ひと昔前までは、SEOにとって重要な要素の一つであった「キーワード出現率」。ページ内にどのぐらいキーワードを含めるべきか悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、検索エンジンのアルゴリズム(検索エンジンがWebページのランク付けを行う仕組みのこと)が日々進歩していることによってページ評価の精度が上がり、昨今ではあまり重要視されなくなっています。
そこで今回は、現在主流となっているキーワード出現率の考え方について、SEOとの関係性から深掘りしていきます。
キーワード出現率とは?
キーワード出現率とは、特定のキーワードがWebページ内でどのぐらい使用されているのかを割合で表したもので、「キーワード比率」や「キーワード含有率」と呼ぶこともあります。
算出方法を以下のとおりです。
キーワード出現率(%)= 特定のキーワードの出現回数 ÷ ページの総単語数 × 100
例えば、ページ内の総単語数が100語あるとして、特定のキーワードが5回使用されていれば、キーワード出現率は5%ということになります。
キーワード出現率に対するこれまでの考え方
昔は、今とくらべて検索エンジンのアルゴリズムがまだまだ不完全であったため、ページ内におけるキーワードの数がサイトの順位を決定づける大きな判断要素となっていました。特に90年代では、キーワードの数が多ければ多いほど、そのキーワードをより詳細に説明しているページとして、検索エンジンに評価された時代でした。
しかし、このような仕組みは上位表示することだけにフォーカスした「ユーザーにとって価値のないページ」を乱立させるきっかけとなり、検索エンジンはアルゴリズムを強化する必要がありました。
2000年代になってからは、それまでよりもランク付けの判断基準が向上したことで、単にキーワード数を多くしても上位化できなくなり、むしろ、あまりにも多くキーワードを詰め込みすぎるとペナルティを受ける危険性もでてきました。「キーワードが多すぎるのはよくないが、逆に少なすぎても、ページ内で言及しているキーワードが検索エンジンに伝わりづらい」といった時代です。
そのため、どのぐらいの割合でキーワードを含めるのがベストなのか、様々な意見が飛び交うようになり、おおよそ5~7%ぐらいが最善とされました。
キーワード出現率という言葉が普及したのも、だいたいこのぐらいの時期からです。
現在のキーワード出現率とSEOの関係性
現在のSEOでは、キーワード出現率はそこまで重視しなくてもいい、という見方が一般的になっています。
これまでは、前章でご紹介してきたようなキーワードの多用やキーワード出現率の操作といった小手先のテクニックで、検索順位の上位にランクインできるケースが多くあったのが実状でした。しかしランキングアルゴリズムがさらに進歩した現在、検索エンジンは1つ1つのキーワードではなく、文脈を理解してコンテンツを評価できるようになっています。
今後、コンテンツを作る際はキーワード出現率を意識するのではなく、ユーザーの本質的なニーズを満たせているかどうかを判断基準に作成しましょう。
実際、キーワード出現率が少なくても上位化しているページは最近では数多く見受けられるようになっています。
キーワード出現率よりもタグの使い方に気をつける
現在、コンテンツ作成においてキーワード出現率よりも意識したいのは、タグの使い方です。特に以下3つのタグはSEOの中でも重要な位置づけにあり、キーワードを含めるようにしましょう。
- タイトルタグ:検索結果のページタイトルを指定するタグ
- hタグ:ページ内の見出しを指定するタグ。h1~h6まである
- メタディスクリプションタグ:タイトル下の説明文を指定するタグ
上記3つの中でも、タイトルタグとページの大見出しにあたるh1タグは検索順位に大きな影響を及ぼすため、キーワード挿入は必須といっても過言ではありません。
hタグに関しては、h1からh2、h3といったように順番に使用していく必要があります。h6に近づくほど検索順位に与える影響度合いは弱まりますが、h2以下の見出しタグにも自然な形でキーワードを含めるのがおすすめです。
メタディスクリプションに関しては、キーワードを含めることで検索順位に直接影響を与えることはありません。ただし、ユーザーの検索キーワードと文中のキーワードが一致した場合、検索結果に表示されるキーワードが太字で表示されるため、視認性が高まり、クリック率向上に効果があります。
このように、3つのタグ内でキーワードを使用することはとても重要ですが、くれぐれも自然な文章を心がけ、過度なキーワードの詰め込みは絶対に避けるようにしましょう。
キーワード出現率の今どきの活用方法とは
では、現在はキーワード出現率を確認する必要が一切ないのかというと、そうでもありません。先述したように直接上位表示に関与するわけではありませんが、競合コンテンツの傾向を把握し、リライトの方向性を決め、最終的に上位化を狙うという目的においては、キーワード出現率を確認することには一定の意味合いがあります。
例えば、上位表示を狙った記事コンテンツがなかなか競合よりも上位表示されないとき、自社と競合ページのキーワード出現率を比較してみましょう。このとき、競合ページにはあって自社ページには出現しないキーワードがあったり、出現率に大きなギャップがあるキーワードがあったりする場合、そのキーワードにこそ、競合が上位表示している理由があるかもしれません。そのキーワードについて言及したリライトができないか、考えてみましょう。
キーワード出現率を確認する無料ツール
最後に、キーワード出現率を確認するときに使えるおすすめの無料ツールを2つご紹介します。
ohotuku
出典:ohotuku.jp
ohotukuは対象ページのURLを指定の枠に入力するだけで、どのようなキーワードがどの割合で存在しているかを把握でき、さらに、調べたいキーワードを指定してチェックすることもできます。
表示件数は最大で50キーワードと、他の無料ツールと比較して一度に多く調べられるのも特徴です。
▶ohotuku
ファンキーレイティング
出典:FunMaker「ファンキーレイティング」
ファンキーレイティングは、タイトルやalt属性(画像の補足説明として使用される)に含まれるキーワードを除外するかどうかの指定ができます。また、h1に設定されている文言も同時にチェックできるため便利です。
▶ファンキーレイティング
おわりに
今回はキーワード出現率に関して、これまでから現在に至るまでの考え方や、活用方法についてご紹介してきました。
検索エンジンのアルゴリズムが発展してきたことで以前よりも上位表示することが難しくなっていますが、アルゴリズムはこの先もさらに進歩していくことが予測されます。それに伴い、本質的なユーザーニーズを理解することが求められ、当然、コンテンツを作成・執筆する技術も問われる時代です。
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