトとのイメージが違うと、「間違ってクリックされてしまった」とすぐに離脱されてしまいます。
広告クリエイティブとランディングページを同時にデザインするくらいの意識で、関連性の高いランディングページを準備しましょう。
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ディスプレイ広告は、インターネット広告の中でも潜在層にアプローチできる広告手法です。動画や画像を使って訴求できるため、上手にターゲティングを行うことで認知度を高め、ユーザーのアクションを促すことにつながります。
インターネット広告を活用したいという方は、ディスプレイ広告の特徴を理解し、自社にあった形式で戦略的に導入してみてください。
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