サーチコンソールの権限付与とは、複数人でツールを管理・閲覧したいときに、オーナーアカウントとは別のGoogleアカウントに閲覧や操作の権限を付与することをいいます。
一つのGoogleアカウントを複数人で使用することも可能ですが、セキュリティの観点や、管理不足によるアカウント紛失など、万が一の事態を考えるとあまりおすすめはできません。
そこで本記事では、サーチコンソールの権限付与や削除方法をはじめ、権限の種類についても解説していきます。
※前提として権限付与は、プロパティのオーナー権限を保持しているアカウントでないと実施できません。そのため権限設定をする際は、オーナーアカウントを用いて行うようにしてください。
利用しているアカウントがオーナーアカウントかどうかの確認方法は、権限を付与する際の注意点で解説しています。
サーチコンソールの権限付与の手順
それでは権限付与の操作手順を説明していきます。
まず、左メニューの「設定」をクリックし、「ユーザーと権限」を選択します。
次に、「ユーザーを追加」の青いボタンをクリックします。
すると、メールアドレス入力欄と付与する権限を選択できるポップアップが表示されるため、希望の条件を設定し、最後は「追加」をクリックします。
画面最下部に「ユーザーを追加しました」の黒いメッセージが表示されたら完了です。
サーチコンソールの権限を削除する方法
権限付与のときと同じように、左メニューの「設定」をクリックし、「ユーザーと権限」を選択します。
「ユーザーと権限」のカードの下に「ユーザー」というカードがあり、どのアカウントが何の権限を保持しているのかが一覧でわかるようになっています。
権限を削除したい対象アカウントを見つけたら、一番右にある三点リーダー「︙」をクリックし、「権限の削除」を選択します。
最後に確認画面が表示されるため「ユーザーの削除」をクリックし、削除完了のポップアップが表示されたら完了です。
なお、権限の変更を行いたい場合は、「権限の削除」の下にある「権限の変更」から行えます。
サーチコンソールの権限の種類
サーチコンソールの権限の種類は、オーナー・フル・制限付きの3つです。
それぞれどのように違うかを解説します。
オーナー(所有者)
プロパティを完全にコントロールできる権限であり、ユーザーの追加・削除・権限編集をはじめ、すべてのデータにアクセスできます。
この権限を持つべき人は、サイトの運営者や責任者が該当します。たとえ、そのサイトに携わっている社内の人であっても、一定以上の立場でないかぎり不用意にオーナー権限は渡さない方が良いです。
フル
すべてのデータに対してアクセスできますが、ユーザーの設定やサイトマップの送信など、一部の操作ができません。
付与対象者としては、Webマーケティングの支援をお願いしている代理店や、信頼できる社内の人がよいでしょう。
代理店に渡す際は注意が必要ですが、後述する「制限付き」だと確認できないデータが多くなってしまいます。
代理店からの有用な情報提供や提案を受けられなくなる可能性があるため、「フル」の権限を付与するのが一般的です。
ただし、Webサイト運営に対する知見が社内に十分あれば、代理店にはフル権限の付与をせず、社内のすべての人に権限を渡すという管理方法でも問題ないケースもあります。
制限付き
一部表示されないデータや操作できないものもありますが、ほとんどのデータに対してアクセス可能です。
操作を間違えると致命的なトラブルにつながるような設定や機能は制限されているため、この権限であれば、社内のすべての人や代理店に渡しても問題ないでしょう。
ただしそれでも、サイトに関するいくつかの重要な情報は見られるようになっているため、権限付与前に一度慎重になる必要があることは変わりありません。
上記権限でそれぞれ使える機能と使えない機能についての詳細は下記Google公式の表に記載がありますので、迷われる方は対象ユーザーが何をしたいのかを考えた上で、表を見て判断してください。
機能 |
オーナー (所有者) |
フル |
制限付き |
すべてのレポートを表示 |
〇 |
〇 |
〇 |
プロパティ設定(クロール頻度) |
〇 |
〇 |
表示のみ |
アドレス変更 |
〇 |
表示のみ |
表示のみ |
ユーザー管理 |
〇 |
詳細 |
詳細 |
インデックス登録の対象範囲 |
〇 |
〇 |
表示のみ |
ブロックされたURL |
〇 |
〇 |
〇 |
URL検査 |
〇 |
〇 |
取得のみ |
パフォーマンス |
〇 |
〇 |
〇 |
リンク |
〇 |
〇 |
〇 |
URLの削除 |
〇 |
〇 |
表示のみ |
リッチリザルトのステータスレポート |
〇 |
〇 |
〇 |
メッセージの受信 |
〇 |
〇 |
〇 |
再審査リクエスト |
〇 |
〇 |
– |
リンクの否認 |
〇 |
〇 |
– |
Googleアナリティクスアカウントとのリンク |
〇 |
– |
– |
プロパティ所有者の追加、削除 |
〇 |
– |
– |
データハイライター |
〇 |
〇 |
– |
修正の確認 |
〇 |
〇 |
– |
レポートリンクの共有 |
〇 |
〇 |
– |
ユーザーの追加 |
〇 |
– |
– |
サイトマップの送信 |
〇 |
〇 |
– |
権限を付与する際の注意点
権限設定をするアカウントがオーナーアカウントかどうか確認する
冒頭でも触れたように、ユーザーの権限付与や削除を行うにはオーナーアカウントである必要があります。
自身のアカウントがオーナーであるかどうか確かめるには、左メニュー「設定」から「所有権の確認」を確認してください。
以下のように「あなたは確認済みの所有者ではありません」と表示されるか、もしくは、「あなたは確認済みの所有者です」と表示される場合は、オーナーアカウントのためユーザー管理ができます。
確認済みの所有者と委任された所有者の権限に違いはありませんので、どちらでも問題ありません。
確認済みの所有者と委任された所有者の意味についてはGoogle公式ヘルプページにて以下のように解説されています。
“所有者: 所有者は、Search Console でプロパティを完全にコントロールできます。他のユーザーの追加と削除、設定、すべてのデータの表示、すべてのツールの利用が可能です。プロパティには 1 人以上の確認済み所有者が必要です。ユーザーは確認済み所有者のいないプロパティにはアクセスできません。所有者には次の 2 つの種類がありますが、どちらも同じ権限を持ちます。
確認済み所有者: 所有権を証明するトークン(ウェブサイトにアップロードされた HTML ファイルなど)を使用してプロパティの所有権を確認した人。確認済み所有者を追加または削除するには、サイトでトークンを追加または削除する必要があります。
委任された所有者: 確認済み所有者が、確認トークン(HTML ファイルや HTML タグなど)を使用せずに所有権ステータスを付与した人。委任された所有者の追加または削除は、任意の種類の所有者が Search Console のユーザー管理画面を使用して新しい所有者を追加または削除するだけで行えます。”
一方で、以下のように「あなたは確認済みの所有者ではありません」と表示されている場合、そのアカウントはオーナーではありませんので、オーナーアカウントを使用するか、上述の手順でオーナーアカウントからオーナー権限を付与してもらいましょう。
機密性を意識し管理を徹底する
サーチコンソールではサイトに関わるあらゆる情報が閲覧できるため、不用意に権限を渡していいものではありません。
社内の誰かに権限付与するのであればそこまで心配する必要もないかと思いますが、当社のような代理店や、その他外部の関係者に付与する場合は、本当に信頼できる相手かどうかをきちんと見極めるようにしましょう。
例えば代理店側からすると、契約前段階での営業提案を良いものにするために、参考としてサーチコンソールやGoogleアナリティクスの権限付与をお願いするケースが少なくありませんが、そういった依頼があった場合でも、一度社内で権限を付与しても良いかを話し合うと良いでしょう。
また、古くなって現在使っていないユーザーアカウントが残っていないかも確認が必要です。すでに契約終了した代理店のアカウントが残っていたりすると、悪用される危険性も0ではありません。
そのため、どのアカウントにどのような権限が付与されているかは定期的に確認してきましょう。
おわりに
本記事では、サーチコンソールの権限付与や削除方法について解説しました。
操作自体は非常に簡単ですが、設定を行うにはオーナーアカウントである必要があるため注意が必要です。
またデジ研では、他のGoogleツールであるGA4やGTM(Googleタグマネージャー)に関する権限付与方法についても解説していますので、必要な方はそちらも参考にしてください。
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