SEOを実施する際、自社サイトの検索順位が特定のキーワードで何位に表示されているかを把握することが重要です。Googleサーチコンソールを使えば検索順位を簡単に確認でき、どのように改善していけば良いのかのヒントにもなります。しかし、Googleサーチコンソールの扱いに慣れていない方にとって「平均掲載順位ってどういうこと?」「どのように分析していけばいいの?」「改善すべきところがわからない」などと疑問に思うのではないでしょうか。
今回は、Googleサーチコンソールに表示される平均掲載順位の意味や確認方法、順位を向上させる方法について解説します。
目次
自社サイトの検索順位を確認するべき理由は、順位によってクリック率(CTR:Click Through Rate)が大きく変動するためです。
クリック率とは、特定のキーワードで検索したときに検索結果にサイトが表示された合計回数に対してリンクがクリックされた割合のことをいいます。
クリック率は検索結果の上位にあると、ページリンクがユーザーの目に触れやすく高くなる傾向にあり、seoClarityが2021年に行った調査によると、1位に表示されているサイトのクリック率は13.4%、2位は7.52%、3位は4.68%となっています。
参照:2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO
みなさんもGoogle検索を利用した際、検索結果の上位に表示されたページのみを見るのではないでしょうか。検索順位が低いと当然見てもらえる機会が減るため、検索結果の100ページ目に掲載されているサイトはほぼ存在していないことと同義といえます。
このように、検索順位によってクリック率は大きく変わるため、自社サイトがどのぐらいの検索順位なのかを定期的に確認することは重要です。
Googleサーチコンソールの平均掲載順位とは、クエリごとに返された検索結果におけるリンクの最上位の掲載順位を、そのリンクが表示されるすべてのクエリ数で割ったものです。
- クエリ 1 から返されたプロパティの掲載順位が 2 位、4 位、6 位の場合、その掲載順位は 2 位(最上位の掲載順位)としてカウントされます。
- クエリ 2 から返されたプロパティの掲載順位が 3 位、5 位、9 位の場合、その掲載順位は 3 位(最上位の掲載順位)としてカウントされます。
- 2 つのクエリの平均掲載順位は (2 + 3)/2 = 2.5 となります。
引用:検索結果の掲載順位とは
平均掲載順位の注意点としては以下3点です。
きちんと理解しておかないと正確な評価ができず、間違った認識のまま改善対応に進んでしまう可能性があるため十分注意しましょう。
それではさっそく検索順位を確認してみましょう。
まずはGoogleサーチコンソールにログインし、左のメニューバーから「検索パフォーマンス」を選択すれば平均掲載順位が表示されます。
「平均掲載順位」をクリックすると、グラフの中にオレンジ色の線で平均掲載順位の推移が表示され、その下の表にも掲載順位が反映されます。
デフォルトで表示されているのは合計クリック数と合計表示回数の2つのみですが、平均CTRもクリックすると、緑色の線でグラフに表示されます。
サイト全体の平均掲載順位が確認できたら、次はクエリごとの検索順位を把握していきましょう。
折れ線グラフの下の表で「クエリ」タブを選択すると、キーワードごとの合計クリック数・合計表示回数・平均CTR・掲載順位が確認できます。
意図したキーワードで上位表示ができているか、これから狙っていけそうなポテンシャルの高いキーワードはないか、掲載順位に見合った表示回数やCTRは獲得できているか、などを見ていきましょう。
「掲載順位」の文字をクリックすると、掲載順位を昇順・降順に並び替えられます。
クエリごとだけでなく、ページURLごとでも検索順位を調べられます。
「ページ」タブをクリックしましょう。
URLのみだとどのようなページかイメージしづらいですが、赤枠をクリックすると新しいタブでそのページ画面を確認できるため便利です。
URLの表示順はバラバラですが、「上位のページ」をクリックすると、ディレクトリごとにまとまりのある表示形式に切り替わるため、カテゴリごとで分析できます。
もし似たようなページの中で掲載順位にバラつきがあるならば、上位化できているぺージとそうでないページを見くらべて、なぜ両者の検索順位に差があるのかを考えてみましょう。
上位化できているページにはあって、できていないページにはない要素が特定できれば、改善に活かせます。
「ページ」タブで分析したいURLをクリックし、そのまま「クエリ」タブをクリックすると、選択したURLで表示があったクエリを確認できます。
逆に「クエリ」タブでクエリをクリックし、さらに「ページ」タブをクリックすると、指定したキーワードで表示があったURLの確認が可能です。
狙ったキーワードと表示されているページの整合性はとれているか、一つのページで狙っているキーワードが複数あるとき、それらが網羅されているかなどを把握しましょう。
「日付」タブでは指定した期間の検索順位変動を確認でき、Excelなどにダウンロードして記録しておけばレポートなどに活用できます。
細かい粒度で各指標を把握できるため、前後の日にちで数値の変化が大きいときは該当日に何があったか原因を探りましょう。
良い変化であれば再度同じ施策ができないか検討し、悪い変化であれば再発防止に活かせます。
では平均掲載順位を向上させるにはどうすればいいのでしょうか。
ここからは、内部施策や外部施策のようなSEOの専門的ノウハウというよりも、Googleサーチコンソールを確認することで得られる検索クエリやページ情報をもとに、コンテンツを充実させるという視点で解説します。
以下3つのステップで進めましょう。
それぞれの内容を順番に解説していきます。
まずは改善したいキーワードとページを決めます。
先述したページとクエリの掛け合わせで特定していきましょう。
何よりも優先して改善したいキーワードやぺージがすでに決まっている場合は、フィルタをかけると便利です。
例えば、「SEO 歴史」というキーワードの掲載順位を調べたいとき、「掲載順位」の上の①三本線(行のフィルタリング)をクリックし、②「上位のクエリ」にチェックをいれます。
チェックを入れると検索欄が出現するので、そこへ「SEO 歴史」と入力し検索すると、そのキーワードを抽出できます。
調べたキーワードを含めた他のクエリでサイトの表示があった場合、それらのキーワードも同時に表示されます。
改善したいキーワードとページが決まったら、そのキーワードをGoogleで実際に検索し、どのようなページが上位に表示されているか見てみましょう。検索順位が高いということには必ず何か理由があり、ユーザーにとって有益であるとGoogleが判断しているからです。
そのため、最低でも検索結果の1ページ目にある競合ページはすべて確認し、自社ページと比較することで、「なぜこれらのサイトは上位表示されているのか」「自社サイトのページに足りていないコンテンツは何か」を分析しましょう。
競合サイトのページと自社サイトのページを比較し、異なる箇所や自社サイトに足りない要素を特定できたら、コンテンツをリライトし、よりよいページにしていきます。
このとき、競合ページを真似するのではなく、自社ページにしかないようなオリジナルな要素や情報を追加するのが理想です。
例えば、競合ページで言及されている内容に対してご自身が疑問に思った部分があれば、そのことにふれた要素を自社ページ内で新しく用意し、解説してあげるとよいでしょう。
Googleサーチコンソールで検索順位を見ていると、「この掲載順位って本当にあっているの?」「どうして掲載順位のグラフが切れているの?」と疑問に思うことがあるでしょう。
しかし表示されている数値は正確で、サーチコンソールのバグではありません。
ここでは、掲載順位がおかしいと感じたときに理解しておくべきことをご紹介します。
Google検索エンジンはユーザーの過去の検索履歴や興味・関心、使用デバイス、検索している場所などあらゆる情報をもとにパーソナライズされた検索結果を返します。
つまり、ユーザー一人ひとりに最適化されており、すべての人が同じ検索結果を見ているとは限りません。
また先述したようにGoogleサーチコンソールの掲載順位は、あくまで最上位の掲載順位の合計をすべてのクエリ数で割った平均数値です。
そのため、Googleサーチコンソールに表示される掲載順位と自分で検索したときの掲載順位が異なることはおかしいことではありません。
平均掲載順位が切れて表示される理由は、該当キーワードでの検索表示が該当日になかったからです。
合計クリック数や合計表示回数などの他の指標に関しては、全くなければ「0」という数値で表現できますが、掲載順位はそれらと単位が違うため、該当キーワードでの表示がなければグラフの線が切れてしまいます。
ここでは平均掲載順位の他にGoogleサーチコンソールの検索パフォーマンスで確認できる指標について、それぞれの意味やカウント方法、数値が低い場合に考えられる原因とその対処法もあわせて見ていきましょう。
合計表示回数とは、検索結果にページリンクが表示された回数のことです。リンクが画面に映ったかどうかは関係なく、ユーザーが見ているページ内にそのリンクが存在すればカウントされます。自社サイトの検索順位が11位~20位で、ユーザーが2ページ目を表示しなかった場合やページ移動によって先ほど見ていたページを再度表示させた場合は新規でカウントされることはありません。
また、カルーセルやよくある質問などで見られる展開可能なセクション内にあるページリンクも、中でアクションがない限り表示回数としてカウントされません。
合計表示回数が少ない原因としては以下4点が考えられます。
明らかに表示回数が少ない、ある日を境に急激に少なくなった場合は、Googleの動きやサーバーエラーを疑いましょう。Googleは日々アルゴリズムを改良させており、年に2~3回の頻度で大規模アップデートも実施しているため、検索順位に変動がある可能性が考えられます。
サーバーエラーに関しては、リクエスト要求の過多によりそのようなエラーが起きている場合、集客チャンスを逃す大きな機会損失につながるため、サーバー変更を推奨します。検索順位が低く、単純にユーザーの目に触れられていない場合は、SEOに注力することで多くのユーザーに自社サイトをリーチする必要があります。検索順位が高いのに表示回数が少ない場合は、そもそも該当のキーワードに検索ニーズがないかもしれません。
キーワードを設定する際は、必ず最初に検索ボリュームがあるのかを確かめるようにしましょう。
合計クリック数とは、検索結果に表示されたページリンクがクリックされた回数のことを指します。
ページリンクをクリックした後、元の検索結果ページに戻り、再度同じリンクをクリックしてもカウントはされません。
合計クリック数が少ない原因としては以下3点が考えられます。
そもそも表示回数が少なければクリックされることはほとんどないので、少しでも露出機会を増やすためにSEOを強化していく必要があります。また、ページリンクのタイトル・ディスクリプションの見直しも大切です。
いくら検索順位が高くても、タイトル・ディスクリプションの文を見たユーザーが「自分の探している情報と違う」と判断してしまえば、クリックされる可能性は下がります。
ページ内容を端的に表した文章になっているか、ユーザーの興味をそそるような文章になっているかを今一度確認してみましょう。
平均CTRとは、合計表示回数に対してどのぐらいページリンクがクリックされたかを指します。平均クリック率は先述したクリック数が多くなればなるほど改善される傾向にあります。また構造化データマークアップを施し、リッチスニペットを表示させるなどの施策も効果的です。
リッチスニペットや構造化データマークアップの意味やメリットに関しては、詳しくはこちら
今回は、Googleサーチコンソールで確認できる平均掲載順位の意味や分析手法、改善アクションについて解説してきました。クリック率を大きく左右する検索順位はSEOにとって最重要指標といっても過言ではないため、常に自社サイトの順位を追うようにしましょう。もしGoogleサーチコンソールをはじめ、Googleアナリティクスやその他ツールの使い方がわからずサイト改善ができていないと感じている方は、ぜひ当社の「SEOコンサルティングサービス」をご検討ください。
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