「UX」「UI」「ユーザビリティ」はWeb制作でよく耳にする用語ですがみなさんは意味や違いを正しく理解していますか?
これらの用語・役割は、よく間違えられることもあり代替可能で重複するところもあるので、困惑してしまう方も多いかもしれません。
こちらの記事では、「UX」「UI」「ユーザビリティ」のそれぞれの違いや関係性と、なぜWeb制作で重要視すべきなのかをご紹介します。
目次
まずは「UX」「UI」「ユーザビリティ」って何なの?というシンプルな疑問から解消したいと思います。
UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略称です。
Experienceは体験や経験という意味を持ち「ユーザーが製品・サービスを利用して得られる体験」すべてを指します。
ユーザーの主観・時間・状況に応じて得られるすべての体験が含まれるため、ネガティブな面もポジティブな面も総じてUXと言えます。
そのため、基本的にポジティブで満足度が高くなるように設計されるものでなくてはなりません。
Webサイトを通じたUXの身近な例として
などが挙げられます。
UIとはUser Interface(ユーザーインターフェイス)の略称で「ユーザーと製品・サービスの接点」すべてを指しますが、多くは、見た目や操作性のことを言います。
ユーザーが知りたい情報に到達しやすくするための手段であるグローバルナビゲーションやボタン・画像などもUIのひとつです。
「ユーザーの求める情報をどのような配置で表示するか」「見た目や操作性は適切か」などを考えて設計していきます。
Webサイトなどで一般的に言われているユーザビリティとは「見た目や操作性の有効さ、効率、満足度を表す概念」のことを指します。
1998年に定められた国際規格ISO 9241-11では、ユーザビリティは「ある製品が特定の利用者によって特定の状況下で特定の目的を達成するために用いられる際の有効さ、効率、満足度の度合い」と定義されています。
ユーザビリティ:特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い。
参照元:ISO 9241-11:2018を当社にて日本語訳
ユーザビリティの良し悪しは、「利用状況」が決まっているうえで「有効さ」「効率」「満足度」の指標をもとに判断できるものであるため、どのようなユーザーがどういう状況で何を目的にしているのかが定められていないと評価ができません。
つぎに「UX」「UI」「ユーザビリティ」の3つを比べたときの違いや関係性について紐解いていきます。
UX とUIは「ユーザーと製品・サービスの接点」と「ユーザーが製品・サービスを利用して得られる体験」という異なる特徴を持っていますが、相互に影響を与える存在です。
例えば、色・サイズに配慮された読みやすい文字や、情報の配置が整ったデザインで構成されたUIは、ユーザーに「読みやすい・使いやすい」という体験を与えることができます。つまり、UIはUXを構成する要素にあたります。
そのため、 Webサイトそのものを改善するには見た目や操作性などのUIが先行してしまってはいけないということが言えます。
UXを構成する要素のUIは「ユーザーと製品・サービスの接点」などの見た目や操作性自体のことに対して、ユーザビリティは「見た目や操作性の有効さ、効率、満足度を表す概念」であるため「UIの指標」であると言えます。
Webサイト上のボタンを例にすると、UIは「ボタン」自体のことであり、ユーザビリティはそのボタンが「押しやすいかどうか」「認識しやすい色か、わかりやすい場所にあるか」などの有効的、効率的かなどの評価のことを言います。
また見た目や操作性から得られた「満足度」はUXにもつながるということです。
3つすべての関係性をまとめるとUIはユーザーとの接点である製品・サービスの見た目や操作性を指し、ユーザビリティは製品・サービスの評価にもつながるUIの指標であるため、UXはUIやユーザビリティの要素すべてを包括している。ということになります。
関係性を踏まえて考えると優れたUXを提供するためには最適な見た目や操作性(=優れたUI)にすることが必須であり、優れたUIはユーザビリティに長けた設計にする必要があります。
つまり、UXを高めるためにはUIやユーザビリティは切っても切り離せないということです。
UX/UIはSEOにも影響を及ぼす存在であると言えます。Googleが良質なユーザー体験を最重視していることはご存じの人も多いかと思いますが、UX/UIはどこで見られているのか、なぜ重要視されているのかよくわからない人は多いのではないでしょうか。
SEO順位にも影響のある「直帰率」「離脱率」「平均セッション時間」などはユーザー体験に基づくため、「良質なユーザー体験」を測る数値として考えられます。
前述のとおり、ユーザーが製品・サービスを利用して得られる体験のすべてがUXのため、数値を見る事でマイナス要因を見つけることもできます。
求めていた情報と違う、次の導線がわからないなどユーザーが満足していない
求めている情報がなかった、使いづらかった
また、「ページの見やすさ、使いやすさ」「ユーザーの実際のページ速度」などは、
ユーザーの満足度に直結するものであるため、SEOにも大きく影響を与える要因のひとつと言えます。
UXの基盤となるUIやユーザビリティは「ユーザーの利便性を追い求め続ければ、他のものは自ずと後から付いてくる」という経験上のもとGoogleが検索エンジン発足当初から非常に重要視しています。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。(中略)Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。
また、ウェブマスター向けのガイドラインにもあるように、ユーザーが利用しやすいようなUI設計だけではなく、Googleクローラーがウェブサイトの全コンテンツを検出・理解しやすいような内部設計を推奨しています。
一般的なガイドラインに沿ってサイトを作成すると、Google がサイトを認識し、インデックスに登録し、ランク付けをするプロセスをスムーズに行う手助けとなります。
一般的なガイドライン
Google がページを検出できるよう手助けする
Google がページを理解できるよう手助けする
訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
以上のことから、最適なUX/UI設計を行うことで得られる「ユーザーが発見できる情報の質」や「ユーザーの検索体験を著しく損ねないサイト」にすることは、SEOでもとても重要であると言えます。
近年の市場動向を見てみるとヒットしている製品・サービスにも「ユーザーや顧客に対して最もふさわしい利用体験を提供している」という一貫した共通性が見られます。
これは言い換えると「スペックや性能などの商品自体に価値を感じお金を払う時代から、商品を通じた”経験”に価値を見いだす時代になっている」ということであり、ユーザーは製品・サービスを通じて得た体験をそのまま企業や製品・サービスのイメージに直結している傾向にあると考えられます。
ただ良い商品やサービスを作るということだけでなく「利用した際に具体的に何を得られるか」「その経験に魅力を感じるか」もビジネスの成功を左右する要因となり得るため、Webサイトやアプリを通じたビジネスにおいても「UX」「UI」「ユーザビリティ」といったユーザー体験・接点の構築や使いやすさを重視することがとても大切になります。
相互に影響を与えるUX/UIですが、改善にあたって大切にしているポイントの一部をそれぞれご紹介します。
UXを改善する場合、ユーザーによって感じ方が異なる要素にも着目する必要があります。機能性や操作性とは異なり、Webサイトの色・デザイン・テイストなどは個人の好みによって良し悪しが分かれる傾向にあるため、UXも「各ユーザーの好みに沿っているかどうか」によって大きく左右されると言えるからです。
そのため、UXの改善を図るには、ターゲット設定・ターゲットへの理解を深めることが重要です。年代・趣味・生活スタイルなどからターゲットを絞り込み、その嗜好を反映したWebサイトを作り上げることが優れたUXの提供につながります。
UIを改善するには、設計されたUXに基づいて各要素の機能性を向上させ、ユーザーの使用感を高める要素に着目することも重要なポイントです。
簡単な例として、
などのユーザーにストレスを与えてしまう要因があれば、最適な見た目や操作性に改善していくことでユーザビリティの向上を図ることができます。
機能面においてはどのサイトにおいてもコンセプトや目的に沿ったうえで最低限保たなければならず、機能性の低いサイトは共通して好まれません。
そのため、UIを改善する際には各要素の機能性を見直すことも大切です。
Webサイトを制作するうえで、特にUI/UXデザインが重要なページや箇所を一部ご紹介します。
サイト全体を通して目的やターゲットに合った設計になっているか、ページの見やすさ・使いやすさは最適かを意識して制作する必要があります。
見やすさ・使いやすさだけではなく、サイトの構造も含めユーザーが見たいコンテンツに早くたどり着けるように配慮することも大事なことです。
ナビゲーションとは、各ページに共通して置かれる、サイト内のどこに何があるのかを簡潔にまとめたリンク集やメニューなどのことを指します。
ナビゲーションがあることでユーザーが見たいコンテンツに素早くたどり着くことができ、
UXの観点でも、ユーザーが理解しやすくシンプルな構造であると評価の向上が期待できるため、制作目的に応じて対策をする必要があります。適切なグループ化とラベリングをしてデザインすることも重要なポイントです。
CTAとは日本語では「行動喚起」と言われ、ユーザーに起こしてもらいたい行動を促すためのエリアです。
例えば「他要素を考慮した構成」や「押せると直感的に思えるようなデザインにする」など、いかにユーザーに次の行動を促せるかがカギとなってきます。
フォームは、使いにくいだけでユーザーが当初企業に対して抱いていた信頼感がマイナスに転じてしまうこともあると言われるほど大切な要素のひとつです。
そのため改善をすることで、CV率の向上につながることも多いです。
などユーザーが不快に感じる手間を極力減らし、入力してもらえるように配慮することが重要です。
ECサイトはサイト上のみで「この商品が欲しい」と思わせて購入してもらわなければなりません。そのため、ブランドに沿ったデザインだけではなくユーザーの欲しい情報にしっかりいけるわかりやすいサイト制作が求められます。
難しい点としては、多くの機能を盛り込むことがユーザーの利便性につながるとは限らないというところです。ユーザー目線を意識して、盛り込む要素の精査や商品購入までの導線を配慮し「使いやすく」「わかりやすい」サイトにすることも重要です。
運営しているWebサイトの成果を最大化したい場合は、UI/UX視点での課題洗い出しが必要です。当社は解析ツールや経験則から得られたヒューリスティック分析、ユーザビリティテストを用いてご依頼主のWebサイトの高いパフォーマンスを引き出します。相談をご希望の方は「UI改善提案」をご確認ください。当社の実績やWebサイト制作サービスは「Webサイト制作」をご確認ください。
今回は「UX」「UI」「ユーザビリティ」それぞれの違い・関係性となぜ重要視されているのかを紐解いていきました。
「UX」「UI」「ユーザビリティ」についてはまだまだ深く知るべきことも多くありますが
目的やターゲットを明確にしていくことやユーザーの気持ちを理解すること、より良い体験ができるかを考えて情報設計していくことがいかに大切なのか…。
Web業界で働く身としても、備忘録も兼ねておさらいできたように思います。
UX段階から検討し俯瞰したWebサイト制作を依頼したいお客様や、UI改善を検討しているお客様もぜひご相談ください。
ニュートラルワークスが運営する「QUERYY(クエリー)」では、「UX」「UI」「ユーザビリティ」の違いや関係性と、なぜWeb制作で重要視すべきなのかを『UXとUI、ユーザビリティとは?制作での重要性とそれぞれの違いについて』という記事にて、詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。
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