文章に関わる仕事をされている方であれば「校正」「校閲」という言葉を一度は聞いたことがあることでしょう。
しかし、「校正という言葉は知っているけど、本や雑誌など出版関係でやることで、企業ブログには関係ないでしょ?」といった誤解や、「この記事校正しておいて、って言われたけどどうやればいいのか分からない…」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、校正とは何なのかといった基礎知識から、校正・校閲の必要性やおすすめのやり方までを解説します。オウンドメディアや企業ブログなどのコンテンツマーケティングに関わるお仕事をされている方は、ぜひご参考にしてください。
何気なく使っている「校正(こうせい)」という言葉。具体的にはどのような意味を持っているのでしょうか。
元々の言葉の意味としては「比べ合わせて誤りを正すこと」です。
活版印刷という、文字のハンコを組み合わせて長い文章を印刷する技術が日本でも一般的になるにつれ「原稿と印刷物を照らし合わせて、誤りや組版の不備を正すこと」を指すようになりました。
活版印刷に代わりDTP印刷が一般化した今では上記の意味で使われることは少なくなり、単純に「文字の誤りを調べて修正すること」を指すようになっています。
校正と似た言葉の1つに「校閲(こうえつ)」という言葉があります。
校閲とは、文章の内容や表現について、誤りや誤解を招く箇所などの不備を調べて修正することです。具体的には原稿内容の事実確認や、薬機法(薬事法)・景品表示法などを遵守しているかどうか、差別表現がないかどうかの確認などが校閲にあたります。
校正の対象が「文字」なのに対して、校閲の対象は「文章の内容や表現」であるのが大きな違いです。
校正と校閲どちらのほうが重要ということはなく、どちらも文章を公開するにあたって必要な作業といえます。
もう1つ、校正に似た意味の言葉として「推敲(すいこう)」が挙げられます。
推敲も、文章をより良くするために修正を重ねることを指しますが、校正とは決定的な違いがあります。それは「誰が行うか」が限定されている点です。
校正は、執筆が完了した原稿をチェック・修正することです。誰が行うかは問いません。
一方の推敲は、執筆者(著者)本人が執筆中にチェック・修正する場合にのみ用いられる言葉です。執筆者以外が行う場合は、推敲とは言いません。
校正とは「文字の誤りを調べて修正すること」とご説明しましたが、「文章の誤り」とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。
ここでは、文章の誤りの代表例を5つ記載します。どこが間違っているのか、チェックしながら見てみてくださいね。
上記のような、文字の間違いや抜けが代表的な例です。執筆者の書き間違いやタイプミス(タイポ)のほか、言葉を間違えて覚えてしまっている場合などに起こります。
形の似た文字やカタカナ、英字だと気が付きにくいため、より注意が必要です。
漢字間違いなどのミスです。パソコンやワープロで文字を入力する場合によく起こります。場合によっては文章の意味が分からなくなるだけでなく、相手に不快感を与えてしまうこともあります。
表記の誤りとは、英字の大文字・小文字やひらがな・カタカナなどの表記が決まっている商品名や、一般的にカタカナで書かれる外来語などについて、正しい表記になっていない状態を指します。
外来語を意図的にひらがな表記するといった場合には問題ありませんが、製品名や企業名の表記が間違っていると記事への信頼度が下がるため注意が必要です。
いわゆる「てにをは」が正しくない状態や、主語と述語の関係がねじれている状態です。深く考えずに読んでしまうと正しいようにも思えるため、誤字脱字や誤変換と比べると気が付きにくい誤りだといえます。
表記ゆれとは、1つの文章や同一サイト内の文章において、異なる表記が存在していることです。どちらの表記も正しいものであり、単純な文字の誤りではない点が上の4つとは異なります。
表記ゆれとは何なのか、なぜ避けるべきなのかなどを詳しく知りたい方には、以下の記事をおすすめします。
【1】
【2】
【3】
【4】
校正・校閲がどのようなものなのかは分かりましたが、実際のところ何のために行うのでしょうか。書籍や雑誌などの出版物だけでなく、オウンドメディアや企業ブログなどに掲載する記事においても校正・校閲を行うべき理由や、その必要性について考えていきましょう。
誤った情報を掲載することは、ユーザーの安全や企業・メディアの信頼保持に関わります。
例えば、「クッキーの作り方」に関する記事で、オーブンでの焼き時間を10分多く記載していたとしたらどうなるでしょうか。きっと、レシピ通りに作られたクッキーは黒焦げになることでしょう。
ITの最新情報を載せた記事の中に事実無根の内容が含まれていたとしたら、その記事を読んだユーザーがルート営業中に得意先で誤った情報を伝えた場合、その得意先からの信頼を失うことにもなりかねません。
「やけどをしたときの対処法」というコラムに間違った情報が載っていた場合、誤情報の通りに対処したユーザーのやけどが悪化したり、皮膚がはがれたりといった健康被害が起きる可能性があります。
3つめのやけどの例に関しては、損害賠償を請求される可能性もあります。
その他の2例については悪くてもクレームが寄せられる程度かとは思いますが、コンテンツのせいで失敗をしたユーザーは二度とそのサイトを利用・閲覧しないでしょう。
このような事態を防ぐため、執筆された記事の内容に誤りがないか一つひとつの記載内容を疑い、Webリサーチや有識者へのヒアリングを通じて事実確認を行っていくことが大切です。
どんなに役立つ情報が書かれた文章でも、読んだユーザーを不快な気持ちにさせてしまっては意味がありません。
「ユーザーに不快感を与えない文章」であることが必要です。
差別用語の排除はもちろんのこと、性別や人種、出身地や障害による差別を肯定、助長しているような内容や、極端に偏った思想を押し付けるような内容がないかどうかを確認しましょう。
記事がユーザーにとって有益な内容かどうか、タイトルに沿った内容になっているかどうか、読みやすい構成になっているかどうか、といった内容・構成の精査をします。
また、似たような文章が続いていたり、だらだらと長い文章が続いたりしていると、ユーザーが文章を読むのに飽きたり疲れたりしてしまい、途中でページを離脱する恐れがあります。
ユーザーに楽しんで読んでもらうため、そして読了率を上げるためには、単調な文章になっていないか、一文が長すぎていないか、などの文章チェックも欠かせません。
早く成果を出すために、スピーディーに記事をアップするのは良いことです。
しかし、万が一内容に問題があり、SNSで炎上したりクレームが殺到したりすれば、記事を掲載したオウンドメディアや企業自体の信頼低下にもつながります。
きちんと校正・校閲をしようとすると時間は掛かりますが、Webコンテンツも手間は惜しまず校正・校閲を行ってから記事の掲載を行うことを強くおすすめします。
では、校正・校閲はどのように行えば良いのでしょうか。
ここでは、これまで校正・校閲経験がない方が行う際におすすめのやり方をご紹介します。
校正作業に慣れていない場合にまずおすすめしたいのが、原稿を音読することです。声に出して読むことで流し読みを防ぎ、誤字脱字や文法の誤りに気が付きやすくなります。
声を出すことが難しい環境下や音読が苦手な場合は、紙に印刷して文章を確認していくことをおすすめします。
企業ブログやオウンドメディアの原稿はパソコン上でデータのやり取りをするケースが大半ですが、パソコンのモニター上では目が流れてしまい誤字脱字に気が付きにくい傾向にあるためです。
プリントアウトした印刷物を黙読しながら、読んでいる箇所にマーカーやアンダーライン(傍線)を引くなどすることで、1文字1文字を意識してチェックすることができ、正確な校正・校閲につながります。
定期的に校正・校閲を行う機会が発生する場合には、確認漏れを防ぐためにチェックリストを作成し、校正・校閲を行う都度チェックすることをおすすめします。
この記事でご紹介した、文章の誤りの代表例5つのほか、間違えやすい箇所や絶対に表記を合わせたい用語などをリスト化し、一つひとつの要素をクリアしているかどうかなどを確認します。確認を丁寧に行うことで、「誤字脱字のチェックはしていたけど、表記ゆれのチェックを忘れてしまっていた」といった事態を防ぐことができます。
慣れていない人が校正・校閲を行うときはもちろん、ある程度校正作業に慣れてくると「ダレ」が出てきてしまうこともあるため、校正初心者以外の方にもぜひ活用をおすすめしたい方法です。
より正確に校正・校閲を実施したいとお考えの場合は、校正ツールの利用が最適です。
校正ツールとは、文中の誤字脱字や文章表現の誤りなどを自動でチェックしてくれるツール・ソフトウェアのことです。文章をコピーアンドペーストしたり、Wordファイルをツール上へドロップしたりすることで文章を読み込ませて、チェックを行います。
ただし、精度の高い校正ツールであってもチェックをすり抜けてしまう誤字脱字はありますし、企業やメディア独自の表記ルールがある場合はプラスアルファの確認が必要です。校正ツールはあくまでも校正・校閲をサポートしてくれるツールであり、最終的には目視でのチェックが必要だと考えておきましょう。
文字や文章の誤りを修正する「校正」「校閲」を適切に実施し、正しく読みやすいコンテンツを継続的に更新することで、クレームや炎上などのトラブルを未然に防ぎ、ユーザーの信頼を獲得していくことができます。
コンテンツを作成・更新しているものの、来訪ユーザーのページ滞在時間が短い、再訪率が低い、などの課題を感じている場合は校正・校閲の内容を見直してみてはいかがでしょうか。
校正・校閲にあまりリソースを割けない場合は、コンテンツ制作の外注をおすすめします。
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