インターネットの普及により、企業のマーケティング活動はいわゆるWebマーケティングが主流となってきています。ホームページやWebアンケートなど、インターネットを利用したさまざまな手法を駆使して、製品をアピールしたり顧客から情報を収集したりすることが当たり前になり、今やインターネットは企業と顧客をつなぐための重要なサービスといえます。
Webマーケティングの手法のひとつに、「インバウンドマーケティング」があります。まだ耳慣れない言葉かもしれませんが、インターネットを有効に利用するマーケティング手法として、にわかに注目を集めています。今回は、インバウンドマーケティングとは何か、その特徴と効果をご紹介します。
インバウンドマーケティングとは
これまでの企業のマーケティング活動は、一言でいえば「外向き」の活動であったといえます。営業マンが客先に訪問して製品をアピールしたり、テレビコマーシャルで大々的に宣伝したりする、いわば消費者に訴えかけるマーケティング方法です。
しかし、インターネットの時代に入ってからは、消費者は自分自身でいろいろな情報を探し出せるようになりました。Googleなどの検索エンジン、TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワーキングサービスなどは多くの人が利用しています。消費者が自分好みの情報を自由に検索できるようになったことで、これまでの「外向き」のマーケティング方法はあまり効果を持たなくなってきました。
その状況を逆手に取ろうというのが、インバウンドマーケティングの考え方です。消費者が積極的に情報を検索するのであれば、検索結果として自分たちの製品を「見つけて」もらえばいい。自分たちから個々の消費者にアピールするのではなく、消費者のほうから自分たちに近づいてきてもらえばいい。これが「インバウンドマーケティング」であり、そうしたマーケティング方法が、いま注目されているのです。
インバウンドマーケティングの特徴
Webコンテンツを利用する
それでは、どうすれば消費者に自分たちの製品を検索してもらえるのでしょうか?
インバウンドマーティングを始めるためには、まず魅力的なWebコンテンツを作成する必要があります。コンテンツは、Webサイトであってもブログであっても構いません。このコンテンツこそが、消費者を引き付ける最初のカギになるのです。もちろん、魅力的なコンテンツにするためには工夫が必要です。消費者はどのようなことを検索しようとしているのか、どのようなキーワードで検索してくるのか。そのような消費者の行動を予測してコンテンツを作成し、まずは自分たちを「見つけて」もらうことが必要です。
「リード」の育成
コンテンツを作成して集客に利用するだけであれば、「コンテンツマーティング」と呼ばれる手法と変わりありません。インバウンドマーケティングでは、コンテンツを訪れた消費者を「リード」と呼ばれる見込み客に育て上げていくことが重要になります。
では、コンテンツを訪れた消費者をどのようにしてリードに育成していけばよいのでしょうか。
数あるコンテンツの中から自分たちを見つけてくれたのですから、自分たちの製品にまったく関心のない相手ではありません。次はいかにして相手との信頼関係を築き上げるかです。
まずは、消費者の個人情報を提供してもらうことが必要です。個人情報を取得できれば、その人の好みに合った情報を選別できますし、その情報をメールなどで配信することもできます。しかし、ただのコンテンツ訪問者が簡単に個人情報を明かしてくれるわけがありません。情報を入手するためには、こちらからも訪問者に対して有益な情報を提供する必要があります。
例えば、「部屋の整理」というキーワードで検索してきた消費者がいたとします。こうしたキーワードは消費者の興味や関心を表していますので、それに合った情報をコンテンツの一部として掲載しておくのです。「段ボールを利用した上手な収納例」「ロフトの有効活用術」などのコンテンツをPDFとして準備しておき、そのPDFをダウンロードするときにメールアドレスやプロフィールの入力をお願いすれば、本当に興味のある消費者であれば個人情報を提供してくれるでしょう。このようにして、コンテンツの訪問者と情報を取引することで、「リード」を育成していきます。
「リード」を顧客化する
個人情報を入手しただけでは、ビジネスとしては何の結果も出ていません。次のステップは、育成したリードを顧客化することです。リードが必要としている情報をメール配信したり、プロフィールを分析して興味がありそうな情報を提供したりして、さらに信頼関係を深めていきます。
リードがコンテンツのどのページを閲覧しているかを分析することも重要です。特定の製品のページを何度も見ているのであれば、その製品に特に興味があるのだと分かります。
あるいは、ほかの消費者が製品を利用した体験談のページを見ているのであれば、製品の品質を気にしているのかもしれません。このような分析を通じてリードの気持ちやニーズを理解し、適切な情報を適切なタイミングで提供することが、製品の購買につながっていきます。
インバウンドマーケティングの効果
顧客によるプロモーション
リードから顧客になった消費者に対しても、有益な情報提供は続ける必要があります。インバウンドマーケティングが注目されているのは、単にコンテンツ訪問者を顧客化できるからだけではなく、その顧客自身に製品を宣伝してもらえる可能性も見込んでいるからです。
コンテンツを訪れた消費者はインターネットを利用しています。今では、多様なソーシャルメディアがインターネット上に存在し、それぞれ情報交換の場所として利用されています。満足した顧客は、自らソーシャルメディア上で製品のプロモーションを行ってくれます。いわゆる「口コミ」ですが、インターネット上に公開された「口コミ」は不特定多数の人が閲覧するので、大きな宣伝効果があるといえます。
低コストでのマーケティング
インバウンドマーケティングは低コストでマーケティングが行える手法です。インバウンドマーケティングを実現するためのマーケティングソフトウェアも存在しますが、Webサイトやブログなどのコンテンツを自社で作成すればより低コストで実現できるでしょう。自分たちを検索してもらうための検索エンジンやSNSのサービスも無料です。
必要なのはコンテンツの作成と情報の分析・配信であり、それ以外にはほぼコストはかかりません。インバウンドマーケティングは、インターネット上のフリーのリソースをフル活用して最大のマーケティング効果を上げることができるのです。
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おわりに
現在では、消費者にとって情報は与えられるものではなく、自分で探し出すものになっています。さらに、さまざまな情報がインターネット上に氾濫しているため、消費者の好みやニーズが多種多様になってきています。かつてのように企業が主体となってマーケットを形成するのではなく、消費者自身がマーケットの方向性を決めているといってよいでしょう。
インターネット上を流れる情報の動きを分析し、消費者の興味を引くコンテンツと情報を提供することがインバウンドマーケティングのポイントになります。いかに魅力的なコンテンツを作成できるか、いかに消費者にとって有益な情報を提供できるかが、成功のカギとなります。
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