ウェブサイトを公開する際に必ず必要なサーバですが、自社の状況にあったサーバを選択する必要があります。
しかし、サーバには、共用サーバやVPS、専用サーバ、パブリッククラウドなど、さまざまな選択肢が存在するため、どれを選べば良いのかが分からない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、それぞれのサーバの違いを初心者目線で分かりやすくご説明します。
ウェブサイトを表示するには、デジタル情報を格納するための倉庫が必要です。デジタル情報を入れる倉庫(箱)のことをサーバといいます。
私たちが普段何気なく利用しているインターネットで、下記のようなことができているのは、サーバがあるからです。
上記のことは、サーバが情報のやりとりを適切に行うことで実現します。ちなみに、サーバの語源は、サービスから来ています。日常会話で“サービス”という言葉でやりとりすると意味が分かりづらいため、サーバと呼ばれています。
インターネット上でできることは、すべてサーバがあるからこそ実現できると考えれば、「自分がどんなものを導入しようとしているのか」イメージとして掴めるのではないでしょうか。
サーバで使用される用語を少し整理しておきましょう。サーバには、クライアント(client)という用語が頻繁に出てきます。クライアントとは、サーバから情報を受け取る私たちユーザーのことです。サーバは、クライアントの要求に応じて、テキストや画像、動画など、サイトを表示するために必要なさまざまなファイルを提供します。つまり、クライアントの要望(リクエスト)に応じて、サーバは稼働(レスポンス=情報を提供)しています。
また、サーバは今まで説明したようなウェブサイトを表示するためのWEBサーバは別にメールなどをやり取りするメールサーバ、データベースやソフトウェアを保存しておくサーバなどもあり広義にわたります。
まずサーバは大きくわけると物理サーバと仮想サーバの2種類が存在します。
物理サーバとは、その名の通り物理的に存在、つまり、目に見えるかたちで存在するサーバになります。
物理的に存在するため、サーバに負荷がかかっている際に、容量や別のサーバを増設したりすることで、対策を行うことができます。
一方で、仮想サーバとは、物理的に存在しないサーバをソフトウェア上(仮想空間上)で存在させるサーバになります。
通常サーバは1つのサーバに1つのOSしか入れることができませんが、仮想サーバの場合、1つのサーバでも複数のOSを入れることが可能になります。
そのため、台数を少なくしてサーバを運用することができ、コストを削減することができます。
さらに、社内でサーバを導入する場合の選択肢として大きく分けて下記の約4種類存在します。
どれを導入するかによって月額の使用料金や具体的な機能性などが変わってきます。
どのような違いがあるのか、簡単な比較表を作成しましたので、具体的に整理していきます。
価格帯 | 設定の難易度 | 共有有無 | 仮想or物理 | |
---|---|---|---|---|
共用サーバー | 月額100円~ | 簡単 | 共有する | 物理 |
VPS | 月額500円~ | 一定の知識が必要 | 共有しない | 仮想 |
専用サーバー | 月額1万円~ | 難しい | 共有しない | 物理or仮想 |
パブリッククラウド | 導入企業の規模による 契約先に要相談 |
簡単 | 共有する | 仮想 |
ウェブサイトを開設する際、もっとも利用されているのが共用サーバです。人によっては、レンタルサーバとも呼びます。
共用サーバは、WEBサーバを複数の利用者が共同で使用する形のサーバになります。
1つのサーバを複数のユーザーで利用するため価格は安いですが、他者の利用による影響を受けてしまいます。例えば、他のユーザーのサーバーへのアクセスが多い際には自社のサイトへも影響が出てサーバが重くなり表示速度が遅くなることがあります。
つまり、多くの人が集まって生活するシェアハウスのようなもので、他者の干渉は避けられません。
しかし、トラブルを予防するためにメモリの上限が設定されているため、安全策はしっかりととられています。
価格帯が安いものだと、月額100円程度のものも存在しますが、正式に導入を検討しているのなら、エックスサーバやさくらサーバなど、大手のサーバ会社のものを月額1000円程度で利用することをおすすめします。
導入するにあたり初期設定は、非常に簡単です。マニュアル通りに進めれば、即日初期設定が終わります。すでに、インターネット上で使い方が数多く紹介されているため、不明点があれば検索するとすぐに出てきます。
共用サーバのメリットは下記になります。
一方で、共用サーバには、下記のようなデメリットがあります。
1つの物理サーバの中に、複数のサーバを仮想的に構築して利用するサービスをVPSといいます。ホストOSを土台として、利用者ごとにゲストOSが与えられるため、サーバの利用者同士が影響を与えてしまうことは少なく、他者の利用によるサーバ障害の影響や動作が遅くなるなどの問題が基本的に発生しません。
共用サーバは、サーバ領域を共有するためメモリやCPUに制限がありますが、VPSならゲスト専用のものが用意されているため、負荷のかかる利用でも対応可能です。
VPSは、月額500円程度から利用可能です。高くても数千円程度なので、それほどランニングコストが負担になることはありません。
他にも、root権限が解放されているため、共用サーバよりも自由度が高いです。しかし、自由度が高い分、サーバの初期設定やメンテナンスなどを自分で行わなければいけません。
VPSのメリットは下記になります。
一方で、VPSには、下記のようなデメリットがあります。
1台のサーバを独占的に使用できるサービスを専用サーバといいます。そのため、他者の干渉を受けることがありません。あらゆるサーバ形態の中でももっとも自由度が高く、あらゆるカスタマイズに適応できます。
しかし、専用サーバは、どんなときに必要なのでしょうか?例えば、巨大なポータルサイトを運営するには、膨大なアクセスに耐えられる高機能な大容量サーバが必要となります。共用サーバなら耐えられない強い負荷でも、高機能な専用サーバを構築し単独利用することで安定したポータルサイトの運営が可能となります。
専用サーバを構築するには、最低でも月額1万程度かかることを想定しておきましょう。共用サーバの1年~数年分の予算が1ヶ月でなくなるため、それなりにまとまったランニングコストがかかります。
自由度の高いカスタマイズができる反面、サーバを適切に扱うためのサーバ設定スキルや導入後のメンテナンススキルが要求されます。設置の難易度が高いためエンジニアとしての高い知見が求められます。
万が一、専用サーバを構築する必要性があるものの、設置やメンテナンススキルが不足しているのなら、サーバ会社に設置やメンテナンスの代行を依頼しましょう。その分、手数料を支払うことになるため高額になりますが、社内に技術者がいないからといって専用サーバが利用できないわけではありません。
専用サーバのメリットは下記になります。
一方で、専用サーバには、下記のようなデメリットがあります。
パブリッククラウドは、サーバ本体やOS、サーバまで、環境全体をすべてのユーザーで共有するサーバです。
共用サーバよりは、利用制限が少なく、自由度が比較的高いため、個人から大企業まで、契約者の事業規模に応じて手軽に導入できます。
パブリッククラウドは、CPUやメモリが自由にセレクトできると同時に、ウェブサイトの運用方法に合わせてカスタマイズが可能です。契約後の基本的なサーバの運用は、クラウド事業者が実施するためトラブルなどの対応は、すべて代理で作業を進めてくれます。
基本的に、サービスの使用方法によって請求金額が大きく変わります。利用先のパブリッククラウドの利用料金が想像以上に高く、月額請求費用を見て愕然とされる方もいます。パブリッククラウドを導入する際は、導入前に契約先に問い合わせて簡単な見積もりをもらうようにしましょう。
パブリッククラウドを導入するにあたり専門的な知識や技術は、ほとんど必要ありません。オンライン上から申込みを済ませれば即日利用を開始できます。
パブリッククラウドのメリットは下記になります。
一方で、パブリッククラウドには、下記のようなデメリットがあります。
どのようなことがしたいのか、予算に見合ったサーバを選ぶことが重要です。
小規模なウェブサイトの運営に、専用サーバは必要ありませんので、エックスサーバやさくらサーバなどの共用サーバで十分でしょう。
しかし、同じウェブサイトでも巨大なアクセスが集まるポータルサイトの運営を視野に入れているのなら、専用サーバやパブリッククラウドがオススメの可能性があります。
つまり、どのような目的でサーバを導入するのかを明確にして、用途に合わせて選ぶようにしましょう。
今回は、共用サーバやVPS、専用サーバ、パブリッククラウドなど、さまざまなサーバの特徴や違い、選び方について説明してきましたが、サーバに興味を持っていただけましたか?最初は、難しいと感じていたかもしれませんが、サーバの簡単な概要を知るだけで、おおよそ自分自身が契約すべきサーバが把握できたのではないでしょうか。
それぞれのサーバのメリットやデメリットから、想定される問題を考慮して、適切なサーバ選びをしてください。
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