Webサイトの運営をするにあたって、ユーザーの行動を可視化し、効率的なサイト改善を行うために必須のツールが「アクセス解析ツール」です。
最近のアクセス解析ツールは非常に高機能で、Webサイトへの訪問者数だけでなく、サイト上でユーザーがどのように行動したかが具体的に分析できます。積極的に活用することで、Webページの弱点や改善すべき点が見えるようになり、やるべきことが明確になります。
今回は、「アクセス解析ツールの必要性は感じているけれど、まだ導入していない」Webサイトの担当者に向けて、オススメのアクセス解析ツールや、導入の際のポイントについてわかりやすくご紹介します。
まずは、「アクセス解析ツール」の定義についてあらためて確認しておきましょう。アクセス解析ツールとは、Webサイトに訪れたユーザーの行動を分析し、サイトの成果をより上げるための手段です。
Webサイトを運営するには、売り上げや資料ダウンロード数などの目標が設定されていると思います。例えば、商品購入や問い合わせメール、資料請求などの目標です。この目標を達成するためにどんな問題点があって、どこを改善すれば望ましい行動が増えるのか、やるべきことを見える化するためにアクセス解析ツールを使います。
アクセス解析ツールを使いこなすことで、「トラブルの早期発見」「Webサイトを訪れたユーザーの理解」や「施策の効果検証」「Webサイトの改善計画立案」ができます。
Webサイトの流入数やコンバージョン数などを常に確認しておくことで、「急に訪問者数が減った」などの大きなトラブルにすぐ気づくことができます。
もし大幅な変動がある場合は、システムや広告のトラブル、アルゴリズム変更による検索順位の下落などが発生していると予想されます。すぐに問題解決に向けて動き出せば、傷が浅くてすみます。
対面の接客であれば、まず「お客さんについて知る」ことが良い接客の始まりです。お客さん一人ひとりのニーズを把握して、抱えている問題や叶えたい希望に合わせた提案をすれば、成約に繋がりやすくなるからです。Webサイトの場合も、基本的な考え方は同じで、顧客を具体的に想像して施策を行うことで売上につながります。
インターネットの先にいる「見えない顧客」の姿をわかりやすく示してくれるのが、アクセス解析ツールの役割です。
例えば、どのようなキーワードで来訪しているかがわかれば、ユーザーのニーズが想像できるようになります。焼肉用のお肉セットを販売している場合、検索キーワードに「焼き肉 ホームパーティー」や「焼き肉 クリスマス」などのワードがあれば、ホームパーティーやクリスマス会で焼き肉を行うユーザーがいると想像できます。検索キーワードからユーザーの意図を想像することで、ニーズを把握できます。ニーズが分かれば、キャッチコピーや商品説明文に「ホームパーティーにもぴったりな焼き肉セット」のような文言を足し、流入や転換率の向上が見込めます。
Webサイト内でどのようにページを移動しているかが分かれば、ユーザーにとって好まれているコンテンツはどれか、どんな情報を求めているのかが分かります。コンバージョンにつながりやすい時間帯が分かってくれば、その時間を狙ってメルマガを配信するなどの新たな施策に発展できるかもしれません。
Webマーケティング施策の効果がどれくらい上がっているかも具体的に分析できます。例えば、Web広告を出稿した場合、どの広告がコンバージョンにつながりやすいかが分かれば、継続や改善の判断がしやすくなります。
よりよいマーケティングのためには、適切な効果検証が欠かせません。マーケティングを確実に成果につなげるために、しっかりと分析して改善していくことが大切です。
現状Webサイトの「どこに問題があるか」が数値でわかるので、改善すべきポイントがわかりやすくなります。現状を正しく把握できていないと、的はずれな対策をとってしまいかねませんが、そのリスクを減らすことができます。
例えば、「サイトへの流入数が少ない」という状況と、「サイトへの訪問数はあるが離脱数が多い」という状況は、「コンバージョンが少ない」という結果は同じでも、問題となる部分が違います。前者であれば集客施策に力を入れるべきですし、後者はサイト内の導線やサイトコンテンツそのものの見直しが急務です。
適切にアクセス改善を行うことで、無駄のない改善計画を考えることができます。
導入を検討していただきたいオススメのアクセス解析ツールを8つご紹介します。アクセス解析ツールを導入する際に注意したいポイントも後述しますので、その内容も参考にしながら自社にあったサービスを探してみましょう。
参照元:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/
Googleが提供している高機能なアクセス解析ツールです。基本的には無料で使うことができますし、分析できる項目やレポートが非常に充実しています。公式のガイドラインも豊富です。
ユーザーの流入数や流入経路(検索エンジン経由か、ほかのサイトからリンクされているか、SNS経由か など)、広告の収益状況、ユーザーのサイト内での行動、コンバージョンの達成状況などが細かく分析できます。
1点難をあげるとすれば、「どのようなキーワードで検索されたか」という部分の分析がGoogle Analytics上では難しいです。この点は、次に紹介するGoogle Search Console(サーチコンソール) と併せて使うことで解消できます。
総合的に考えて、使い勝手も、機能もよいおすすめのツールです。これからアクセス解析ツールを導入したいと考えている担当者は、まず試してみて損はありません。
詳しい使い方や登録方法は以下の記事で解説していますので、導入の際の参考にしてください。
https://digital-marketing.jp/access-analysis/web-tool-google-analytics/
参照元:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
Google Search Console(サーチコンソール)は、Google Analyticsと同様にGoogleが無料で提供しているツールです。主に、SEOの面で力を発揮するツールです。
このツールを使うと、Analyticsでは見られないGoogle検索のキーワード情報を見ることができたり、Googleの検索ロボットにWebサイトのクロールを促したりできます。キーワードごとの検索順位も分かるので、競合サイトと比較したときの強みや弱みが可視化できます。SEO的にエラーがあるページやインデックスされていない(サイト登録されていない)ページも見つけられるので、トラブルの事前回避にも繋がります。
Search Consoleはユーザー訪問前のデータ、Google Analyticsはユーザーが訪問した後のデータを分析するツールと考えるとわかりやすいです。この2つを連携することであらゆるサイト分析が可能になるとも言えます。ぜひ、併せて導入をしてみましょう。
詳しい使い方や登録方法は以下の記事で解説していますので、導入の際の参考にしてください。
引用元:Google Search Console(サーチコンソール)の登録・設定方法と使い方を徹底解説
「検索順位を知りたい」というWeb担当者の悩みを解決してくれるツールが、GRCです。Google Analyticsの弱みである「検索順位がわからない」という点を補完してくれます。
Webサイトと定点観測したいキーワードを登録しておけば、日々の順位変動を測定することができます。SEO対策の効果が出ているかの確認や、急な順位下落が起きていないかのチェックが簡単にできます。
登録できるサイト数や検索語数などによって、複数のプランが用意されています。基本的にはツールをパソコンにダウンロードして使うタイプのソフトなので、別のパソコンからの閲覧はできませんが、スタンダードプラン以上は、リモート閲覧機能もついています。
項目数に制限はありますが、無料版でも十分検索順位の確認は可能です。サイトが小規模な場合や、追跡したいキーワードが少ない場合は、まず無料版の利用可から始めてみると良いでしょう。
GRCの詳しい説明や使い方は以下のページで解説しています。導入の際の参考にしてください。
引用元:GRC検索順位チェックツールとは?SEOを意識した使い方
User Insightの特徴は、ユーザーが注目している箇所をヒートマップで可視化する機能があるところです。数値では気づきにくい部分も、直感的に判断しやすくなります。
ユーザーがどこに注目しているか、どこまでを表示しているのか、どのリンクをクリックしたかが分かります。実際にページのどの部分が読まれているか分かれば、内容のブラッシュアップやユーザーインターフェースの改善に活かせます。
サイト規模や望む機能にもよりますが、月額数万円以上の料金がかかります。
機能が豊富なアクセス解析ツールです。有料プランもありますが、無料で利用することも可能です。グッドデザイン賞を受賞しており、デザインも使い勝手も良いです。
無料プランでは、月3,000までのPVで、1ページのみヒートマップ利用が可能です。キャンペーンやコンバージョン、リアルタイムの分析もできるので、小規模なサイトであればまず無料プランから始めると良いでしょう。
「ユーザーごとに最適なコンテンツを提供する」という機能もあり、コンバージョンを増やすための積極的な取り組みにも使えます。
無料でシンプルなアクセス解析を行いたい担当者向けのサービスです。サイトに解析タグを貼るだけで使えるレンタルサービスです。最大4ヶ月のログを保存できます。アクセス数の上限はなく、最大120ページまでの分析ができます。
広告表示無しで使えるアクセス解析ツールです。無料で使えます。リンクの解析など、ユーザーの行動分析に強みがあります。
各ユーザーがどのリンクをクリックしたか、相互リンクしているサイトからどのくらいの人の出入りがあったかを分析できます。異なるドメイン間での追跡できる「クロスドメイン解析」に対応している、ユーザーをGPS解析することでエリアを特定できるという点も特徴的です。
参照元:https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics.html
Web分析はもちろん、さまざまなチャネルのデータを集めた高度なマーケティング分析、アトリビューション分析、予測分析などマーケティングを包括する機能が充実しているアクセス解析ツールです。
人工知能や機械学習を活用できるので、自分だけでは気づかないポイントに気づかせてくれ、マーケティングを大きく手助けしてくれます。
複数のアクセス解析ツールをご紹介しましたが、「どれを使っていいか分からない」という方もいらっしゃると思います。最後に、アクセス解析ツールを選ぶポイントをご紹介します。
アクセス解析ツールは有料のツールもあれば無料のツールもあります。Webマーケティングを行う上で、分析のための予算をどのくらい捻出できるかを考えてみてください。予算の範囲内で使いたい機能のあるツールを選びましょう。
Google Analyticsを始め、無料で提供されている使いやすいツールもたくさんあります。あまりアクセス解析に予算を割けないという場合は、まず無料ツールを活用することから始めても良いでしょう。ただ、無料である分、機能制限があったり、広告表示されたりと使い勝手が悪いと感じることもあるので、慎重に検討してください。
アクセス解析ツールによって、分析できる項目には違いがあります。Webサイト分析のためにどんな情報が必要なのか、機能を確認して比較しましょう。リピーターを増やしたいのか、新規顧客を増やしたいのかによってもアクセス解析ツールの導入目的は違ってきます。
導入したい目的をしっかり考えて、その目的を達成するためのアクセス解析ツールを選んでください。場合によっては、複数のツールを使うこともあります。「1つしか導入してはいけない」ものではないので、予算との兼ね合いも考えて検討してみてください。
アクセス解析ツールは、日常的に使い続けることになるツールです。担当者との相性も重要なポイントです。使いやすいインターフェースか、レポートは見やすいかなどを試した上で選ぶことをオススメします。有料のツールでも、トライアル機能や無料版のプランがあるので、それらを活用しましょう。
アクセス解析ツールは、Webサイトを適切に運用するためには必須のツールです。お店をただ開いていてもお客さんが来ないように、Webサイトも開設しただけでは本来の役割を果たせません。顧客を知り、問題点を洗い出すために、アクセス解析ツールを上手に活用し、戦略的なマーケティングに活かしましょう。
アクセス解析ツールもたくさんありますが、
・料金
・機能
・操作性
という観点から比較し、自社にあったものを選ぶようにしてください。解析ツールによって提供している分析機能が異なるので、予算の範囲内で複数を併用するのも良いと思います。
この記事を参考に、アクセス解析ツールの活用を始めてください。
この記事をご覧いただいている皆様へ。 このページは、SEO情報ブログ「ディーエムソリューションズの社員が作った、【SEOまとめ】」にて公開さ…
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