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このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開されていた記事であり、2014年12月にデジタルマーケティング研究所へ統合されました。
皆さんこんにちは。今日は久しぶりに事例をご紹介したいと思います。BtoB企業でのSEOのお手伝いです。
1.「ミラクル・リナックス」のご紹介
今回SEOをお手伝いしたミラクル・リナックス様は国産LinuxOSベンダーとしてスタートし、オープンソースソフトウェア(OSS)を活用したシステム監視ソリューションやシステムバックアップ製品、組込みLinuxの開発・提供や技術サポートなど、企業向けのソフトウェアやサービスを提供している企業様です。
ミラクル・リナックス公式サイト
2.お客様の課題感
Webでの認知度向上を積年の課題としていた同社は、数年前にオープンソースのCMSを導入しサイトをリニューアルしてから、メタ情報をはじめとするSEOのチューニングなどを行っておらず、機会損失を出しているのではないかという認識を強くお持ちでした。専任でウェブを担当できる人員がいなかったため、SEOに関してはアウトソースを検討してみようという話が持ち上がったそうです。
3.ご提案内容
ミラクル・リナックス様はSEOのアウトソースを検討し何社かの話を聞いていたのですが、当時は外部リンク施策を勧められることが多く「外部リンク施策はサイトにとって本当に必要なのだろうか」と半信半疑になっていたそうです。そんな中展示会をきっかけにお引き合いをいただいたわけですが、ディーエムソリューションズは「これだけのポテンシャルと運用履歴があるサイトでは外部リンクを検討する前にやるべきことがある」と申し上げました。具体的には以下のポイントです。
- 内部チューニング
- CMSの機能を使ったtitleやmeta name=”decription”の指定ができていない可能性がある
- アクセス解析
- SEOがどんな状況なのか、把握できていない
- 目標設定
- どんなユーザーに対して、どれくらいの露出を目標とするのか定められていない
その後当社のセミナーなどにもご参加いただき、SEOに対する考え方を共有した結果、プロジェクトをお任せいただけることになりました。
4.施策の内容
全体のスケジュール
以下で主なポイントを解説します。
目標設定
最終的に240キーワードをピックアップし、それぞれの検索回数と検索結果でのクリック率を元に流入と反響の目標を設定しました。具体的な数字まではお見せできないのが残念ですが、後にこれがかなりの精度であったことがわかります。
Googleアナリティクスやウェブマスターツールの設定
そもそも目標計測が行われていない、使用しないプロファイルが大量に残っているなどの問題を抱えていましたので、プロジェクトのスタートにあたってこれらをまとめて設定しました。(目標計測についてはフォームの仕様そのものを変更する必要があったため少し遅れての実装となりました)
内部施策
製品ページを中心に非認知層にアプローチするキーワードを盛り込んだり、CMSの構築会社と協力して重複ページの問題を解消したりといったテクニカルな施策を実装しました。特に前者の内容は上記のアクセス解析の内容をふまえてアップデートされていくこととなります。
コンテンツの追加
既存コンテンツを使いやすくするためにページを分けたり、説明不足のテーマについてはページを追加したり、といった施策です。元々Googleからの評価の高いサイトだったこともあり、これだけでただちに上位表示するキーワードも少なくありませんでした。
SEOマニュアル
CMSの項目ひとつひとつに対して、「今後ページを追加する時はこういう考え方でこのように設定することが好ましい」というマニュアルを作成しました。SEOのインハウス化をお手伝いすることが目的です。
5.成果
流入の「量」と反響(CV)
やはりもともと強いサイト。セオリー通りの内部施策とマンパワーが許す限りのページ追加をお手伝いした結果、自然検索経由の流入が140%、自然検索経由の反響(CV)が170%まで伸びてくれました。この値は事前に設定していた目標値に対して流入で100%・反響で115%の達成率でした。自分で目標を設定しておきながらなんですが、SEOは不確定要素が多く着地予想が非常に難しいです。ですので今回のピンポイントぶりは自画自賛したい点です(笑)。
流入の「質」
前述の通り目標設定にあたってはブランドキーワード(社名や製品名)の割合を、下がれば下がるほど良い指標としてチェックしていました。
上記の通りこちらも順調に推移してくれていたのですが、プロジェクト中に困ったことになりました。GoogleがSSL検索をデフォルト適用したのです。ミラクル・リナックスはIT系の企業様ですので、ユーザーの多くはGoogleを利用しています。SSL化によってGoogleからの流入キーワードが取得できなくなってしまい、ブランドキーワードの割合を意味のあるデータとして取得することが難しくなってしまったのです。
そこで急遽ウェブマスターツールの「検索クエリ」数を拠り所とすることにしました。この値も増えれば増えるほど多様なキーワードでの集客につながっていることを意味するものです。
時間が経過するにつれて改善してくれていることが伺えます。
6.成功のポイント
今回お手伝いさせていただいたミラクル・リナックス社の事例から私が感じた成功のポイントをまとめます。
プロジェクトチームの雰囲気
ミラクル・リナックス様が提供しているのはBtoBの中でも検討担当者が多部門に渡るシステム系のソリューションということで、私自身も馴染みが薄く、キーワード選びも試行錯誤の状態からのスタートでした。そんな中でもアクセス解析のデータをお持ちしてお打合せに伺うと「こんなコンテンツはどうか」「ビジネス背景からしてこのキーワードが良さそうだ」といった具合に毎回闊達な議論が行われていたことが大きなプラスとなりました。結果としてどんどんサイトが改善されていき、成果につながっていきました。
お客様の熱意
今回はご担当者の皆さんのインハウス化に対する意識が高く、プロジェクトを通じてSEOが浸透していったことも印象に残っています。当初はCMS関連の設定もほぼ当社が行っていたのですが、プロジェクトも終盤に差し掛かると新規にページを追加する段階で既に設定が完了しており私達が口を出す部分はほとんど無いという状態でした。
ミラクル・リナックスの児玉社長とマーケティング担当の椎名さん(お打ち合わせにて)
7.終わりに
社長様や現場からも成果を期待されていたプロジェクトということで、なんとか成果を収めることができほっとしています。
前述の通り非常に前向きな雰囲気の中お仕事をさせていただき、本当に素晴らしい社風の企業様だと感じると同時に、私にとっても良い経験をさせていただきました。こういう機会を作ってくださったミラクル・リナックス様プロジェクトチームの皆様と当社営業の矢後にはこの場を借りてお礼をさせていただきます。
ミラクル・リナックス様が導入したサービスについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
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2014年12月までディーエムソリューションズ株式会社SEO対策チームに所属。「SEOは実装」を信条に、コミュニケーションを重視するスタイルで数多くのサイトのコンサルティングを手がける。内部施策に関して造詣が深く、「SEOまとめ」というtwitterアカウントを通じて日々情報発信を続けている。
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