SEO対策にはコンテンツ一本で勝負する方法の他に、小手先の手段にはなってしまいますが、様々なテクニックが編み出されており、実際に効果を得てサイトの順位を大幅に伸ばす方もいます。
そんな中で「IPアドレスの分散」もテクニックの一つとして挙げられることがありますね。分散はともかく、IPアドレスという言葉は聞いたことがある人も多いと思いますが、詳しく言葉の意味は知らないという方もいらっしゃるのでは無いのでしょうか?
また、一時期話題に上がっていたとしても、効果のあるSEO対策の方法はGoogleアルゴリズムの変動で簡単に変わってしまうので、今も効果のある手法なのか?と疑問に思っている方も多いと思います。
今回の記事では、IPアドレスの分散は本当にSEO効果に繋がるのか解説します。
目次
IPアドレス分散のSEO効果について解説する前に、まずはIPアドレスの基礎知識について説明します。
IPアドレス(internet protocol address)とは、各コンピューターを識別するために使用されている番号であり、インターネット上における住所のようなものです。
現実世界で配達物を届けるのに住所が必要なように、ネットワークの世界でも各コンピューターに番号を割り当てることで、データのやり取りを行うことが出来るようになります。
また、IPアドレスはドットで4つに区分された数字の羅列で構成されており(例:10.1.2.30)、左端から、クラスA、クラスB、クラスC、クラスDと分けられています。
IPアドレスの概要についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
IPアドレスについてご理解いただけたところで、次は「IPアドレスの分散」がどういったものなのか解説をしていきましょう。
IPアドレスの分散とは、自分が管理しているサイトのIPアドレスを複数用意することで、被リンクを自然に獲得したかのように見せるSEO対策の手法の一つです。効率よく被リンクを増やせますが、一方で一定のリスクがある手法としても知られています。
また、IPアドレスの分散というと少し難しそうなイメージを持っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、IP分散の方法自体は比較的簡単であり、「IP分散サーバー」を提供している会社のサービスに契約するだけです。
参考までにIP分散サーバーを提供しているサービスを一つ紹介しましょう。
参考:123サーバー
サーバーですので勿論有料ではありますが、1つのIPの単価はせいぜい数百円程度であり、また無料お試しもやっているみたいなので、それほど参入障壁が高いというわけでは無さそうですね。ただし、当然多くのIPを契約すれば、それに応じて費用も膨らんでいくため、しっかりと管理をするようにしましょう。
次に、具体的にIP分散がどのようなものか説明します。そもそも、IPアドレスの分散というのは、一般的にクラスC以上のIPを分散させることを指します。クラスC以上とは、左から3つ目のドット(例:100.25.122)のことですね。
なぜ、IP分散はクラスC以上で行われるのでしょうか?これは、GoogleがクラスC以上で分散されていないと、被リンクを評価しないという特許を取得しているからです。また、「GoodROI」を2004年に起業した、SEOコミュニティに長年携わっているグレッグ・ニランド氏も、下記のように言及してます。
In case you were wondering, Google will give significantly more link power love if your inbound links are on different c class ip addresses. I just finished a project and it was a dramatic ranking boost when we made this change.
▼引用元より翻訳
ご参考までに、インバウンドリンクが異なるcクラスのIPアドレスにある場合、Googleはリンクパワーを大幅に向上させます。私はプロジェクトを終えたばかりで、この変更を行ったとき、それは劇的なランキング上昇でした。
要約すると、実際にテストを行った上で、クラスCのIP分散をした被リンクによって、リンク価値が向上し、検索順位に大きく起因したと結論付けたと書かれていますね。
このように、クラスC以上のIPアドレスの分散は効果があるものといえるでしょう。ではなぜ、クラスC以上のIPアドレスの分散には効果があるのでしょうか?
通常、サーバー一つにつき、IPアドレスも一つ振り分けられます。複数のサイトを作っても、それが同じサーバーなら、IPアドレスも同じになります。
同じIPアドレスでサイトをたくさん用意してそれぞれに被リンクを貼っても、その中で最も価値のあるリンクしか評価されず、残りのリンクの評価は全て無効になってしまいます。
それどころか、2012年には「ペンギンアップデート」の導入により、同一のIPアドレスから多くの低品質な被リンクを利用しているサイトには、グーグルのアルゴリズムによって自動のペナルティが付与されることもあり、悪影響まで及ぼしかねません。
しかし、クラスC以上でIPアドレスの分散を行うことで、それぞれの被リンクのIPアドレスが別、つまりそれぞれ別の利用者と認識されます。
これにより、クラスC以上でIPアドレスが異なるサイトからの被リンクを受けることで、多種多様なサイトから被リンクを持っていると判断されるようになり、検索エンジンから高く評価されやすくなります。
クラスC以上でIPアドレスを分散させることで、複数の被リンクに効果を持たせることが出来るという事が分かりますね。
次に、なぜIP分散を行う必要性があるのか?という点でも解説します。
「クラスCのIP分散」でも触れましたが、IP分散の主な目的は「被リンク対策」です。
Googleの検索順位のアルゴリズムにおいて、被リンクは今でも重要な要素の一つです。
IP分散を行い、異なるIPアドレスから多くの被リンクをメインサイトに向けて貼ることで、自然な被リンクを多く獲得することが出来ますね。しかし、このような手法はグーグルの趣旨には反するため、ペナルティの危険性もあります。
いくらIP分散を行っていても、関連性の薄いサイトからのリンクや自動生成によるサイトのリンクなど、明らかに不自然な被リンクを無作為に増やすだけでは、スパムと認識されかえってマイナスになる可能性もあるでしょう。
では、IP分散は行わないほうが良いのでしょうか?確かにIP分散を行っても、質の低い被リンクを貼るだけでは効果が無くなってきましたが、一概に行わない方が良いとは言えません。
異なるIPアドレスからの被リンクがそれぞれ評価されるというのは事実ですので、それらを質に低いリンクとみなされないように質の高いコンテンツであることが重要といえるでしょう。
被リンクも大事な評価の要素の一つですが、グーグルが最も重視しているのは「検索したユーザーに求めている情報を提供することが出来る」質の高いコンテンツであることです。
IP分散はあくまで伸ばすための一つのテクニックであり、そのテクニックを生かすにはコンテンツの質が高いことが大前提ですね。
万一コンテンツがひどい内容でも被リンクの質だけで上がってきてしまった場合、逆にGoogleに目をつけられてしまって手動ペナルティを受けてしまうという事も充分ありえるため、いずれにせよコンテンツの質の向上を避けて通ることは出来ません。
IP分散を行うとしても、メインサイト、被リンクを送るためのサイト(サテライトサイト)ともに質の高いコンテンツを入れるようにすることが大切です。
また、オールドドメインを使ってサテライトサイトを作る際は、IP分散を行いましょう。
オールドドメインとは、「過去に他の所有者がいたが更新期限が切れて所有者がいなくなったドメイン」の事を指します。一般的に、新規ドメインより運用年数が多いため、新規ドメインよりSEOの面で有利と言われています。
ただし、既にペナルティを喰らっていて検索から除外されているような、オールドドメインもあるので注意が必要です。
オールドドメインで作るサテライトサイトの多くは、メインサイトへの被リンク目的、誘導目的なのでIPアドレスの分散は必須となってきます。
もし、IPアドレスの分散を行わないでサテライトサイトから被リンクを貼ると、悪質な自演と判断されて被リンクを貼ったサテライトサイトはもちろん、メインサイトもろとも検索順位を下げられてしまう可能性があるので気を付けましょう。
現在、Google社の検索エンジンの評価アルゴリズムは単純なものではなく、「IP分散したドメインから被リンクを貼ったから順位が上がる」「評価の高い中古ドメインを使っているから順位が上がる」「文字数が多いから順位が上がる」等といった明確な正解はありません。Googleが示す指標は「ユーザーに求められるコンテンツ」という抽象的なものとなっています。
とはいえ、全く新しいサイトと何年も記事を積み重ねてきたサイトが同じ内容の記事を挙げたとしてもどちらの記事が評価されるかは明らかですよね。現在でも、コンテンツ以外の要素(ドメインの年数や過去の記事数など)は評価に大きく関わります。
SEOは小手先のテクニックだけで通用する時代ではなくなってきましたが、良いコンテンツを提供するとともに、今回紹介した「IPアドレスの分散」のようなテクニックをうまく併用できれば、通常よりかなり評価がされやすくなる起爆剤となってくれるかもしれません。
まとめると、IPアドレスの分散はSEO効果に繋げることは出来るけれど、それだけで検索順位は上げることは出来ませんし一定のリスクもあると言えるでしょう。
いずれにしても、一つのテクニックとして覚えておくのがおすすめです。
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