2015年6月、私たちディーエムソリューションズ(以下「DM-S」)は、アフィリエイト広告の運用で大きな成果を上げているa-works株式会社代表取締役の野山大彰氏へインタビューを行いました。
現在も市場が成長し続けているアフィリエイト業界で成果を上げるためにはどんなことが重要なのか、野山氏にお話しいただきました。
目次
―まず、野山さんのご経歴を伺いたいと思います。もともとインターネットはもとよりPCの知識もあまりなかったそうですが、そんな野山さんがなぜインターネット業界で起業し、アフィリエイトを中心としたネットビジネスで成功をおさめるまでに至ったのか、その経緯をお話しいただけますか?
中学生の頃から『何か商売がしたい』『起業して社長になりたい』と思っていました。と言っても、ただの見栄っ張りの格好つけだったのですが(笑)。
当時放送されていた『マネーの虎』というテレビ番組に中卒で起業した社長さんがたくさん出ているのを見て、学歴がすべてじゃないと感じて、とにかく早く社会に出ようと思いました。電気系の工業高等専門学校に進学して、『20歳で就職して3年経ったら退職して起業しよう』と考えていて、高専卒業後は、松下電器産業株式会社へ入社しました。
―すごいですね。
高専は就職に有利だったんです。ものづくりは好きにならなかったのですが、本当に上司に恵まれて、修業させていただきました。3年経って辞めようと思ったときに、いわゆる自称経営コンサルティング会社にスカウトされて、経営の勉強をしたいなと思って入社したら詐欺みたいな会社で…(笑)。
それですぐに辞めてしまい、これからどうしようという状態になったのがきっかけなんです。もとからアフィリエイトをすごくしたくて始めたとか、Webで何かをしたくて始めたのではなくて、まったくゼロの状態になってしまい、これから何をしようというときに偶然出会ったのがアフィリエイトなんです。
―それはいつ頃の話ですか?
2008年です。ちょうどキャッシングとかFXがすごく伸びた時期なんですが、僕が23歳のときに、友人がFXのアフィリエイトで毎月何百万稼いでいるという都市伝説みたいな話を聞いて、『アフィリエイトってなんだろう?』と思って始めたのがきっかけです。もう未来がなかったので、必死でした。アルバイトしながらとにかくアフィリエイトをしっかりやっていこうと思い、友人を巻き込んで、三期目で年商1億円くらいまでいきました。
―素晴らしいですね。紆余曲折ありつつも、起業するというご自身が描いた形に沿っていかれていますね。
そうですね、形に沿えたことは嬉しいです。比較的自由にやらせてもらっています。
ただ、管理画面との戦いになってくるので、お客様がどう喜んでいるのか分からなくて、2011年頃から友人の紹介で通販会社のフォローアップをすることになり、それが今のアフィリエイト運用の走りになっています。
―アフィリエイト運用となると、メディアの確保やキャンペーンをどう回していくかなど、そういった苦労はありましたか?
広告代理店経験者が誰もいなかったので、最初は企業からどうやってお金をもらうんだろうと、ビジネスモデルを模索していました。試行錯誤した結果、成果報酬でよくあるASPと按分するといった形に落ち着きました。
多分、アフィリエイターをずっとやっていた方が儲かっていたとは思います(笑)。
―アフィリエイトで何百万稼いだ方もいますしね。
1,000万クラスの方や、大阪の有名なブロガーさんなどすごいですよね。書き方や写真の見せ方にとてもこだわっていて、見ていると勉強になるところが多いです。
―アフィリエイト運用を本格的に移行されて、取っ掛かりとなったのはEC系ですか?
はい、育毛剤の企業です。この企業はこれから巻き返すと思います。一番単価が出るのがECかなと思います。
売れているところはCRM(顧客関係管理)とコールセンターのKPIが徹底管理されていて、ECとしてLTV(顧客生涯価値)を考えた運用をしています。そこが強みですね。クリエイティブに比例してCPAが上がっていくことを理解していない企業が多くて、LTVを上げるための施策ができている企業が少ないのです。メディア側は、そこがきちんとできている企業とお付き合いしていくことが大切ですね。
―そうなると、LTVも含めて運用していくのですか?
僕たちはLTVの設計と施策がきちんとできている企業と組みます。専門家ではないので、LTVの上げ方を教えられるわけではないので。
―LTVを考えた運用ができていれば広告にお金がかけられますよね。普通に売上の20%で考えると、5,000円の育毛剤があったら宣伝費は1,000円くらいしかかけられない。成果報酬で1,000円だったら広告主は皆払わないですよね?
絶対払わないですね。年間のLTVを見ながらなので難しいところですが、決算のタイミングでどれだけ定期便のお客さんがいるか、決算のPLに出てこないじゃないですか。でも、いわゆる広告費は出てくるので、比較的数字のコントロールが難しい業種かなと思います。
―様々な案件を受注していくなかで、御社が飛躍的に伸びたきっかけはなんだったのでしょうか?
ある化粧品会社の案件が大きく当たったことでしょうか。
アフィリエイトは件数合わせみたいなイメージが多いんです。純広(純広告)やリスティングばかり提案されますし、そこでCPAを安く合わせる広告をイメージされる方が多いのですが、アフィリエイトを軸に数字を出せることには本当に驚かれますね。
BtoBのいわゆる自社メディアを持っていない企業だったので、化粧品関係に強いメディアさんを日本中行脚しました。セミナーをやり、使用してもらい、『皆でサイトつくろうぜ!』という絵を描きながら、どうしたらメディアさんが貼りたいと思える広告を作れるかなど、僕らで企画していきました。
―メディアの承認率は影響しますか?
しますね、承認率が低いと載せられないですから。CVR、クリエイティブをいじってくれる会社だったので、一番いいワードからの流入だと4クリック、5クリックくらいで20%出るので悪くないかなと。
―LTVで見て高単価で、承認率が80%あれば、どんどん買ってくれる感じになりますね。他にはありますか?
もう一つ、化粧品と健康食品関係の案件で、月に1万件出ているのがあります。健康食品の方はインフォマーシャルを打ったり、CPAも高く、コールセンター側のKPIのコントロールもうまいので、企業側がアフィリエイトに寄り添ってやってくれているからこその結果なのですが。
―獲得力のあるメディアは何もしない、動かないと掲載面を縮小せざるを得なくなってしまいますが、それについてはどうお考えですか?
僕らとしても間違いなくそうです。広告慣れしたユーザーに見慣れたクリエイティブを見せてもレートは下がるに決まっているので、そこはもう徹底してやるのが仕事だと分かって欲しいです。
リスティングは管理画面があるじゃないですか。Webに疎い人たちは、アフィリエイトはボタン押したらスタートできる、止まると思っているんですよね。そういう人たちは代理店に丸投げなので、やっぱり、きちんと取り組んでいる企業とそうでない企業とではもっと差が開くという印象があります。
―ASPの売上を見ていると、基本的にアフィリエイトの市場はどんどん広がっていますよね。
年8%増加しているという高い成長率ですよね。企業側からすると、とにかく純広を打ちたくない。純広を打とうとすると必ず握ってくれと言われます。『CPA7,000円で、売れた分しか出さないよ』みたいな話で、もう純広じゃないですよね。
『リスティングも売れなかったらどうするの?』と言ってくるクライアントまで出てきている。だからこそ、アフィリエイトに流れるのは当然かなと。
アフィリエイトに寄せたらいいと思うのですが、mixiのログインページやアメーバブログの広告枠を買う企業もいる。分かっていないところですね。
―御社はどのような媒体を使っているのですか?
当社は、インセンティブ媒体は使わず、基本的にSEMとディスプレイ媒体、ソーシャル系の媒体にフォーカスを当てながら動かしています。SEOは媒体が大事で、ディスプレイとソーシャルを比べたら、もうLTVが全然違うんです。圧倒的にオーガニックです。オーガニックで広告を貼って、大きな話題となることで、規模が小さいところでも指名検索のボリュームが3倍とか4倍になった。リスティングのCPAも下がって安定してCV数も取れるようになり、露出も取れるようになった。それでもう年商6倍の規模になったところがあるんです。商品力も良くて、通販を分かっている人たちなので良かったんですけど、良い商品が売れるのは、やっぱりすごく嬉しいです。
―すごいですね。売れるのは嬉しいですね。
嬉しいです。僕は企業がこだわりを持った商品を出していきたいだとか、そこでこんな世界観を作っていきたいとか、面と向かってお話しするというのが楽しくて、本当にそういうのが生きがいで今やっていますね。
―アフィリエイトは今後どんどん広がっていくと思いますが、アフィリエイターと呼ばれる媒体側から見たアフィリエイト業界の展望はありますか?
業界はもっと盛り上がると思います。いろいろな企業と話していく中で、電通の発表*があった通り、テレビの目標をWebが完全に抜き去り、もっともっとWebに流れてくると感じています。
そうなった時に、一番LTVが高くて費用対効果が良いオーガニックの面のところのCPAがもっと上がってくると思います。メディアとしてはもっと収益が上がると思います。
―成功報酬はオーガニックの部分が上がってくると思いますか?
上がってくると思います。実際に、これまで全く別の事業を展開していた大きなクライアントが化粧品へ事業転換して、そういったところが市場を取りに来ていて、かなりの広告費を使ってくる。
普通、化粧品のトライアルはCPAがネットのメディアで3,000〜4,000円出ていれば非常に優秀な案件ですが、今は一番高いところで7,000円くらい出ている。それくらい市場をつぶしにくる勢いで投資をしてくる。
こういう企業が出てくるのは、メディアからすると嬉しい話じゃないかなって思います。
―広告費のかけ方がハンパないですよね(笑)
ハンパないです(笑)。それをテレビではなくWebでやるのだから、メディア業はもっと儲かると思うんです。素敵なメディアができたら、そこに広告を出したいというのが当たり前なので、そんなメディアが増えてくれたらいいなぁという思いはあります。
だからこそ、そんな中でリスティングじゃなくてCPAが握れるからアフィリエイトの方がいいなとは思います。露出の価値も上がってくると思います。視聴率に近い感じの、ネットでの露出が無料でできてしまうのがアフィリエイトなので。広告費が大きい、だからこそCPAが出せる企業、その本質を分かっていてLTVの管理ができて広告投資ができる企業が勝てると思います。
―LTVが少ないと成果報酬の単価もそんなに出せず、面が取れないですからね。
そうですね。さらに、商品力がないと絶対に勝てないです。他で売れているからOEMで真似して作ろうという企業と、ブランドメッセージやテーマや理念がしっかりとあって、そこから作ってくる企業の商品は、同じOEMでもLTVや普通の引き上がり、2回目購入が全然違いますから。
僕の友人で、スマホ化をすごく感じてクリエイティブのテストを毎日のように行っていた人がいるのですが、130%の費用対効果のものが、クリエイティブをいじっていくことで400%まで上がっていったんです。
―それはすごいですね。
文字のフォント、H2、H3といった見出しの色合い、ボタンの置き方やボタンの色合い、文言からサイト全体の訴求まで、細かく変えてやっていくんです。いかにCTRを上げるかを徹底的にやっているところは勝つ気がしますね。
参考:「2014年 日本の広告費」解説 ―国内市場の活性化、紙とウェブの共存、そして地方創生―
―今後、アフィリエイトの広告として自然検索の部分の価値は上がってくると思いますか?
はい。もっと上がりますね。間違いないです。そこを確実に押さえられるような施策ができる人たちは、必ず稼ぎ頭になると思いますし、企業からも喜ばれると思うんです。
いつの時代もそうですけど。逆にニーズが薄い層、ニーズが顕在化していない人たちを無理矢理引っ張ってきてボリュームを稼ごうとしている人たちは、ちょっと敬遠されると思います。やっぱりLTVが高くないんです。
―いわゆる、ど真ん中系のキーワードじゃなければということですか?
そうですね。キーワードがリスティングでもびっくりするくらい高く上がりますから。でもそれは価値なので。
あと、メディアには自分のサイトの価値をもっと感じて欲しいです。ASPから広告でやられる方が多いと思うのですが、安めで買い付けられている方が多い。『どれだけ色んな思いでメディアをやっている人がいるのか分かれよ』って思います。クライアントに対してバリューが出るかというと、出ない。予算を用意して、代理店を信じてメディアを信じて一生懸命やっている企業には報われて欲しいです。
―野山さんに頼めば成功しそうですね。運用会社もすごく重要だなと思います。やっていることはオーソドックスで外れていないのに、運用会社が変わると全然いなくなってしまうのは何かが足りないのでしょうか?
基本的にアフィリエイトがなめられていますね。九州の人たちでいうと『アフィリエイトって与沢翼でしょ?』っていうイメージが多いんです。よく分かっていない人たちも多いですし、怪しいイメージがあるんです。『主婦が100万稼いだ』みたいな本ばかり出ていたりして、そこに大きく誤解があって、予算とかリソースを割こうとしない人たちが今まで多かったんです。
アフィリエイトは一番安い広告なので、広告代理店としては純広とリスティングの方が絶対に儲かるんですね。手数料もだいたい使用金額の20%ぐらいなので、どれだけやっても安いんです。承認作業とかもあったりして一番手間がかかりますが、どんどん比率が変わってくるかなと。
―なるほど。
当社のクライアントで一番伸びた健康食品・化粧品会社さんが、なぜ伸びたのかと言うと、メディアとのセミナーや座談会にいつも社長が出てくるんです。みんなで『うちの商品のこんなのがいい』『これも売れてます』みたいな話でも絶対に社長が出てきて、メディアとそんな話をして、すごい期待感もどちらもありながら、みんなその会社さんのファンなんです。
そういった人たちがもっと前に出てきて欲しいですし、誤解なく見て欲しい。
―アフィリエイトに対する誤解を解くことも大切かもしれませんね。
お互いに分かり合う姿勢は大切だと思います。メディア側は長く続かせるために、『単価、単価』って言い続けないことも大事かなと。クライアントがお金を出すので、疲弊してマイナスになってしまうと意味が無い。長く続かなければならないのと、広告主もメディア側の思いを絶対分かるべきだと思います。
答えがないところが難しい部分でもありますが、互いにもっと知りあうことが大切で、『しっかりできると一万件みたいな未来が見えるよ』みたいなことを伝えていきたい。
―すごいですね。野山さんにはぜひ売れないウォーターサーバーを売って欲しいですね(笑)
本日は貴重なお話をありがとうございました。
なんでもやらせてもらいますよ!(笑)
こちらこそありがとうございました。
年商10億〜100億規模のネット通販企業のWebコンサルティング並びにアフィリエイト広告運用を専門に行う。アフィリエイト業界との深いつながりを持つことからアフィリエイターを動かすために必要な考え方を熟知。
他社ASP代理店からa-worksへの切り替えを望む声も多く、上場企業から小規模通販まで業種を選ばず確実に実績を残していることから、クライアントからの信頼も非常に厚い。
2015年6月、私たちディーエムソリューションズ(以下「DM-S」)は、a-works・野山大彰氏を迎え、「メディア運営者や広告主が成果を出…
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