インターネットで広告を出稿する際に大切になってくるのはキーワードの選定ですが、キーワードの選定だけでは、広告の運用はうまくいきません。キーワードの選定に加えて、ユーザーがキーワードで検索をした際に、キーワードのどこまでを一致した時に広告を表示させるか、という「キーワードマッチ」が、広告の表示回数や、コンバージョンに影響してきます。
今回は、キーワードマッチの種類やそれぞれの効果的な使い方など運用する際に必要な情報をご紹介します。
マッチタイプは、広告主が登録した入札キーワードと、ユーザー検索に使用した検索語句をどこまでの範囲が一致したら広告を表示させるかを設定できます。「完全一致」「部分一致」といった設定は、マッチタイプのひとつで、例えば完全一致の場合は、広告主が設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが完全に一致しないと広告が表示されません。マッチタイプの設定をすることで、広告表示をコントロールすることができます。
このキーワードのマッチタイプは、Google広告とYahoo!プロモーション広告ともにキーワードの設定方法があります。それでは、具体的なマッチタイプの種類とその特徴、具体例をご紹介します。
リスティング広告の入札キーワードに設定することができるマッチタイプはこの5種類です。
リスティング広告の運用の成果を最大化させるためには、このマッチタイプを正しく使い分けることが大切になりますので、しっかりと使い分けられるようにしておきましょう。
広告主側が登録した入札キーワードとユーザーが検索する検索語句が完全に一致した場合にのみ、広告が表示されるマッチタイプです
Google広告でマッチタイプを完全一致と設定すると、完全一致した場合と類似パターンに該当した場合に広告を表示します。例えば「不動産 土地」と設定した場合には「不動産 土地」「土地 不動産」と語順が異なっていても同じ意味の場合や、「不動産の土地」など、助詞や接続詞が入っている場合などが類似パターンとして含まれ、完全一致として広告が表示されます。その他、言い換えや省略した表現、類義語、検索意図の同じ語句などが含まれます。
Yahoo! スポンサードサーチでマッチタイプを完全一致と設定すると、完全一致した場合と類似パターンに該当した場合に広告を表示します。Googleと同じように語順の入れ替えや、助詞や接続詞が入っている場合などが類似パターンとして含まれ、完全一致として広告が表示されます。
「不動産 土地」と入札キーワードを設定した場合に、入札キーワードを[ ]で囲います。そうすると[不動産 土地]となり、マッチタイプを指定できます。
完全一致で広告が配信対象となるキーワードの例は下記になります。
入札キーワードの設定で完全に一致するもののみに対して広告が配信されるため、無駄なクリックが発生しません。また、完全一致の配信は、設定したキーワードにのみ、入札の調整が行われるため、キーワードの掲載順位をコントロールすることができるので、CPAに余裕がある場合入札を強めることでコンバージョン獲得の機会を増やすことができます。
機械損失を起こしやすいことが挙げられます。若干の表記ゆれ以外の関連性のあるキーワードなどへ拡張されないため、コンバージョンに繋がりやすいキーワードにも拡張されません。コンバージョンに繋がりやすいキーワードが登録されていないと、コンバージョンを取りこぼしてしまう可能性が高くなります。
完全一致のメリットやデメリットは先述した通りで、メリットの部分を伸ばし、デメリットはなるべく防ぐような運用をしていくことがポイントです。この後ご紹介する「部分一致」、「絞込み部分一致」と組み合わせることで運用の成果を高めることができます。完全一致で想定しているターゲットのコンバージョンを獲得し、絞込み一致でCPAの高騰を防ぐといった使い方をすることができます。
部分一致は、登録された入札キーワードを幅広く解釈し、検索エンジンが考えるキーワードの高いキーワードに対して、広告を配信します。非常にリーチが広く、Googleによると、1日に使用される検索語句の20%は、過去90日間で一度も使用されない」との報告があります。これは、ユーザーが使用する検索語句は、広告主側が想定できなかったことととらえることができます。一方で、広告主が想定しているターゲットとは関係のないユーザーも、誘導してしまう可能性があります。
Google広告でマッチタイプの初期設定は部分一致で、誤字や、送り仮名の違い、表記ゆれなどがある場合でも広告が表示されます。キーワードに「不動産 土地」と設定し、ユーザーが「ふどうさん 土地」と検索した場合にも広告が表示される可能性が高くなります。
Yahooスポンサードサーチでは、類義語や関連性のあるキーワードに対しても広告が表示され、マッチタイプの中では多くの広告が表示されます。その他Googleと同じように誤字、送り仮名の違い、表記ゆれでも広告が表示される可能性が高くなります。
不動産 土地 と入札キーワードをそのまま入力することでマッチタイプを設定できます。
部分一致で広告が配信対象となるキーワードの例は下記になります。
大量のユーザーへ広告を届けられるという点でしょう。他のマッチタイプを比べると圧倒的にユーザー層が異なります。完全一致ではピンポイントにユーザー層を特定して配信できますが、検索数が少なく機会損失がある可能性も高くなってしまいます。部分一致を使うと、コンバージョン獲得機会が増えます。
想定していないターゲットにまで広告が配信される可能性があり、部分一致の仕組みはメリットと表裏一体です。不要なキーワードを多く拾ってしまい、無駄なクリックが発生してしまい、CPAが高騰してしまいます。
部分一致のメリットは同時にデメリットでもあります。この特徴をしっかりと押さえておきながら、この後ご紹介する「除外キーワード」で想定外のターゲットに広告を配信してしまわないように、こまめに設定をしておきます。事前にある程度除外できそうなキーワードを絞込み、実際に設定を行いますが配信データからでもしっかりと不要なキーワードを除外していきましょう。
部分一致よりも細かいキーワード調整を行うことができ、広告主側から広告を表示するキーワードの制限をかけることができます。キーワードの語順がバラバラでも表示されるので、キーワードの選定が的確であれば、ターゲットに近いユーザーに広告を届けられるマッチタイプでしょう。
Google広告とYahoo! スポンサードサーチともに、半角の+(プラス記号)をつけたキーワードの類義語に関連付けられた検索語句に広告が配信されます。
+不動産 +売買と入札キーワードの前に+をつけることでマッチタイプを指定できます。
絞込み一致で広告が配信対象となるキーワードの例は下記になります。
キーワードを想定しやすい自由な範囲で拡張できる点です。「不動産 売買」というキーワードで集客する場合「不動産 売買」の他に、「おすすめ」や「東京」などといったキーワードで検索する可能性があります。想定できる範囲で、拡張をしておくことで、コンバージョンの機会損失を防ぐことができます。
絞込みを行いすぎると、コンバージョン獲得できたはずのキーワードからの流入が消えてしまう恐れがあります。また、適切な絞込みのキーワードが設定されていない場合、全くターゲットとは無関係のユーザーに広告が配信される恐れがあります。
絞込み部分一致は、自由な範囲で拡張できるので、完全一致や部分一致よりも、コストを抑えてコンバージョンを獲得することができます。キーワード数を制限しているため、CPAの高騰を抑えながらもコンバージョンを獲得できます。ですので、予算内でコンバージョンを獲得したいという場合や、広告の予算を増やして実施する場合に効果的な使い方となります。
フレーズ一致は、入札キーワードの語順が固定されているマッチタイプで、キーワードの語順さえ合っていれば前後にキーワードが入っていても問題なく広告が配信されます。また、キーワードの語順が変わってしまうと広告は配信されません。
Google広告とYahoo! スポンサードサーチともに、広告主側が設定したキーワードを、ユーザーが語順通りに検索することで広告が配信されます。部分一致と同じように、表記ゆれや、関連性の高いキーワードに対しても広告が配信されます。
“不動産 売買”と入札キーワードを” “で囲うことで、マッチタイプを指定できます。
フレーズ一致で広告が配信対象となるキーワードの例は下記になります。
キーワードの語順を決めることができるので、広告主が意図したキーワードで広告を配信することができるので、広告費を抑えることができます。
広告主側が設定した条件と、ユーザー側の意図する検索のキーワードが、マッチするとは限らない。
フレーズ一致は、除外キーワードと組み合わせることで、広告主の意図しないジャンルなどは事前に除外しておきましょう。
除外キーワードは正確にはマッチタイプではありませんが、部分一致などで想定しているターゲットではないユーザーに広告配信されてしまう場合に使用できます。特定のキーワードで広告を配信できないようにする設定方法が除外キーワードです。これらは、先ほど説明した完全一致、部分一致、フレーズ一致のマッチタイプの設定を除外キーワードに適用することができます。
Google広告では「除外キーワード」、Yahoo! スポンサードサーチでは「対象外キーワード」として広告配信をしないキーワードを設定できます。
Google広告では、キャンペーン内に除外キーワードがあり、Yahoo! スポンサードサーチでは、対象外キーワードツールを使用する必要があります。
入札キーワードが「不動産 売買」で、除外キーワード「求人」で広告が配信対象となるキーワードの例は下記になります。
除外キーワードでは無駄な広告の配信を減らす効果があるため、余計なクリックをされる可能性が減り、クリック率が上がります。これによって、品質スコアなどの改善に繋がりますので、大きなメリットといえるでしょう。さらに、コンバージョンの獲得見込みの大きなユーザーに配信できるようになるため、コンバージョン率も改善されます。これによって、無駄な広告費が減ります。
除外キーワードが便利と、乱用してしまうと部分一致の役割が機能しなくなる可能性があるため、コンバージョンに繋がりやすいキーワードなどは分析の結果として記録しておき、不要なキーワードを除外しておきましょう。
除外キーワードでもマッチタイプを設定することをオススメします。除外キーワードではフレーズ一致で除外することで、部分一致などでは把握しきれないキーワードを除外することができます。また、CPAが高騰しているキーワードなど、指標から除外していく方法も有効です。
ここまで、キーワードのマッチタイプの特徴やメリット、使い分けをご紹介しました。インターネットで広告を配信する場合、キーワードの選定がとても大切になります。どのようなキーワードで検索されたのかをしっかりと分析をし、除外するキーワードの確認や、キーワードからユーザーのニーズがあらわれますので、扱っている市場の流行など、情報のアンテナをはっておくことで、より集客の効果を引き上げることができます。
マッチタイプをつかいこなせると、キーワードの選定もより戦略などを意識できるようになりますので、経験を積み重ねていきながら運用をしていきましょう。
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